JPS6115225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は、内燃エンジン搭載車輌のクーラ稼
動等のアイドルアツプのスロツトルバルブ開度調
整技術分野に属する。

〈要旨の概要〉 而して、この考案は、内燃エンジン搭載の自動
車等の気化器に設けたスロツトルバルブシヤフト
に固設したアイドルアツプレバーに負圧応動アク
チユエータのリンクを係合させてアイドルアツプ
が行われるようにし、アイドルアツプ動作がスロ
ツトルバルブ下流の吸気系ポートに負圧応動アク
チユエータの負圧室を連通させてアイドルアツプ
が行われるようにした負荷アイドルアツプ調整装
置に関する考案であり、特に、負圧応動アクチユ
エータの負圧室をエンジン回転数に対して負圧変
化の激しいスロツトルバルブ漸開域のスロツトル
ポジシヨナポートに接続して設定開度でのスロツ
トルポジシヨナポートにスロツトルバルブがかぶ
つた状態でアイドルアツプが解除され、又、減速
時負圧スイツチが負圧応動アクチユエータを非作
動状態にするようにした気化器の負荷アイドル調
整装置に係る考案である。

〈従来技術〉 周知の如く、自動車に装備された内燃エンジン
においては無負荷状態でのアイドル運転が行われ
るようにスロツトルバルブがセツトされている
が、アイドル時のクーラ稼動の如く所定の負荷が
かかる場合のアイドル停止を防止するべくさまざ
まなアイドルアツプ装置が開発され、改良を重ね
て用いられている。

而して、簡易な構造でありながら軽量化を図
り、燃費向上にプラスし、コストアツプを避ける
ように、しかも、応答性を良くするアイドルアツ
プ装置がインテークマニホルド負圧に応動するア
クチユエータに連動するようにしてスロツトルバ
ルブに併設されるものが案出されている。

第１図に示す様に、該種アイドルアツプ装置１
はキヤブレタ２にダツシユポツトタイプのダイヤ
フラム式負圧応動アクチユエータ３を併設し、そ
の負圧室４を大気開放型の負圧スイツチ５を介し
て通路６によりインテークマニホルド７の負圧ポ
ート８に接続させ、アイドル時にクーラ運転状態
でリード線９により負圧スイツチ５がONに動作
していることによりアクチユエータ３のダイヤフ
ラム１０がスプリング１１に抗して引かれ、その
ロツド１２がブラケツト１３に枢支した制御リン
ク１４を旋回させ、予め調節してある先端に螺設
したネジ１５を介してスロツトルシヤフト１６の
アイドルアツプレバー１７を回動させ、スロツト
ルバルブ１８をして設定角度に開くようにしてい
た。

そして、急減速時の排ガス対策としては設定エ
ンジン回転数以下で呼応するインテークマニホル
ド負圧の減少に対して負圧スイツチ５をOFFに
して負圧室４に大気を導入してアイドルアツプを
解除して減速時の排ガス浄化を図るようにしてい
た。

ところで、気化器２とインテークマニホルド７
において、インテークマニホルドの負圧ポート８
の部位Ａとスロツトルバルブ１８のアイドル状態
から開いていくスロツトルポジシヨナ部位Ｂとで
の圧力（負圧）mmHg（縦軸）とエンジン無負荷
状態での回転数rpm（横軸）との関係を調べる
と、第２図に示す様に前者の負圧はカーブC₁の
様にエンジン回転数にほぼ関係なく一定であり、
一方、後者はカーブC₂に示す様にエンジン回転
数の上昇と共に負圧が急激に低下することが分つ
ている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 したがつて、かかる在来型のアイドルアツプ装
置では負圧応動アクチユエータ３をインテークマ
ニホルド７の負圧で制御しているため、エンジン
回転数が上つてもアイドルアツプ状態が維持され
る欠点があり、カツト操作が制御出来ない難点も
あり、結果的に燃費不良につながる不利点があつ
た。

