JPS6111274B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6111274B2
JPS6111274B2 JP55088421A JP8842180A JPS6111274B2 JP S6111274 B2 JPS6111274 B2 JP S6111274B2 JP 55088421 A JP55088421 A JP 55088421A JP 8842180 A JP8842180 A JP 8842180A JP S6111274 B2 JPS6111274 B2 JP S6111274B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
cold
parts
maleic anhydride
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP55088421A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5714679A (en
Inventor
Hirotoshi Myazaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP8842180A priority Critical patent/JPS5714679A/ja
Publication of JPS5714679A publication Critical patent/JPS5714679A/ja
Publication of JPS6111274B2 publication Critical patent/JPS6111274B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、保冷性および保温性並びに柔軟性の
すぐれ、かつ加熱−冷却を繰返しても水の散漿の
起らない保冷および保温用熱媒体に関する。 現在市販されている保冷材または保温材は、水
溶性有機高分子化合物からなる水を含んだ柔軟な
水性ゲルからなるものがほとんどである。この水
性ゲルは例えば澱粉、繊維素誘導体、ゼラチン、
カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドンあるいはポリエチレンオキサイドまたは
それらの部分架橋物等の水溶性高分子化合物が水
を吸収して膨潤した形態をなし、水が連続相を形
成しているものである。そのために保冷材として
利用する場合に0℃以下に保存するとゲル全体が
氷結して非常にかたく、柔難性が全く失なわれて
しまう欠点を有している。この欠点を除くために
水と多価アルコールの混合物を上記水溶性高分子
化合物に吸収させ、凍結しない水性ゲルとした保
冷材が市販されているが、この場合には氷の融解
潜熱が利用されないために保冷性が著しく劣る。
また氷の周囲を前記の凍結しない水性ゲルで覆つ
たものもあるが、それは、保冷材の構造が複雑に
なつたり、部分的に柔軟性が失なわれる欠点をも
つている。また含水状態で水性ゲルを長時間放置
したり、凍結−融解というサイクルを繰返した
り、加熱したりすると、水性ゲルの安定性が著し
く低下して、保冷材または保湿材として実用に供
することが困難となる。 一方、エラストマー中に水を分散乳化した保冷
材が特公昭47−18409号公報および特公昭52−
488952号公報(特開昭51−125442号公報)に記載
されているが、これらはゴム様の反撥弾性を示
し、保冷枕等に要求される柔軟性を示すことがで
きないものであり、またその製造工程が複雑でか
つ厳しい工程管理をしなければならなく、製品が
高価になるという欠点を有している。また、上述
した水性ゲルを保温材として用いる場合、含水状
態で80〜100℃で加熱するとゲルが破壊されて柔
軟性が失なわれたり、水が散漿して分離したり、
前記エラストマー系の水性ゲルであれば、分散系
が全く損なわれる場合がほとんどである。このよ
うに従来の保冷材用の水性ゲルはそのまま保温材
として使用できないのが現状である。 本発明は、前述した従来技術の欠点を解消せん
とするものであり、その目的は、保冷性および保
温性並びに凍結時の柔軟性にすぐれ、かつ加熱−
冷却を繰返しても水の散漿のおこらないすぐれた
保冷用熱媒体を提供することにある。 本発明によると、前記の目的は、α−オレフイ
ンおよびビニル化合物からなる群より選ばれた少
なくとも1種の単量体と無水マレイン酸との共重
合体のアルカリ中和物を多価エポキシ化合物およ
び多価アミンからなる群より選ばれた少なくとも
1種の架橋剤で部分的に架橋して得られた吸水性
樹脂の粉末粒子に多価アルコール水溶液を吸収さ
せた粒状ゲルを用いることによつて達成される。 本発明の保冷または保温用熱媒体は、多価アル
コール水溶液を含有してなる吸水性樹脂粉末粒子
