JPS6111436Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は間仕切パネルに係り、等に間仕切パネ
ルで空間を仕切つた場合に間仕切パネルと天井あ
るいは床との間を固定する機構の改良に関する。

〔従来の技術と考案が解決しようとする問題点〕

一般に、部屋の中間を複数枚の間仕切パネルを
用いて仕切る場合、各間仕切パネルの移動を容易
にする為、各間仕切パネルと天井面及び床面との
間は必ず間隙が必要であり、間仕切パネルを定位
置に保持するためには何らかの固定機構が必要で
ある。

このため、従来は、上下方向に摺動可能な棒材
をパネル本体に設け、この棒材の先端を天井面あ
るいは床面に設けた穴に挿入して固定するか、あ
るいは、パネル本体の上、下部に突没可能な接圧
部材を設け、この接圧部材を回転ハンドル及び歯
車連動機構等を用いて天井面及び床面押し付けて
固定するかしていた。

しかし、前者にあつては、安価である反面、固
定が確実ではなく、かつ、仕切つた部屋同志の遮
音効果は期待できず、一方、後者にあつては、固
定が確実でかつ遮音効果も期待できる操作が煩雑
であり、かつ、高価であるという欠点がある。

又、この種先行技術として実開昭49−102550号
公報及び実開昭54−82441号公報に記載のものが
知られている。実開昭49−102550号公報に記載の
ものは、戸の上端又は下端にその横巾に亘つて固
設した固定横杆に、複数の連杆を介して戸の横巾
方向へ摺動自在に弾性パツキング付可動横杆を枢
着すると共に、前記可動横杆を常時一定高さに保
持し且つこの状態で該可動横杆を戸の外方へ突出
するように構成開き戸の気密装置である。一方、
実開昭49−102550号公報に記載のものは、扉の扉
枠側端にスプリングで常時は扉の外方に突出し且
つ扉の上、下端縁内に収納される軟質閉塞片付き
の移動杆を配設し、扉の閉扉で前記移動杆の突出
端が扉枠と当接することにより移動杆がスプリン
グの付勢力に抗して内方へ移動すると共に上、下
端縁外方に突出し扉と扉枠との隙間を閉塞する構
成の扉の閉塞装置である。

前記先行技術例の装置は、いずれも戸、扉が閉
じられて壁面等に当接するとき、外方に突出して
いた部材が内方へ押圧されて移動する一方、戸、
扉の下端縁或は上端縁に閉塞部材を突出させ、上
下の隙間を閉塞させるものであるが、この閉塞部
材は戸、扉の下端縁或は上端縁に対して平行であ
つて強い押圧力は得られず、しかも単に戸、扉の
下端縁或は上端縁から突設するのみであり、上下
端の隙間を閉塞するには上下端の双方に設ける必
要がある。

本考案の目的は、パネル本体の固定が確実でか
つその操作も簡易である上に、しかも接圧部材は
下端にのみ設ければよい間仕切パネルを提供する
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、パネル本体の下端部に側面楔形の接
圧部材を設け、この接圧部材を常時はパネル本体
の横巾方向にずらせておき、パネル本体と接圧部
材との全体の高さ寸法を短かくしておいて、パネ
ル本体の移動を可能にし、一方、パネル本体の定
位置への固定時には、接圧部材をパネル本体の横
巾にほぼ等しくなるように摺動させて接圧部材の
楔形の斜面の作用によりパネル本体と接圧部材と
の合計の高さ寸法を大きくして、まず床面との隙
間をなくし、次にパネル本体が押し上げられて天
井面との隙間をなくして天井面と床面との間に接
圧するようにし、前者目的を達成しようとするも
のである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図には、複数枚のパネル本体からなる間仕
切パネルを伸長状態とした正面図が示されてい
る。この第１図において、パネル本体１のうち複
数枚には、黒板等の掲示板２が設けられている。

前記パネル本体１は、第２図の拡大断面図に示
されるように、天井３内にアンカボルト４及びチ
ヤンネル５を介して補強支持されたレール６に、
ローラ７及び吊ボルト８を介して移動自在、かつ
浮上り可能に支持されている。またパネル本体１
は、同じく第２図に示されるように、中心部に遮
音材９を備え、この遮音材９の両側に順次鋼板１
０、吸音材１１、防振ゴム板１２、吸音材１３及
び装飾ベニヤ板１４が積層されて構成され、さら
に、このパネル本体１の下端部には、側面模形の
接圧部材１５がパネル本体１の横巾方向すなわち
第１図中左右方向に摺動可能に設けられている。
この際パネル本体１を移動可能なように常時は、
第２図に示されるように、接圧部材１５の下面と
床面１６との間には所定の間隙が形成されるよう
になつている。

