JPS6116405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一対のカツプ状ダイヤフラム一端の底
板をピストンの移動方向両端に固定するとともに
上記カツプ状ダイヤフラム他端の開口縁をシリン
ダーに折り返し部を介して固定したピストン式流
体作動装置に係るもので、従来この種の流体作動
装置は一対のカツプ状ダイヤフラムの対向する折
り返し部とシリンダー内面およびピストン外面と
によつて対向室が形成され、この対向室はピスト
ンの移動に伴う折り返し部のローリングとともに
一定のストローク範囲で移動する。この移動スト
ロークの始期、すなわち移動ストロークの両端に
於て対向室に特に強い衝撃が加えられ対向室内に
圧力が上昇する結果、折り返し部に反転を生じ、
ピストンとシリンダー間に形成している摺動間隔
に第２図に示す如く噛込み、捩れ等を生じるもの
となる欠点を有していた。

本考案は上述の如き欠点を除去ししたものであ
つて、以下その一実施例を図面に於て説明すれ
ば、１はシリンダーで、本体２の一端には前部カ
バー３を固定リング４にて固定するとともに他端
には後部カバー５を固定リング６で固定してい
る。７はシリンダー１内に適宜の摺動間隔８を介
して挿入したピストンで、摺動方向の前後にリテ
イナープレート１０，１１をボルト１２，１３に
より固定している。１４はこの一方のリテイナー
プレート１０とピストン７の一端面間に一端の底
板１５を挿入固定したカツプ状ダイヤフラムで、
カツプ状の内面をピストン７の外周面に密接する
とともに他端方向を断面Ｕ字状の折り返し部１６
とし、この折り返し部１６を介して他端の取付フ
ランジ１７をシリンダー１の本体２と後部カバー
５の端面間に挿入固定している。１８はピストン
７の中央部に開口部１９を介して一端を挿入し割
座金２１により固定したピストンロツドで、一端
面を一方のリテイナープレート１０から外方に突
出する事のないよう位置するとともに他端方向を
前部カバー３の中央保持部２２に軸受２３および
パツキング２４を介して摺動自在に挿通してい
る。２５はピストン７の一方リテイナープレート
１０側に形成した一方加圧室で、加圧水、加圧オ
イル、圧縮空気等の加圧流体の導入出口２６を形
成するとともに加圧流体とカツプ状ダイヤフラム
１４の端縁２７とが接触する事のないよう、一方
リテイナープレート１０とピストン７の一端面と
の間に挿入し一方加圧室２５内の加圧流体との接
触を遮断している。２８は他端の取付フランジ２
９をシリンダー１の本体２と前部カバー３間に折
り返し部３１を介して挿入固定した前記とは別個
のカツプ状ダイヤフラムで、ピストン７の他端面
と他方リテイナープレート１１間に底板３２を挿
入固定している。３３はこの底板３２を固定した
ピストン７と前部カバー３間に形成した他方加圧
室で、加圧流体を導入出する導入出口３４を形成
している。

３５は上記カツプ状ダイヤフラム１４，２８の
折り返し部１６，３１とピストン７外面およびシ
リンダー１内面に形成される対向室で、加圧室２
５，３３の圧力差によつて生じるピストン７はシ
リンダー１の移動に伴ない折り返し部１６，３１
は対向室３５を形成したままローリングしながら
位置を移動する。３７，３８はピストン７のスト
ロークの両端に於ける対向室３５に対応する位置
のシリンダー１に設けた排気孔で、外気と連通し
対向室３５を外気圧と同一圧に保持する。

