JPS6114486Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一対の金属表面板間に熱硬化性樹
脂の発泡体等の断熱性心材を充填して成る耐火性
断熱パネルの連結構造に関するものである。

一般にこの種断熱パネルはプレハブ式の冷蔵庫
や倉庫等の外壁材として使用され、断熱性は勿
論、耐火性や防水性が要求される。これらの外壁
材を形成する耐火性断熱パネルは、一般には無機
質材を主体とする不燃性の材料で心材を形成する
が、良好な断熱性を得るためには熱硬化性のフエ
ノールフオームやユリアフオーム等の発泡性樹脂
材で心材を形成することが有利とされている。し
かし、これらの発泡性樹脂材は熱硬化性であつて
も、直接火災に当てられたり、熱気に直接に曝さ
れると、酸化消耗により焼失してしまうことが知
られている。

しかしながら、従来のこの種パネルとして最も
簡単で安価に製造できる構造は、一対の金属表面
板間に断熱性心材を充填しただけのサンドイツチ
構造であるため、このような構造のパネルを単に
組み合せて外壁を構成した場合、パネル同士の連
結部に問題が生じる。すなわち、万一火災に遭遇
した場合、連結部から火災や熱気がパネル内部に
侵入し、心材が前述のようなフエノールフオーム
やユリアフオームの発泡性樹脂材で形成されてい
るならば酸化消耗により焼失し、耐火性断熱パネ
ルとしての機能を失つてしまうことになる。した
がつて、従来はこの対策として例えばパネル端縁
に金属製の砕材を装備して心材を密封するパネル
構造を採用していた。しかしながら、このような
枠材を装備することは断熱性の低下をきたすとと
もに、冷凍冷蔵庫等においては表面に結露する原
因となり、好ましくなかつた。また、パネルコス
トの上昇を招くので好ましくなく、かかる問題を
解決する手段が望まれているのが現状である。

この考案は、上記問題を解決することを企図し
てなされたもので、フエノールフオームやユリア
フオーム等を断熱性心材として使用した簡単なサ
ンドイツチ構造で安価な耐火性断熱パネル同士の
連結部において火災や熱気等に対処できるように
したことを特徴とする耐火性断熱パネルの連結構
造を提供しようとするものである。

以下にこの考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はこの考案の連結構造の第一実施例を示
す断面図で、図中、１，１は互いに連結される耐
火性断熱パネルであつて、それぞれ対峙する一対
の金属表面板２，２の内面に例えば硅酸カルシウ
ム板等の耐火性能を有する無機質材３，３を貼着
するとともに、両金属表面板２，２間に例えばフ
エノールフオーム等の断熱性心材４を充填して成
り、これらパネル１の連結端部における少なくと
も一方（図面では両方を示す）の金属表面板２に
ほぼクランク状すなわち〓字状に折曲する縁部５
を形成するとともに、この縁部５における先端側
水平部５ａの両側にはパネル１の厚さ方向の外方
側に向つて隆起する凸条６，６を折曲形成して成
る。そして、この場合〓形に折曲形成された凸条
６，６をもつて隣接するパネル１，１同士を係合
させるとともに、先端側水平部５ａ，５ａを互い
に重合させた後、重合する先端側水平部５ａ，５
ａを例えばブラインドリベツトあるいはねじ等の
固定具７をもつて固着して、両パネル１，１を互
いに連結するのである。

なお、パネル連結部における外側部における外
側部に、第１図に想像線で示すようにコーキング
材８をバツクアツプ材９を介してシールすれば、
連結部の外観をすつきりさせるとともに、更に防
水性の向上を図ることができる。なお、耐火材と
断熱材は、前の如く積層するに限らず、耐火材の
粒を断熱材中に予め混入した単一の心材でもよ
い。

第２図はこの考案の第二実施例を示す要部断面
図であつて、前記縁部５の先端側水平部５ａの両
側に〓形の凸条６ａ，６ａを形成した場合、ま
た、第３図はこの考案の第三実施例を示す要部断
面図であつて、前記縁部５の先端側水平部５ａの
両側に〓形の凸条６ｂ，６ｂを形成した場合であ
る。なおこの第三実施例において、第４図に示す
ように、一方のパネル１の縁部先端側の凸条６ｂ
に係止突起６ｃを形成し、この係止突部６ｃを他
方のパネルの先端側水平部５ａの基部側の凸条６
ｂに連ねて形成した係止凹溝６ｄに係合させるこ
とにより、更に強固な連結構造とすることができ
る。

以上に説明したように、この考案の連結構造に
よれば、連結すべきパネルの連結端部にほぼクラ
ンク状の縁部を形成するとともに、この縁部の先
端側水平部の両側にはパネルの厚さ方向の外方に
向つて隆起する凸条を折曲し、隣接するパネルの
凸条同士を互いに係合させるとともに、先端側水
平部を重合させ、重合する先端側水平部を固定具
によつて固着して成るので、火災時に隣接するパ
ネル同士が離れようとしても、凸条同士の係合に
よつて連結部は離間することなく、類焼や延焼を
防止することができ、また、連結部の係合が確実
となるため、強度面の向上が図れるとともに、固
定具の数を少なくすることができ、しかも、コー
キング等のシール材が経年変化により亀裂等が生
じても、凸条同士の係合部により雨水等の侵入を
阻止することができるなどの優れた効果が得ら
れ、この利用価値は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の連結構造の第一実施例を示
す断面図、第２図は及び第３図はそれぞれこの考
案の第二及び第三実施例を示す要部断面図、第４
図は第三実施例における別の形態を示す要部断面
図である。 図において、１……耐火性断熱パネル、２……
金属表面板、４……断熱性心材、５ａ……縁部、
５ａ……先端側水平部、６，６ａ，６ｂ……凸
条、７……固定具、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一対の金属表面板間に心材を充填して成る耐
   火性断熱パネルの連結端部において、少なくと
   も一方の金属表面板をほぼクランク状に折曲す
   る縁部を形成するとともに、この縁部の先端側
   水平部の両側にはパネルの厚さ方向の外方に向
   つて隆起する凸条を折曲し、隣接する両パネル
   の前記凸状同士を互いに係合させるとともに、
   前記先端側水平部を互いに重合させ、重合した
   両先端側平水部を固定具によつて固着して成る
   耐火性断熱パネルの連結構造。 ２ 前記凸条が〓形である実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の耐火性断熱パネルの連結構造。 ３ 前記凸条が〓形である実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の耐火性断熱パネルの連結構造。 ４ 前記凸条が〓形である実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の耐火性断熱パネルの連結構造。