JPS6117277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフアンを保護枠により覆うようにした
送風機に関する。

例えば換気扇に用いられる軸流形のフアンにお
いてはその回転軸線から外周方向に向かうに従つ
てその周速に比例して生成風量が大となる性質を
有することは良く知られている。ところが従来の
換気扇においては、その保護枠を同心円状に配列
した複数本の支骨から構成すると共に、各支骨間
のピツチを略等しく設定しているため、フアンが
前記のような性質を有する事情下では、保護枠の
外周に近い部分ほど送風損失が風速の２乗に比例
して大きくなり、換気扇の送風能力が低下したり
或は風切り音が大きくなつて騒音が増大すると云
う問題があつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、保護枠の支骨間のピツチをフア
ンの回転軸線から外周方向に向かうに従つて大と
なるように設定し、且つその支骨の側面が前記フ
アンによる風の流線方向と沿うように構成するこ
とにより、保護枠の外周寄り部分における送風損
失を極力小さくでき、送風能力の向上を図ると共
に騒音の増大を抑制し得る送風機を提供するにあ
る。

以下本考案を窓用換気扇に適用した一実施例に
つき図面を参照して説明する。１は換気扇本体、
２はこの換気扇本体１の下方部に連結され該換気
扇本体１と共に取付けられる取付枠、３はこの取
付枠２の内側に取付けられたパネル板である。前
記換気扇本体１は、主枠４とこれの室内側に装着
したカバー５とから構成され、主枠４及びカバー
５には互に突き合わされて導風筒６を構成する筒
部４ａ，５ａが夫々一体に形成されている。７は
主枠４の筒部４ａ内側に一体に形成された支持枠
で、これには駆動モータ８がねじ止め等によつて
固定され、該駆動モータ８の回転軸８ａには軸流
形のフアン９がスピンナー１０によつて着脱自在
に固定されている。１１は換気扇本体１の室内側
に設けられる保護枠であり、以下これについて述
べる。即ち、この保護枠１１は例えばプラスチツ
クを一体成形して成るもので、中心部の円環状を
なす支骨としての飾り板取付部１２と周縁部の円
環状をなす同じく支骨としての取付枠部１３との
間を４本の放射状をなす連結用骨部１４により連
結すると共に、飾り板取付部１２と取付枠部１３
との間に例えば４個の円環状をなす支骨としての
中間枠部１５を飾り板取付部１２を中心として同
心円をなすように形成している。このとき第２図
に示すように、飾り板取付部１２と最内周の中間
枠部１５との間のピツチをＡ、各中間枠部１５間
のピツチを保護枠１１の外周方向に向かうに従つ
て夫々Ｂ，Ｃ，Ｄ、最外周の中間枠部１５と取付
枠部１３との間のピツチをＥとした場合に、Ａ＜
Ｂ＜Ｃ＜Ｄ＜Ｅとなるような位置関係に設定して
いる。加えて、飾り板取付部１２の外周方向の側
面１２ａ及び中間枠部１５の両側面１５ａ，１５
ｂ並びに取付枠部１３の内周側面１３ａをこれら
の各間が吐出側とは反対方向に拡開するように前
記フアン９の回転軸線に対して傾斜させると共に
その傾斜角を回転軸線から外周方向に向うに従つ
て大となるように設定し、これにより各側面１２
ａ，１５ａ，１５ｂ，１３ａが保護枠１１を取外
した状態でのフアン９による風の流線方向（第２
図に矢引Ｆで示す）と沿うように設定している。
また１６は飾り板取付部１２の中央部に形成され
た開口部１２ｂにこれを閉塞するように設けられ
た飾り板である。しかして斯かる構成の保護枠１
１は、その取付枠部１３が前記カバー５の室内側
に形成された環状の嵌合溝５ｂに着脱自在に嵌着
され、以て換気扇本体１の室内側からフアン９を
覆うようにしている。

上記構成によればフアン９が所定方向に回転さ
れると、矢印Ｆで示すような方向の風が生成さ
れ、以て室内の空気が室外に排出されると云う排
気運転が行なわれる。このような排気運転中にお
いてフアン９による生成風量は、フアン９の周速
に関係してその回転軸線から外周方向に向かうに
従つて大となるものであるが、本実施例によれば
飾り板取付部１２、４個の中間枠部１５、取付枠
部１３の各間のピツチを保護枠１１の外周方向に
向かうに従つて大となるように、換言すれば保護
枠１１の外周方向に向かうに従つて空気の流通抵
抗が小さくなるように設定すると共に、上記飾り
板取付部１２、中間枠部１５、取付枠部１３の各
側面１２ａ，１５ａ，１５ｂ，１３ａが夫々フア
ン９による風の流線Ｆと沿うようにして空気の流
通抵抗が一層小さくなるようにしたので、保護枠
１１の外周寄り部分における送風損失を極力小さ
くでき、これによつて保護枠１１による送風能力
の低下を防止し得て従来に比してその能力向上が
期待できることは勿論のこと、中間枠部１５等に
よる風切音を小さくし得て騒音の増大を抑制し得
る。

尚、上記実施例においては、換気扇本体１の室
内側に保護枠１１を設ける場合について述べた
が、室外側に上記保護枠１１と同様構成の保護枠
を設けるようにしても良い。

その他、本考案は上記し且つ図面に示す実施例
に限定されるものではなく、例えば窓用換気扇に
限らず送風機全般に適用できるものであり、その
要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施するこ
とができる。

本考案によれば以上の説明から明らかなよう
に、保護枠の外周寄り部分における空気の流通抵
抗を小さくして該外周寄り部分における送風損失
を極力小さくでき、保護枠による送風能率の低下
を防いでその向上が期待できると共に騒音の増大
を抑制し得る換気扇を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を窓用換気扇に適用した一実施例
を示し、第１図は正面図、第２図は縦断側面図で
ある。 図中、１は換気扇本体、８は駆動モータ、９は
フアン、１１は保護枠、１２は飾り板取付部（支
骨）、１３は取付枠部（支骨）、１５は中間枠部
（支骨）、１２ａ，１５ａ，１５ｂ，１３ａは側
面、Ｆはフアンによる風の流線を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フアン及び駆動モータを備え複数本の支骨より
   成る保護枠により前記フアンを覆うようにしたも
   のにおいて、前記支骨間のピツチを前記フアンの
   回転軸線から外周方向に向かうに従つて大となる
   ように設定し、且つ前記複数本の支骨の側面間が
   吐出側とは反対方向に拡開するようにその側面を
   回転軸線に対して傾斜させると共にその傾斜角を
   回転軸線から外周方向に向かうに従つて大となる
   ように設定して前記側面が前記フアンによる風の
   流線方向と沿うようにしたことを特徴とする送風
   機。