JPS61146194A - 3′−デオキシグアノシンの製造法 - Google Patents

3′−デオキシグアノシンの製造法

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JPS61146194A
JPS61146194A JP26709084A JP26709084A JPS61146194A JP S61146194 A JPS61146194 A JP S61146194A JP 26709084 A JP26709084 A JP 26709084A JP 26709084 A JP26709084 A JP 26709084A JP S61146194 A JPS61146194 A JP S61146194A
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deoxyguanosine
deoxyadenosine
present
adenosine deaminase
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Tetsuro Fujishima
藤島 鉄郎
Yuichiro Midorikawa
緑川 祐一朗
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Yamasa Shoyu KK
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Yamasa Shoyu KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、グアニン誘導体と3′−デオキシアデノシン
誘導体とを原料として酵素合成により3′−デオキシグ
アノシンを製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
3′−デオキシグア/シンは、癌治療において放射線増
感作用を示すだけではなく、各種の抗癌剤と併用する際
にその効果を増強する作用を有しており、現在注目を浴
びている化合物である(特開昭57−85516号)。
従来、3′−デオキシグアノシンの調製法としては、2
−アセトアミドヒポキサンチンを原料とする化学合成法
(ザ・、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリ
ー(J、Org、Chem) 30 、2851(1’
965))が知られているが、縮合反応時に異性体を生
ずるとか有害化合物を使用する、あるいは目的物の3′
−デオキシグアノシンの収率が低い等、工業的生産1ζ
於て種々の難点を有していた。
また3′−デオキシアデノシンから化学的に合成した2
−アミノ−3′−デオキシアデノシンまたはそのN6位
置換誘導体のN6位のみをアデノシンデアミナーゼによ
って選択的に脱アミノし、3′−デオキシグアノシンを
製造する方法も開発されている(特開昭58−9696
号)。しかしこの方法は、原料化合物を3′−デオキシ
アデノシンから化学的に合成しなければならず、収率お
よび操作性に問題がある。
先に本発明者らは、特定のグアニン誘導体と、特定の8
−デオキシリボース供与体とを、ヌクレオシドホスホリ
ラーゼ含有物の存在下で反応させて3′−デオキシグア
ノシンを酵素的に合成する方法を開発した(特開昭58
−170493号)。
その後、本発明者の一人は、上記と同様の方法において
ヌクレオシドホスホリラーゼ源として特定の微生物を使
用する方法を開発した(特開昭59−85298号)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ヌクレオシドホスホリラーゼの作用によって3′−デオ
キシグアノシンを調製する場合、3−デオキソリボース
供与体として3′−デオキソイノンンを用いると、8′