この考案の目的は上述従来技術に基づく負圧応
動アクチユエータによるアイドルアツプの問題点
を解決すべき技術的課題とし、設定エンジン回転
数でアイドルアツプを解除出来るスロツトルポジ
シヨナポート負圧を用いることにより負圧応動ア
クチユエータのメリツトを生かすようにして自動
車産業におけるエンジン技術利用分野に益する優
れた気化器の負荷アイドル調整装置を提供せんと
するものである。

〈問題点を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は、前述問題点を解決
するために、アイドル状態でクーラ等の負荷が稼
動側に移行すると、スロツトルポジシヨナポート
負圧が負圧応動アクチユエータの負圧室に導入さ
れてリンクを介してスロツトルバルブを開くよう
にし、而して、スロツトルポジシヨナポートをか
ぶる前後での負圧と大気圧とのバランスで設定開
度にアイドルアツプされ、負荷が無いようにされ
た状態ではアクチユエータに大気が導出され、ア
イドルアツプは解除され、又、エンジン回転数が
上昇するとスロツトルポジシヨナポート負圧が激
減してアイドルアツプが出来ない状態となり、燃
費改善が維持され、而して、急減速時は負圧スイ
ツチが作動して負圧をカツトし、アイドルアツプ
を解除し、減速時の排ガス処理に支障をきたさな
いようにした技術的手段を講じたものである。

〈実施例−構成〉 次に、この考案の１実施例を第３図に基づいて
説明すれば以下の通りである。尚、第１図と同一
態様部分は同一符号を用いて説明するものとす
る。

１′はこの考案の要旨を成すアイドル調整装置
であり、キヤブレタ２に適宜に併設固定されてい
る周知のダツシユポツトタイプの負圧応動アクチ
ユエータ３に内装されたダイヤフラム１０はスプ
リング１１を介して負圧室４を郭成すると共にそ
のロツド１２はブラケツト１３に枢支された回動
可能な制御リンク１４の一端に枢支連結されてい
る。

そして、制御リンク１４の先端に調節可能に螺
装されたネジ１５がスロツトルバルブ１８のシヤ
フト１６外端に固定されたアイドルアツプレバー
１７が当接離反自在に設けられている。

これまでの構造は第１図に示す在来態様と実質
的に同一である。

而して、スロツトルバルブ１８のアイドル状態
の位置から下流側の位置であつても設定部位には
スロツトルポジシヨナポート８′が開口してお
り、そこからは負圧通路６′が負圧応動アクチユ
エータ３の負圧室４に周知の負圧スイツチ５を介
装して接続している。

そして、負圧スイツチ５はリード線９を介して
負荷としての図示しないクーラの入力リレーに接
続され、稼動状態で負圧室４を負圧導通状態に、
非稼動状態、及び、急減速時では大気に導通する
ようにされている。

〈実施例−作用〉 上述構成において、予め制御リンク１４のネジ
１５を設定長さに調螺しておき、スロツトルバル
ブ１８のアイドルアツプ量を決めておく。

而して、エンジンを始動し、アイドル状態にす
ると、スロツトルバルブ１８は設定アイドル姿勢
にされ、当該アイドル姿勢ではスロツトルポジシ
ヨナポート８′より上位にあつてかぶるようなこ
とはない。

そして、スロツトルポジシヨナポート８′部位
での負圧は前述第２図のC₂グラフに示すエンジ
ン回転数に応じた負圧を形成する。

そこで、アイドル状態で図示しないクーラを稼
動状態に移行させると、クーラスイツチをONに
することによりリード線９を介して負圧スイツチ
５が大気遮断側に励磁切り換えられ、スロツトル
ポジシヨナポート８′と負圧応動アクチユエータ
３の負圧室４とを通路６′を介して負圧連通状態
にし、負圧を負圧室４にする。

ところで、負応応動アクチユエータ３のダイヤ
フラム１０とスプリング１１は第２図でアイドル
アツプ用のダイヤフラム設定圧、例えば、300mm
Hg（エンジン回転数１，500回転前後）以上で応
動するように予めセツトされているため、負圧室
４に導出された負圧によりスプリング１１に抗し
ダイヤフラム１０は引かれ、ロツド１２は制御リ
ンク１４を介しネジ１５によりアイドルアツプレ
バー１７を回転させ、その結果、スロツトルバル
ブ１８はアイドルアツプされて開き、エンジン回
転数は上つていき、クーラ稼動をスムースに許容
する。

