JPS6112845A - 磁気デイスク用アルミニウム基合金板及びその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、平坦度が良好にして機械的強度が大でかつ
表面の精浄度の優れた電子計算機に用いられる磁気ディ
スク用アルミニウム基合金板及びその製造法に関するも
のである。

（従来の技術） 電子計算機に用いられる記憶装置の一つとして磁気ディ
スクが使用されている。この磁気ディスクはアルミニウ
ム合金からなる基板の表面に磁性体を被覆し、この被覆
膜を磁性化することにより信号を記憶させている。

磁気ディスク基板には、次のような特性が要求されてい
る。

（１）磁気ヘットの安定な浮上と記録特性の安定性を得
るだめに研摩後の表面精度が良好なこと（１１）基板を
作成する過程における機械加工や研摩または使用時の高
速回転に十分針えうる機械的強度を具有すること、 （ｉｉｉ）　　軽量でかつ耐食性を有し、しかもある程
度の耐熱性を有すること、 等である。

上記のような特性を満すために、従来ＡＡ　５０８６合
金及び１Ｖｆｎ　、　Ｆｅ、　Ｓｉ等の添加元素を減ら
し、材料の面精度を向上させたＡｌ−ＩＶ１ｇ系の合金
が主に用いられている。

近年、磁気ディスクの大容量化′、高密度化の傾向が高
まり磁性皮膜の薄膜化、磁気ヘットと磁気ディスクとの
間の間隔の減少化が必要となり、そのため基板を形成す
る過程における機械加工や研摩後の表面精度の一層の向
上が要求されるに至った。

この機械加工や研摩後の表面精度の向上のためには、ミ
クロ組織的には鋳造時に形成される金属間化合物の量や
大きさを減らすことが重要であるが、一方、材料の基地
面全体が硬く、加工性が良好であることも重要である。

また、ディスク盤は使用時に高速で回転するだめ、それ
に耐えうる機械的強度が要求され、機械的性質が高い方
が好ましい。またそれによる薄肉化も可能である。

他方、表面精度としては、ミクロ的な粗度、うねりが少
ないことは当然であるが、ディスク面全体の゛ノリ、曲
り等の平坦度及び平面性も非常に厳しく管理する必要が
ある。このため通常は基板の段階で一度、重量をかけな
がら焼鈍するいわゆる゛重し焼鈍″により平面性を向上
させ、さらに機械加工や研摩工程のいくつかの段階で、
残留応力や加工により生成した変形を除去し、平面性を
向上させるために、重し焼鈍を繰り返して用いられる。

即ち、高温時の低い材料強度とクリープ現象を利用して
平坦度を向上している。そのだめ、重し焼鈍の温度は高
い方が、平面性を向上させる上で好都合である。しかし
、高い温度で焼鈍すると、材料が軟化し、材料表面の硬
度が低下し、面精度の向上に支障を来たし、また材料強
度が低下することによるディスク盤の剛性が不十分とな
る。逆に焼鈍温度が低いと強度は高いが、材料の平坦度
が不十分となる。

従来より磁気ディスク基板のブランクは、Ｈ２４〜Ｈ２
２の半硬質の強度になるように重し焼鈍が用いられる場
合が多かったが、近年の高密度化の要求が高まりより平
面性のすぐれたブランクが要求され、Ｈ２４〜Ｈ２２て
は、その要求に応じられない。そのため焼鈍の温度を上
げて完全焼鈍材でブランクを製造する場合もあるが、こ
の手段によると平面性はすぐれているが材料強度が低く
、機械加工及び研摩工程での面精度が不十分でかつ機械
的性質が低下することによる剛性が不足するという問題
があった。

（発明が解決しようとする問題点） この発明は、上記せるように磁気ディスク用アルミニウ
ム基合金基板の段階における重し焼鈍温度を上げること
に基づく材料強度の低下及び強度低下による面精度の不
十分の問題を解決することにある。

この発明の目的は平面性の向上を図り、かつ材料強度が
大にして優れた面精度を期待することができる磁気ディ
スク用アルミニウム基合金板及びその製造法を提供する
ことにある。