の粒状ゲル(微細水性ゲルの集合体)からなる。
これを0℃以下で冷却して凍結させると、氷の粒
子が互いに付着して氷の塊になることなく、個体
に独立した氷の粒子を含んだ吸水性樹脂粉末の粒
状ゲル(微細水性ゲル粒子の集合体)となる。そ
のために凍結時においても柔軟性に富んだ保冷用
熱媒体を得ることができる。また微細水性ゲル粒
子中の水の含有量は90%以上にすることができる
ため、水の潜熱や顕熱を充分利用できるためにす
ぐれた保冷用熱媒体が得られる。一方、前記粒状
ゲルを加熱してもまた加熱−冷却を繰返しても該
ゲルは安定であるため、すぐれた保温用熱媒体が
得られる。 本発明において用いられる吸水性樹脂は、α−
オレフインおよびビニル化合物からなる群より選
ばれた少なくとも1種の単量体と無水マレイン酸
との共重合体のアルカリ中和物を多価エポキシ化
合物および多価アミンからなる群より選ばれた少
なくとも1種の架橋剤で部分的に架橋して得られ
た吸水性樹脂であるが、それは容易にかつ速やか
に水を吸収して粒状ゲルを形成し、含水状態で長
時間放置しても非常に安定で、ゲル構造が破壊し
たり、液を分離したりしない粒状ゲルを与えるも
のである。この粒状ゲルは凍結−融解サイクルに
対しても70〜100℃の加熱に対しても安定であ
る。これらの一連の性質は澱粉−アクリル酸
(塩)グラフト共重合体系の吸水性樹脂やポリビ
ニルアルコール−アクリル酸(塩)グラフト共重
合体系の吸水性樹脂等には認められない、特有の
ものである。 このような吸水性樹脂は、α−オレフインまた
はビニル化合物と無水マレイン酸とを共重合し、
得られた共重合体(以下、無水マレイン酸系共重
合体と記す。)をアルカリ性物質を作用させてア
ルカリ中和物とし、そのアルカ中和物に多価エポ
キシ化合物または多価アミンを反応させることに
よつて得られる架橋体である。 ここでα−オレフインとは直鎖状または分岐状
の炭素数2〜12、好ましくは2〜8を有する不飽
和炭化水素を意味し、その例としてはエチレン、
プロピレン、ブテン−1、ブテン−2、イソブチ
レン、n−ペンテン、イソプレン、2−メチル−
1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル
−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ジイ
ソブチレン、1・3−ブタジエン、1・3−ペン
タジエン、1・3−ヘキサジエン、1・3−オク
タジエン、2−メチル−4−ジメチル−1−ペン
テン、2−メチル−4−ジメチル−2−ペンテン
が挙げられる。ここでイソブチレンとはイソブチ
レンを含むリターンBBとも意味する。 またビニル化合物とは無水マレイン酸と共重合
しうる不飽和化合物をいい、例えばスチレン、塩
化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ア
クリロニトリル、メチルビニルエーテル、アクリ
ル酸エステル類あるいは酢酸ビニルをけん化して
得られるビニルアルコール等である。 これらの単量体は単独で用いてもよいし、また
2種類以上を組合せて用いてもよい。これらの単
量体のうち、エチレン、イソブチレン等のα−オ
レフイン、スチレンあるいはメチルビニルエーテ
ルが好ましく用いられるが、α−オレフイン、特
にイソブチレンの使用が本発明の所期の目的にも
つとも合致する。 共重合体中におけるα−オレフインまたはビニ
ル化合物と無水マレイン酸との組成比は、生成し
た共重合体をアルカリ性物質と反応させて得られ
る反応生成物が水に溶解するようなものであれば
どの程度であつても差し支えない。本発明におい
て好ましく用いられるエチレン、イソブチレン、
スチレンまたはメチルビニルエーテルと無水マレ
イン酸との各共重合体の場合には、無水マレイン
酸1モルに対してエチレン、イソブチレン、スチ
レンまたはメチルビニルエーテル1〜3モル程
度、多くの場合1モル程度である。 このような無水マレイン酸系共重合体は、1種
あるいは2種以上組合せて使用することができ
る。これらの共重合体の分子量は、ジメチルホル
ムアミド溶液中、30℃で測定した極限粘度〔η〕
が0.1〜8(dl/g)、特に好ましくは0.2〜5
(dl/g)に相当するものが望ましく使用される。
極限粘度が0.1より小さくなると架橋速度が非常
に遅くなり、吸水倍率の大きな樹脂が得られにく
い。一方5より大きくなると溶液にしたときの溶
液粘度が大きいため、作業性や製造上に問題があ
る。 また、無水マレイン酸系共重合体に反応させる
アルカリ性物質とは、反応させたときに共重合体
を水溶性にするか、水に完溶しなくても親水性の
基を付与するものであり、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ア
