JPS61126921A - アルミニウム製中空押出形材の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、アルミニウム製中空押出形材の製造法、さ
らに詳しくは、例えばシンクロトロンなどの加速器にお
いて高真空状態で使用される粒子加速用パイプに適用さ
れるアルミニウム製中空押出形材の製造法に関する。

従来の技術 一般に、例えば粒子加速用パイプ内部の高い真空度を保
持するためには、パイプ内壁からの放出ガスを減らすこ
とが重要である。この点につき、パイプがアルミニウム
製である場合には、パイプの内面の皮膜状態が大きく影
響を与える。

ここで、材料組成としては純アルミニウムの方がアルミ
ニウム合金よりもガス放出時特性が良好であり、一方構
造材としてはある程度の強度が要求され、このため本出
願人は先に、強度の大きいアルミニウム合金よりなる外
層とガス放出特性の良い純アルミニウムよりなる内層と
かならる真空用アルミニウム製中空押出形材を提案した
く例えば特願昭５８−１９９８６３号参照）。このよう
な中空押出形材よりなるクラッド・パイプの製造法とし
ては、従来例えば引抜き法があるが、引扱き法では中子
およびダイスにより異種合金ないしは異種金属を礪械的
に結合させるものであって、潤滑油を使用する必要があ
った。特にクラッド・パイプの内層が純アルミニウムよ
りなるものである場合には、内面での潤滑を充分行なわ
ないと、内層と中子とに焼付きが発生した。このような
従来の引扱き法によれば、所望の厚みを備えたクラッド
・パイプが得られるが、クラッド・パイプの内表面は潤
滑油によって汚染されているため、これを真空用パイプ
として使用することができず、また、このようなパイプ
を洗浄したとしても潤滑油を完全に除くことができない
ばかりか、コストが非常に高くつくという問題があった
。

そこで、本出願人は先に、従来のポートホール・ダイス
を用いてアルミニウム複合ビレットを押出成形し、中空
押出形材を製造する方法を提案した（前掲特願昭５８−
１９９８６３号参゛照）が、この先提案の方法によれば
、中空押出形材の内層が不均一で円周方向に不連続的な
府となるという問題があった。

発明の目的 この発明の目的は、上記の問題を解決し、外層の内側に
円周方向に連続した均一な内層を確実に形成することが
でき、しかも表面に潤滑油等の吸着物が全くなく、例え
ば粒子加速用パイプとして使用すればすぐれた超高真空
を実現し得るアルミニウム製中空押出形材の製造法を提
供しようとするにある。

発明の構成 この発明は、上記の目的を達成するために、雄型と雌型
との間に環状の溶着室が設けられ、かつ雄型に円周方向
に所定間隔おきに溶着室に連通する所要数の外側ポート
が設けられるととも、に、すべての外側ポートに内接す
る円の内側に中央ポートが設けられたダイスを用いて、
アルミニウム製中空押出形材を製造するにあたり、ダイ
スの雄型に中央ポートと溶着室とを連通ずる第１連通路
もしくはこの第１連通路および中央ポートと外側ポート
とを連通ずる第２連通路を正面よりみて放射状に設けて
おき、押出し用ビレットとして芯材と皮材とが異種の材
質よりなるアルミニウム複合ビレットを用い、ダイスに
より押出し用ビレットを、その皮材もしくは皮材と芯材
の一部が外側ポートから溶着室に送り込まれかつ芯材が
中央ポートより連通路を通って溶着室に送り込まれ溶着
室において皮材の内側に芯材が溶着せられるように押し
出し、溶着室より芯材および皮材とそれぞれ対応する内
層および外層を有する中空押出形材を取り出すことを特
徴とする、アルミニウム製中空押出形材の製造法を要旨
としている。

実　　施　　例 つぎに、この発明の実施例を図面に基いて説明する。

第１図において、押出礪は、コンテナ（′１）、ダミー
・ブロック（２）、ステム（３）、ポート・ホール・ダ
イス（４）の雄型（５）、同雌型（６）、ダイ・ホルダ
（ア）およびボルスタ（８）を備えている。

ダイス（４）は、第２図と第３図に示すように、雄型（
５）と雌型（６）との間に環状の溶着室（１０）が設け
られ、かつ雄型（５）に円周方向に所定間隔おきに溶着
室（１０）に連通ずる所要数の外側ポート（１１）が設
けられるとともに、すべての外側ポート（１１）に内接
する円の内側に中央ポート（１２）が設けられている。

アルミニウム製中空押出形材を製造するにあたり、この
ダイス（４）の雄型（５）に中央ポート（１２）と溶着
室（１０）とを連通ずる第１連通路（１３）および中央
ポート＜１２）と外側ポート（１１）とを連通ずる第２
連通路（１４）を正面よりみて放射状に設けておく。

