JPS6112157B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は弁封水装置の操作用配管構造に係り、
特に封水装置のシールリングを開閉操作する配圧
弁を前記シールリングを開閉する操作配管よりも
下方の位置に設けた弁封水装置の操作用配管構造
に関する。

水力発電所の入口弁あるいは鉄管弁の封水装置
等においては、一般に封水部材としてシールリン
グを用いその開閉操作によつて弁胴と弁体との間
を封水するようになされている。

第１図に水力発電所の入口弁の封水装置にシー
ルリングを使用した球形弁の一例を示す。図中、
上流側および下流側の短管１および２を備えた弁
胴３中には弁体４が回動可能に収容されており、
弁胴３と弁体４との間隙はシールガイド５に沿つ
て移動するシールリング７によつて開閉可能に封
水されるようになされている。その他図中、６は
ケーシングを示す。

ここで前記シールリング７の開閉操作は第２図
および第３図に示すように流体源からの圧力流体
によつて配圧弁によつて制御される。すなわち、
シールリング７の両端面には開放操作用の圧力室
Ａおよび閉鎖操作用の圧力室Ｂが設けられ、これ
ら各圧力室Ａ，Ｂからの操作配管８，９は配圧弁
１０のポートに切換可能に接続されている。一
方、配圧弁１０にはさらに流体源１１からの圧力
流体を供給する供圧管１２および排水溝１３に連
通した排水管１４が切換可能に接続されている。

シールリング７の開放操作時には、第２図に示
すように流体源１１からの圧力水が配圧弁１０、
操作配管８を介して圧力室Ａに入り、シールリン
グ７を図中ガイド５に沿つて矢印Ｉ方向に移動さ
せて弁胴３と弁体４との間の封水を解除する。圧
力室Ｂの圧力水は操作配管９および配圧弁１０さ
らに排水管１４を介して排水溝１３に排出され
る。

シールリング７の閉鎖操作時には、第３図に示
すように、配圧弁１０のポートが切換えられてシ
ールリングは図中矢印方向に移動され封水シー
ルがなされる。図中、１５はシールパツキングを
示す。

このような弁封水装置のシールリングを開閉操
作する配圧弁１０は水力発電所の入口弁等の場合
においては、第４図に示すように建屋構造の天井
１６との関係および弁操作の便宜上からその取付
位置に制約があり、通常は入口弁に対してほぼ同
程度の高さの中間床１７あるいはその下方の弁室
床１８上（一点鎖線図示）に設置されることが多
い。また排水管１４は配圧弁１０から最短距離で
排水溝１３に下されている。

このように配圧弁１０および各種配管類を設置
した場合には、たとえばシールリングの開放のた
めに流体源１１からの圧力水を配圧弁１０および
操作配管８を介して圧力室Ａに導入すると、他方
の圧力室Ｂの圧力水が操作配管９、配圧弁１０お
よび排水管１４を介して排水溝１３に排出され
る。ここで排水管１４の排出端部１４Ａは大気に
開口しているので、空気が徐々に排水管１４中に
入り込み、前記第２図に示したようにシールリン
グ７の矢印方向への移動が完了した時点では、
圧力室Ｂからの操作配管９の最高点Ｄより下流側
（排水管側）の管内は空になり代つて空気で充填
されている（点線図示）。

ここで配圧弁１０を切換えて前記第３図に示す
ように圧力水を操作配管９から加圧室Ｂに注入し
てシールリング７を矢印方向に移動させると
（閉鎖操作）、配圧弁１０と操作配管９の最高位置
Ｄとの間に充填されていた空気が流体源１１から
の圧力水に押されて圧縮され圧力水と共に加圧室
Ｂの上部に入り込む（第５図中の領域Ｃ）。

この場合、水と空気とでは圧力伝播速度に大き
な差があるので、空気が水と同程度に圧縮される
のに必要な時間だけシールリング７の閉鎖動作に
好ましくない遅れを生じることになる。また圧力
室Ｂ中ではその上部に圧縮空気が入るのでシール
リング７は一部では加圧空気により下部では加圧
水によつて動かされることになつてその動作がア
ンバランスとなり円滑な移動が不可能となる。

さらに、この状態で再び配圧弁１０を切換えて
圧力室Ｂ中の圧力水を排出させる際には、排水管
側が常圧となるので、それまで圧縮されていた空
気が急激に膨張してシールリング７の動きが一層
アンバランスになり、かつ配管類にも異常な振動
が発生する。このような不具合いは操作を反復す
ることによつて圧力室Ａ側にも同様に生じる。

本発明の目的はこのような従来技術の欠点を解
消し、シールリングの開閉操作時に操作配管中に
空気が混入することを防止し、それによつて円滑
な開閉操作を可能にする弁封水装置の操作用配管
構造を提供することにある。

本発明は、封水装置のシールリングを流体圧に
よつて開閉操作するための操作配管、流体源から
の圧力流体を供給する供圧配管および排水部に連
通する排水配管を、前記操作配管の下方に設置さ
れた配圧弁に対して夫々接続してなる弁封水装置
の操作用配管構造において、前記排水配管の前記
配圧弁から前記排水部に向う間の配管路に少なく
とも実質的に前記操作配管の最高位置まで立上が
る立上り部を形成したことを特徴とする。