ンモニウム、アンモニア、メチルアミン、エチル
アミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、N・N−ジメチル
アミノプロピルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ア
ンモニウム、リン酸2ナトリウムまたはリン酸3
ナトリウム、などである。これらの中でも水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムあるいはアンモニア
類が好ましく使用される。これらのアルカリ性物
質は2種以上組合せて使用してもよい。 無水マレイン酸系共重合体とアルカリ性物質と
の反応方法は通常、水やアルコール等の溶媒中で
無水マレイン酸系共重合体とアルカリ性物質とを
混合して加熱撹拌することによつて行なわれる
が、他の方法によつて行なつても何ら差し支えな
い。例えばアンモニアガスや反応性の大きなアミ
ンのガスを用いる場合にはこれらのガスを無水マ
レイン酸系共重合体固体、特には粉末へ吹き込む
ことによつて行なわれる。 このような反応により、無水マレイン酸系共重
合体にカルボン酸、カルボン酸塩、アミドあるい
はイミド等の親水性基が導入される。前記共重合
体とアルカリ性物との反応の割合(中和度)は前
記共重合体中に存在する無水マレイン酸基1モル
に対してアルカリ性物質の2モル当量が反応した
ときの中和度を1としたとき、その中和度が0.2
〜1.0、特に好ましくは0.5〜0.7となるような量で
あることが肝要である。 吸水性樹脂をつくるために架橋剤として用いら
れる多価エポキシ化合物とは、無水マレイン酸共
重合体とアルカリ性物質との反応物を部分的に架
橋しうる化合物であつて、エポキシ基を分子中に
2個以上有する化合物を意味する。この化合物の
代表的なものは部分的に水溶性のもので、その例
としては、グリセリンジグリシジルエーテル、エ
チレングリコールジグリシジエーテル、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、グリセリ
ントリグリシジルエーテル、プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル等の多価アルコール
のジまたはトリグリシジルエーテルが挙げられ
る。また、カルボキシル基を含む化合物のグリシ
ジルエステル化合物や分子中にシクロヘキセンオ
キシド、ビシクロヘプテンオキシド、シクロペン
テンオキシド等の脂環エポキシ基を含む多価エポ
キシ化合物等も挙げられる。さらには、反応系に
均一に溶解しなくとも均一に分散するようなもの
も使用できる。そのような多価エポキシ化合物と
してはビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル、ダイマー酸グリシジルエステル型エポキシ樹
脂、含金属エポキシ樹脂等が挙げられる。なおア
ルカリ性物質として苛性アルカリを用いた場合に
は、エポキシ化合物の前駆物質であるクロルヒド
リンエーテル化合物、例えばグリセリンジクロル
ヒドリンエーテル、グリセリントリクロルヒドリ
ンエーテル、エチレングリコールジクロルヒドリ
ンエーテル、プロピレングリコールジクロルヒド
リンエーテル等も使用することができる。 これらの多価エポキシ化合物のなかでもグリセ
リンジグリシジルエーテル、エチレングリコール
ジグリシジルエテル、ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテルまたはポリプロレングリコール
ジグリシジルエーテル等の多価アルコールのジグ
リシジルエーテルが好ましく使用される。またそ
のエポキシ当量が100〜500の範囲のものを用いる
ことが肝要である。 多価エポキシ化合物の無水マレイン酸系共重合
体アルカリ中和物に対する使用割合は無水マレイ
ン酸系共重合体の無水マレイン酸基、またはその
誘導体基に対して0.5〜5モル%、好ましくは1
〜2モル%となるような範囲にある。この範囲よ
り少な過ぎると得られた吸水性樹脂の吸水倍率は
大きくなつて好ましいものとなるが、吸水した膨
潤状態でのゲル強度が極端に弱くなり、樹脂相互
の付着や樹脂の一部が水へ溶解する等の問題を生
じる。またこの範囲より大き過ぎると得られた吸
水性樹脂の架橋密度が大きくなり過ぎて、吸水倍
率が小さくなり、本発明において所期の目的とす
る保冷または保温用熱媒体を与える高吸水性能の
樹脂が得られなくなる。なお上記の範囲を重量部
に換算すると無水マレイン酸系共重合体100重量
部に対して多価エポキシ化合物が約0.2〜10.0好
ましくは0.5〜5.0重量部となる。 無水マレイン酸共重合体アルカリ中和物と多価
エポキシ化合物との架橋方法としては、無水マレ
イン酸系共重合体とアルカリ性物質との反応割合
