JPS6112863Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、タイル張りのように滑り易い床面
の浴室に使用するマツトに係るものである。

浴室の洗い場には簀子板を用いることもある
が、水分を吸収して取扱いが面倒であるばかりで
なく、じめじめとして気持ちも悪く、更に腐蝕し
易いなどの欠点があり、又、躓けば怪我すること
も多いので、近頃では合成繊維による織布や編組
地で作られたマツトが使用されるようになつた
が、浴室の床面は常に湯水によつて濡れ、殊にタ
イル張りなどの滑り易い床面の場合には、マツト
の材質に合成繊維が使用されているときは、一層
滑りが甚だしく、時には転倒の危険も生じる。

よつてこの考案は上記の欠点や危険を除くた
め、マツトの滑りを防止すると共に、マツト上に
うづくまつたり坐つた際に、肌ざわりが柔軟で軽
度の弾力もあつて、心地よい感触が得られるよう
に工夫したものである。

本考案の実施例をその構成に基づいて説明する
と、伸縮自在の厚さを有する柔軟な発泡樹脂など
によつて作られた弾質の板体１に、適間隔を保つ
て表裏に貫通する多数の孔２を設け、そのうち数
個の孔２′に夫々ゴム製などの滑止脚３を挿入す
る。滑止脚３の下端は扁平状に形成され、孔２口
を中心に板体１の裏面に重合して突出する。尚扁
平下端部４の下面には凹凸状の滑止めを設けても
良い。又、滑止脚３の孔２内に挿入された上部５
は孔２の上方口より低く位置し、板体１が圧縮さ
れた際に、板体１の表面より突出しないように、
孔２内に陥没して支持されている。

従つて本考案のマツトには、板体１を平均に支
承する要所毎に、滑止脚３を間隔おきに配置さ
れ、扁平下端部４は板体１の裏面に重合して、板
体１の下面に突出するので、板体１と床面Ａ間に
は常に安定した隙間Ｂ保有する。したがつて床面
を流れる湯水は板体に吸収されることがない。し
かし板体１は柔軟多孔質のものであるから、湯水
の飛沫を浴びたり、誤つて直接湯水が注がれるよ
うな場合でも、板体を軽く踏みつけ、或はその
まゝ坐れば、柔軟、多孔質の弾性体であるため、
体重がかゝれば容易に圧縮されて、内部に吸収さ
れた水を忽ち排出し、滑止脚を有しない孔２を伝
つて床面に流れ去る。然も材質自体は吸水性のな
い合成樹脂製であるから、細孔内の水分が圧出さ
れた後は殆んど乾燥状態に復元する。

尚、板体１は圧縮されても、陥没している滑止
脚３の上部５は、板体の表面に突出しないので、
板体上に坐しても何等妨げになることがなく、軽
度の弾力と相俟つて心地よい感触が得られるもの
である。

以上のように本考案のマツトは、濡れて滑り易
くなつた浴室の床面に、単に敷き放しておくだけ
で、板体下面に突出する数個の滑止脚が、間隔を
保つて配置されているので摺り動くことがなく、
従つてマツト端に躓いたり、或は踏み損じてもマ
ツトは常に安定しているので、足を取られたり転
倒するなどの危険が生じない。又、マツトが濡れ
ても簡単に圧縮して水分を排除できるので、浴室
に利用するマツトとして好ましい条件の数々を兼
備し、然も腐蝕に耐え長期に使用できるなどの効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の浴室用マツトの１部の表面
図、第２図は同じく裏面図、第３図は浴室の床面
に敷いた状態を示す断面図である。 １……板体、２……貫通孔、３……滑止脚、４
……扁平下端部、５……上部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 伸縮自在の厚さを有する柔軟多孔質の合成樹脂
   等の板体１に、適間隔を設けて表裏に貫通する多
   数の孔２を形成し、そのうち数個の孔２′にはゴ
   ム等の滑止脚３を挿入すると共に、該脚３の扁平
   下端部４を板体１の裏面に重合して突出せしめ、
   滑止脚３の上部５を板体１の孔２内に陥没して支
   持したことを特徴とする浴室用マツト。