（問題点を解決するだめの手段） 第１の発明は、上記の問題点を解決するために次のよう
に構成した。

この発明の磁気ディスク用アルミニウム基合金板の成分
はｉＶＩｇ　：　３〜６ｔｌＩ（重量係以下同じ）、Ｚ
ｒ　：　０．０３〜０．２０　％を必須成分とし、Ｆｅ
　：　Ｑ、１係以下、Ｓｉ　：　０．１％以下、Ｍｎ　
：　０．４　％以下、Ｃｒ二０．１係以下、Ｔｉ　：　
０．１５係以下、残部Ａｌ及び不可避不純物からなるこ
とを特徴とする特 （作用） この発明の磁気ディスク用アルミニウム基合金板の上記
成分において、Ｚｒは既述せるＡＡ５０８６合金に含ま
れない成分であり各成分はそれぞれ上記の範囲にあるこ
とが好適である。

即ち、Ｍｇはディスク基板に所定の機械的性質を賦与す
るに必要な元素であり、添加量３係未満では所定の強度
が得られず、６係を超えると、Ａｌ−Ｍｇ系の金属間化
合物が生成し表面清浄度が悪くなるので好ましくない。

Ｚｒは材料の軟化を遅らすために添加され、０．０３係
未満ではその効果がなく、０．２０％を超えるとＡｌ−
Ｆｅ系の金属間化合物の量が増加し、またＺｒＡｌ３の
初晶粗大金属間化合物が生じ、ディスク基板の切削面の
精度を低下させるので好捷しくない。

金属間化合物（Ａｌ−Ｆｅ　、　Ａｌ−Ｆｅ−８ｉ　、
　Ｍｇ−８ｉなど）の生成はなるべく少ない方が好捷し
いが、　Ｆｅ及びＳｉの含有量が夫々０１％を超えると
直径７μを超える粗大な金属間化合物が生じ易くなる。

Ｍｎ　、　Ｃｒ　、　Ｔｉは、Ｚｒと共存し、材料の軟
化を遅らせる働きを有するが、それぞれの添加量が増え
ると、Ａｌ−Ｆｅ　、　Ａｌ−Ｆｅ−８ｉ　、Ｍｇ−８
ｉ　　等の金属化合物にとげ込んでその量を増し、さら
にＡｌｓＭｎ％ＣｒＡｌ７、ＴｉＡｈ等の粗大な金属間
化合物を生成するので上限量を夫々０４係、０１係、０
．１５％とする。

その他、不可避的に含まれるＣｕ　、　Ｚｎ等の元素は
、通常の不純物の範囲内ならとくに金属間化合物の増大
、軟化の促進という弊害はない。

次に、この発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の
製造法につき説明する。

（発明が解決しようとする問題点） 熱間カロエもしくは冷間加工後、加工歪の残留した材料
を焼鈍すると、材料は軟化する。軟化の程度は、添付図
に示す如く温度と共に変化し、ある温度を超えると（図
では２６０　ｔ：ｌ’　）　、再結晶を生じ、その後の
強度はほぼ一定となる。即ち、高温で重し焼鈍を行なえ
ば、平面性は向上するが焼鈍後の材料強度は低下する。

この発明の製造法は、材料の軟化特性を遅らせることに
より、この問題を解決したものである。

（問題点を解決するだめの手段） 」二記問題を解決するために第２の発明は、次の手段を
とった。

ＩＶｉｇ：３〜６％、Ｚｒ　：　０．０３〜０．２０　
％　を必須成分とし、Ｆｅ　：　０．ｉ　％以下、Ｓｉ
　：　０．１　％以下、Ｍｎ　：　０．４係以下、Ｃｒ
　：　０．１％以下、Ｔｉ　：　０．１５　％以下、残
部Ａｌ及び不可避不純物からなる磁気ディスク用アルミ
ニウム基合金を熱間圧延に先立って４００℃〜５００Ｃ
で１時間〜４８時間加熱し、次いで熱間圧延、冷間圧延
をすることによって所定の板厚とし、さらに重し焼鈍す
ることにある。

（作用） Ｚｒ添加により軟化を遅らせる効果を有効に発揮させる
ためには、熱間圧延に先立ってＺｒを均一微細に析出さ
せておく必要がある。そのため鋳塊の加熱温度は４．０
０　℃〜５００Ｃが適当であり、４００Ｃ未満ではその
効果は不十分でかつそれに続く熱間圧延が困難になる。

