JPS6119325Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は気化室に供給する燃焼用空気の静圧を
利用して液体燃料を供給し、気化させて前記空気
と予混合させ燃焼させるように構成した液体燃料
燃焼装置に関する。

従来のこの種燃焼装置は燃焼用空気の流通する
送風路を気化室に開口し、この開口部内に定油面
器に連通させた燃料供給管先端の燃料供給口を配
置して前記気化室に臨ませている。そして、燃焼
用空気の流れによつて送風路内に発生する静圧定
油面器に導入し、この静圧に応じた燃料を気化室
に供給し、気化して空気と予混合させ燃焼させて
いる。この燃焼装置では、送風機電圧等を変える
ことにより送風量を調節すれば静圧の変化によつ
て燃料供給量が自動的に調整される。従つて、簡
単な操作で入力調節が可能であり、常に所定の空
燃比に維持されるため、排ガス中にスス或いは一
酸化炭素等の有害排出物が少ない安定した青炎燃
焼が実現できるという利点がある。

一方、燃焼停止操作は送風機を停止させること
により定油面器に導入する静圧を取り除き燃料供
給をストツプして消火するようにしている。

しかしながら、従来装置の燃焼停止操作では、
送風機の停止動作が瞬時的なものでなく燃焼用空
気の流量とこれに伴う静圧の低下がアナログ的で
あり、安定燃焼範囲以下まで低下した時点で燃料
濃度が薄くなり吹消えにより消火に至るものであ
つた。このため、第１図に示す如く、消火時の排
出ガス中に含まれる未燃燃料（HC）が急激に高
くなり、消火後も高濃度の未燃燃料が滞留し再着
火時に排出されるので未燃燃料が多く排出され易
いという問題があつた。

本考案は上記の実情に鑑みてなされたもので、
空気供給管に一端を接続した加圧通路の途中に、
大気と連通させるための通路開閉弁を有すると共
に該開閉弁より上流側に開閉弁方向に向かつて拡
がるエジエクター部を形成し、該エジエクター部
側部と定油面器とを連通した構成とすることによ
り消火時に燃料供給を瞬時にストツプさせて、上
記従来の欠点を解消することを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第２図は本考案の燃焼装置の１実施例を示す。
図において、１は図示しない送風機に連通し燃焼
用空気の送風路をなす空気供給管で、その先端に
ノズル部１ａを有する。２は図示しない燃料タン
クに３の連結管を介して連通した定油面器、４は
定油面器２内に溜められた液体燃料に浮遊する浮
子で、その頭壁には連結管３の流出口に対応した
位置にニードル弁体４ａが固定されている。５は
空気供給管１内の送風静圧を定油面器２内の上部
空間に導入し液面に加圧するための加圧通路とし
ての加圧管で、空気供給管１に接続した細管５ａ
の他端を太管５ｂに嵌挿し、該太管５ｂの他端を
通路開閉弁としての電磁弁６を介して大気に連通
可能にすると共に、前記嵌挿された細管５ａ先端
近傍、即ち電磁弁６に向つて拡がるエジエクター
部に定油面器２との連通管５ｃを太管５ｂから略
直角に分岐し構成されている。７は一端が定油面
器２底部に連結され他端がノズル部１ａ内から後
述する燃焼器の気化室８に突出開口した燃料供給
通路としての燃料供給管で、前記突出した燃料供
給口７ａの部分は針形状をなしている。８は前述
の気化室で、アルミニウム等の熱伝導性の良好な
金属材料で形成した気化室壁９で囲まれ、側壁部
には前記ノズル部１ａが取り付けられている。１
０，１０はセラミツクヒータ１１の電極、１２，
１２はアルミナ等で成形された絶縁板、１３は気
化室８上部に設けた混合促進板、１４は整流板、
１５は炎孔板、１６は火炎検出用のイオン電極、
１７はイオン電極１６からの信号に基づいて燃焼
を制御する燃焼制御器、１８は火炎である。

かかる構成による燃焼装置の動作を説明する。
予熱開始から定常燃焼までは従来と同様であり、
まず、セラミツクヒータ１１で気化室壁９を加熱
し予熱を開始する。気化室壁９が所定温度に昇温
し予熱が完了したら送風機がONとなり空気供給
管１のノズル部１ａより燃焼用空気が気化室８内
に供給されると加圧管５を介して定油面器２内の
液面に空気供給管１内に発生した送風静圧が加圧
される。すると、前記静圧に応じた量の液体燃料
が燃料供給管７の供給口７ａから気化室８に供給
される。この液体燃料は空気噴流により微粒化さ
れ気化室壁９上で瞬時に気化し燃焼用空気と混合
する。混合気は混合促進板１３を通過中に更に混
合し、整流板１４で整流され炎孔板１５上で点火
装置（図示せず）により点火されスス、一酸化炭
素等の有害排出物の極めて少ない安定した火炎１
８を形成する。燃焼中は気化室壁９に火炎１８か
ら熱回収するので熱効率が良好である。また、イ
オン電極１６によりイオン電流の電流波形を観測
し常に火炎状態を監視し、万一消炎した場合には
燃焼制御器１７により安全に燃焼を停止する。