(中和度)、アルカリ中和物に対する多価エポキシ
化合物の使用割合およびエポキシ化合物のエポキ
シ当量がともに上述した特定の範囲にあれば所期
の吸水倍率の吸水性樹脂が種々の方法で得られる
が、代表的な方法としては次の方法が挙げられ
る。すなわち、無水マレイン酸系共重合体アルカ
リ中和物の水またはアルコールの溶媒または一部
懸濁液へ多価エポキシ化合物を添加して均一に分
散または溶解されるまで充分混合撹拌して乾燥、
粉砕することにより吸水性樹脂とされる。架橋反
応は一般的には加熱して行なうことが望ましい
が、乾燥工程で熱を加えて水やアルコール等の溶
媒を除くと同時に、無水マレイン酸共重合体とア
ルカリ性物質との反応物と多価エポキシ化合物と
の架橋が同時に進行するので同一工程で乾燥と架
橋反応を行なうことができる。 架橋剤として用いられるもうひとつの化合物で
ある多価アミンは、一般式 H+NH−CH2−CH2−)oNH2 (但し、nは1〜50の整数を示す。) で示されるアミンで、例えば、エチレンジアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミンまたはペンタエチレンヘキサミンなどで
あり、上記一般式のnの大きなポリエチレンイミ
ドも使用可能である。また分岐状の多価アミンも
使用可能である。 多価アミンの使用量は、無水マレイン酸系共重
合体アルカリ中和物100重量部に対して0.1〜20重
量部、好ましくは0.2〜10重量部である。多価ア
ミンと無水マレイン酸共重合体アルカリ中和物と
を反応させて吸水性樹脂をつくる方法は前記多価
エポキシ化合物を反応させて吸水性樹脂をつくる
方法と同じである。 このようにして製造された吸水性樹脂は、自重
の10〜800倍、好ましくは50〜500倍の蒸留水を吸
収する吸収倍率を有するものであるが、常法によ
り粉砕され、樹脂粉末とされる。樹脂粉末は、多
価アルコールを含む水溶液を吸収させて粒状ゲル
とした場合に個々に独立した粒状ゲルの粒子とす
る必要があるため、粉末状または顆粒状の粉末で
あることが必要である。その粒度については特に
限定されるものではないが、4メツシユ以下であ
ることが望ましい。なお樹脂粉末の形については
球形、方形あるいは鱗片状など、いろいろな形を
したものが使用される。 本発明において多価アルコール水溶液として用
いられる多価アルコールはエチレングリコール、
グリセリン、3−メチル−1・3・5−ペンタン
トリオール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールまたはソルビトールなどであ
る。多価アルコールを添加することにより、本発
明の熱媒体を0℃以上で凍結させても熱媒体全体
が氷結してかたくなることを防ぎ、粒状ゲルの粒
子が凍つた状態で互いに付着することなく独立し
て存在し、そのため熱媒体に柔軟性を付与する。 多価アルコールの使用割合は水100重量部に対
して5〜50重量部である。多価アルコールが5重
量部未満になると、凍結したときに全体にかたく
氷結してしまう。 本発明において保冷または保温用熱媒体の製造
は、前記吸水性樹脂粉末を製造する保冷または保
温用熱媒体全体に対し1〜20重量%、好ましくは
3〜10重量%の割合で多価アルコール水溶液に撹
拌下に添加することによつて行なわれる。この
際、防腐剤、防徽剤、顔料、染料、充填剤、凝固
点降下剤、一価のアルコールさらには粒状ゲルの
強度を高めるための多価金属化合物(例えば、カ
ルシウム、銅、マグネシウム、亜鉛、アルミニウ
ム、鉄、コバルト、ニツケル、あるいはマンガン
等の多価金属の水酸化物、酸化物、ハロゲン化
物、硝酸塩、炭酸塩あるいは硫酸化物)などを添
加使用してもよい。吸水性樹脂粉末は、水溶液に
添加させるとただちに水溶液を吸収して粒状ゲル
となる。この粒状ゲルは水性ゲル粒子の集合体で
あり、この水性ゲル同志が水等による膨潤により
面で隣接していてもよい。 このようにして保冷または保温用熱媒体が製造
されるが、それは例えば、保冷枕または保冷パツ
ト等の保冷材あるいは湯タンポ代用品または保温
パツト等の保温材の保持する容器あるいはパツト
に密封され、実用に供される。なおこの熱媒体を
保温材として使用する場合には保温材で必要とさ
れる各種材料を用いることができる。 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はそれら実施例によつて何ら限定さ
れるものではない。なお、特に断わらない限り、
実施例および比較例中の「部」は「重量部」を意
味する。 実施例 1 イソブチレン−無水マレイン酸共重合体(ジメ
チルホルムアミドの30℃における極限粘度が1.06
dl/g、イソブチレンと無水マレイン酸との組成
比1:1、クラレソプレンケミカル(株)製イソバン
−10)154部と水酸化ナトリウム56部とを水560部