−デオキシアデノシンを用いる場合よりも目的の3′−
デオキシグアノシンの生成量が低下することが判明して
いる。
すなわち、3−デオキシリボース供与体として、入手の
容易な8′−デオキシアデノシン誘導体を使用し、ヌク
レオシドホスホ、リラーゼ源として、アデノシンデアミ
ナーゼ活性の混在する複数酵素含有物を用いる場合、8
′−デオキシアデノシン誘導体はアデノシンデアミナー
ゼによって脱アミノ反応を受けて8′−デオキシイノシ
ン誘導体となり、最終的には8′−デオキシグアノシン
の収率低下の原因となる問題点が存在している。このよ
うな問題点は、ヌクレオシドホスホリラーゼ源として微
生物を培養して得られる培養物、培養菌体またはこれら
の粗精製物を使用する場合に顕著に表われる。ヌクレオ
シドホスホリラーゼ生産菌の中には、〔問題点を解決す
るための手段〕 前記の問題点を解決するために、ヌクレオシドホスホリ
ラーゼ源に混在するアデノシンデアミナーゼのみを特異
的に除去する方法について種々の方法を検討した。
温度、pH等の条件を変えた熱処理では、共存するアデ
ノシンデアミナーゼのみを特異的に消失させることはで
きなかった。
次いで酵素阻害剤の存在下で反応を行う方法を検討した
結果、反応液中にアデノシンデアミナーゼ阻害剤を存在
させると、8′−デオキシアデノシンの脱アミノ化が抑
制され、3′−デオキシグアノシンへの転換率が向上す
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させ
た。
本発明は、 一般式(1) 〔式中、Rは水素原子またはリボース−1−イル基、2
−デオキシリボース−1−イル基もしくはこれらのモノ
りん酸エステル、ジりん酸エステル、トリりん酸エステ
ルを示す。〕で表わされるグアニン誘導体の一種または
二種以上と、3′−デオキシアデノシン誘導、体の一種
または二種以上とを、ヌクレオシドホスホリラーゼ含有
物の存在下で反応させて3′−デオキシグアノノンを合
成する齋こ際し、反応液にアデノシンデアミナーゼ阻害
剤を存在せしめることを特徴とする3′−デオキシグア
ノシンの製造法を提供するものである。
本発明はヌクレオシドホスホリラーゼの作用によって8
′−デオキシグアノシンを製造する公知の方法1こおい
て、反応液中にアデノシンデアミナーゼ阻害剤を存在さ
せることに特徴を有する方法であり、他の要件は前記の
公知方法によることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
原料のグアニン誘導体としては前記一般式N)に含まれ
る化合物の一種または二種以上が使用されるか、具体的
にはグアニン(Gua)またはグアノシン(Gum)、
2′−デオキシリy ノン7 (dGuo)  もしく
はこれらのモノりん酸エステル、ジりん酸エステル、ト
リりん酸エステルなどを挙げることができる。上記のヌ
クレオシドの各種りん酸エステルは、糖残基における水
酸基のいずれの位置がりん酸エステル化されたものであ
ってもよい。これらりん酸エステルの具体例としてはグ
アノシン−5′−モノりん酸(GMP) 、グアノシン
−8′−モノりん酸、グアノシン−2′−モノりん酸、
グアノシン−5′−ジりん酸(GDP) 、グアノシン
−5′−トリりん酸(GTP)、2’−デオキシグアノ
シン−5′−モノりん酸(2’ −dGMP )、2′
−デオキシグアノシン−3′−モノりん酸、2′−デオ
キシグアノノン−5′−ジりん酸(2’ −dGDP 
)、2′−デオキシグアノシン−5′−トリりん酸(2
’−dGTP)などの遊離型もしくは適当な塩型、たと
えばナトリウム塩を挙げることができる。本発明の目的
に特に好適なグアニン誘導体はグアノシンまたはグアノ
シン−他の原料である8′−デオキシアデノシン誘導体
とは、ヌクレオシドホスホリラーゼの作用によって前記
グアニン誘導体に対して3−デオキシリボースを供与し
