JPS6114854B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は試薬と試料等を混合するために用いる
揺動装置に関する。

（従来の技術及びその問題点） この種の揺動装置は種々開発されているが、従
来のものは一般に、たとえば実公昭52−41646号
考案に示されるように、その揺動機構が極めて複
雑であり、そのためにコスト高となつていた。

また、揺動装置の回転は適当時間経過したとき
に人手によつて停止されるのが通常であつたた
め、混合時間がまちまちとなる他、傾斜揺動板の
停止方向も停止の度毎に変化し、観測に著しい不
便をきたしていた。

本発明はこのような不便を解消した揺動装置を
提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明の揺動装置は、機構の単純化を図ると共
に、揺動板が正面位置を向いたとき回転円板の回
転を止める手段を備えた装置である。すなわち、
揺動板に揺動軸の上端を固定し、揺動軸を揺動中
心を中心にして首振り運動可能に自在継手を介し
て器体に取付け、前記揺動軸の下端を回転円板上
にその回転軸から一定距離隔てた位置に植立した
ピンに係合させ、回転円板の回転軸を回転駆動手
段に連結し、回転駆動手段への電力供給回路にス
イツチを設けるとともに回転円板に該スイツチを
作動して電力供給を遮断する作動片を設け、前記
スイツチ及び作動片を揺動板が正面位置を向いた
ときに互いが作動する位置に配設したことを特徴
とするものである。

（実施例） 以下、本発明の揺動装置の実施例を図に従つて
説明する。第１図において、１はシリンダ状の器
体であり、器体１の上方には揺動板２が器体１に
対して一定角度の傾斜θを維持させて３次元の揺
動運動が可能なように支持されている。具体的に
は、揺動板１の下面中央部に揺動板１に対して直
角に下方にのびる揺動軸３を固定し、揺動軸３を
その揺動中心Ｇを中心にして首振り運動可能に自
在継手４を介して器体１に支持することにより揺
動板２を３次元揺動運動させる。揺動軸３は、そ
の上端側部分よりその下端側部分をより太径厚肉
に形成してなり、その重心が軸の中点より下端寄
りの部分に位置している。

一方、器体１内には回転円板５が水平面内に回
転可能に支持されており、回転円板５の上面に
は、回転円板５の回転軸７から水平方向に一定距
離隔たつた位置にピン６が植立されている。そし
て前述の揺動中心Ｇを中心にして首振り運動する
揺動軸３の下端には穴３ａが形成されており、こ
の穴３ａにピン６が係合されている。これによつ
て回転円板５の回転はピン６を介して揺動軸３の
首振り運動、揺動板２の３次元揺動運動に変えら
れる。

回転円板５の回転軸７は回転駆動手段８に連結
されている。回転駆動手段８はモータ、ゼンマイ
等回転駆動力を発生できるものであればよいが、
モータの場合は一般に減速機つきの同期モータの
使用が望ましい。

回転駆動手段８にモータを用いる場合のモータ
への電力供給回路を第３図に示す。図中、モータ
８の電力供給回路には、設定時間を経過したとき
に自動的に接点９ａが開くタイマー９が接続され
ている。そして、このタイマー９と並列にスイツ
チ１０を有する回路が設けられている。スイツチ
１０の接点１０ａは閉方向に付勢されており、作
動片１１によつて押されたときに開となつてモー
タ８への電力供給をカツトするようになつてい
る。作動片１１は揺動板２の揺動と連動するよう
に構成されており、望ましくは回転円板５の外周
に固定して取付けられている。そして、作動片１
１及びスイツチ１０は、揺動板２の傾斜方向が揺
動装置の正面方向を向いたときに互いが作動して
スイツチ１０を切る位置に配置されている。

また、揺動装置には、第４図に示すように、背
面位置に上方に延びるポール１２が取付けられお
り、ポール１２には照明装置１３が取付けられて
いる。またポール１２の途中には拡大観測装置１
４が回動自在に取付けられている。

上記構成を有する揺動装置の作用を説明する。
まず、揺動板２上にスライドガラス１５をセツト
する。スライドガラス１５には塗装焼付された少
なくとも１個のサークル１５ａが設けられてお
り、このサークル１５ａ内に数滴の試薬および試
料が滴下される。揺動時間をタイマー９によつて
セツトして回転駆動手段８を作動させる。これに
よつて回転円板５が回転し、ピン６を介して揺動
軸３が首振り運動をし揺動板２を３次元揺動させ
ることによつて液を混合する。揺動軸３は、その
重心が揺動中心Ｇより相当に離れた下端寄りの部
分に位置するため、安定にかつ正確に首振り運動
を行なう。このとき、回転円板５の回転につれて
作動片１１はスイツチ１０を作動させるが、電流
はタイマー９を有する回路に流れるので、回転は
持続する。

設定時間を経過するとタイマー９の回路のスイ
ツチ９ａが開となつてタイマー９の回路に電流が
流れなくなるが、スイツチ１０の回路を介して電
流が流れるためモータ８に電力が供給され、回転
は持続しようとする。回転円板５が回転して作動
片１１がスイツチ１０の位置迄回転してくると作
動片１１がスイツチ１０を作動させ、接点１０ａ
を開にしてスイツチ１０の回路の電流をも遮断
し、揺動板２の回転を停止させる。このとき揺動
板２は正面位置を向いている。この状態で照明装
置１３で照された混合液を拡大観察装置１４によ
つて観察する。すなわち、揺動板２は常に正面位
置を向いて停止するので、最適に光を照射されて
かつ正面に設けた拡大観察装置１４で観察するこ
とができる。

（発明の効果） 本発明の揺動装置は、ピンによる簡単な係合に
よつて回転力を揺動軸に伝達させる機構を用いた
ので、装置機構の単純化、コストダウンを図るこ
とができるだけでなく、正面位置を向いたときに
回転駆動手段への電力供給を遮断する作動片、ス
イツチを設けたので揺動板を常に正面位置に停止
させることができ、観察を最適な状態下で行なう
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の揺動装置の器体、揺動板部を
示す断面図、第２図は第１図の自在継手の斜視
図、第３図は本発明の揺動装置の電気回路図、第
４図は本発明の揺動装置の全体斜視図、である。
図中の記号の意味は次の通りである。 １……器体、２……揺動板、４……自在継手、
８……回転駆動手段、１０……スイツチ、１１…
…作動片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 揺動板に揺動軸の上端を固定し、揺動軸を揺
   動中心を中心にして首振り運動可能に自在継手を
   介して器体に取付け、前記揺動軸の下端を回転円
   板上にその回転軸から一定距離隔てた位置に植立
   したピンに係合させ、回転円板の回転軸を回転駆
   動手段に連結し、回転駆動手段への電力供給回路
   にスイツチを設けるとともに回転円板に該スイツ
   チを作動して電力供給を遮断する作動片を設け、
   前記スイツチ及び作動片を揺動板が正面位置を向
   いたときに互いが作動する位置に配設したことを
   特徴とする揺動装置。