押出し用ビレット（１５）として芯材（１６）と皮材（
１７）とが異種の材質よりなるアルミニウム複合ビレッ
トを用いる。押出し用複合ビレット（１５）は、具体的
にはＡ１０６０の純アルミニウム製芯材（１６）とＡ６
０６３のアルミニウムーマグネシウム−ケイ素系合金製
皮材（１７）よりなるものである。

そして上記ダイス（４）を苛性洗浄した後、５６０℃で
３時間均質化処理した複合ビレット（１５）を温度５０
０℃、押出速度１０ｍ　／ｍｉｎで押し出す。このさい
潤滑油は使用しない。これにより複合ビレット（１５）
の皮材（１７）が外側ポート（１１）より溶着室（１０
）に送り込まれ、芯材（１６）は中央ポート（１２）よ
り第１連通路（１３）を通って溶着室（１０）に送り込
まれるが、芯材（１６）の一部は第２連通路（１４）よ
り外側ポート（１１）内を経て溶着室（１０）に送り込
まれ、溶着室（１０）において外側ポート（１１）から
の皮材（１７）の内側に中央ポート（１２）からの芯材
（１６）を溶着せしめて、溶着室（１０）前端のベアリ
ング部（９）より芯材（１６）および皮材（１７）とそ
れぞれ対応する内層（２１・）および外層（２２）を有
するクラツド材としての中空押出形材（２０）を取り出
すものである。

こうして押出成形された中空押出形材（２０）の内層（
２１）は、第４図に示すように、中央ポート（１２）よ
り第１連通路（１３）を通って溶着室（１０）に送り込
まれた円周方向に不連続状の芯材部分（１６ａ）と、中
央ポート（１２）より第２連通路（１４）を通って外側
ポート（１１）内を経て溶着室（１０）に送り込まれか
つ隣り合う芯材部分（１６ａ）に跨る芯材部分（ｉｅｂ
）とによって、全体として均一な層が形成されているも
のである。

なおここで、中空押出形材（２０）は断面円形であって
、その大きさは例えば直径５１ｍｌ１ｌであり、また内
層（２１）の厚みは約Ｑ、５ｍｍおよび外層（２２）の
厚みは約２１１１ｍである。勿論このような中空押出形
材（２０）の断面形状および大きさは限定的なものでは
なく、用途に応じて適宜任意に決定し得るものである。

また上記純アルミニウムよりなる内層（２１）とアルミ
ニウム合金よりなる外層（２２）を有するクラツド材と
しての中空押出形材（２０）を１５０℃で２４時間脱ガ
ス処理し、真空度を測定したところ、７ｘ　１０　　”
　Ｔｏｒｒ　−１／ｓｅｃ・Ｃｌｌ１２以下の放出ガス
計数が得られた。これに対し、八６０６３のアルミニウ
ム合金のみよりなる押出形材を製作して、同様に真空度
を測定したところ、放出ガス計数は７Ｘ１０　１３　Ｔ
ｏｒｒ　−，１／ｓｅａ　−ｃｍ２以下にとどまった。

このように、この発明の方法によれば、中空押出形材（
２０）の表面に潤滑油等の吸着物が全くなく、純アルミ
ニウムよりなる均一な内層とアルミニウム合金よりなる
外層とを備えているため、これを粒子加速用パイプとし
て使用すれば超高真空を実現することができる。

なお、上記実施例においては、雄型（５）の中央ポート
（１２）と溶着室（１０）とを連通する第１連通路（１
３）および中央ポート（１２）と外側ポート（１１）と
を連通ずる第２連通路（１４）とが設けられているが、
場合によっては第２連通路（１４）の方を省略すること
もある。その場合には、第１連通路（１３）に加えて各
外側ポート（１１）に対応する箇所に中央ポート（↑２
）と溶着室（１０）とを連通ずる連通路を設けるように
するのが望ましい。

また押出成形のさい、押出されつつある形材の中空部内
に酸素混合不活性ガスを供給するようにすれば（特公昭
５９−１９７６９号参照）、得られた中空押出形材（２
０）の放出ガス特性をより一層改善することができるも
のである。

また実施例では、アルミニウム複合ビレット（１５）の
芯材（１６）として純アルミニウムを、皮材（１７）と
してアルミニウム合金をそれぞれ用いているが、これに
限らず、逆に芯材（１６）をアルミニウム合金、皮材（
１１）を純アルミニウムとしてもよいし、あるいはまた
芯材（１６）と皮材（１１）とを互いに材質の異なる２
種のアルミニウム合金としてもよい。