中で反応し、均一なイソブチレン−無水マレイン
酸共重合体の水酸化ナトリウムによる中和物水溶
液770部を調製した。ついで該水溶液にエポキシ
当量が145であるグリセリンジグリシジルエーテ
ル2.3部を添加し、撹拌混合した。このようにし
て得られた混合液をパツトに流延して120℃の熱
風乾燥器中で架橋反応をおこさしめ、併せて乾燥
を行ないながら、水をほとんど含まないフイルム
を作製した。このフイルムを粉砕して20メツシユ
パス(平均直径0.35mm)の吸水性樹脂粉末約212
部を得た。このようにして得られた吸水性樹脂粉
末は水中で速やかに膨潤し、蒸留水に対する吸水
倍率が310倍であるものであつた。 エチレングリコール150部と水850部からなる混
合溶液中へ上記吸水性樹脂粉末50部を添加混合
し、前記混合溶液中を吸収させて粒状ゲルを得
た。この粒状ゲルは、凍結した時に氷の粒子が独
立して存在したものであつて、柔軟性に富み、解
凍しても形くずれせず、また散漿現象を示さない
ものであつた。この粒状ゲルを17cm×22cmのポリ
エチレン製の袋に入れ、密封し、保冷用熱媒体
(保冷枕状のもの)を作製した。この枕状のもの
を−10℃の冷蔵庫中で1度凍結した後、温度が22
℃である室内に出してみたところ、枕状のものは
かたくならず、柔軟性を有するものであつた。な
お前記粒状ゲルは室温下でも柔軟性に優れたもの
であつた。さらに−10℃で凍結した枕状のものを
室内に放置して保冷性について調べたところ、5
℃になるまでに要した時間は6時間であつて、け
ぐれた保冷性を有することが判つた。 実施例2〜5および比較例1〜3 実施例1で調製した吸水性樹脂粉末50部を、第
1果に示した各割部の水とグリセリンとの混合溶
液中に各々添加し、実施例1と同様の方法で保冷
材を作製した。この保冷用熱媒体の保冷性と凍結
時の柔軟性について調べてみたところ、第1表に
示した結果を得た。なお、比較のために、実施例
1で使用したイソブチレン−無水マレイン酸共重
合体約42部にアンモニアガス吹き込み、イソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体アンモニア中和物
約50部をつくり、該アンモニア中和物50部に水
850部およびグリセリン150部を加えて保冷熱媒体
(以下、保冷材Aと記す)と、この保冷材Aにテ
トラエチレンペンタミン0.2部を加えた後20℃で
10時間テトラエチレンペンタミンによる前記アン
モニア付加物の架橋反応に供して粒状ゲルにした
保冷熱媒体(以下、保冷材Bと記す)とを調製し
た。この粒状ゲルは凍結する氷が連続相を形成し
ており、粒子状のものでなかつた。これらの保冷
材の保冷性および凍結時の柔軟性について調べた
結果を第1表に示した。
【表】 第1表から判るように、実施例2〜5の保令材
は、保冷性および凍結時の柔軟性にすぐれている
が、グリセリンを加えない系の粒状ゲルからなる
保冷材(比較例1)、吸水性樹脂を用いてない保
冷材(比較例2)また粒状ゲルとなつていない保
冷材AおよびB(比較例3および4)は凍結時に
非常にかたく保冷枕として使用できないものであ
つた。なお粒状ゲルとなつている保冷材B(比較
例4)はその製法に細かな条件を必要とするもの
であつた。 実施例6および比較例5 実施例1で調製した吸水性樹脂粉末80部、3−
メチルペンタン−1・3・5−トリオール(クラ
レイソプレンケミカル(株)製ペトリオール)120部
および水880部を混合して、実施例1と同様にし
て粒状ゲルを作成し、17cm×22cmのポリエチレン
製の袋に入れ、密封し、(保冷用)熱媒体Cを作
製した。 比較として、実施例1で調製した吸水性樹脂粉
末の代りに、蒸留水に対する吸水倍率が330倍で
ある澱粉−アクリル酸グラフト共重合体系の吸水
性樹脂粉末(平均直径0.3mm)を用いる他は、上
記と同様にして(保冷用)熱媒体Dを作製した。 これらの保令用熱媒体を保冷材として使用する
ため、−10℃の冷蔵庫で16時間冷却し、ついで25
℃の室内に出して8時間放置して解凍するとい
う、凍結−解凍という操作を繰返し、その繰返し
による保冷用熱媒体の粒状ゲルの安定性を調べた
ところ、保冷用熱媒体Dの場合には、凍結−解凍
操作を5回繰返した時点で、その粒状ゲルが崩壊
をはじめ、水の散漿が認められ、凍結した時に柔
軟性が著しく悪くなつたのに対し、保冷用熱媒体
Cの場合には凍結−解凍操作を30回繰返した後も
繰返し前と同様の保冷性と凍結時の柔軟性を有し
ていた。 次にこれらの熱媒体を保温材として使用するた
め、90℃の熱湯中で30分間加熱し、25℃の室温で
冷却する操作を繰返してみたところ、熱媒体Dを
用いた場合には、加熱−冷却を2回繰返したとこ
ろでその粒状ゲルが崩壊して溶液となつてしまう
のに対して、熱媒体Cを用いた場合には、加熱−
冷却操作を10回繰返しても、その粒状ゲルには変