さりながら、エンジン回転数が上り、スロツト
ルバルブ１８がスロツトルポジシヨナポート８′
を過ぎてかぶつていくと、スロツトルポジシヨナ
ポート８′の負圧は第２図C₂グラフに示す様に急
速に低下していくので、イヤフラム１０はスプリ
ング１１により戻され、ロツド１２が制御リンク
１４を介してスロツトルバルブ１８のアイドルア
ツプ姿勢を解除して閉塞方向に逆旋回させる。

このバランスにより、又、ネジ１５の長さ調節
によりスロツトルバルブ１８は設定角度のアイド
ルアツプ姿勢を維持することが出来。

勿論、クーラを停止すれば負圧スイツチ５が大
気側に切り換わり、ダイヤフラム１０は戻り、ア
イドルアツプは解除される。

このようにして定回転以上のエンジン回転数以
上でのアイドルアツプは解除され、燃費改善が図
られる。

一方、アイドル走行等で降坂走行、或は、減速
走行に移行すると、エンジン回転数が下がり、第
２図に示す様にスロツトルポジシヨナポート８′
の負圧が急激に上るため、負圧をカツトし、実質
的に負圧応動アクチユエータ３の作動を停止し、
同じくアイドルアツプを解除し、排ガス処理をス
ムースに行う。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、アイドル時の負荷は
クーラの外にトルコン車のＤレンジアイドル走行
等がある等種々の態様が採用可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、気化器のスロツトル
バルブシヤフトに設けたアイドルアツプレバーに
当接離反自在に設けた制御リンクを介して負圧応
動アクチユエータに連結するようにし、その負圧
室とスロツトルバルブが上下に相対位置変化する
スロツトルポジシヨナポートとを大気解放可能な
負圧スイツチを介して接続するようにしたことに
より、基本的に設定エンジン回転数以上の回転数
では負圧が急激に低下するスロツトルポジシヨナ
ポート負圧をしてアイドルアツプ駆動負圧とした
ため、アイドル状態での不必要な高回転域でのア
イドルアツプは解除され、燃費改善にプラスする
という優れた効果が奏される。

又、減速時は負圧スイツチにより通路が遮断さ
れ負圧応動アクチユエータの負圧室に大気を導入
してアイドルアツプを解除することによりエンジ
ン回転数を低下させ、スロツトルバルブを全閉に
し燃料吸引を抑制し、減速時の排ガス処理も設計
通りにスムースに行うことが出来る効果もある。

そして、装置も簡単な構造で済み、重量も軽量
で燃費向上にプラスし、製作コストも安く、メン
テナンスもし易いメリツトもある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術に基づくアイドルアツプ装置
の断面図、第２図はエンジン回転数と吸気系負圧
との関係グラフ図、第３図はこの考案の１実施例
の断面図である。 ２……気化器、１８……スロツトルバルブ、１
６……シヤフト、１７……アイドルアツプレバ
ー、１４……制御リンク、３……負圧応動アクチ
ユエータ、８′……吸気系ポート（スロツトルポ
ジシヨナポート）、４……負圧室、６′……通路、
５……負圧スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器のスロツトルバルブシヤフトに設けたア
   イドルアツプレバーに当接離反自在に係合した制
   御リンクが負圧応動アクチユエータに連結され該
   負圧応動アクチユエータが吸気系ポートに接続さ
   れている負荷アイドル調整装置において、上記ス
   ロツトルバルブシヤフトより下流側に設けられて
   開口し、高回転域で負圧が低下するスロツトルポ
   ジシヨナポートに対しスロツトルバルブが上位か
   ら下位まで相対位置を変え得るように上記スロツ
   トルポジシヨナポートが負圧応動アクチユエータ
   の負圧室に通路を介して接続され、該通路に大気
   開放自在な負圧スイツチが介装されていることを
   特徴とする気化器の負荷アイドル調整装置。