また実施例では、芯材（１６）の全部が中央ポート（１
２）内に導入され、そこから第１および第２連通路（１
３）　　（１４）を通って溶着室（１０）に送り込まれ
るようになされているが、芯材（１６）の一部を皮材（
１７）と共に外側ポート（１１）内に導入し、芯材（１
６）の残部を中央ポート（１２〉内に導入するようにす
る場合もある。

発明の効果 この発明は、上述のように、雄型（５）と雌型（６）と
の間に環状の溶着室（１０）が設けられ、かつ雄型（５
）に円周方向に所定間隔おきに溶着室（１０）に連通ず
る所要数の外側ポート（１１）が設けられるとともに、
すべての外側ポート（１１）に内接する円の内側に中央
ポート（１２）が設けられたダイス（４）を用いて、ア
ルミニウム製中空押出形材を製造するにあたり、ダイス
（４）の雄型（５）に中央ポート（１２）と溶着室（１
０）とを連通ずる第１連通路（１３〉もしくはこの第１
連通路（１３）および中央ポート（１２〉と外側ポート
（１１）とを連通ずる第２連通路（１４）を正面よりみ
て放射状に設けておき、押出し用ビレット（１５）とし
て芯材（１Ｇ）と皮材（１７）とが異種の材質よりなる
アルミニウム複合ビレットを用い、ダイス（４）により
押出し用ビレット（１５）を、その皮材（１１）もしく
は皮材（１７）と芯材り１６）の一部が外側ポート（１
１）から溶着室（１０）に送り込まれかつ芯材（１６）
が中央ポート（１２）より連通路（１３）（１４）を通
って溶着！（１０）に送り込まれ溶着室（１０）におい
て皮材（１７）の内側に芯材（１６）が溶着せられるよ
うに押し出し、溶着室００）より芯材（１６）および皮
材（１７）とそれぞれ対応する内層（２１）および外層
（２２）を有する中空押出形材（２０）を取り出すもの
であるから、中空押出形材（２０）の外層（２２）の内
側に円周方向に連続した均一な内層を確実に形成するこ
とができ、しかも表面に潤滑油等の吸着物が全くなく、
中空押出形材（２０）を例えば粒子加速用パイプとして
使用すれば、すぐれた超高真空を実現し得るという効果
を秦する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示すもので、第１図は押出成
形途上を示す縦断面図、第２図はダイス部分の拡大断面
図、第３図は同背面図、第４図は中空押出形材の横断面
図である。 （１）・・・押出機、（４）・・・ダイス、（５）・・
・雄型、（６）・・・雌型、（１０）・・・溶着室、（
１１）・・・外側ポート、（１２）・・・中央ポート、
（１３）・・・第１連通路、（１４）・・・第２連通路
、（１５）・・・押出し用ビレッ１−１（１６）・・・
芯材、（１７）・・・皮材、（２０）・・・中空押出形
材、（２１）・・・内層、（２２）・・・外層。 以上

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 雄型（５）と雌型（６）との間に環状の溶着室（１０）
   が設けられ、かつ雄型（５）に円周方向に所定間隔おき
   に溶着室（１０）に連通する所要数の外側ポート（１１
   ）が設けられるとともに、すべての外側ポート（１１）
   に内接する円の内側に中央ポート（１２）が設けられた
   ダイス（４）を用いて、アルミニウム製中空押出形材を
   製造するにあたり、ダイス（４）の雄型（５）に中央ポ
   ート（１２）と溶着室（１０）とを連通する第１連通路
   （１３）もしくはこの第１連通路（１３）および中央ポ
   ート（１２）と外側ポート（１１）とを連通する第２連
   通路（１４）を正面よりみて放射状に設けておき、押出
   し用ビレット（１５）として芯材（１６）と皮材（１７
   ）とが異種の材質よりなるアルミニウム複合ビレットを
   用い、ダイス（４）により押出し用ビレット（１５）を
   、その皮材（１７）もしくは皮材（１７）と芯材（１６
   ）の一部が外側ポート（１１）から溶着室（１０）に送
   り込まれかつ芯材（１６）が中央ポート（１２）より連
   通路（１３）（１４）を通って溶着室（１０）に送り込
   まれ溶着室（１０）において皮材（１７）の内側に芯材
   （１６）が溶着せられるように押し出し、溶着室（１０
   ）より芯材（１６）および皮材（１７）とそれぞれ対応
   する内層（２１）および外層（２２）を有する中空押出
   形材（２０）を取り出すことを特徴とする、アルミニウ
   ム製中空押出形材の製造法。