JPS6115180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鴨居溝巾に応じて建具戸首巾をネジ
調整により調整自在とした建具の戸首装置装置に
関する。

一般に鴨居は、地域によつてその溝巾を異にし
ていると共に、永年の使用により溝内壁がすりへ
つて漸次その溝巾が拡がるために、このような鴨
居溝に適合する戸首が必要とされている。そこで
近時においては、突出巾の異なる突面を複数有す
る多面体からなる調整ブロツクを、建具戸首に着
脱自在に装着して各溝巾に適合するよう調整して
いるが、このブロツク方式は、建具を鴨居溝から
外した状態でなければブロツクの着脱操作をなし
得ず、また適切な調整がなされたか否かは、建具
を再び鴨居溝に取付けて始めて判別できることか
ら、調整が不適切な場合は上記操作を再度行なわ
なければならず、したがつて上記調整操作に多大
の手数を要する欠点を有していた。

本考案は上記点に鑑みてなされたもので、戸首
の巾調整を、ネジの回転操作により行なう構成に
よつて建具を鴨居に取付けた状態にてなし得るよ
うにし、加えて、この巾調整を無段階状に行なう
ようにして、より適切な戸首の溝適合が得られる
ようにした建具の戸首装置を提供するものであ
る。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は本考案戸首装置を設けた建具の斜視
図、第２図は戸首部の斜視図、第３図は要部の横
断面図、第４図は第３図のＡ−Ａ断面図、第５図
は第３図の要部拡大図である。

上記各図において本実施例の戸首装置は、建具
の上部における戸首本体１に、調整ネジ２と偏心
カム３と調整体４とをそれぞれ連係させて設けて
成る。

上記調整ネジ２は、戸首本体１の側壁５にネジ
孔６を介して回転進退自在に支承されると共に、
その先端部７を戸首本体内で偏心カム３の背面８
に当接せしめてある。調整ネジ２の先端部７は、
抜け防止のためネジ孔６に螺着後カシメて隆起状
としてある。他の方法としては、先端部７にナツ
トやピン等を固定することもできる。調整ネジ２
の頭部は、戸首本体１の側面図に位置しているこ
とから、側方よりドライバーで回転操作自在とな
つている。またこの頭部は、戸首本体１の凹部９
に収めてあつて該凹部９の深さが調整ネジ２の進
退ストロークを有することから、障子本体２０の
開閉操作の際縦枠に当接することもなく、外部に
露呈する不都合さも有していない。

上記偏心カム３は、偏心位置をピン１０にて枢
支されると共に、回転先面１１を調整体４に当接
して、調整ネジ２の回転に伴ない側方に回転移動
して調整体４を押圧するようにしてある。回転先
面１１は半円状に形成されて、ピン１０を支点と
した偏心カム３の回転移動に際し、調整体４を調
整ネジ２に対し直角方向に移動せしめるようにし
てある。偏心カム３の背面８は、調整ネジ２の先
端部７が円滑に摺接するよう彎曲状に形成され
る。この背面８と上記回転先面１１は、ピン１０
を挟んで両側に配置され、ピン１０から各々の中
心点までの距離を変えることによつて、調整ネジ
２の進退ストロークを調整体４の移動ストローク
の比例関係を任意に選択できるようにしてある。
すなわち、実施例の場合は、ネジ先端部７の接触
点をピン１０の近くに位置せしめてあるため、調
整ネジ２の僅かな変位で調整体４に大きな移動を
なさしめることができる。なお偏心カム３の全体
形状は、図示例に限らず任意に選定できる。

上記調整体４は、弾性材１２を介してその一側
面を偏心カム３に押接してなると共に、偏心カム
３の回転移動によつて、鴨居溝２１の内壁側に突
出する突片１３を鴨居溝巾に応じて出巾調整して
なる。この調整体４は、平面において略Ｔ字形を
なしており、中央部の突片１３が戸首本体１の側
部通孔１４より側方に突出すると共に、両側部に
二つの弾性材１２，１２を介在して、背面部を偏
心カム３の回転先面１１を押接するように付勢し
てなる。