５００Ｃを超えるとＺｒの析出粒子が粗大となり軟化遅
れに対する効果が消失する。保持時間は１時間未満では
効果が不十分であり、４８時間を超えても効果は飽和し
、経済的にも無意味である。

上記のようにして得られた合金板は、合わせ板の芯材と
して用いＣも好都合であり、この合金板を芯材となし、
本合金板と異なる合金板を皮材として前記芯材の片面も
しくは表裏両面にクラッドした磁気ディスク用アルミニ
ウム基合金板となし得る。

（発明が解決しようとする問題点） 最近に至り一層の高密度化のだめ、例えば、スパッタリ
ンクディスク基板の如く、金属間化合物を極力減少させ
るだめ、不純物元素を極力抑え゛だディスク基板におい
ては、軟化は平坦度に対する要求から高温での重し焼鈍
が必然となシ、結果的に材料の剛性の低下はまぬがれな
いのが現状であったが、クラツド材の芯材にこの発明で
得られた合金板のように軟化の遅い材料を用い、ディス
ク面には金属間化合物の少ないアルミニウム合金の皮材
を被せることにより、上記問題点が解決される。

（問題点を解決するだめの手段） 第３の発明は、上記問題点を解決するだめに次のように
構成した。

ｌ５１ｇ　３〜６　％、Ｚｒ　０．０３〜０．２０　％
を必須成分として含有するアルミニウム基合金を４００
℃〜５００Ｃで１時間〜４８時間加熱した材料を芯材と
し、前記組成と異なるアルミニウム基合金を皮材として
熱間圧延、冷間圧延を行なって所定の厚さのクラット圧
延板となし、次いで該圧延板を重し焼鈍することにある
。

（作用） クラッドの芯材として用いる場合、Ｍｇは材料の強度を
与えるだめ、Ｚｒは軟化を遅らせるだめに、それぞれＭ
ｇ：３〜６％、Ｚｒ　：　０．０３〜０．２０’　％添
加含有せしめるが、芯材中の金属間化合物の量そのもの
＋ｄ、クラッドされる皮材によってディスク面には現わ
れないだめ、金属間化合物の量が増しても差支えなく、
従って金属間化合物の量に影響するＦｅ　：　０．１φ
以下、Ｓｉ　：　０．１％以下、Ｍｎ　：　０．４　％
以下、Ｃｒ　：　０．１　％以下、Ｔｉ　：　０．１５
４以下の成分量の規制は解除される。

皮材としての合金は、Ｍｇ　：　３〜６係含有するアル
ミニウム基合金を用いる。

この発明において、わざわざクラッドの手間をかけてま
で磁気ディスク用アルミニウム基合金板を製造する意義
は、Ｍｇ以外の合金成分を、上記第１及び第２の発明で
述べられるアルミニウム基合金より少ししか含有せず、
表面清浄度のより良好な合金を皮材として用いることに
よって生じる。

まだ、クラツド材では重し焼鈍後の強度は主に芯材が担
うので、表面清浄度に対しては積極的な役割を担わない
Ｚｒは皮材には添加しない。

よって、皮材としては、Ｍｇ：３〜６％、Ｐｃ　：　０
．１係以下、Ｓｉ　：　０．１４以下、Ｍｎ　：　０．
４　％以下、Ｃｒ：０１係以下、Ｔｉ　：　０．１５％
以下、残部Ａｌ及び不可避的不純物よりなるアルミニウ
ム合金が用いられる。

上記芯材と皮材は通常実施されている合わせ圧延によっ
てクラッドされる。

次に、この発明を実施例に基づいて説明する実施例１ 第１表に示す合金を４５０　ｍｍ　ｘ　１２００　ｒｒ
ｍ　ｘ　４ＱＱＱに ｍｍの鋳塊ゞした。

第１表 次に第２表に示す各種条件で加熱した後、熱間圧延で４
　ｍｍ厚とし、次に冷間圧延により２朋厚とした。

第２表 この材料を外径３５７ｍｍ、内径１６７ｍｍのブランク
を打ち抜き、このブランクを平坦な鉄製治具の間に重ね
、１００に、％の重しをのせ、２４０　ＣＸ　４時間及
び３００　ＣＸ　４時間、重し焼鈍し、その後、２０Ｃ
／Ｈｒ　　の冷却速度で冷却した。このブランクの平坦
度と機械的性質を測定し、その測定結果を第３表に示し
だ。