化がまつたく認められない、安全性に富んだもの
であつた。 比較例 7 効率の良い撹拌機、還流冷却器及びN2ガス導
入口を備えた13ツ口フラスコに、粘度330セ
ンチボイズ(20℃)のマシン油(ダフニメカニツ
クオイル−メカニツク75、出光興産社製商品名)
100部及びスチレン−ブタジエン−スチレンテレ
ブロツクエラストマー(カリフレツクスTR−
1101、シエル化学社製商品名)10部を入れ、N2
ガス気流中で撹拌しながら約130℃に加熱し溶解
した。この溶解物に乳化剤(ノイゲンEA−50、
第一工業製薬社商品名)5部を加えて溶解させた
後、フラスコ内の温度を約80〜90℃に保ちよく撹
拌しながら蒸留水100部を約2時間かけて徐々に
滴下し、W/O型エマルジヨンを生成させた。 得られた白色の乳化物を約80℃に加温して流動
性を与え、深さ50mmのモールド内に流し込んだ後
室温域まで冷却することによつて、容積100×100
×50mmの柔軟な含水ゲルを作製した。 上記含水ゲルを−10℃で冷却した後、25℃に室
温に放置して保冷性を調べたところ、5℃になる
までの時間は約6時間であつた。 一方、上記含水ゲルを保温材として使用するた
め、実施例6と同様の方法により、90℃の熱湯中
で30分間加熱し、25℃の室温で冷却する操作を繰
返してみたところ、加熱−冷却を2回繰返したと
ころで前記含水ゲルは流動し、水、マシン油およ
びエラストマーに分離してしまつた。 実施例 7 エチレン−無水マレイン酸共重合体(ジメチル
ホルムアミド中の30℃での極限粘度が0.68dl/g
で、エチレンと無水マレイン酸との組成比が1:
1)126部、水194部、25%アンモニア水100部を
混合加熱して、均一な水溶液を調製した。この水
溶液に平均分子量が1200のポリエチレンイミン
1.2部を加えて充分混合した後、表面温度が120℃
の熱ロールに塗布し、水分を除去した。ついで
120℃で1時間乾燥した後、粉砕して60メツシユ
パス(平均直径0.12mm)の樹脂粉末とした。この
ようにして得られた吸水性樹脂粉末の蒸留水に対
する吸水倍率は自重の220倍であつた。 この吸水性樹脂粉末100部、水800部、エチレン
グリコール200部を混合し、粒状ゲルを作製し
た。これを実施例1と同様にポリエチレン製の袋
に密封し、−23℃の冷蔵庫で10時間凍結したとこ
ろ、それは凍結時の柔軟性のすぐれた保冷材を与
えた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 α−オレフインおよびビニル化合物からなる
    群より選ばれた少なくとも1種の単量体と無水マ
    レイン酸との共重合体のアルカリ中和物を多価エ
    ポキシ化合物および多価アミンからなる群より選
    ばれた少なくとも1種の架橋剤で部分的に架橋し
    て得られた吸水性樹脂の粉末粒子に多価アルコー
    ル水溶液を吸収させた粒状ゲルからなる保冷また
    は保湿用熱媒体。
JP8842180A 1980-06-27 1980-06-27 Preparation of heating medium for low temperature insulation Granted JPS5714679A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8842180A JPS5714679A (en) 1980-06-27 1980-06-27 Preparation of heating medium for low temperature insulation

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8842180A JPS5714679A (en) 1980-06-27 1980-06-27 Preparation of heating medium for low temperature insulation

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5714679A JPS5714679A (en) 1982-01-25
JPS6111274B2 true JPS6111274B2 (ja) 1986-04-02

Family

ID=13942310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8842180A Granted JPS5714679A (en) 1980-06-27 1980-06-27 Preparation of heating medium for low temperature insulation

