JPS6117183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は案内部材を介して移動可能に設置さ
れるスライデイングウオール、ムーバブルウオー
ル等の移動壁の密閉装着に関し、間仕切用に複数
の移動壁が設置される場合の、最外側の移動壁と
固定壁との間隙部を密閉することを目的としたも
のである。

従来、スライデイングウオール、ムーバブルウ
オール等の移動壁が各所において間仕切用として
利用されている。この移動壁は、必要の無い場合
には室内の隅部一個所にまとめて置くべき性質
上、移動壁の移動を案内する為の案内レール、例
えば固定壁に沿つて直線的に設けられた部分と、
移動壁を間仕切として設置する部分に沿つて直線
的に設けられた部分とを弧状の部分を介して連続
させるように設置していたので、前記弧状部分が
原因で、間仕切の最外側に位置する移動壁の側端
縁と固定壁との間に間隙の形式を免れず、この結
果間仕切を気密に設置して、遮音効果を発揮させ
ることが難しかつた。又、移動壁単体としての遮
音構造については各種の提案が認められているの
で、前記の問題点を解決することが要望されてい
た。

然るにこの考案は前記移動壁において、壁体の
一側縦縁部内側に、移動壁と固定壁の間隙を塞ぐ
為の補助壁を嵌装し、該補助壁の上下端縁部に
は、該補助壁と天井および床との間隙を塞ぐ為の
密閉部材を連設すると共に、移動壁の内部には、
前記補助壁の左右移動機構と、前記密閉部材の上
下移動機構を内蔵したので、間仕切壁として使用
した場合に、最外側端縁と固定壁との間の間隙を
密閉することを可能として前記の問題点を解決す
ると共に、移動壁であつても固定壁と同等の遮音
機能を発揮させることを可能としたのである。

即ちこの考案を実施例について説明すれば、２
枚の表面板１，１でハニカム、発泡材等の吸音材
２を挾着して成るパネル３，３を所定の間隙を保
つて対設して構成した壁体４において、前記パネ
ル３，３間の一側縦縁部に補助壁５を、壁体４の
幅方向において摺動自在に設置する。前記補助壁
５は中空構造であつて内側中央部には案内筒６が
縦設してあり、該案内筒の中央部を貫通するよう
に操作杆７を水平に架設し、その一端部を補助壁
５より壁体４内へ突出させる。前記案内筒６内に
は、操作杆７の上下に昇降杆８を昇降自在に設置
して、案内筒６の内側に固着した板体９を貫通さ
せると共に、上下端部に昇降ブロツク１０，１０
ａを固着して板体９と昇降ブロツク１０の間には
復帰スプリング１１を遊嵌する。昇降杆８と操作
杆７とは、斜の状態に設置されるリンク片１２を
介して連結する。前記昇降杆８の外端部には夫々
押出杆１３を昇降杆と端部を対向させて縦設し、
案内筒６の端部に固着した板体１４を貫通させる
と共に、一端部（昇降杆側）には昇降ブロツク１
０ｂを固着して、該昇降ブロツク１０ｂと前記昇
降ブロツク１０ａとの間に圧縮スプリング１５を
介在させる。押出杆１３の他端部は補助壁５の上
下端部に昇降自在に設置された気密部材１６と連
結し、押出杆１３の昇降に従つて気密部材１６も
昇降するように構成する。

前記操作杆７の壁体４内へ突出させた部分は壁
体４内に設置した駆動固着１７と連結する。この
駆動装置１７は、互いに噛合させた傘歯車１８，
１８ａと、傘歯車１８ａと連結した螺杆１９に螺
合させた移動ナツト２０で構成され、移動ナツト
２０の一端面に固着した板体２１に前記操作杆７
の端部を固着する。前記傘歯車１８の軸２２は、
パネル３を介して設置した軸受２３を貫通してパ
ネル３の外面に形成した凹入部２４内へ突出さ
せ、該部から駆動装置１７の操作ができるうにし
てある。

上記実施例の壁体４は第３図に示したように案
内レール２５に沿つて移動可能に設置される複数
の移動壁Ａ，A₁，A₂，A₃・・・中、最外側に位
置させる移動壁Ａとして使用する。然して、案内
レール２５を介して所定の位置に配置した後、前
記凹入部２４へ突出させた軸２２を回転させて補
助壁５を壁体４より矢示２６の方向へ突出させ
る。軸２２を矢示２７の方向へ回転させると、螺
杆１９が矢示２８の方向に回転し、移動ナツト２
０が矢示２６と同方向に移動する結果、操作杆７
に対して矢示２６の方向の応力が作用するのであ
る。操作杆７が上記の応力を受けて移動すると、
補助壁５が壁体４内より押出され、固定壁２９へ
接近する。補助壁５の外側端面が固定壁２９に当
接すると、操作杆７の移動による補助壁５の移動
は終了し、これに引き続いてリンク片１２を介し
て昇降杆８，８を上昇又は降下させる。昇降杆
８，８が上昇又は降下すると、圧縮スプリング１
５が圧縮力を受け、この反撥力によつて押出杆１
３が補助壁５の上下端部側に押出され、これに従
つて上下端部に設置した気密部材１６が上昇又は
降下し、夫々に設けたシール部材を天井又は床に
押圧させる。然して移動壁Ａにおける固定壁２９
との間隙を補助壁５によつて密閉すると共に、補
助壁５と天井および床との間隙は密閉部材によつ
て密閉することができる。尚各移動壁Ａ，A₁，
A₂，A₃・・・の天井および床との間隙は、夫々
の上下端部に別途設けた密閉装置によつて密閉す
ることは言うまでもない。

即ちこの考案によれば移動壁の一側部に補助壁
を嵌装し、該補助壁の上下端部には密閉部材を連
設して、補助壁および密閉部材で移動壁と固定壁
の間隙および補助壁と天井および床との間隙を塞
ぐようにしたので、移動壁による間仕切壁によつ
ても気密な仕切が可能となり、固定壁と同等の遮
音性能を発揮させ得る効果がある。

補助壁に設けた密閉部材を昇降させる為の昇降
機構の水平な操作杆を水平駆動装置に連結すれ
ば、水平駆動装置の操作のみで、補助壁の摺動と
気密部材の昇降をさせることができ、操作を簡便
にできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の一部横断面図、第
２図は同じく実施例の一部縦断面図、第３図は同
じく実施例の使用状態の説明図である。 １……表面板、２……吸音材、３……パネル、
４……壁体、５……補助壁、６……案内筒、７…
…操作杆、８……昇降杆、９……板体、１０，１
０ａ，１０ｂ……昇降ブロツク、１１……復帰ス
プリング、１２……リンク片、１３……押出杆、
１４……板体、１５……圧縮スプリング、１６…
…気密部材、１７……駆動装置、１８，１８ａ…
…傘歯車、１９……螺杆、２０……移動ナツト、
２１……板体、２２……軸、２３……軸受、２４
……凹入部、２５……案内レール、２６，２７，
２８……矢示、２９……固定壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 案内部材を介して立設された間仕切用移動壁に
   おいて、壁体の一側縦縁部内側に該移動壁と固定
   壁の間隙を塞ぐ為の補助壁が嵌装してあり、該補
   助壁の上下端縁部には、該補助壁と天井および床
   との間隙を塞ぐ為の密閉部材が連設してあると共
   に、移動壁の内部には前記補助壁の左右移動機構
   と、前記密閉部材の上下移動機構が内蔵してある
   ことを特徴とした移動壁における密閉装着。