JPS6119205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、トラツククレーンの油圧回路のよう
に油圧アクチユエータの作動回路とアキユームレ
ータの充填回路へ共通の油圧供給回路から圧油を
供給するようにしたアキユームレータへの充填回
路を含む複合油圧回路に使用される切換弁装置に
関する。

（従来の技術） 従来例えばトラツククレーン等に於いては、第
１図示のようにアキユームレータａの充填回路ｂ
をウインチ用の油圧モータｃへの作動回路ｄと共
に切換弁ｅを介して油圧ポンプｆからの油圧供給
回路ｇに接続して複合油圧回路とし、該切換弁ｅ
が中立位置ｈにあるときはそのセンタバイパス通
路を介してアキユームレータａの蓄圧を行ない、
切換位置ｉにあるときは作動回路ｄが供給回路ｇ
に接続されて油圧モータｃが駆動されるようにし
たものが知られている。この場合該切換弁ｅのス
プールがストロークエンドまで操作されて完全に
切換位置ｉに切換われば、充填回路ｂは閉じられ
供給回路ｇの流体は専ら作動回路ｄに供給され、
その流量に応じた速度で油圧モータｃを駆動出来
るが、トラツククレーンでは、該油圧モータｃの
速度コントロールのため該切換弁ｅのスプールを
完全に切換えず中間位置ｎに操作し、作動回路ｄ
のポートをスプールで半分塞ぐような状態として
流量を制限することが多い。この中間位置ｎで
は、通常供給回路ｇは充填回路ｂと作動回路ｄの
両方に接続されており、この時にアキユームレー
タの蓄圧が低下してアンロードリリーフ弁ｍが閉
じ、充填回路ｂの圧力が作動回路ｄの圧力よりも
高い蓄圧力にまで上昇すると、作動回路ｄの圧力
も該蓄圧力に高まるので油圧モータｃは異常な速
度で作動する危険がある。

そのため該作動回路ｄにその回路圧を抽出する
シヤトル弁ｊを設けると共に、その抽出した圧力
で充填回路ｂをタンクｋに接続するハイドロ切換
弁ｌを設け、切換弁ｅが作動回路ｄを供給回路ｇ
に接続するように操作されたとき、ハイドロ切換
弁ｌは充填回路ｂが蓄圧力にまで高まらないよう
にこれをタンクｋに接続するように作動し、油圧
モータｃをアキユームレータａへの蓄圧に優先し
て駆動するように構成している。

（考案が解決しようとする問題点） 前記のようにシヤトル弁ｊやハイドロ切換弁ｌ
を設けると機器の個数が増えて回路が高価にな
り、これらの機器への配管個所も増え、作業性が
悪い欠点がある。

本考案は、充填回路及び作動回路と油圧供給回
路の間に介在された共通の切換弁を利用し、特別
の機器を回路中に設けることなく前記欠点を解決
することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、アキユームレータ１の充填回路２
２と油圧モータその他のアクチユエータ３への作
動回路４とを共通の切換弁５を介して油圧ポンプ
６からの油圧供給回路７に接続して複合油圧回路
８とし、該切換弁５に、該充填回路２と該供給回
路７とが接続されてアキユームレータ１の蓄圧を
行なう中立位置９と、該作動回路４を該供給回路
７とタンク戻り回路１０とに接続してアクチユエ
ータ３を駆動する切換位置１１とを設けるように
したものに於いて、該切換弁５に、これが該中立
位置９から切換位置１１に切換わる間に、該充填
回路２と作動回路４及び油圧供給回路７をタンク
戻り回路１０に接続する第１位置１２と、該充填
回路２を遮断し作動回路４及び油圧供給回路７を
タンク戻り回路１０に接続する第２位置１３と、
該作動回路４へ前記供給回路７の流量の一部を供
給すべく該作動回路４とタンク戻り回路１０とを
接続し且つ油圧供給回路７を絞り１４を介してタ
ンク戻り回路１０に接続する第３位置１５とを順
次介在するようにし、前記問題点を解決するよう
にした。

（作用） 該切換弁５が中立位置９にあるときは、油圧ポ
ンプ６からの油圧供給回路７は充填回路２に接続
され、作動回路４はタンク戻り回路１０に接続さ
れる。

この場合、該充填回路２の圧力はアキユームレ
ータ１の蓄圧力が低くなるとアンロードリリーフ
弁１８が作動して該弁１８の設定圧に高められ、
その圧力がアキユームレータ１に蓄圧される。該
アキユームレータ１の蓄圧力が高まつてその蓄圧
が終ると該アンロードリリーフ弁１８は充填回路
２の圧力を高めないでタンク戻り回路１０に排出
するアンロード作動を行なう。

