JPS6112175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈高制御用センサーを、駆動機構を
用いて昇降操作可能な刈取装置に対して上下動可
能に、且つ、前記センサーとそれの支持枠との間
に介装したスプリングにて下降付勢して設け、前
記センサーの対刈取装置上下位置を設定範囲内に
維持させるよう、前記センサーの情報に基づいて
前記駆動機構を自動操作できるように前記センサ
ーと前記駆動機構とを連係させた刈取機の刈高制
御機構に関する。

上記の刈高制御機構は、機体の泥中への沈み込
み量の変動や機体のピツチング等に拘らず、自動
的に刈高さの一定化を図るようにしたものである
が、従来は、前記センサーと前記駆動機構との連
係状態が変更不能であつたり、付勢スプリングの
取付位置が固定的であつたため、次のような欠点
があつた。すなわち、例えば作物の成育度合など
に応じて刈高さを任意に変更したい場合がある。
この場合に、従来ではセンサーで設定された刈高
さは変更できずに人為的な昇降操作による他な
く、地面への追従制御が困難であつた。また、仮
にセンサーの安定位置（不感帯）を変更できて刈
高さを調節できたにしても、その変更のためにか
えつて前記スプリングの付勢力が変化して対触対
象物を押漬したり、弱い付勢力でセンサーが不測
に跳ね上がる等の不都合を生じる欠点があつた。

本考案は、従来技術が持つ以上の欠点を解決し
て、その刈高さを変更設定できるように、しか
も、刈高さの変更設定に拘らず常に所望通りの作
動を行なわせるように構成することを目的とす
る。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳述する。

第１図に示すように、クローラ走行装置１、脱
穀装置２、運転席３等を備えた車体の前部に茎稈
を引起す装置４、引起し茎稈の株元を切断するバ
リカン型刈刃５、刈取茎稈を後方へ搬送して合流
させる補助搬送装置６ａ，６ａ、合流された茎稈
を前記脱穀装置２に向けて搬送する後方搬送装置
７からなる刈取処理部を設け、もつて、機体進行
に伴い圃場に植えられた茎稈を刈取処理し、引続
き脱穀処理する作業を自動的に連続して行なうよ
う構成してある。尚、このコンバインは、通常、
機体右横側方に既刈地部分を位置させる状態で回
り刈り作業を行なうように設定されている。

前記刈取処理部の支持フレーム８を、前記車体
に対して油圧シリンダ９にて横軸心Ｘ周りに揺動
操作可能に枢支させるとともに、第２図及び第３
図に示すように、前記刈刃５の右横側方箇所に前
記フレーム８に支持して設けた横軸１０に対し
て、対象茎稈の株径よりも大で且つ植付間隔より
も小な横間隔で並置する一対の接地棒状体１１
ａ，１１ｂの前端部を軸心Ｙ周りに上下揺動可能
に枢支させ、且つ、前記両棒状体１１ａ，１１ｂ
の夫々を下降付勢するスプリング１２ａ，１２ｂ
を設けてある。更に、前記油圧シリンダ９の作動
状態を切換える制御弁１３の揺動操作アーム１４
から延出のワイヤ１５を、前記両棒状体１１ａ，
１１ｂ夫々に付設の舌片１６ａ，１６ｂに対して
上下方向に沿う長孔１７ａ，１７ｂにより上下方
向の相対移動に対する融通をもたせた状態でピン
１８を用いて連結するとともに、前記揺動操作ア
ーム１４を、スプリング１９にて前記油圧シリン
ダ９を伸長作動させて前記刈取処理部を上昇させ
る上昇操作がわに付勢するようにしてある。そし
て、前記両棒状体１１ａ，１１ｂの対刈刃上下位
置がともに設定範囲にあると又は一方の上下位置
が設定範囲内にあり且つ他方が設定範囲より上昇
がわにあると、制御弁１３を前記油圧シリンダ９
の作動を停止させる中立状態に、前記両棒状体１
１ａ，１１ｂの対刈刃上下位置がともに設定範囲
から上昇がわに外れると、前記制御弁１３を前記
油圧シリンダ９を伸長作動させて刈取処理部を上
昇させる状態に、さらに、前記両棒状体１１ａ，
１１ｂのうちの少なくとも一方の対刈刃上下位置
が設定範囲から下降がわに外れると、前記制御弁
１３を前記油圧シリンダ９を短縮作動させて、刈
取処理部を下降させる状態に切換えるように構成
し、もつて刈刃５の地面に対する高さ設定高さに
自動的に維持させるようにして刈高さの一定化を
図るように構成してある。