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5714679A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62237679A (ja) * 1986-04-02 1987-10-17 ハ−ゲン バツテリ− ア−ゲ− 蓄電池板セツトを有する蓄電池の製造方法およびこの方法により製造された蓄電池

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60192552A (ja) * 1984-03-13 1985-10-01 Katsuo Makita 飼料用ペレツトの製法
JPS62283184A (ja) * 1985-12-27 1987-12-09 Nippon Zeon Co Ltd 蓄冷剤
JPH0623400B2 (ja) * 1986-03-31 1994-03-30 日本ゼオン株式会社 強化含水ゲル及びそれを用いる蓄冷剤
JPH0625335B2 (ja) * 1986-04-10 1994-04-06 日本ゼオン株式会社 蓄冷剤
JPH0689324B2 (ja) * 1986-05-15 1994-11-09 住友化学工業株式会社 保冷剤
JPH0689325B2 (ja) * 1986-06-26 1994-11-09 住友化学工業株式会社 保冷剤
US5059690A (en) * 1990-03-01 1991-10-22 E. R. Squibb & Sons, Inc. Purinyl tetrahydrofurans
JP2006249169A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Kuraray Trading Kk 繰り返し使用可能な吸水性樹脂の製法
US10720646B2 (en) * 2015-08-10 2020-07-21 Kuraray Co., Ltd. Non aqueous electrolyte battery binder composition, and non aqueous electrolyte battery slurry composition, non aqueous electrolyte battery negative electrode, and non aqueous electrolyte battery using same
JP7317628B2 (ja) * 2019-08-09 2023-07-31 株式会社イノアックコーポレーション 蓄冷材用組成物、蓄冷材及び蓄冷材の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62237679A (ja) * 1986-04-02 1987-10-17 ハ−ゲン バツテリ− ア−ゲ− 蓄電池板セツトを有する蓄電池の製造方法およびこの方法により製造された蓄電池

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5714679A (en) 1982-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6221379B2 (ja)
JPS6111274B2 (ja)
JPH02242858A (ja) 吸水剤およびその製造方法
JPS6150493B2 (ja)
JPS60147475A (ja) 吸水性樹脂の製法
JP2004026904A (ja) 発熱体用保水剤及び発熱体
JP2628435B2 (ja) 人工雪およびその製造方法
JPH0362184B2 (ja)
JP2527459B2 (ja) 吸水性樹脂組成物
JPH04218586A (ja) 保冷剤用含水ゲル組成物及び該含水ゲル組成物を含んでなる保冷剤
JPH0827372A (ja) 吸水性樹脂組成物
JPH0414156B2 (ja)
JPH0572222B2 (ja)
JP2003079680A (ja) 保冷材
JPH0623400B2 (ja) 強化含水ゲル及びそれを用いる蓄冷剤
JP2001139939A (ja) 蓄熱材組成物
JPH0625335B2 (ja) 蓄冷剤
JPS6147188B2 (ja)
JP2004002798A (ja) 誤飲誤食を防止できる保冷材
JPS5840383A (ja) 接地抵抗低減剤
RU2004137275A (ru) Гранулы вспениваемых винилароматических полимеров и способ их получения
JP2548362B2 (ja) 冷却材およびその製造法
JPS58198556A (ja) 水溶性高分子の易分散性組成物
JPS59120675A (ja) 冷却剤
JPH04218585A (ja) 保冷剤用含水ゲル組成物及び該含水ゲル組成物を含んでなる保冷剤