また、該切換弁５を完全に切換位置１１に切換
えすると、充填回路２と油圧供給回路７の接続は
断たれ、作動回路４が該油圧供給回路７とタンク
戻り回路１０とに接続されるので、アキユームレ
ータ１の蓄圧は行なわれず油圧アクチユエータ３
がポンプ６からの流量により駆動される。

更に、油圧アクチユエータ３の速度制御のため
に、該切換弁５を中立位置９と切換位置１１との
中間の位置に操作した場合、まず充填回路２、作
動回路４及び油圧供給回路７が共にタンク戻り回
路１０に接続される第１位置１２に入る。この状
態では充填回路２がたとえアキユームレータ１へ
の蓄圧中で高い圧力であつても強制的にタンク圧
にまで低下させられ、蓄圧の作動は中断されると
共に充填回路２と同圧であつた供給回路７もタン
ク圧になり、該回路７が閉じられてリリーフ弁１
９の圧力にまで上昇することがない。

該切換弁５が更に操作されると第１位置１２か
ら第２位置１３に入り、切換弁５による充填回路
２とタンク戻り回路１０の接続は断たれ、作動回
路４が該回路１０に接続される。この第１位置１
２及び第２位置１３にある間は油圧アクチユエー
タ３は駆動されず、絞り１４が作用し始める第３
位置１５に操作されると作動回路４から直接タン
ク戻り回路１０へ流れる流量が絞られるのでポン
プ６からの流量の一部がアクチユエータ３へと流
れ、これを低速で駆動する。もし第１位置１２が
ないと、充填回路２の蓄圧力や油圧供給回路７が
遮断されてリリーフ弁１９の設定圧力になること
により切換弁５の操作力が増加し、第３位置１５
となつた時に供給回路７の圧力が瞬時にアクチユ
エータ３に作用してシヨツクを与え、また不必要
に回路７の圧力を高めるのでパワーロスが生ず
る。

第３位置１５から切換位置１１へと操作される
に従い絞り１４は次第に小さい面積になり、次第
に作動回路４の流量が増え、その分アクチユエー
タ３の速度が早まり、完全に切換位置１１に操作
されると全速で作動する。

（実施例） 本考案の実施例を第２図乃至第４図につき説明
する。

第２図にはアキユームレータ１の充填回路２と
油圧モータのアクチユエータ３の作動回路４とを
共通の切換弁５を介して油圧ポンプ６からの油圧
供給回路７に接続した複合油圧回路８が示されて
おり、該切換弁５には油圧供給回路７を充填回路
２に接続し、アキユームレータ１への蓄圧を行な
う中立位置９と作動回路４，４の夫々を供給回路
７とタンク戻り回路１０とに接続してアクチユエ
ータ３を駆動する切換位置１１とが設けられる。

該切換弁５には、中立位置９から切換位置１１
にまで切換わる間に、第３図示のように充填回路
２、作動回路４及び油圧供給回路７をタンク戻り
回路１０に接続する第１位置１２と、該充填回路
２を遮断し作動回路４及び該供給回路７をタンク
戻り回路１０に接続する第２位置１３と、該作動
回路４へ該供給回路７の流量の一部を供給すべく
該作動回路４とタンク戻り回路１０とを接続し且
つ該供給回路７を絞り１４を介してタンク戻り回
路１０に接続する第３位置１５を順次に介在する
ように構成した。

該アキユームレータ１には逆止弁１６を介して
充填回路２の圧力が導入されるようにし、これに
蓄圧された圧力は図示していない適当な機器に回
路１７を介して供給される。１８は該充填回路２
のアンロードリリーフ弁で、該弁１８は一般市販
品で通常は充填回路２の圧力が高まらないように
流体をタンク戻り回路１０に排出するアンロード
作動を行なつているが、アキユームレータ１の蓄
圧が下ると、パイロツト圧により該充填回路２の
圧力を所定の蓄圧力にまで高めるように作動し、
その圧力がアキユームレータ１に蓄えられる。１
９は油圧供給回路７のリリーフ弁で、これの設定
圧力はアンロードリリーフ弁１８の設定圧力より
も高く設定される。２０はアクチユエータ３が負
荷により自走状態に陥いることを防止するように
排圧を維持し、しかも該アクチユエータ３の正転
及び逆転時に於いても背圧を維持する機能を備え
たカウンタバランス弁で、一般のトラツククレー
ンの油圧回路としての必要性から設けられ、本考
案に於いては、その設置は任意である。