なお、調整体４における突片１３の両側には一
例としてコイルバネからなる弾性材１２の受孔１
５を形成して、弾性材１２の位置決めを容易にし
てあると共に、その取付上の安定性を保持するよ
うにしている。調整体４の背面において、偏心カ
ム３の回転先面１１が当接する個所に横長の係合
溝を形成すれば、偏心カム３と調整体４の押圧連
係をより安定させることができる。また調整体４
は、弾性材１２にて一定量後退すると背面部が戸
首本体１の内壁に当接するようにしてある。

上記した戸首本体１の内部は、上記偏心カム３
と調整体４等を収納し得る空間部を有して形成さ
れ、これらを連係収納した後、その上面に蓋体１
６を被着してなる。この蓋体１６は戸首本体１と
同巾に形成されて鴨居溝２１内に収まるようにし
てある。上記戸首本体１は、上框２２の調整機２
３に側部を嵌合すると共に、図示を省略した縦框
に下面部を嵌合するようにしてある。戸首本体１
に装着する調整体４の突片１３は実施例の如く戸
首本体１の前面から突出させても、あるいは背面
から突出させるようにしてもよい。

次に上記戸首装置の組立順序を説明する。ま
ず、戸首本体１の内部に弾性材１２を介在させて
調整体４を収めると共に、偏心カム３をその回転
先面１１を調整体４に当接する形で戸首本体内に
収め、偏心位置をピン１０で支承する。次いで戸
首本体１の側壁５に設けたネジ孔６に調整ネジ２
を螺合して、先端部７を偏心カム３の背面８に当
接せしめ、戸首本体１の上面に蓋体１６を被着す
る。

本考案の戸首装置は以上のように構成されるの
で、建具の側面より調整ネジを回転せしめること
により、偏心カムを回転移動させて調整体の突片
を鴨居溝の内壁側に自在に突出もしくは後退させ
ることができることから、建具を鴨居に取付けた
状態において戸首の巾調整を自在に行なうことが
できる。しかも上記巾調整をネジの回転操作によ
る無段階状に行なうことから、より適切な巾微調
整をなし得て障子の開閉操作を一層円滑になすこ
とができる。更に、上記巾調整をネジの回転によ
る偏心カムの回転移動方式としたことから、構造
を簡単にして故障のおそれを極力減少せしめた効
果を泰する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案戸首装置を設けた建具の斜視
図、第２図は戸首部の斜視図、第３図は要部の横
断面図、第４図は第３図のＡ−Ａ断面図、第５図
は第３図の要部拡大図である。 １……戸首本体、２……調整ネジ、３……偏心
カム、４……調整体、５……側壁、６……ネジ
孔、７……先端部、８……背面、９……凹部、１
０……ピン、１１……回転先面、１２……弾性
材、１３……突片、１４……側部通孔、１６……
蓋体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) 建具の上部における戸首本体に、調整ネジと
   偏心カムと調整体とをそれぞれ連係させて設け
   るものであつて、 (ロ) 上記調整ネジは、戸首本体の側壁にネジ孔を
   介して回転進退自在に支承されると共に、その
   先端部を戸首本体内で偏心カムに当接してな
   り、 (ハ) 上記偏心カムは、偏心位置を枢支されると共
   に回転先面を調整体に当接して、調整ネジの回
   転に伴ない側方に回転移動して調整体を押圧し
   てなり、 (ニ) 上記調整体は、弾性材を介してその一側面を
   偏心カムに押接してなると共に、偏心カムの回
   転移動によつて、鴨居溝の内壁側に突出する突
   片と鴨居溝巾に応じて出巾調整してなることを
   特徴とする建具の戸首装置。