要するに、前記両棒状体１１ａ，１１ｂにて刈
刃５の対地高さを検出させながら自動的に刈取処
理部を昇降させて車体のピツチング等に拘らず刈
高さの安定化を図るものであり、且つ、一対の棒
状体１１ａ，１１ｂのうちの一方がワラ屑、未刈
茎稈、切株等の異物に乗上げて設定範囲から上昇
がわに外れても刈取処理部を上昇させないように
して、異物のために誤作動が行なわれるのを抑制
させるようにしてある。

又、前記両棒状体１１ａ，１１ｂにて下降操作
がわに付勢されている前記揺動操作アーム１４
を、係止ピン２０にて上昇操作がわに係止移動さ
せる弁操作用レバー２１を設け、このレバー２１
を、上昇位置Ｕ、昇降停止位置Ｎ、下降位置Ｄに
切換えることにより任意に刈取処理部を昇降操作
可能に構成し、さらに、このレバー２１を自動位
置Ａに切換えることにより、前記ピン２０をアー
ム１４に接当しない位置に移動させて、前記両棒
状体１１ａ，１１ｂの情報に基づいて刈取処理部
を自動的に昇降させる状態を現出させるよう構成
してある。尚、前記弁操作用レバー２１は、一対
のスプリング２２にて昇降停止位置Ｎに復帰付勢
されるものであり、自動位置Ａでは、案内枠２３
に係止保持されるものである。

第２図及び第４図に示すように、前記ワイヤ１
５の前記アーム１４がわにアウターワイヤ端部１
５ａを支持する枠体２４を、前記アーム１３に対
する遠近方向に揺動可能に枢支し、前記枠体２４
を揺動操作する揺動レバー２５を、揺動方向複数
位置で案内枠２６に対して係止保持可能に設け、
もつて前記揺動レバー２５を用いて、前記ワイヤ
１５の連係距離を変更操作することにより、前記
両棒状体１１ａ，１１ｂの対刈刃設定適正上下位
置を変更させて、刈高さを変更設定できるように
構成してある。

又、第２図乃至第４図に示すように、前記両棒
状体１１ａ，１１ｂとそれの支持枠２６との間に
介装する前記スプリング１２ａ，１２ｂの前記支
持枠２６がわ端部を、前記支持枠２６に平行上下
動可能に支承された可動枠２７に取付け、前記可
動枠２７を、前記ワイヤ支持枠２４に対してワイ
ヤ２８を介して連係し、もつて、前記の如く刈高
さの変更を行なうに連動して、前記スプリング１
２ａ，１２ｂの前記支持枠２６に対する取付位置
を自動的に変更させて、前記両棒状体１１ａ，１
１ｂが対刈刃適正上下位置にある時の前記両棒状
体１１ａ，１１ｂを下降付勢する力を一定に維持
させるよう構成してある。

第５図は、別の実施例を示したものであり、こ
れは、刈高制御用センサーとしての前記両棒状体
１１ａ，１１ｂに代えて切株に接触追従する板状
体２９を、前後一対の揺動アーム３０，３０を介
して対刈刃平行上下動可能に、且つ、スプリング
３２にて下降付勢して設け、前記両揺動アーム３
０，３０の一方に付設したスイツチ操作片３１に
て上昇用スイツチＳ又は下降用スイツチＳを押圧
入り操作させるように構成し、前記両スイツチ
S₁，S₂の信号に基づいて前記制御弁１９を電磁操
作されるように構成し、もつて、刈高制御を行な
えるように構成してある。そして、前記両スイツ
チS₁，S₂の取付枠３３を、板状体支持枠３４に対
して前記スイツチ操作片３１の移動方向に位置変
更可能に支持し、前記スイツチ取付枠３３を、揺
動レバー３５に対してリンク機構３６を介して連
係し、もつて、前記スイツチ取付枠３３を位置変
更操作させることにより、刈高さを変更設定でき
るように構成してある。更に、前記スプリング３
２の前記板状支持枠３４がわ端部を、前記揺動レ
バー３５に対してワイヤ３７を介して連係し、も
つて、前記刈高さの変更設定に拘らず前記板状体
２９が対刈刃上下位置にある時の前記板状体２９
を下降付勢する力を一定に維持させるように構成
してある。

尚、実施例では、刈取処理装置としての刈刃５
を昇降させるに、刈取処理部を昇降させるように
したが、少なくとも刈取処理装置５のみを昇降さ
せればよいものである。

又、実施例では、刈高制御機構を構成するに、
駆動機構として油圧シリンダ９を用いるものを例
示したが、その他のものを用いて実施してもよ
い。

又、連係状態変更操作機構を構成するに、第１
実施例では、ワイヤ１５の連係距離を変更し、第
２実施例では、昇降用スイツチS₁，S₂の位置を変
更するものを例示したが、その他の手段が考えら
れるものであり、如何なる手段を用いて実施して
もよい。