うる化合物であり、具体的には8′−デオキシアデノシ
ン(3’ −dAdo;別名、コルジセピン)そのもの
、・またはそのモノりん酸エステル、ジりん酸エステル
もしくはトリりん酸エステルなどが挙げられる。上記の
りん酸エステルは3−デオキソリボースにおける水酸基
のいずれの位置がりん酸エステル化されたものであって
もよ(、遊離型、塩型のいずれであってもよい。具体的
には8′−デオキシアデノシン−5′−モノりん酸(8
’ 、−dAMP)、8′−デオキシアデノシン−5′
−ジりん酸、3′−デオキシアデノシン−5′−トリり
ん酸などが例示される。
本発明の反応における酵素源であるヌクレオシドホスホ
リラーゼとは、りん酸イオン供与体の存在下でグアニン
誘導体と8′−デオキシアデノシン誘導体とを反応させ
て8′−デオキシグアノシンを与える単独もしくは複数
の酵素を総称するものである。したがって、本発明にお
いては[ヌクレオシドホスホリラーゼ」という用語には
、プリンヌクレオシドホスホリラーゼなどのホスホリラ
ーゼ型の酵素だけではなく、ヌクレオシド−N−グリフ
シルトランスフエーゼのような転移酵素型の酵素、ヌク
レオチダーゼ、ホスファターゼなど本発明の反応に関与
する可能性のある酵素も包含される。また、本発明は酵
素源の中にヌクレオシドホスホリラーゼとともに存在す
るアデノシンデアミナーゼの活性を抑制することによっ
て3′−デオキシリアノシンの収率を向上させることを
目的とする発明であるから、ヌクレオシドホスホリラー
ゼ含有物中1こはヌクレオシドホスホリラーゼとともに
アデノシンデアミナーゼも存在するものとする。
なお、本発明においてアデノシンデアミナーゼとは、3
′−デオキシアデノシン誘導体に作用して対応する3′
−デオキシイノシン誘導体を与える酵素をいう。
本発明においてヌクレオシドホスホリラーゼ含有物とは
以上のような酵素を任意の形態で含有する物質を総称す
るものであり、その起源・由来を問わない。すなわち、
微生物由来てあれ、動物由来であれ、また、調製形態の
いかんを問わず、本発明の目的を達成することができる
ものであれば本発明に適用できる。特に、微生物由来の
ヌクレオシドホスホリラーゼ含有物が好ましい。
微生物由来のヌクレオシドホスホリラーゼ含有物として
は、シュウトモナス(pseudomonas ;以下
「工」と略す。)属、ブレビバクテリウム(略す。)属
、ミクロコツ力x (Micrococcus ;以下
[M、J、!:略す。)属、スタフィロコッカス(する
微生物に由来するヌクレオシドホスホリラーゼ含有物が
例示される。以上の属に属する微生物の一例としては以
下に示す菌株が挙げられる。なお、これらの菌株は全て
公知の菌株である(特開昭58−170498号、特開
昭59−85298号参照)。
1)シュウトモナス・テスモリチカ(p、desmol
ytica) J −4−2微工研菌寄第6307号(
FERM P −680,7)2)プレヒハクテリウム
・アセチリカム(B、acetylicum)AT−6
−7微工研菌寄第6304号(FERM P−6804
)4)キサントモナス・キャンペストリス(X、 ca
mpestris)微工研菌寄第6782号(FERM
 P −6782)。
IAM 1671.ATCC7881 5)ミクロコツカス・ルテウス(M、 1uteus)
ATCC4698,IAM 1056 6)スタフィロコッカス・アウレウス(5t、 aur
eus)IAM 1011.ATCC6588P7) 
      同  上        IFO3060
8)スタフィロコッカス・エビデルミゾイス(3t、 
epidermidis)IFOfl1762.ATC
C155 9)サルシナ・マルギナータ(肋、 marginat
a)微工研菌寄第6539 (FERM P−6539
)また、前記の菌株から、紫外線、X線、γ線の照射な
どの物理的処理もしくはニトロソグアニジンなどによる
薬剤処理など、一般的変異誘導法による誘発突然変異ま
