JPS6111425B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は管球のバルブにステムを封着しかつこ
のステム排気管を封切する管球製造用バーナ装置
に関する。

従来、管球を製造するには、封着装置にてまず
バルブの開口部にステムを封着し、次いでステム
封着済のバルブをトランスフアーなどによつて排
気装置に移しステムの排気管を排気ヘツドに接続
してバルブ内の排気洗浄および封入ガスの充填を
おこない、こののち排気管の封切をおこなつてい
た。したがつて、バルブとステムの封着作業およ
びバルブ内の排気やガス封入、排気管の封切作業
をそれぞれ別個の装置で行なうとともに上記装置
間を継ぐバルブの移送機構を必要としており、作
業能率が悪く、また装置が複雑になる不具合があ
つた。

本発明は以上の事情にもとづいてなされたもの
で、その目的とするところは、同一の作業ヘツド
でステムの封着と封入ガス充填および排気管の封
切の一連の工程をおこなうことができ、作業能率
を向上させることができるとともに装置の構造を
簡略化することのできる管球製造用バーナ装置を
得ることにある。

以下本発明を第１図ａ，ｂに示す一実施例にし
たがつて説明する。この一実施例はけい光ランプ
の製造用のものであつて、図中Ａはけい光ランプ
のバルブ、ＢはステムであつてＣはそのフレア
部、Ｄは排気管である。また、Ｅ，Ｅは導線、Ｆ
はフイラメントである。そして、１はバーナ本体
であつて、このバーナ本体１はステム封着用バー
ナ２と排気管封切用バーナ３とから構成されてい
る。上記ステム封着用バーナ２は中空筒状をな
し、その外周には斜め前方を指向して開口した多
数のステム封着用ノズル孔４…が形成されてい
る。そしてこれらステム封着用ノズル孔４…は上
記ステム封着用バーナ２内に形成された環状のガ
ス供給路５に連通し、このガス供給路５にはガス
供給管６が接続されている。そしてこれらのステ
ム封着用ノズル孔４…からは前記ステムＢのフレ
ア部Ｃの周縁部に向つて炎が噴出され、このステ
ムＢをバルブＡに溶着するようになつている。ま
た、このステム封着用バーナ２の先端部は当接部
７をなしており、この当接部７がステムＢのフレ
ア部Ｃの内面に当接してこのステムＢがステム封
着用バーナ２に対して正しい位置に保持されるよ
うに構成されている。また、このステム封着用バ
ーナ２には軸方向に沿つて導線挿通孔８，８が形
成されている。これら導線挿通孔８，８はそれら
の先端側部が円錐状に拡径されており、導線Ｅ，
Ｅが容易に案内挿通されるように構成されてい
る。そして、この中空筒状のステム封着用バーナ
２内には排気管封切用バーナ３が嵌入されてい
る。この排気管封切用バーナ３は管状をなし、そ
の内部はステムＢの排気管Ｄが挿通される排気管
挿通孔９に形成されている。この排気管封切用バ
ーナ３は２重管状をなし、その間隙はガス供給路
１０に形成されている。そしてこの排気管封切用
バーナ３の先端部はステム封着用バーナ２の先端
部にまで挿入されている。そしてこの排気管封切
用バーナ３の先端部には排気管挿通孔９の内面に
開口する環状の排気管封切用ノズル孔１１が形成
され、この排気管封切用ノズル孔１１は上記ガス
供給路１０に連通している。そして上記ガス供給
路１０にはガス供給管１２が接続されている。そ
して上記排気管封切用ノズル孔１１からは排気管
挿通孔９内に挿通された排気管Ｄに対して炎を噴
出し、この排気管Ｄを溶融封切するものである。
そして上記バーナ本体１を貫通した排気管Ｄの先
端部は排気ヘツド１３に接続されている。この排
気ヘツド１３には断面Ｕ字状をなす環形の口ゴム
１４と、この口ゴム１４内に高圧空気を導入する
空気供給口１５が設けられている。そして、上記
口ゴム１４に排気管Ｄの先端部を挿入したのちこ
の口ゴム１４内に高圧空気を供給してこれを縮径
することにより排気管Ｄに密着させ、これを気密
に咬持するように構成されている。そして、この
排気ヘツド１３および排気管Ｄを介してバルブＡ
内を排気し、ガス洗浄し、あるいは封入ガスの充
填をおこなうように構成されている。また、この
排気ヘツド１３内には水銀滴下路１６が形成さ
れ、この水銀滴下路１６および排気管Ｄを介して
水銀滴下装置１７からバルブＡ内に所定量の水銀
が封入されるように構成されている。また、この
水銀滴下路１６の途中には三方切換弁１８が設け
られ、この三方切換弁１８を介して排気およびガ
ス供給装置１９が接続されている。