一方、燃焼停止動作は電磁弁６をONし加圧管
５の太管５ｂ他端を大気に開放することにより行
なう。即ち、電磁弁６をONして加圧管５を大気
に開放すると太管５ｂを介して外部へ空気流が噴
出し定油面器２との連通管５ｃ内に瞬時的に負圧
が発生し燃料供給管７内の燃料は定油面器２側へ
急速に逆流するので、燃料供給が瞬時にストツプ
し燃焼が停止しこれをイオン電極１６が検出して
燃焼制御器１７により送風機の運転が停止する。
従つて、第３図に示す如く消火時の未燃燃料
（HC）の濃度が大幅に減少し、また前記逆流現象
によつて燃料供給口７ａ近傍に燃料が滞留しない
ので、再着火時の予熱期間円における前記濃度も
極めて少なくなる。尚、第３図には送風機及び電
磁弁６のタイミングチヤートとその時の定油面器
２内の圧力状態も合わせて示してある。

そして、本装置において、電磁弁６を点火時に
開放状態に設定し送風圧が定常に達した後に電磁
弁６を閉動作するよう構成すれば気化室８内のプ
レパージが行なえ燃料洩れ等が万一あつても爆発
等の危険を防ぐことができ安全性が向上する。同
様に消火後ポストパージを行なえるように構成し
気化室８内に燃料蒸気が滞留するのを防止するこ
ともできる。

尚、加圧管の形状は第２図示のものに限らず、
例えば第４図ａのように細管５′ａと太管５′ｂと
を単純に一体化したもの或いはｂのように定油面
器２との連通管５ｃ近傍にオリフイス２０を設け
たものでも良い。

以上説明したように本考案によれば、空気供給
管に一端を接続した加圧通路の途中に、大気と連
通させるための通路開閉弁を有すると共に該開閉
弁より上流側に開閉弁方向に向つて拡がるエジエ
クター部を形成し、該エジエクター部側部と定油
面器とを連通した構成としたので、燃焼停止時に
開閉弁を開放することにより空気供給管からの空
気流が加圧通路を介して大気に放出されるが、そ
の際前記エジエクター部におけるエジエクター効
果により定油面器内が瞬時的に負圧状態となり、
これにより燃料供給管内の燃料が定油面器側に急
速に逆流して燃料供給が瞬時にストツプするの
で、消火が瞬間的に行えるだけでなく消火時の未
燃燃料の排出量を極めて少なくすることができ
る。

また、前記逆流現象によつて燃料供給管の燃料
供給口近傍に燃料が滞留しないので、再着火時の
予熱期間中における未燃燃料排出量を大幅に低減
することができる。

尚、点火時に通路開閉弁を開放状態に設定し燃
焼用空気の送風圧が定常状態に達した後に通路開
閉弁を閉動作するように構成すれば、気化室内の
プレパージが行え燃料漏れ等が万一あつても爆発
等の危険を防ぐことができ安全性を向上させるこ
とが可能となり、同様に消火後ポストパージを行
えるように構成し気化室内に燃料蒸気が滞留する
のを防止することも可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の燃焼動作と未燃燃料濃度と
の関係を示す図、第２図は本考案に係る液体燃料
燃焼装置の１実施例を示す簡略構成図、第３図は
同上装置のタイミングチヤート及び燃焼動作と未
燃燃料濃度との関係を示す図、第４図ａ，ｂは加
圧管のそれぞれ別の実施例を示す拡大図である。 １……空気供給管、１ａ……ノズル部、２……
定油面器、５……加圧管、５ａ……細管、５ｂ…
…太管、５ｃ……連通管、６……電磁弁、７……
燃料供給管、７ａ……燃料供給口、８……気化
室、２０……オリフイス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼器の気化室に連通して取付けた空気供給管
   のノズル部内に、液体燃料が溜められた定油面器
   と連通した燃料供給管の燃料供給口を配置すると
   共に、前記空気供給管内を流通する燃焼用空気の
   静圧を前記定油面器に導入する加圧通路を有し、
   前記静圧を利用して燃料を気化室内へ供給する液
   体燃料燃焼装置において、空気供給管に一端を接
   続した前記加圧通路の途中に、大気と連通させる
   ための通路開閉弁を有すると共に該開閉弁より上
   流側に開閉弁方向に向かつて拡がるエジエクター
   部を形成し、該エジエクター部側部と前記定油面
   器とを連通した構成としたことを特徴とする液体
   燃料燃焼装置。