該切換弁５は第３図示のように中立位置９の左
右にアクチユエータ３を正逆転する切換位置を有
するべく構成され具体的には例えば第４図示の如
く構成される。即ち弁筐２１内に油圧供給回路７
に接続されるポンプポート２２と、充填回路２に
連なるセンタバイパスポート２３と、作動回路
４，４に連なるアクチユエータポート２４，２４
と、タンク戻り回路１０に連なるタンクポート２
５，２５及びこれら各ポートを開閉するスプール
２６とを設け、該スプール２６のアクチユエータ
ポート２４，２４とタンクポート２５，２５の間
には前記絞り１４が設けられる。さらに該スプー
ル２６の中立位置９に於いてはポンプポート２２
とアクチユエータポート２４，２４とが遮断され
ポンプポート２２とバイパスポート２３及びアク
チユエータポート２４，２４とタンクポート２
５，２５が夫々連通されるように形成されると共
に前記ポンプポート２２とアクチユエータポート
２４との遮断部Ａは比較的短いスプール２６の切
換位置１１方向への移動で開き、ポンプポート２
２とバイパスポート２３との連通部Ｂは前記遮断
部Ａよりも長いスプール２６の移動で閉じ、また
アクチユエータポート２４，２４とタンクポート
２５，２５との連通部Ｃは前記連通部Ｂよりもさ
らに長いスプール２６の移動で閉じるように該ス
プール２６のスプールランド２６ａが形成され、
かくて該切換弁５はその中立位置９から切換位置
１１への作動の途中で前記した第１乃至第３位置
１２，１３，１５が得られる。

第２図乃至第４図示の実施例を作動を説明する
に該切換弁５が中立位置９にあるときはポンプ６
の吐出流体はアンロードリリーフ弁１８の設定圧
で充填回路２を介してアキユームレータ１に蓄圧
されるが、該切換弁５をアクチユエータ３を低速
で駆動すべく切換位置１１方向にストロークする
と先ずポンプポート２２、バイパスポート２３及
びアクチユエータポート２４がタンクポート２５
に連なりこのとき充填回路２を介してのアキユー
ムレータ１への蓄圧が停止され、続いてそのバイ
パスポート２３の連通が断たれてポンプポート２
２とアクチユエータポート２４だけがタンクポー
ト２５に連なり、さらに、ポンプポート２２とタ
ンクポート２５との連通が絞り１４により絞られ
て次第にアクチユエータポート２４への流量が増
大しアクチユエータ３が次第に駆動され始め、切
換位置１１に完全に切換ると該アクチユエータ３
が全力で駆動し、切換弁５だけで充填回路２に優
先して作動回路４へ流体を供給することが出来
る。

（考案の効果） このように本考案によるときは切換弁５に前記
第１乃至第３位置１２，１３，１５を設けるよう
にしたのでアキユームレータ１への充填回路２を
含む複合回路８に於いて従来のもののようにシヤ
トル弁、ハイドロ切換弁等を設けることなく作動
回路４に優先的に流量を供給出来、油圧回路を簡
略化出来ると共に安価に製作し得その保守も比較
的容易である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の線図、第２図は本案装置の
１例の線図、第３図は第２図の切換弁の詳細線
図、第４図は第２図の切換弁の具体例の截断側面
図である。 １……アキユームレータ、２……充填回路、３
……アクチユエータ、４……作動回路、５……切
換弁、６……油圧ポンプ、７……油圧供給回路、
８……複合油圧回路、９……中立位置、１０……
タンク戻り回路、１１……切換位置、１２……第
１位置、１３……第２位置、１４……絞り、１５
……第３位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アキユームレータ１の充填回路２と油圧モータ
   その他のアクチユエータ３への作動回路４とを共
   通の切換弁５を介して油圧ポンプ６からの油圧供
   給回路７に接続して複合油圧回路８とし、該切換
   弁５に、該充填回路２と該供給回路７に接続され
   てアキユームレータ１の蓄圧を行なう中立位置９
   と、該作動回路４を該供給回路７とタンク戻り回
   路１０とに接続してアクチユエータ３を駆動する
   切換位置１１とを設けるようにしたものに於い
   て、該切換弁５に、これが該中立位置９から切換
   位置１１に切換わる間に、該充填回路２と作動回
   路４及び油圧供給回路７をタンク戻り回路１０に
   接続する第１位置１２と、該充填回路２を遮断し
   作動回路４及び油圧供給回路７をタンク戻り回路
   １０に接続する第２位置１３と、該作動回路４へ
   前記供給回路７の流量の一部を供給すべく該作動
   回路４とタンク戻り回路１０とを接続し且つ油圧
   供給回路７を絞り１４を介してタンク戻り回路１
   ０に接続する第３位置１５とを順次介在するよう
   にして成るアキユームレータ充填回路を含む複合
   油圧回路に適した切換弁装置。