以上の如く構成された本発明の一実施例は、ま
ずステムＢの排気管Ｄをバーナ本体１の排気管挿
通孔９内に、また、導線Ｅ，Ｅを導線挿通孔８，
８内に挿通させ、この排気管Ｄの先端部を排気ヘ
ツド１３に咬持させる。次にバーナ本体１を矢印
Ｘ方向に前進させステム封着用バーナ２の先端部
の当接部７をステムＢのフレア部Ｃ内面に当接さ
せ、このバーナ本体１とステムＢとの位置を規制
する。そして、このステムＢのフレア部Ｃをバル
ブＡの開口縁に当接させるとともにステム封着用
バーナ２に点火し、そのステム封着用ノズル孔４
…より噴出するガス炎によつてバルブＡの開口縁
およびフレア部Ｃの外周縁を加熱溶融して両者を
封着する。そして、このステムＢの封着が完了し
たのち、排気ヘツド１３を介して水銀滴下装置１
７および排気・ガス供給装置１９によつてバルブ
Ａ内の洗浄および水銀滴下、封入ガス充填をおこ
なう。そしてこれらの工程が終了したのち、排気
管封切用バーナ３のガス炎を強めて排気管Ｄを封
切する。すなわち排気管封切用バーナ３は、予め
排気管Ｄが排気管挿通孔９に挿入される以前の段
階で排気管挿通孔９の前端開口を通じて点火され
ており、しかしながら排気管Ｄを封切するまで
は、消えない程度の弱火に保たれているものであ
る。そして上記封着、水銀滴下、排気、不活性ガ
スの充填が終了したら、この排気管封切用バーナ
３の排気管封切用ノズル孔１１から噴出するガス
炎を強め、これにより排気管Ｄを加熱溶融して封
切をなす。そして、このようなバーナによればス
テムＢの封着から排気管Ｄの封切までの一連の工
程を、排気管Ｄを排気ヘツド１３に咬持させたま
ま連続しておこなうことができる。したがつてそ
の製造が能率化し、また製造装置全体を小形、簡
単な構造にすることができる。

なお、第１図ａおよびｂに示すようなバーナ本
体１と排気ヘツド１３は、たとえば第２図に略図
的に示すような回動軸２０に垂直に取着された一
対のスパイダ２１ａ（２１ｂ側は略す）の周辺部
近傍に48組が等間隔に取付けられている。そし
て、このスパイダ２１ａ，２１ｂ間に水平に保持
されたバルブＡとステムＢとはスパイダ２１ａ，
２１ｂの矢印Ｙ方向への連続的あるいは間欠的な
回転によつて、バルブＡとステムＢの封着および
バルブ内の排気、ガス洗浄、電極の活性化、水銀
や不活性ガスの封入、排気管の封切が行なわれ
る。さらに詳述すると、たとえばスパイダ２１
ａ，２１ｂの位置101でバーナ本体１および排気
ヘツド１３へステム供給装置（図示しない。）か
らステムＢの供給が、位置102でバルブ供給コン
ベア２２からバルブホルダ（図示しない。）へバ
ルブＡの供給が、位置103でバルブＡとステムＢ
と位置規制が、位置105〜122の間で点火されたス
テム封着用バーナ２による加熱封着作業が行なわ
れる。また、位置123〜141の間では排気管Ｄを通
じバルブＡの排気、ガス洗浄、電極活性化、水銀
や不活性の封入が、位置142〜143で排気管Ｄの封
切作業が行なわれ、位置144で排気済のバルブＡ
が取り出されコンベア２３等によつて口金付工程
へ移送されるよう構成されている。なお、封着用
や封切用の燃焼ガス、酸素、空気等の供給、バル
ブ内の排気や不活性ガスの供給は通常の装置と同
様にセンターバルブ等を通じ行なわれる。また、
位置145では排気ヘツド１３に残された封切済排
気管の排出が行なわれるようになつている。

なお、本発明は上記の実施例に限定されない。

たとえばバーナ本体は必らずしも上記の如き構
造には限定されず、要は排気管が挿通される排気
管挿通孔と、ステムのフレア部を加熱するステム
封着用ノズル孔と、上記排気管挿通孔内面に開口
し排気管の封切をなす排気管封切用ノズル孔とを
備えていればよい。また、バーナのノズル孔も上
記孔に限らずスリツト状に開口しているものでも
よい。

また、排気ヘツドその他の機構は必らずしも上
記のものに制約されず、また、ステム封着用バー
ナと排気管封切用バーナとは固定されてなく、軸
方向に互いに移動可能でそれぞれの作業のとき効
率よくガス炎を噴出させるものであつてもさしつ
かえない。たとえば導線挿通孔は上部が長円錐状
に形成され下部が長円状に形成されるなどでもよ
くその構造は限定されない。

さらに本発明は上述のバルブを水平方向に保持
して封着、封切作業を行なうものに限らず、バル
ブとステムとを垂直方向に保持して作業を行なう
ものでもよく、もちろん開口端が一つのバルブで
あつてもさしつかえない。

さらにまた、本発明は必らずしもけい光ランプ
の製造用のものに限定されず、電球や高圧放電灯
などその他の管球用のものにも適用できることは
もちろんである。

上述の如く本発明はバーナ本体の外観にステム
のフレア部を加熱するステム封着用ノズル孔を設
け、また上記バーナ本体にはステムの排気管が挿
通される排気管挿通孔を設け、この排気管挿通孔
の内面にはこの排気管の封切をなす排気管封切用
ノズル孔を設けたものである。したがつてこのバ
ーナにステムを装着したままステムの封着から排
気管の封切までの一連の工程を連続しておこなう
ことができ、封着済のバルブが冷却して内部に湿
気を吸着する等のことがなくランプの品質特性を
向上でき、また、装置間の受渡しがないので作業
能率を向上できるとともに装置の構造を簡略にで
きる等、その効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本発明の一実施例の縦断面図、ｂは
平面図、第２図は本発明のバーナ装置を複数組装
着してなる管球製造装置の説明図である。 １……バーナ本体、２……ステム封着用バー
ナ、３……排気管封切用バーナ、４……ステム封
着用ノズル、９……排気管挿通孔、１１……排気
管封切用ノズル、Ａ……バルブ、Ｂ……ステム、
Ｃ……フレア部、Ｄ……排気管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ステムの排気管が挿通される排気管挿通孔を
   有するバーナ本体と、このバーナ本体の外周に開
   口し上記ステムのフレア部周縁に向つて炎を噴出
   するステム封着用ノズル孔と、上記排気管挿通孔
   内面に開口し上記排気管に向つて炎を噴出する排
   気管封切用ノズル孔とを具備したことを特徴とす
   る管球製造用バーナ装置。