JPS6113914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トンネル状の窯体内に敷設されたレ
ール等の走行案内に沿つて走行して、上面に載置
した被焼成物を連続的に焼成するトンネル窯用台
車に関し、特に、従来の台車に比べて軽量化する
ことができる台車に関する。

トンネル窯用台車は、上面に載置した被焼成物
の焼成熱が下面に伝達されると、熱効率が低下す
るばかりでなく、鋼製のフレーム、車輪、軸受及
びレール等が高熱に曝されて耐久性が著しく低下
するため、上面に耐熱性の断熱材を張設するとと
もに、その断熱材の側面を凸面とし、窯体の内壁
面を凹面として互いに小間隔で対応させ、かつ、
サンドシールを車輪の両側に設けて高温度の燃焼
ガスが下面に流れるのを防止するようになつてい
る。そして、以前は、台車上面に張設する断熱材
として耐火物製のブロツクが使用されていたが、
セラミツクフアイバ等の耐熱性に優れた繊維質断
熱材の普及に伴ない、軽量化の目的でこれを採用
した台車が使用されるようになつた。しかしなが
ら、セラミツクフアイバ等の繊維質断熱材は、高
温度のガス流に曝されると次第に飛散し、また、
脆弱なため被焼成物の載せ下しの際に被焼成物な
どが当たることにより形が崩れ、断熱材の側面と
窯体の内壁面との間隙が大きくなつてシール性が
低下する欠点がある。

本考案はこのような事情を背景にして完成され
たものであつて、断熱材に繊維質断熱材を使用す
ることにより軽量化を計り、なおかつ、繊維質断
熱材が高温度ガスに曝されるのを阻止して、シー
ル効果ひいては断熱効果を長期間にわたつて確保
することを目的とするものである。

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

トンネル状の窯体１内にはレール２，２が敷設
され、その上を走行する台車４上に載置台ａが並
べられ、さらに、その上に、匣鉢ｂに収容された
タイル素地等の被焼成物ｃが積み上げられてお
り、窯体１の焼成帯には、台車４の上面を指向す
るバーナ３が両側壁に装置され、各バーナから吹
き出す燃焼炎によつて台車４上の被焼成物ｃを加
熱し、焼成するようになつている。

台車４の構造を説明すると、鋼材の溶接構成に
なるフレーム４０の底面に車輪４１，４１が軸受
４２，４２によつて軸支され、フレーム４０の上
面周縁にはアングル鋼からなる低い周壁４３が設
けられ、その周壁４３内に敷板４４が嵌め込まれ
ており、その敷板４４上には耐火物からなる下面
開放の円筒形の支柱４５が適宜間隔で立設され、
その周りにセラミツクフアイバ等の耐熱性に優れ
た繊維質断熱材４６が支柱４５の上面と同一高さ
に張設され、支柱４５の中空にも繊維質断熱材４
６が充填されている。そして、その繊維質断熱材
４６の上面には、数枚に分割された耐火物製の載
置板４７が支柱４５間に差し渡すように張設さ
れ、繊維質断熱材４６の左右両側縁部には、第
１，４図に示すように、水平板４８ａの側端に下
方へ直角に屈曲した垂直板４８ｂが形成され、そ
の垂直板４８に外方へ膨出した凸部４８ｃが形成
されているとともに、水平板４８ａの先端に突縁
４８ｄが形成された耐火物製の殻体４８が、ま
た、繊維質断熱材４６の前後両縁部には、逆Ｌ字
形に屈曲した水平板４９ａと垂直板４９ｂからな
り、水平板４９ａの先端に突縁４９ｄが形成され
た耐火物製の殻体４９が、さらに、繊維質断熱材
４６の四つの角には、水平板５０ａの側面側の垂
直板５０ｂに前記殻体４８と同一形状の凸部５０
ｃが形成され、前面若しくは後面側の垂直板５０
ｅは前記殻体４９と同一形状をなし、水平板５０
ａと垂直板５０ｅの先端に突縁５０ｄが形成され
た殻体５０が、夫々、垂直板４８ｂ，４９ｂ，５
０ｂ，５０ｅの下端を、フレーム４０の周壁４３
の内側に嵌めて配置され、角に配置された殻体５
０は突縁５０ｄを前面若しくは後面に配置された
相隣る殻体４９の内面に形成された窪面４９ｆに
嵌合して接続され、側面側の殻体４８と前面若し
くは後面側の殻体４９の水平板４８ａ，４９ａの
突縁４８ｄ，４９ｄは夫々前記載置板４７の下面
に形成された窪面４７ａと嵌合しており、繊維質
断熱材４６の上面及び全周は、殻体４８，４９，
５０及び載置板４７によつて覆われている。な
お、各殻体４８，４９，５０の肉厚は載置板４７
の厚さとほぼ同一である。

一方、台車４の上部と対応する窯体１の両側の
内壁面１１，１１には、前記殻体４８，５０の垂
直板４８ｂ，５０ｂに形成された凸部４８ｃ，５
０ｃと略同一形状の凹部１２が窯体１の長手方向
に形成されており、殻体４８，５０の垂直板４８
ｂ，５０ｂの外面と、窯体１の内壁面１１との間
には、屈曲した狭い間隙Ｃが構成されていて、台
車４の上面の高温度ガスが下面側へ流下するのを
抑制するようになつており、さらに、台車４のフ
レーム４０の両側端から垂下した袖板５１，５１
が、レール２，２の外側に設けられた溝５２，５
２内の砂５３内に差し込まれていて、上記間隙Ｃ
を通つて流下した高温度ガスがレール２，２側へ
流れ込むのを遮断するようになつている。

なお、本考案は、窯体内に列設された多数のロ
ーラを走行案内として走行する形式の台車にも適
用し得るものである。

上記実施例によつて具体的に説明したように、
本考案のトンネル窯用台車は、トンネル状の窯体
内に敷設されたレール等の走行案内に沿つて、被
焼成物を載置して走行するトンネル窯用台車にお
いて、フレームの上面にセラミツクフアイバ等の
繊維質断熱材を張設するとともに、該繊維質断熱
材の表面を耐火物製の殻体で隙間なく覆つたこと
を要旨とするものであつて、断熱材に繊維質断熱
材を用いたことにより軽量化がはかられ、台車を
走行させる動力が減少し、フレーム、軸受、車輪
及びレール等に作用する荷重が軽減して耐久性が
向上するとともに、台車の熱負荷が減少して燃料
消費量を減少することができ、しかも、繊維質断
熱材の表面を耐火物の殻体で隙間なく覆つたか
ら、繊維質断熱材が高温度ガスに曝されるのが防
止されて、繊維質断熱材が飛散したり、形崩れす
るのが防止でき、したがつて、窯体の内壁面との
間隙を極く小さくしてシール性を保つことがで
き、さらに、繊維質断熱材の中に含まれている空
気が外部と殻体で遮断されているから、高い断熱
性を確保し得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は
一部切欠正面図、第２図は一部切欠側面図、第３
図は一部切欠平面図、第４図は要部の分解斜視図
である。 １：窯体、１１：内壁面、１２：凹部、２：レ
ール、４：台車、４０：フレーム、４１：車輪、
４６：繊維質断熱材、４７：載置板、４８，４
９，５０：殻体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トンネル状の窯体内に敷設されたレール等の走
   行案内に沿つて、被焼成物を載置して走行するト
   ンネル窯用台車において、フレームの上面にセラ
   ミツクフアイバ等の繊維質断熱材を張設するとと
   もに、該繊維質断熱材の表面を耐火物製の殻体で
   隙間なく覆つたことを特徴とするトンネル窯用台
   車。