たは自然の原因に起因する自然突然変異によって誘導さ
れた変異株も、本発明の目的に適したヌクレオシドホス
ホリラーゼ活性を失わない限り、本発明に使用すること
ができる。
これらの微生物の培養に際し、使用される培地および培
養法は、これらの微生物が生育する限り、特に限定され
ない。
培地としてはこれらの微生物が資化可能な炭素源および
窒素源を適当量含有し、必要に応じて無機塩、微量発育
促進物質、消泡剤などを添加したものが使用される。
微生物由来のヌクレオシドホスホリラーゼ含有物として
は、通常、培養物、生菌体または菌体処理物が使用され
ている。
ここで、培養物とは微生物を培養して得られる微生物菌
体と培地とが未分離の状態のものをいう。
また、生菌体は、培養物から遠心分離、沈降分離、凝集
分離などの通常の分離方法によって分離された菌体で、
後述する処理(菌体分離処理を除く)を施さないものを
いう。さらに、菌体処理物とは、乾燥菌体、細胞膜およ
び/または細胞壁変性菌体、破砕菌体、固定化菌体、菌
体抽出物、ヌクレオシドホスホリラーゼ活性を有する菌
体抽出物の蛋白質画分もしくはその精製物、蛋白質画分
もしくはその精製物の固定化物などを指称する。
菌体処理物を得るための方法を以下に例示する。
すなわち、■生菌体に対し、たとえば凍結融解処理、凍
結乾燥処理、通風乾燥処理、アセトン乾燥処理、酸性な
いしアルカリ性下における加温処理、磨砕処理、超音波
処理、浸透圧処理などの物理的処理手段、もしくはたと
えば、リゾチーム、細胞壁溶解酵素などの酵素処理、ト
ルエン、キシレン、ブチルアルコールなどの溶媒もしく
は界面活性剤との接触処理などの化学的ないし生物化学
的処理を単独もしくは組合せて施す方法、■菌体抽出物
に対し、たとえば塩析処理、等電点沈澱処理、有機溶媒
沈澱処理、各種クロマトグラフ処理、透析処理などの酵
素分離精製手段を単独もしくは組合せて施す方法、■生
菌体、菌体抽出物もしくはその精製物に包括処理、架橋
処理、担体への結合処理(共有結合、イオン結合、物理
的吸着などによる。ンなどの酵素固定化手段を施す方法
などにより菌体処理物を得ることができる。
本発明においてアデノシンデアミナーゼ阻害剤とは、前
記のアデノシンデアミナーゼを阻害する物質をいう。こ
のようなアデノシンデアミナーゼ阻害剤として公知の物
質としては、例えば(R1−3−(2−デオキシ−β〜
D−エリスロベントフラノシル) −8,6,7,8−
テトラヒドロイミダゾ〔4゜5−d:)〔1,l)ジア
ゼピン−8−オール(別名;2′−デオキシコホルマイ
シン)(特公昭58−48160号、特公昭58−44
559号1特公昭56−24518号)、9−β−D−
リボフラノシルプリン(別名募ネブラリン)(特開昭5
8−52223号)、Nl−メチル−8−(ω−アミノ
ア1ルキルアミノ)−アデノシン(特開昭55−127
400号)などが知られており、いずれの化合物を本発
明に使用してもよい。本発明の目的には特に2′−デオ
キシコホルマイシンが好ましい。
なぜなら、2′−デオキシコホルマイシンは、強力なア
デノシンデアミナーゼ阻害活性を有する化合物であると
ともに特定の微生物を培養することによって容易に製造
することができるからである。
微生物による2′−デオキシコホルマイシンの製造法と
しては、ストレプトマイセス・アンチビオチフスを培養
して製造する方法(特公昭58−48160号)および
アスペルギルス属またはエメリセラ属に属する微生物を
培養して製造する方法(特公昭58−44559号、特
公昭56−24518号)が知られている。本発明にお
いて使用される2′−デオキシコホルマイシンは、いか
なる製法によって使られたものであっても同様に使用す
ることができるが、とりわけアスペルギルス属またはエ
メリセラ属に属する微生物を培養して得られるものが好
ましい。
以下、その理由を述べる。すなわち、アスペルギルス属