１枚のディスクの直径上のプロフィールの最高点と最低
点の差を平坦度の数値とし、第３表の平坦度の値は１条
件につきｎ−３０での１枚毎の平坦度の範囲を示した。

第３表 捷だ、３００　Ｃ×４Ｈｒで重し焼鈍しだこれらディス
ク基板を別布研摩して仕上９表面の粗度と清浄度（金属
間化合物の数二個／　ｘ７１りを測定し、その結果を第
４表に示した。

第４表 上記の結果より、この−明のアルミニウム基合金（符号
二Ａ％Ｂ）をその発明の製造条件について製造した場合
、高温の重し焼鈍にて平坦度が良好で、強度が犬でかつ
表面の清浄度のすぐれた磁気ディスク基板が得られた。

実施例２ 菓５表に示す合金成分を有する合金イ、口において、４
５０　ｍｍ　ｘ　１２００　ｍｕ　ｘ　４０００　ｉｎ
の半連続鋳塊を作った。

合金イ、口とも５００　Ｕ　Ｘ、　１０時間の均熱処理
をしたのち、合金イを皮材、合金口を芯材として両面ク
ラツド率１５％となるように合わせ圧延して板厚２．Ｑ
ｍｍの圧延板を作った。これと平行して合金イのみで板
厚２．０ｍｍまで圧延した。これら試材を実施例１と同
様な方法で重し焼鈍し、平坦度、機械的性質を測定し、
その結果を第６表に、また３００　Ｃｘ　４Ｈｒて重し
焼鈍したディスク基板の別布研摩後の表面粗度及び介在
物の数を測定して第７表に示しだ。

第６表 第７表 上記の結果が示すように、画材をクラッドすることによ
って、機械的強度は向上する。平坦度及び介在物の数（
清浄度）は皮材の合金成分量によって左右される。従っ
て、皮材としての合金を選定すること釦よって表面粗度
及び表面清浄度を高めることができる。

（発明の効果） この発明に従えば、磁気ディスク基板に要求される大な
る機械的強度を具有し、しかも平坦度良好にして優れた
表、面清浄度のものが得られる等、この発明特有の効果
をもたらす。

【図面の簡単な説明】

添付図は焼鈍温度と焼鈍後の強度との関係を示す図表で
ある。 焼鈍１度°ＣとＸ５／−ｈｓノ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　Ｍｇ３〜６％、Ｚｒ０．０３〜０．２０％を必須成
   分とし、Ｆｅ０．１％以下、Ｓｉ０．１％以下、Ｍｎ０
   ．４％以下、Ｃｒ０．１％以下、Ｔｉ０．１５％以下、
   残部Ａｌ及び不可避不純物からなることを特徴とする磁
   気ディスク用アルミニウム基合金板。 ２　Ｍｇ３〜６％、Ｚｒ０．０３〜０．２０％を必須成
   分とし、Ｆｅ０．１％以下、Ｓｉ０．１％以下、Ｍｎ０
   ．４％以下、Ｃｒ０．１％以下、Ｔｉ０．１５％以下、
   残部Ａｌ及び不可避不純物から成る合金鋳塊を熱間圧延
   に先立って４００℃〜５００℃で１時間〜４８時間加熱
   し、次いで熱間圧延、冷間圧延を行なって所定の厚さの
   圧延板となし、さらに該圧延板を重し焼鈍することを特
   徴とする磁気ディスク用アルミニウム基合金板の製造法
   。 ３　Ｍｇ３〜６％、Ｚｒ０．０３〜０．２０％を必須成
   分として含有するアルミニウム基合金を４００℃〜５０
   ０℃で１時間〜４８時間加熱した材料を芯材とし、前記
   組成と異なるアルミニウム基合金を皮材として熱間圧延
   、冷間圧延を行なって所定の厚さのクラッド圧延板とな
   し、次いで該圧延板を重し焼鈍することを特徴とする磁
   気ディスク用アルミニウム基合金板の製造法。