JPH0329491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は建具の引手に関するものである。

従来技術 摺動させて開閉する建具の竪框には手掛け部と
なる引手が取付けられている。一般にこの引手は
竪框の前後面から竪框を挾んで取付けるため、竪
框の表面には引手のフランジが段部となつて露出
する。このため建具の外観が複雑なものになつた
り、手をかける時段部に爪が引つかかつて怪我す
る恐れがある。

この問題を解決するため、実開昭53−73752号
公報に示される様に内外の引手本体を竪框の内外
から開口へ取付け、ビスにより内外の引手本体を
互いに離れる方向へ付勢したものが知られてい
る。

また実開昭51−115254号公報の様に圧縮スプリ
ングにより内外の引手本体を離れる方向に付勢し
たものや、実開昭51−108341号公報の様に引手本
体の斜面に係合するカム板とカム板間に張設した
引張りスプリングにより同じく離れる方向へ付勢
したものが知られている。

この考案が解決すべき問題点 実開昭53−73752号公報に記載された考案は引
手の一方の面にビスが露出して見若しく、実開昭
51−115254号公報及び実開昭51−108341号公報に
記載された考案は、共に引手に手を掛けたときに
引手が内方へ沈んで外れる恐れがある。

問題点を解決するための手段 この考案は、竪框の内壁と外壁に対向して形成
した引手取付用の開口へ竪框の内方から係合する
各壁の厚みだけ各外表面より窪んだ段部を外周に
備える内側引手本体と外側引手本体のうち一方の
相対向側に凹部を形成し、竪框内に位置し、竪框
の見付け方向へ螺入されたネジの回転によりネジ
に沿つて進退する移動駒を前記凹部内へ収納し、
前記内側引手本体と外側引手本体との間に押動体
を架設し、該押動体と前記移動駒のどちらか一方
に設けた突部と他方に設けたカム溝を係合して移
動駒の進退により押動体を内側引手本体と外側引
手本体が遠ざかる方向へ移動可能にし、ネジの回
転により内側引手本体と外側引手本体を確実に竪
框の引手取付用の開口へ内側から取付け、ネジが
表出しないようにするとともに、両引手本体が框
から外れないようにするものである。

実施例 以下図に示す一実施例に基づきこの考案を詳細
に説明する。

図において１は竪框であり、内壁１ａと外壁１
ｂに対向して引手取付用の方形状の開口２，２が
形成されている。

該開口２，２に竪框１の内側から内側引手本体
３、外側引手本体４が嵌合されている。内側引手
本体３と外側引手本体４の竪框１の開口２，２か
ら表出する外表面３ａ，４ａには各々方形状の手
掛け部５が凹設されている。内側引手本体３と外
側引手本体４の外周には外表面３ａ，４ａより各
壁１ａ，２ｂの厚さ分だけ窪んだ段部６が各々形
成されている。

内側引手本体３若しくは外側引手本体４のうち
一方の相対側面に凹部７が凹設されている。実施
例は外側引手本体４の上下に凹部７が凹設されて
いる。上方の凹部７から上面に、下方の凹部７か
ら下面に貫通し、且つ竪框１の見付け方向に長い
長孔７ａが各々形成されている。

外側引手本体４の凹部７，７には移動駒８が配
置されている。移動駒８の竪框１の見付け方向に
はネジ挿通孔９が貫通され、ネジ挿通孔９の中間
部には上面若しくは下面に開口するナツト嵌合溝
１０が凹設されている。ナツト嵌合溝１０内には
回転不可能なようにナツト１１が嵌合され、ネジ
挿通孔９とナツト１１のネジ孔が連通している。
移動駒８のナツト嵌合溝１０を凹設した面にはピ
ン孔１２が凹設されている。移動駒８のナツト嵌
合溝１０を凹設した面の裏面には突部１３が突設
されている。突部１３はナツト嵌合溝１０の中心
線と鋭角に交叉するスライド面１４を有してい
る。

以上のような移動駒８が凹部７内に位置され、
外側引手本体４の側面、つまりガラス取付溝に穿
設された透孔１５から移動駒８のネジ挿通孔９と
ナツト１１のネジ孔にネジ１６が螺合されてい
る。外側引手本体４の長孔７ａにはピン１７が挿
通されて、一端部が移動駒８のピン孔１２に挿入
されている。従つてネジ１６を回転したとき移動
駒８はネジ１６に沿つて移動するが、長孔７ａ内
をピン１７が摺動するため移動駒８は竪框１の幅
方向には移動しない。