またはエメリセラ属に属する微生物は、2′−デオキシ
コホルマイシンと同時に、本発明において3−デオキシ
リボース供与体として使用される3′−デオキシアデノ
シンを大量に生産するので、上記微生物の培養物より調
製された両物質の混合物を本発明における原料として用
いるときには、反応に際して3′−デオキシアデノシン
の脱アミノ化を抑制し、ひいては8′−デオキシグアノ
シンの収率向上につながるのである。
例エバ、アスペルギルス・ニドランスY176−2(微
工研菌寄第3478号)の粧培養抽出液中には、1eあ
たり3′−デオキシアデノシン約29および2′−デオ
キシコホルマイシン約20qが含まれており、この抽出
液は、本発明の反応の原料として十分な量の3′−デオ
キシアデノシンおよびアデノシンデアミナーゼ阻害剤を
含有している。
2′−デオキシコホルマイシンは前記のとおり微生物を
培養して培地中に生成蓄積させることができるが、その
方法は公知の方法によって行うことができる。すなわち
、成体培養による場合は、使用微生物が同化可能な炭素
源および窒素源はじめ生育に必要な各種微量成分を含有
する液体培地に、使用微生物を接種し、表面培養法また
は十分な酸素供給下における深部培養法によって培養し
、2′−デオキシコホルマイシンが生成畜積するまで培
養する。また、固体培養による場合は、例えば適度に撒
水した粧または米などの天然固体培地、炭素源と窒素源
とを含む粒状物培地、または栄養物を含有させたスポン
ジその他の多孔性固相培地に使用微生物を接種し、常法
によって好気的に培養し、培地中に2′−デオキシコホ
ルマイシンを生成蓄積させることができる1、培養後、
液体培養物の場合は常法により菌体を除去し、固体培養
物の場合は水などによって抽出し、必要に応じて濾過、
遠心分離などに付して2′−デオキシコホルマイシンを
含有する溶液を得ることができる。本発明においてはこ
の溶液をそのまま使用してもよいが、部分的に精製して
粗精製物として、または完全に精製し、2′−デオキシ
コホルマイシンを単離して使用してもよい。
なお、2′−デオキンコホルマイノン生産微生物。
としてアスペルギルス属またはエメリセラ属に属する微
生物を使用する場合には、培養物中に2′−デオキシコ
ホルマイシンと同時に3′−デオキシアデノシンも生成
蓄積されるので、液体培養物または固体培養物の抽出液
から必要に応じて固型物を除去し、またはこれを適宜精
製し、本発明の反応に際し、3′−デオキソアデノノン
と2′−デオキンコホルマイシンを含有する混合物を調
製し、これを基質溶液として使用してもよい。
以下、本発明の反応方法および反応条件について述べる
本発明の反応は、前記のグアニン誘導体、3′一デオキ
シアデノシン誘導体およびアデノシンデアミナーゼ阻害
剤を含をする基質溶液とヌクレオシドホスホリラーゼ含
有物とを接触させ、原料化合物にヌクレオシドホスホリ
ラーゼを作用させることによって行われる。
基質溶液は、基本的にはグアニン誘導体、3′−デオキ
シグアノシン誘導体およびアデノシンデアミナーゼ阻害
剤が溶解(一部懸濁する場合も含む。)した水性媒体で
ある。水性媒体は水または酵素反応に好適な各種緩衝液
(りん酸緩衝液、イミダゾールー塩酸緩衝液、ベロナー
ル−塩酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液など)であり、り
ん酸イオン供与源を含有し、必要に応じてその他の物質
を含有していてもよい。
本発明の反応は、基本的にはヌクレオシドホスホリラー
ゼの作用・に基つくものであるから、反応液中にりん酸
イオン供与源か存在する必要がある。
りん酸イオン供与源としては、水性媒体中でりん酸イオ
ンに解離しつるもののいずれを用いてもよく、たとえば
遊離型りん酸そのもの、無機りん酸塩、たとえばナトリ
ウム、カリウムなどのアルる。これらのりん酸供与源は
りん酸イオンとしてグアニン誘導体の約1.0〜2.5
