JPS6116351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は軒先化粧材取付構造に関するもので
ある。

従来のプレハブ住宅において、屋根本体軒先部
を被覆する軒先化粧材の取付けは、取付金具を屋
根本体軒先部に取付けた後、その取付金具に軒先
化粧材をボルト止めする。ところが、取付金具の
ボルト挿通穴と軒先化粧材のボルト挿通穴を位置
合せしなければならず、これら両ボルト挿通穴が
建物施工誤差等によつて合わせにくいため、ボル
ト締め作業がむずかしくなり、軒先化粧材の取付
けが困難であるという問題を有していた。

したがつて、この考案の目的は、取付金具が位
置ずれ設置されても、軒先化粧材を容易かつ迅速
に取付けることができる軒先化粧材取付構造を提
供することである。

この考案の一実施例を第１図ないし第４図を用
いて説明する。この軒先化粧材取付構造は、第１
図に示すように、屋根本体１の軒先前方に軒先化
粧材２を取付ける場合に使用する。第２図は、そ
の具体的断面図を示し、第３図はその分解斜視図
を示す。すなわち、この軒先化粧材取付構造は、
屋根本体１の鼻隠３の前面に取付金具４を軒先に
沿つて間欠設置し、軒先化粧材２の裏面に設けた
水平嵌合溝５へスライドプレート６をスライド自
在に挿入するとともに、そのスライドプレート６
にナツト７を固着し、この軒先化粧材２の裏面を
取付金具４へ対接して、取付金具４の鍔片４ａに
貫通させた蝶ボルト８を上記ナツト７へ螺接する
ことにより、軒先化粧材２を取付金具４へ連結す
る。

詳説すると、屋根本体１は、屋根パネルで構成
し、その軒先側パネル枠が鼻隠３となり、表面板
が野地板９となる。また、鼻隠３には、取付金具
４の取付予定位置にボルト挿通穴１０を形成す
る。

取付金具４は、垂直片４ｂの下端を除く周縁部
に、側方へ向けて前部鍔片４ａ，上部鍔片４ｃお
よび後部鍔片４ｄをそれぞれ突設し、前部鍔片４
ａと後部鍔片４ｄにボルト挿通穴１１，１２（第
３図）をそれぞれ穿孔する。この取付金具４は、
第４図に示すように、後部鍔片４ｄを鼻隠３の前
面に対接し、六角ボルト１３を各ボルト挿通穴１
２，１０に通して六角ナツト１４を締結すること
により、鼻隠３へ固定する。

軒先化粧材２は、塩ビ押圧成形品で構成する。
この軒先化粧材２の裏面に形成する水平嵌合溝５
は、溝奥が溝入口より広幅な断面横Ｔ字形状であ
る。

スライドプレート６は、水平嵌合溝５内にその
溝方向へスライド自在に挿入し、その上下端を軒
先化粧材２のリツプ片２ａに係合して軒先化粧材
２の裏面側へ抜止する。このスライドプレート６
の前面には、嵌合溝５内においてナツト７を固定
し、このナツト７のねじ穴に対応するスライドプ
レート６の中央位置に、蝶ボルト８を挿通するた
めのボルト挿通穴（図示省略）を穿孔する。

上記軒先化粧材２の取付けは、軒先化粧材２を
鼻隠３前方の所定位置を配して、その裏面を取付
金具４の前部鍔片４ａに対接し、蝶ボルト８を取
付金具４のボルト挿通穴１１に通してナツト５へ
締結することにより、取付金具４へ連結する。こ
の場合、軒先化粧材２を所定位置に配したとき
に、取付金具４の側方へ位置ずれ設置によつて、
ナツト７が取付金具４のボルト挿通穴１１と相対
向しないときは、スライドプレート６を嵌合溝５
に沿つて適当量スライドさせることにより、ナツ
ト７をボルト挿通穴１１と相対向させることがで
きる。

１６は、軒樋であり、取付金具４の上部鍔片４
ｃ上に載架して、両側片１６ａを鼻隠３の前面と
軒先化粧材２の裏面上部に接着する。１７は水切
板、１８は水密材、１９は瓦、２０は軒先天井材
を取付けるための下地材である。

このように、ナツト７を固着したスライドプレ
ート６を軒先化粧材２の水平嵌合溝５内にスライ
ド自在に配したため、施工誤差等によつて取付金
具４が多少側方向へ位置ずれ設置されたとして
も、スライドプレート６を水平嵌合溝５に沿つて
適当量スライドさせることにより、ナツト７を取
付金具４のボルト挿通穴１１に正確に対向させる
ことができ、その結果、蝶ボルト８をナツト７へ
容易に締結でき、軒先化粧材２を容易かつ迅速に
取付けることが可能となる。また、嵌合溝５およ
びナツト７が軒先化粧材２の前面側に現われない
ため、美感にも優れる。

なお、上記実施例においては、スライドプレー
ト６へナツト７を固着したが、ナツト７に代えて
ボルトを固着してもよく、その場合は、ボルト軸
を嵌合溝５から軒先化粧材２の裏面側へ突出さ
せ、さらに取付金具４のボルト挿通穴１１に貫通
させて蝶ナツトを締結する。

以上のように、この考案の軒先化粧材取付構造
は、屋根本体軒先部の鼻隠前面に軒先に沿つて間
欠突設しその前端部の鼻隠表面と略平行な鍔片へ
ボルト挿通穴を貫通穿孔した取付金具と、溝奥が
溝入口よりも広幅な水平嵌合溝を裏面に形成して
その嵌合溝が前記取付金具のボルト挿通穴に対向
するように裏面を前記鍔片前面へ対接した軒先化
粧材と、前記嵌合溝内にその溝方向へスライド自
在に挿入して軒先化粧材裏面側へ抜止されるスラ
イドプレートと、ボルトとナツトのいずれか一方
を前記嵌合溝内で前記スライドプレートに固着す
るとともに他方を鍔片裏面側に配してボルトを前
記ボルト挿通穴に通してナツトへ締結することに
より前記軒先化粧材を前記取付金具へ固定した固
着具とを備えているため、取付金具が位置ずれ設
置されても、軒先化粧材を容易かつ迅速に取付け
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の適用位置を示す
建物の斜視図、第２図はこの実施例の断面図、第
３図はその分解断面図、第４図は施工途中を示す
断面図である。 １……屋根本体、２……軒先化粧材、３……鼻
隠、４……取付金具、４ａ……前部鍔片、５……
水平嵌合溝、６……スライドプレート、７……ナ
ツト、８……蝶ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根本体軒先部の鼻隠前面に軒先に沿つて間欠
   突設しその前端部の鼻隠表面と略平行な鍔片ヘボ
   ルト挿通穴を貫通穿孔した取付金具と、溝奥が溝
   入口よりも広幅な水平嵌合溝を裏面に形成してそ
   の嵌合溝が前記取付金具のボルト挿通穴に対向す
   るように裏面を前記鍔片前面へ対接した軒先化粧
   材と、前記嵌合溝内にその溝方向へスライド自在
   に挿入して軒先化粧材裏面側へ抜止されるスライ
   ドプレートと、ボルトとナツトのいずれか一方を
   前記嵌合溝内で前記スライドプレートに固着する
   とともに他方を鍔片裏面側に配してボルトを前記
   ボルト挿通穴に通してナツトへ締結することによ
   り前記軒先化粧材を前記取付金具へ固定した固着
   具とを備えた軒先化粧材取付構造。