又、実施例では、センサー下降付勢スプリング
１２ａ，１２ｂ又は３２のセンサー支持枠２６又
は３４に対する取付位置を変更する機構を例示し
たが、センサー１１ａ，１１ｂ又は２９に対する
取付位置を変更する形態で実施例してもよい。

又、本考案は、コンバインの他バインダー等の
刈取機に適用できるものである。

以上要するに本考案による刈取機の刈高制御機
構は、冒記構造のものにおいて、前記センサー１
１ａ，１１ｂの前記刈取装置５に対する設定適正
上下位置を変更できるように前記センサー１１
ａ，１１ｂと前記駆動機構９との連係状態を変更
操作する機構を設け、前記センサー１１ａ，１１
ｂが対刈取装置適正上下位置にある時の前記セン
サー１１ａ，１１ｂを下降付勢する力を一定に維
持させるよう、前記スプリング１２ａ，１２ｂの
前記センサー１１ａ，１１ｂに対する取付位置又
は前記支持枠２６に対する取付位置を変更する機
構を、前記連係状態変更操作機構に連動して自動
操作できるように前記連係状態変更操作機構と連
係させてあることを特徴とする。

すなわち、連係状態変更操作機構を用いて、セ
ンサー１１ａ，１１ｂの刈取装置５に対する設定
適正上下位置を変更することにより、圃場条件や
作物条件に応じて刈高さを任意に変更設定できる
のであり、しかも、本案では、上記のように刈高
さを変更させるに連動して、スプリング１２ａ，
１２ｂのセンサー１１ａ，１１ｂに対する取付位
置又は支持枠２６に対する取付位置を自動的に変
更させて、センサー１１ａ，１１ｂが対刈取装置
適正上下位置にある時のセンサー１１ａ，１１ｂ
を下降付勢する力を一定に維持させるようにして
あるから、刈高さの変更に拘らずセンサー１１
ａ，１１ｂの下降付勢力を所望力に維持させて、
下降付勢力が強過ぎてセンサー１１ａ，１１ｂが
不必要に接触対象物を押潰したり、下降付勢力が
弱過ぎてセンサー１１ａ，１１ｂが不測に跳ね上
がる等の不都合がもたらされるのを回避し、常に
所望通りの作動を行なわせることができるのであ
る。

もつて、全体として一層良好に使用することが
可能な刈取機の刈高制御機構を得るに至つた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取機の刈高制御機構の実
施例を示し、第１図はコンバインの側面図、第２
図は両棒状体と制御弁との連係図、第３図は両棒
状体装着部の正面図、第４図は揺動レバー装着部
の斜視図、第５図は別の実施例の連係図である。 ５……刈取処理装置、９……駆動機構、１１
ａ，１１ｂ……刈高制御用センサー、１２ａ，１
２ｂ……スプリング、２６……支持枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈高制御用センサー１１ａ，１１ｂを、駆動機
   構９を用いて昇降操作可能な刈取装置５に対して
   上下動可能に、且つ、前記センサー１１ａ，１１
   ｂとそれの支持枠２６との間に介装したスプリン
   グ１２ａ，１２ｂにて下降付勢して設け、前記セ
   ンサー１１ａ，１１ｂの対刈取装置上下位置を設
   定範囲内に維持させるよう、前記センサー１１
   ａ，１１ｂの情報に基づいて前記駆動機構９を自
   動操作できるように前記センサー１１ａ，１１ｂ
   と前記駆動機構９とを連係させた刈取機の刈高制
   御機構であつて、前記センサー１１ａ，１１ｂの
   前記刈取装置５に対する設定適正上下位置を変更
   できるように前記センサー１１ａ，１１ｂと前記
   駆動機構９との連係状態を変更操作する機構を設
   け、前記センサー１１ａ，１１ｂが対刈取装置適
   正上下位置にある時の前記センサー１１ａ，１１
   ｂを下降付勢する力を一定に維持させるよう、前
   記スプリング１２ａ，１２ｂの前記センサー１１
   ａ，１１ｂに対する取付位置又は前記支持枠２６
   に対する取付位置を変更する機構を、前記連係状
   態変更操作機構に連動して自動操作できるように
   前記連係状態変更操作機構と連係させてあること
   を特徴とする刈取機の刈高制御機構。