内側引手本体３と外側引手本体４間には押動体
１８が架設されている。押動体１８は角柱状で、
一端部は外側引手本体４の凹部７内に位置されて
いる。該端部の一側面には長手方向と所定角度を
成し、且つ移動駒８のスライド面１４と平行な内
壁面２０を有するカム溝１９が凹設されている。
押動体１８の他端部の端面には円形の嵌合溝２１
が凹設されている。

内側引手本体３には、外側引手本体４の凹部
７，７に対応して、中心に円柱状突部２２が突設
された方形状の凹部２３，２３が形成されてい
る。円柱状突部２２が押動体１８の嵌合溝２１内
に嵌合されて該端部が内側引手本体３の凹部７に
嵌合されている。

以上のような構成を有する引手の取付け作業に
ついて説明する。

引手を竪框１内へ長手方向端部から開口２の位
置まで挿入し、その後透孔１５からドライバーを
差し入れ、凹部７内のネジ１６を回転する。移動
駒８はネジ１６に沿つて移動し、突部１３のスラ
イド面１４が、押動体１８のカム溝１９の内壁面
２０に摺接して、押動体１８を竪框１の幅方向に
移動させ、内側引手本体３と外側引手本体４を離
隔させる。

内側引手本体３と外側引手本体４は共に竪框１
の開口２，２に嵌合し、内壁１ａ、外壁１ｂ厚さ
分だけ窪んだ段部６が各壁１ａ，１ｂの内側に当
接するため、引手本体３，４の各外表面３ａ，４
ａは各壁１ａ，２ａと面一となる。

この考案は以上のような構成を有するが、その
他カム溝１９を移動駒８に、突部１３を押動体１
８側に形成することも可能である。

考案の効果 この考案は以上のような構成を有し、内側引手
本体と外側引手本体は、外周に竪框の各壁の厚み
だけ外表面から窪んだ段部を有するため、竪框の
開口へ内側から嵌合したとき引手本体の外表面は
竪框と面一となる。

引手本体の一方に凹部を形成し、ネジの回転に
よつて進退する移動駒を位置させ、内側引手本体
と外側引手本体間に架設した押動体と前記移動駒
のいずれか一方に突部、他方にカム溝を形成して
係合して移動駒の進退により押動体を内側引手本
体と外側引手本体が遠ざかる方向へ移動可能にし
てあるため、引手に手を掛けても引手本体が内へ
沈んで外れる恐れがない。

ネジは竪框内に位置し、外観上表出することが
ないため外観体裁が良好となる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示すもので、第１図
は引手本体を竪框に取付ける状態の横断面図、第
２図はその取付けた状態の横断面図、第３図は一
部分解斜視図、第４図は引手の正面図、第５図は
一部切欠き側面図である。 １……竪框、１ａ……内壁、１ｂ……外壁、２
……開口、３……内側引手本体、４……外側引手
本体、５……手掛け部、６……段部、７……凹
部、８……移動駒、９……ネジ挿通孔、１１……
ナツト、１３……突部、１４……スライド面、１
６……ネジ、１７……ピン、１８……押動体、１
９……カム溝、２０……内壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 竪框１の内壁１ａと外壁１ｂに対向して形成し
   た引手取付用の開口２，２へ竪框１の内方から係
   合する各壁１ａ，１ｂの厚みだけ各外表面３ａ，
   ４ａより窪んだ段部６を外周に備える内側引手本
   体３と外側引手本体４のうち一方の相対向側に凹
   部７を形成し、竪框１内に位置し、竪框１の見付
   け方向へ螺入されたネジ１６の回転によりネジ１
   ６に沿つて進退する移動駒８を前記凹部７内へ収
   納し、前記内側引手本体３と外側引手本体４との
   間に押動体１８を架設し、該押動体１８と前記移
   動駒８のどちらか一方に設けた突部１３と他方に
   設けたカム溝１９を係合して移動駒８の進退によ
   り押動体１８を内側引手本体３と外側引手本体４
   が遠ざかる方向に移動可能としたことを特徴とす
   る建具の引手。