第３図には、前記パネル本体１と接圧部材１５
との拡大断面図が示されている。この図におい
て、パネル本体１は左右の両側端縁にコ字状チヤ
ンネル１７が設けられ、このコ字状チヤンネル１
７の表面には断面波形の緩衝用ゴム板１８が固着
されている。また、パネル本体１の下端縁より少
し内方に入つた位置には右下りに傾斜案内部材１
９が設けられ、この傾斜案内部材１９の底面には
所定長さの長孔２０が形成され、この長孔０の右
端縁よりさらに右方の底部上面にはスプリング受
け２１が突設されている。

前記傾斜案内部材１９の下方には側面楔形の接
圧部材１５が配設され、この接圧部材１５と傾斜
案内部材１９とは、長孔２０の部分において両者
を貫通して結合された各２個のボルト２２及び摺
動フランジ２３により長孔２０に沿つて摺動自在
に支持され、さらに、接圧部材１５に設けられた
左右２個の戸車２４により摺動が円滑になるよう
にされている。

前記２個の摺動フランジ２３のうち右方の摺動
フランジ２３にはブラケツト２５を介してスライ
ド軸２６が摺動可能に支持され、このスライド軸
２６の図中右側の端部とブラケツト２５との間に
は圧縮コイルばねからなるリターンスプリグ２７
が介装されている。このスライド軸２６の右端は
接圧部材１５が右方に移動し、スライド軸２６が
鎖線位置に位置したとき、スプリング受け２１に
当接され、かつ、リターンスプリング２７が収縮
された状態となるようにされる。

前記接圧部材１５の楔形の基部すなわち図中左
端部は、パネル本体１の横巾方向に所定量ずれた
状態とされるとともに、接圧部材１５とパネル本
体１との横巾がほぼ一致する位置迄移動可能とさ
れてる。この接圧部材１５のパネル本体１から突
出した部分は、ヒンジ２８より上方に折曲可能に
されている。これは、パネル本体１の格納時等、
該パネル本体１を側壁等に接圧したとき接圧部材
が移動しないようしたものである。また、接圧部
材１５の楔形の先端部すなわち図中化端部の上面
には、係止孔２９が突設され、この係止孔２９に
は、接圧部材１５が右方に移動した際、パネル本
体１の方のチヤンネル１７内において上下摺動可
能に設けられた係止軸３０の下端が係合可能にさ
れ、接圧部材１５とパネル本体１との係止がなさ
れるようになつている。この係止軸３０にはつま
み３１が突設され、このつまみ３１は緩衝用ゴム
板１８に形成された孔３２を介して操作可能にさ
れている。さらに接圧部材１５の左右の両側端縁
にはパネル本体１の緩衝用ゴム板１８と同様な断
面波形の緩衝用ゴム板３３が固着されるととも
に、下面には平板状のゴム板３４が固着されてい
る。

このように構成された本実施例の作用につき第
４図Ａ，Ｂを参照して説明する。

パネル本体１を天井３及び床面１６に固定する
必要がないときは、接圧部材１５は、第４図Ａに
示されるように、パネル本体１の横巾方向とずれ
た位置に配置されている。このため、パネル本体
１と接圧部材１５との合計の高さ寸法は、天井３
の下面と床面１６との間の寸法より短かくなつて
おり、パネル本体１の上端部と天井３との間及び
接圧部材１５と床面１６との間にはそれぞれ間隙
が形成され、パネル本体１のレール６に沿つた動
きが自由にできるようにされている。