以下本発明の一実施例を図面に基いて詳細に説
明する。

第６図および第７図は本発明を水力発電所の入
口弁の封水装置に適用した実施例の概要を示す断
面図である。図中、配圧管を含めてシールリング
の開閉操作機構の構造は基本的には第４図および
第５図に示すものと同様であり、対応する部分は
同一の符号を示してある。

本実施例においては、建屋の中間床１７上に設
けられた配圧弁１０から排水溝１３に向う排水管
１４の管路の途中に操作配管８，９の最高点Ｄよ
りもさらに高い位置Ｅまで一旦立上がる立上り部
１４Ｂが設けられ、排水管１４はこの立上り部１
４Ｂを経てから下降され端部１４Ａで排水溝１３
に開口されている。

第６図中、流体源１１からの圧力水が配圧弁１
０および配管８を経て圧力室Ａに注入されると、
前記第２図示の場合と同様にしてシールリング７
が矢印方向に移動され（開放操作）、これに伴
なつて圧力室Ｂ中の水が配管９および配圧弁１０
を通して排出される。配圧弁１０より排出された
水は排水管１４の立上り部１４Ｂを上昇しその最
高位置Ｅを経てから端部１４Ａより排水溝１３に
排出される。シールリング７の開放移動（第２図
矢印方向）が完了した時点では大気開放されて
いる端部１４Ａから空気が排水管１４中に入り込
むが（点線図示）、このとき排水管１４中には立
上り部１４Ｂの最高位置Ｅまで水が充填されてい
るので空気はこの点で阻止され、配圧弁１０およ
び操作配管９中には混入しない。

この状態で第７図に示すように、配圧弁１０を
切換えて流体源１１からの圧力水を配圧弁１０お
よび操作配管９を介して圧力室Ｂに注入する場合
（閉鎖操作）、操作配管９等の内部には前記のよう
に空気が全く混入していないのでシールリングが
円滑に移動される。またこの圧力室Ｂ中の水がさ
らに排出される場合にも圧力室Ｂおよび操作配管
９中には空気が混入していないので排水は円滑に
行なわれる。

以上のように本発明の実施例によれば、弁封水
装置のシールリングを開閉操作する配圧弁１０に
接続された排水管１４に対して、その配圧弁１０
から排水溝１３に向う管路の途中の配圧弁とシー
ルリング圧力室とを接続する操作配管８，９の最
高位置Ｄよりも高い位置Ｅまで一旦立上がる立上
り部１４Ｂを形成してあるので、排水管１４から
の排水時に端部１４Ａから入り込む空気がこの立
上り部１４Ｂで阻止され、配管８，９および圧力
室Ａ，Ｂ中の圧力水には混入しない。したがつ
て、シールリングの開閉操作は全て圧力水のみに
よつて行なわれるのでその操作を極めて円滑なも
のとすることができる。さらに排水中にも空気が
混入していないので排水もまた円滑に行なわれ
る。

尚本実施例においては、前記排水管１４の立上
り部１４Ｂの高さを操作配管８，９の最高位置Ｄ
よりも充分に高い位置Ｅに設定してあるが、前記
位置Ｅは少なくとも位置Ｄより高く設定すればよ
く、さらにシールリングの円滑な移動を実質的に
妨げない程度の空気の混入を許容できるような場
合には位置Ｄと同程度のあるいはそれ以下の高さ
とすることもできる。

以上本発明を水力発電所の入口弁の封水装置に
適用した例について説明したが、本発明はこのよ
うな実施例に限定されるものではなく、水力発電
所の鉄管弁、さらにはその他の弁のシールリング
を用いる封水装置に広く適用することができる。

叙上のように、本発明によれば弁封水装置のシ
ールリングの開閉操作を極めて円滑に行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は水力発電所入口弁の封水装置の概要を
示す断面図、第２図および第３図は従来封水装置
の操作配管構造を示す説明図、第４図および第５
図は従来操作配管構造の取付位置関係を示す説明
図、第６図および第７図は本発明実施例の取付関
係を示す説明図である。 ７……シールリング、８，９……操作配管、１
０……配圧弁、１１……流体源、１４……排水
管、１４Ｂ……立上り部、Ａ，Ｂ……加圧室、Ｄ
……操作配管最高部、Ｅ……排水管最高部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 封水装置のシールリングを流体圧によつて開
   閉操作するための操作配管、流体源からの圧力流
   体を供給する供圧配管および排水部に連通する排
   水配管を、前記操作配管の下方に設置された配圧
   弁に対して夫々接続してなる弁封水装置の操作用
   配管構造において、前記排水配管の前記配圧弁か
   ら前記排水部に向う間の配管路に少なくとも実質
   的に前記操作配管の最高位置まで立上り部を形成
   したことを特徴とする弁封水装置の操作用配管構
   造。