倍モルiこなるように使用すればよい。
なお、基質のグアニン誘導体および/または3′一デオ
キシアデノシン誘導体としてりん酸エステル体のものを
用い、かつ反応液中にホスファターゼ活性物質またはヌ
クレオチダーゼ活性物質が存在する場合には、特に他の
りん酸供与源を添加する必要はない。
反応に際し、基質濃度は特に制限されないが、いずれの
基質も5〜50 mMの範囲で通常使用され、グアニン
誘導体番とついては15〜35 mM程度が、3−デオ
キシアデノシン誘導体についても15〜80mM程度が
好適である。
反応液中のアデノシンデアミナーゼ阻害剤の濃度も特に
限定されない。また、好適な濃度は反応液中のアデノシ
ンデアミナーゼ活性およびアデノシンデアミナーゼ阻害
剤の種類によって異なるので、反応液中のアデノシンデ
アミナーゼの活性および使用するアデノシンデアミナー
ゼ阻害剤の阻害活性の程度を勘案して決定すればよい。
また、ヌクレオシドホスホリラーゼ含有物の使用量は基
質の濃度、反応効率、経済性などを考慮し、当業者が容
易に決定できる。
基質溶液とヌクレオシドホスホリラーゼ含有物を接触さ
せる方法は、本発明の酵素反応か進行する限り特に限定
されず、バッチ方式でも、連続方式でもよい。また、ヌ
クレオシドホスホリラーゼ含有物が微生物の培養物であ
るときには、微生物の培養中に培地に前記の基質および
アデノノンデアミナーゼ阻害剤を添加して本発明による
反応を起こさせることも可能である。
反応条件は、アデノシンデアミナーゼ阻害剤の添加によ
って特に変更する必要はなく、公知の条件と同様でよい
。すなわちヌクレオシドホスホリラーゼ含有物に含まれ
るヌクレオシドホスホリラーゼの至適温度および至適p
H1基質の安定性、反応効率などを考慮して決定すべき
ものであるが、通常、温度35〜80°C1好ましくは
40〜70’C,pH5,0〜9.01好ましくはpH
6,0〜8.0の範囲である。なお、反応中にpHが変
動するときは、酸またはアルカリなどを用いて好ましい
pHに補正すればよい。また、例示菌株に由来するヌク
レオシドホスホリラーゼ含有物を使用する際には、その
至適温度はいずれも40〜70°C付近であり、比較的
高温で反応を行えるので微生物汚染への対策を考慮する
必要がないという利点を有する。
反応時間は、反応基質の目的物への変換率を確認しなが
ら決定すればよいが、通常バッチ方式では15〜45時
間程度、好ましくは24〜36時間程度反応させればよ
く、連続方式ではバッチ方式に準じて適当な条件を設定
して反応させればよい。
反応後、必要に応じて常法によってヌクレオシドホスホ
リラーゼ含有物を分離除去し、3′−デオキシグアノシ
ンの単離精製工程に供する。
3′−デオキシグアノシンの単離精製は公知の方法によ
ればよく、たとえばイオン交換クロマトグラフィー、吸
着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、ゲル
濾過など各種のクロマトグラフィー、向流分配法、再結
晶法などの一般的な分離精製法を単独であるいは適宜に
組合せて行えばよい。
〔作用〕
まず、本発明の発想の基礎となる事実について述べる。
ヌクレオシドホスホリラーゼ含有物として微生物の生菌
体を使用し、3−デオキシリボース供与体として3′−
デオキシアデノシンまたは3′−デオキシイノシンを用
いて、グアニン誘導体との反応を行ったところ、3−デ
オキシリボース供与体とだ。さらに、3′−デオキシア
デノシンと3′−デオキシイノシンの量比を変えて両者
を混合して3−デオキシリボース供与体として使用し、
反応を行ったところ、3゛−デオキシアデノシンの量比
か低下し、3゛−デオキシイノシンの量比が上昇するに
従って3′−デオキシグアノシンの生成率は低下した。
例えば、ヌクレオシドホスホリラーゼ含有物としてブレ
ビバクテリウム・アセチリカムAT−6−7(微工研菌
寄第6305号)を用い、3′−デオキシアデノシンと