次に、パネル本体１を固定する必要があるとき
は、パネル本体１を第４図Ａ中矢印で示す左方に
押圧すると、接圧部材１６の左側面が隣のパネル
本体１あるいは建物の側壁等に当接して停止され
る。この状態でパネル本体１をさらに左方に押圧
するとパネル本体１と接圧部材１５とは傾斜案内
部材１９の部分で摺動し、接圧部材１５の両側端
縁に順次一致する方向に移動する。このため、傾
斜案内部材１９と接圧部材１５の傾斜面との作用
で、接圧部材１５とパネル本体１との合計の高さ
寸法が増加しついに、接圧部材１５とパネル本体
１との巾方向位置が一致したときには、接圧部材
１５とパネル本体１との合計の高さ寸法は天井３
の下面と床面１６との間の寸法に等しいかあるい
はそれ以上になる。即ち、まずパネル本体１と床
面との隙間をなくし、次にこの隙間がなくなると
パネル本体１は接圧部材１５と床面とによつて押
し上げられ天井面との隙間をなくし、パネル本体
１と接圧部材１５とは天井３と床面１６との間に
圧接固定されることとなる。この際、スライド棒
２６の右端はスプリング受け２１に当接し、リタ
ーンスプリング２７は収縮状態とされる。このよ
うにパネル本体１と接圧部材１５との横巾方向の
ずれがなくなり、横巾方向位置が一致すると、接
圧部材１５の係子孔２９とパネル本体１の係止軸
３０との位置が一致する。従つて、つまみ３１を
操作して係止軸３０の下端部を係止孔２９内に挿
入すればパネル本体１と接圧部材１５との位置が
保持される。

次に、パネル本体１を移動させる場合には、係
止軸３０の係止をはずせば、リターンスプリング
２７の付勢力によりパネル本体１と接圧部材１５
とは自動的にあるいは小さな押圧力で互いにずれ
る方向に移動し、パネル本体１と接圧部材１５と
の全体の高さ寸法が短かくなつて天井３及び床面
１６との固定がはずれることとなる。

上述のような本実施例によればパネル本体１の
押圧操作により簡単にパネル本体１の固定がで
き、かつ、その構造も簡易であるという効果があ
る。また、固定の解除時にはリターンスプリング
２７が作用するため、小さな力で容易に解除でき
る。

なお、接圧部材１５のパネル本体１からの突出
部は、必ずしもヒンジ２８を設けて折曲できるよ
うにしなくともよい。さらに、係止孔２９と係止
軸３０とによる係止手段は、他の構造でもよい。
また、この係止手段は、必ずしも全てのパネル本
体１に設けなくともよく、必要に応じて設ければ
よい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、楔形の接
圧部材の摺動によつてパネル本体と接圧部材との
合計高さ寸法を可変できてパネル本体の固定時に
は前記接圧部材をパネル本体の横巾内に収納させ
ることで天井面と床面との間に接圧される高さ寸
法に形成でき、しかも接圧部材は楔形なので接圧
力を大きくできる上に、徐々にその高さ寸法を大
きくでき、又前記固定の解除時には、接圧部材は
付勢手段を有することにより小さな力で容易に接
圧部材をパネル本体の側端縁から突出するよう摺
動復帰させパネル本体と接圧部材との合計高さ寸
法を減ずることができる効果がある。さらに、パ
ネル本体は浮上り可能にレールに支持され、接圧
部材の前記作用によつてパネル本体と床面との隙
間をなくした後、パネル本体を押し上げ天井面と
の隙間をなくすことができ、したがつて、この接
圧部材はパネル本体の下端に設けるのみでよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る間仕切パネルの一実施例
を示す全体正面図、第２図は第１図の−線に
沿う拡大断面図、第３図は第１図の実施例の内部
構造を示す拡大断面図、第４図Ａ，Ｂは第１図の
実施例の作用説明図である。 １……パネル本体、３……天井、１５……接圧
部材、１６……床面、１９……傾斜案内部材、２
１……スプリング受、２６……スライド軸、２７
……リターンスプリング、２９……係止孔、３０
……係止軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井に配設されたレールにパネル本体を移動自
   在且つ浮き上がり可能に支持すると共に、このパ
   ネル本体の下端部に、側面楔形の接圧部材をパネ
   ル本体の横巾方向に摺動可能に設け、この接圧部
   材は、常時は付勢手段にてパネル本体の横巾方向
   にずれた位置に付勢配置されて楔形の基端側がパ
   ネル本体の側端縁から突出され、パネル本体の定
   位置固定時にはパネル本体の横巾方向に前記付勢
   手段に抗して摺動されてパネル本体とほぼ同巾に
   収納され、かつ、この収納によりパネル本体と接
   圧部材との合計の高さ寸法が天井面と床面との間
   に圧接される長さとされて床面との隙間をなく
   し、次にパネル本体は押し上げられて天井面との
   隙間をなくす一方、この接圧部材がパネル本体の
   横巾方向に摺動され該横巾内に収納されたときに
   一致するように接圧部材側とパネル本体側とに設
   けられた係止機構を備えて、該係止機構を係止操
   作することによつて接圧部材をパネル本体に固定
   するようにしたことを特徴とする間仕切パネル。