JPS6114121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は過電流保護継電器に関するもので、そ
の目的とするところは、構造が簡単な過電流保護
継電器を提供するにある。

以下本考案の一実施例を図面により詳述する。
１は電磁型の過電流素子であつて、電磁コイル８
とオイルダツシユポツト９とヨーク１０とにより
構成され、負荷回路中に挿入される電磁コイル８
に過電流が流れると、オイルダツシユポツト９が
作動し、アーマチユア２を吸収することになる。
アーマチユア２はヨーク１０と一体に形成された
フレーム１１の軸受１２に軸１３により軸支され
ており、さらにこの軸１３には図中時計回転方向
に付勢された引き外し板３が軸支されている。し
かしてアーマチユア２の下端部が過電流発生時に
オイルダツシユポツト９に吸引されると、アーマ
チユア２上端の作動部１４が、引き出し板３をそ
の付勢ばね力に抗して反時計方向に回転駆動し、
引き外し板３と可動接触子６後端とのラツチ係合
を外すようにしてある。可動接触子６は先端に接
点４を具備するとともに後端に引き外し板３との
ラツチ係合部３１を具備しているものであつて、
前記フレーム１１の主軸受部１５に形成した縦長
孔１６に上下摺動自在に支持された軸ピン１７に
より中央軸支部３０が上下動及びシーソー動自在
に支持されており、さらにこの可動接触子６は中
央軸支部３０とラツチ係合部３１との間の部分が
圧縮コイルばねよりなるばね５により上方に付勢
され、このばね５の下端はヨーク１０の上面によ
り支持されている。上記可動接触子６は同一幅で
横長の一枚の導体板により形成してある。７は上
部筐体１８上面に上方突出して取設した釦体であ
つて、この釦体７は弱コイルばね１９により下方
引込み方向に付勢され、前記可動接触子６のばね
５によよる上方付勢部分と軸ピン１７による中央
軸支部３０との間の上面に釦体７の下端が常時当
接し、可動接触子６の動作状態にこの釦体の上方
突出量が連動するようにしてある。図中２２は下
部筐体、２３，２４は夫々端子板、２５，２６は
夫々端子ねじである。

しかして第１図は通常の回路投入状態を示し、
可動接触子６のラツチ係合部３１が引き外し板３
の係合孔２０にラツチ係合されて支持され、しか
もばね５により可動接触子６の中間部が上方に強
力に付勢されているため、可動接触子６の接点４
を付設した側の先端部には上動方向の力が作用
し、従つてこの接点４は固定接点２１に圧接し上
記ばね５により接点圧が与えられる。このとき可
動接触子６は前記引き外し板３の係合孔２０と固
定接点２１に対する接点４の接触部とにより位置
決定されて保持するため、釦体７の可動接触子６
に対する当接部はは下方に位置し、釦体７は下方
に引つ込んだ状態にあり、通常状態を表示してい
る。次に端子板２３から電磁コイル８、リード線
２７、可動接触子６、接点４、固定接点２１、端
子板２４の経路により流れる負荷電流が過電流に
なると、電磁コイル８を有して構成された過電流
素子１が応動し、アーマチユア２の下端を吸引し
てこのアーマチユア２を図中反時計方向に回転さ
せる。このためアーマチユア２上端の作動部１４
が引き外し板３をその付勢ばね力に抗して反時計
方向に回転駆動することになり、この引き外し板
３の回動によつて係合孔２０に対する可動接触子
６後端のラツチ係合部３１が外れ、縦長孔１６上
端で支持された軸ピン１７を中心として可動接触
子６がばね５のばね力により時計方向に急速に回
転動作し、第２図に示すように固定接点２１に対
する接点４の接触が開離されて回路を遮断すると
ともに、ばね５のばね力により押し上げられた可
動接触子６の後部上面により釦体７が上方に押し
上げられ、上部筐体１８の上面から釦体７が大き
く突出されて遮断状態を表示することになる。こ
の後接点４を再投入するに際しては、釦体７を指
その他により押し下げるものであつて、これによ
りまず可動接触子６にばね５の押上げ力に抗した
押し下げ力が作用し、軸ピン１７が縦長孔１６内
を下方摺動することにより、まず可動接触子６全
体が下方に移動する。次に軸ピン１７が縦長孔１
６の下端に至ると軸ピン１７はこの縦長孔１６の
下端にて支持されることになり、可動接触子６は
軸ピン１７を軸にして図中反時計方向に回転を開
始する。このため可動接触子６の後端は引き外し
板３を一旦後方に押し下げた後この引き外し板３
の係合孔２０にラツチ係合することになる。この
状態において釦体７に対する下方押圧力を解除す
ると、今度は可動接触子６後端のラツチ係合部３
１と引き外し板３とのラツチ係合部を回動中心と
して可動接触子６が反時計方向に回動し、第１図
の状態に復帰して接点４と固定接点２１とが閉じ
られる。

本考案は上述のようにヨークの一端部両側縁か
ら上方に主軸受部を一体に延設するとともに、他
端部両側縁から上方に軸受を一体延設し、前記主
軸受部に形成した縦長孔に可動接触子の軸ピンを
下上摺動自在に支持し、上記軸受にアーマチユア
を回動自在に軸支し、可動接触子を中央軸支部と
上記ラツチ係合部位との間と前記ヨーク上面との
間に配設する圧縮コイルばねのばね座をヨーク上
面に設けたので、フレームがヨークと一体なり、
しかも過電流素子に可動接触子、アーマチユア、
圧縮コイルばねを組み込んだブロツクが構成でき
て筐体に対する組み込み時の取り扱いが容易とな
り、その上記配設スペースを小さくできて、コン
パクト化が図れるという効果を泰する。

また上述のように中央軸支部を切起しによつて
形成してあるため可動接触子側に軸を突設した
り、あるいは貫通孔を設けたりする必要がなく、
その結果厚肉の可動接触子を必要とせず、上述の
加工が極めて容易であるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の回路閉成時の断面
図、第２図は同上の回路遮断時の要部断面図、第
３図は同上の機構部の拡大分解斜視図であり、１
は過電流素子、２はアーマチユア、３は引き外し
板、４は接点、５はばね、６は可動接触子、１０
はヨーク、１１はフレーム、１２は軸受、１３は
軸、１５は主軸受部、１６は縦長孔、１７は軸ピ
ン、３１はラツチ係合部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電磁型の過電流素子と、この過電流素子に応動
   するアーマチユアにより作動される引外し板と、
   一端をこの引き外し板にラツチ係合し他端に接点
   を具備し略中央の中央軸支部にて軸回転運動させ
   るようにした可動接触子とを有し、上記過電流素
   子をオイルダツシユポツトと、そのオイルダツシ
   ユポツトの外周に巻装した電磁コイルと、該電磁
   コイルの上部に配設され両端を電磁コイルの両端
   に位置するオイルダツシユポツトに磁気的に結合
   されたヨークとで構成した過電流保護継電器にお
   いて、上記ヨークの一端部両側縁から上方に主軸
   受部を一体に延設するとともに、他端部両側縁か
   ら上方に軸受を一体延設し、前記主軸受部に形成
   した縦長孔に可動接触子の軸ピンを上下摺動自在
   に支持し、上記軸受にアーマチユアを回動自在に
   軸支し、可動接触子の中央軸支部と上記ラツチ係
   合部位との間と前記ヨーク上面との間に配設する
   圧縮コイルばねのばね座をヨーク上面に設けたこ
   とを特徴とする過電流保護継電器。