3′−デオキシイノシンの量比を変えて反応を行ったと
ころ3′−デオキシグアノシンの生成率は第1表に示す
とおりであった。
第  1  表 上記の傾向は他の菌株を使用した場合も同様に認められ
た。
以上の事実から3′−デオキシグアノシンの生産に関与
するヌクレオシドホスホリラーゼは、3′−デオキシア
デノシン誘導体に対する基質特異性が高いことが推定さ
れた。
一方、3−デオキシリボース供与体として8′−デオキ
シアデノシンのみを使用し、ヌクレオシドホスホリラー
ゼ含有物としてブレビバクテリウムアセチリカムAT−
6−7を使用して上記と同様に反応を行い、反応終了後
、反応液中に存在する物質について分析を行ったところ
、3′−デオキシイノシンが比較的多く存在することが
判明した。
この事実から、原料として使用した3′−デオキソアデ
ノシンの一部は、3′−デオキシグアノシンに変換され
ることなく、アデノシンデアミナーゼの作用を受けて3
′−デオキシイノシンに変換され、反応液中に残存した
ものと推定された。
これらの事実から、8′−デオキシアデノシン誘導体は
3′−デオキシグアノシンの生産1こ関与するヌクレオ
シドホスホリラーゼの良好な基質ではあるが、その一部
は3′−デオキシグアノシンへ変換されず、アデノシン
デアミナーゼの作用を受けて3′−デオキシイノノン誘
導体へ変換され、3′−デオキシイノシン誘導体はヌク
レオシドホスホリラーゼの良好な基質ではないために3
′−デオキシグアノシンに変換されず、そのまま残存す
るものと結論した。
以上の事実を踏まえてヌクレオシドホスホリラーゼ含有
物に対し、各種の処理を行い、ヌクレオシドホスホリラ
ーゼには損傷を与えず、アデノシンデアミナーゼのみを
特異的に失活させる方法および条件を検索したが、これ
らの処理に対して同酵素がほとんど同一の挙動を示すこ
とから、このような処理によっては目的は達成できなか
った。
本発明は、以上の試行錯誤の末に、反応液中にアデノシ
ンデアミナーゼ阻害剤を存在させることを発想すること
によって完成されたものである。
本発明の作用は、8′−デオキシグアノシンの生産に関
与するヌクレオシドホスホリラーゼが3′−デオキシア
デノシン誘導体に対して高い基質特異性を示すこと、お
よびアデノシンデアミナーゼ阻害剤がヌクレオシドホス
ホリラーゼに影響を及ぼすことなく、共存するアデノシ
ンデアミナーゼにのみ作用して3′−デオキシアデノシ
ンの分解を抑制することに基いている。
〔実施例〕
以下、実施例をもって本発明をより具体的に説明するが
、これらはいずれも実施の一態様を示すものであって、
本発明の範囲を制限するものではない。
なお、各実施例において3′−デオキシグアノシンの分
析は高速α体りロマトグラフィ一番こよって行った。以
下に示す装置および条件で分析すると、3′−デオキシ
グアノシンは保持時間12.90分付近に溶出され、検
量線よりその量を算出できる。
また、3′−デオキシグアノシン生成率とは基質である
3−デオキシリボース供与体に対する生成した3′−デ
オキシグアノシンのモル比□□□である。
装置:島原高速液体りロマトグラフLC−8A型(■島
原製作所製) カラム:ゾルバック7、 (5orbax ) Q D
S、 4.61111X25011111(島原デュポ
ン社製)溶出剤:5%アセトニトリルを含む20mMト
リス塩酸緩衝液(pH7,5) 流速:111t/分 カラム操作温度:室温 実施例1 3′−デオキソアデノシン2.512す、5′−グアニ
ル酸ナトリウム(水分10.2996) 6.809V
およびりん酸−カリウム0.8401 を溶解し、さら
に1.5 %酵母エキス培地10dで培養したブレビバ
クテリウムづセチリカムAT−6−7の分解菌体を添加
してIg(pH7,o)とし、55°C322時間反応
した。3′−デオキシグアノシンの生成率は、54.7
6%であった。上記反応液に25#の2′−デオキソコ