上述の如く構成したものに於て他方の導入出口
３４を開放し一方の導入出口２６から加圧流体を
一方の加圧室２５に導入すれば、ピストン７は加
圧流体に押圧されて第１図右方向に移動する。こ
の移動に伴なつてピストン７の外周面に密接して
いたカツプ状ダイヤフラム１４は折り返し部１６
をローリングしながらシリンダー１の内面に密接
していく。同時に他方のカツプ状ダイヤフラム２
８は折り返し部３１をローリングしながらピスト
ン７の外面に密接していく。ピストン７の元位置
に復帰させるには一方の導入出口２６を開放した
後、他方の導入出口３４から加圧流体を導入させ
導入出口２６から加圧室２５内の流体が流出する
事によつて一方加圧室２５と他方加圧室３に圧力
差が生じピストン７は第１図左方向に復帰する。

上記往復運動の始期すなわち移動ストロークの
両端に於て対向室３５に強い圧力が加えられる。
すなわち第１図の状態に於て一方加圧室２５に加
圧流体を導入すると、この導入開始によつて他方
加圧室３３内の圧力流体が導入出口３４から排出
を開始するが、導入出口３４は他方加圧室３３の
直径に比し径小であるため、圧力流体の流れに時
間差が生じ、一方の折り返し部１６部分が対向室
３５方向に加圧され対向室３５内は昇圧される。

他方加圧室３３内の加圧流体によるカツプ状ダ
イヤフラム２８のピストン７外面及びシリンダー
１内面への押圧力よりも、上記対向室３５内の昇
圧力が高くなるか同圧となれば、対向室３５に接
する折り返し部３１は横Ｕ字形状から反転して第
２図に示す如き摺動間隔８への噛込み、捩れ等を
生じるものとなり、ピストン７又はシリンダー１
の移動不能の状態を生じるものとなる。対向室３
５は、ピストン７外面の他方加圧室３３よりも、
減圧状態と成つている場合にのみ、折り返し部３
１が対向室３５内に引き込まれ、正常位置を保つ
ことができるものであつて、対向室３５が他方加
圧室３３よりも高圧の場合は勿論、同一圧の場合
も、折り返し部３１が対向室３５方向に引き込ま
れる付勢力を持たず、ピストン７の移動に伴なつ
て、摺動間隔８への噛込みを生じるものとなる。
この状態はピストン７の他端の始期すなわち第１
図に於て右から左に移動する場合も、折り返し部
１６が反転する以外は全く同様の作用となる。本
考案に於てはピストン７のストロークの両端の対
向室３５に対応する位置のシリンダーに排気孔３
７，３８を形成したから、対向室３５で昇圧され
ようとする気体はすべて外部に排出され外気と同
一圧が保たれるから、加圧流体を導入するととも
に導入出口２６，３４を径小としていりる一方お
よび他方加圧室２５，３３よりも対向室３５は減
圧状態となり、加圧室２５，３３が高圧となるか
ら、対向室３５内に折り返し部１６，３１を引き
込むものとなり、噛込み捩れ等の発生を確実に防
止し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は従来例による噛込みの一例を示す断面図であ
る。 １……シリンダー、７……ピストン、１４，２
８……カツプ状ダイヤフラム、１５，３２……底
板、１６，３１……折り返し部、３５……対向
室、３７，３８……排気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加圧流体の導入出口を、一方加圧室と他方加圧
   室に各加圧室の直径よりも径小に形成するととも
   にこの一方加圧室と他方加圧室間に、加圧流体の
   加圧力により、一定のストロークをもつて前後移
   動するピストンを位置し、このピストンの両端方
   向に、カツプ状ダイヤフラム一端の底板を、各々
   固定するとともにカツプ状ダイヤフラム他端の開
   口縁を、ローリング移動が可能な折り返し部を介
   して各々シリンダーに固定することにより、一定
   間隔で対向する折り返し部と、シリンダー内面お
   よびピストン外面とによつて対向室を形成し、こ
   の対向室をピストンの摺動に伴なつて折り返し部
   のローリング移動とともに移動し、この移動スト
   ローク両端の対向室に対応するシリンダーに、大
   気開放の排気孔を形成した事を特徴とするピスト
   ン式流体作動装置。