ホルマイシンを添加し、同一条件で反応したところ、3
′−デオキシグアノシンの生成率は、88.496であ
っ總実施例2 アスペルギルス・ニドランスY−176−2の鼓(ふす
ま)培養抽出液を濃縮し、924の濃縮液を得た。この
濃縮液中には、393gの3′−デオキシアデノシンと
8.06 gの2′−デオキシフホルマイシンが存在し
ていた。この濃縮液に5′−グアニル酸ナトリウム(水
分10.29%)1062.1 9と、りん酸−カリウ
ム58gを加え、さらに1.5 %酵母エキス1000
j?て培養したブレビバクテリウム・アセチリカムAT
−6−777)分離菌体を添加して2006(pH7,
0)とし、55°0.23時間反応した。
この時の3′−デオキシグアノシンの生成率は92.0
%であった。反応液から遠心分離により菌体を除去した
液を500e(pH5,5)に稀釈し、ハイポーラス吸
着樹脂1201に吸着、水洗後、509M)エタノール
500aで溶出した。
溶出液をpH7,0に中和後濃縮し64gとし、活性炭
14gを加え脱色処理を行い、冷却した。
生成した結晶を再結晶し、乾燥後3′−デオキシグアノ
シンの結晶322すを得た。精製収率は88.73%で
あった。
〔発明の効果〕
本発明は、3−デオキソリボース供与体として、3′−
デオキシグアノシンの生成に関与するヌクレオシドホス
ホリラーゼに関して最も有利な基質である8′−デオキ
シアデノノン誘導体を利用すること、および反応液中に
共存するアデノシンデアミナーゼの作用を同酵素の阻害
剤を反応液中に存在させることによって抑制し、ヌクレ
オシドホスホリラーゼによる反応に関しては不利な基質
である3′−デオキシイノシン誘導体の生成を防止し、
結果的に3′−デオキシアデンンの生産効率を向上させ
たものである。
さらに、3′−デオキシアデノシンとアデノシンデアミ
ナーゼ阻害剤である2′−デオキシコホルマイソンを同
時に生産する微生物を培養して得た、両物質の混合物を
本発明の基質の一部として使用する場合には、アデノシ
ンデアミナーゼ阻害剤を別途添加することなく、8′−
デオキシアデンンの生産効率を向上させることができる
とともに、生産工程を著しく簡略化できる利点がある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 一般式〔 I 〕 ▲数式、化学式、表等があります▼〔 I 〕 〔式中、Rは水素原子またはリボース−1−イル基、2
    −デオキシリボース−1−イル基もしくはこれらのモノ
    りん酸エステル、ジりん酸エステル、トリりん酸エステ
    ルを示す。〕で表わされるグアニン誘導体の一種または
    二種以上と、3′−デオキシアデノシン誘導体の一種ま
    たは二種以上とを、ヌクレオシドホスホリラーゼ含有物
    の存在下で反応させて3′−デオキシグアノシンを合成
    するに際し、反応液にアデノシンデアミナーゼ阻害剤を
    存在せしめることを特徴とする3′−デオキシグアノシ
    ンの製造法。
JP26709084A 1984-12-18 1984-12-18 3′−デオキシグアノシンの製造法 Pending JPS61146194A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0335789A (ja) * 1989-04-06 1991-02-15 Texas A & M Univ Syst:The ヌクレオシドの酵素的合成方法

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JPH0335789A (ja) * 1989-04-06 1991-02-15 Texas A & M Univ Syst:The ヌクレオシドの酵素的合成方法

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