JPH0414156B2 - - Google Patents

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JPH0414156B2
JPH0414156B2 JP2333683A JP2333683A JPH0414156B2 JP H0414156 B2 JPH0414156 B2 JP H0414156B2 JP 2333683 A JP2333683 A JP 2333683A JP 2333683 A JP2333683 A JP 2333683A JP H0414156 B2 JPH0414156 B2 JP H0414156B2
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JP
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water
exothermic
weight
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hydrogel
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JP2333683A
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Yoshihiro Yoshioka
Hirotoshi Myazaki
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication of JPS59147076A publication Critical patent/JPS59147076A/ja
Publication of JPH0414156B2 publication Critical patent/JPH0414156B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、発熱組成物に関する。更に詳しくは
水と空気(酸)との存在によつて発熱する、簡単
カイロに適した発熱組成物に関する。
鉄粉等の金属粉末で代表される酸化発熱剤、
水、金属塩で代表される酸化促進剤を主成分と
し、酸素との接触によつて発熱する発熱体は古く
から、簡便で軽量であるため広く用いられてい
る。しかしながら、酸化発熱剤、水および酸化促
進剤の反応を利用した発熱剤の多くは、水との接
触が急速に行われ、したがつて水の放出が短時間
に達成されるため初期の発熱効果は著しく大きい
が、安定した発熱状態の持続時間が短いという欠
点があつた。
そのため、種々の改良が試みられ、発熱状態の
持続時間を伸ばす方法が提案されている。すなわ
ち、発熱剤は一般に二重袋に包装されており、そ
の外装をやぶいて手もみなどにより実用に供され
るものであるが、内袋の材質を変えたり、内袋の
厚みを調節したり、内袋にもうけられた空気の取
り入れ孔の数や大きさを調節したりして空気の流
通の制御方法を改良する一方、水の放出速度を調
節する保水材として珪そう土、高吸水性樹脂、木
粉、ヒル石、木炭、多孔質コール炭末、繊維くず
またはカーボンブラツク等を用いて改良してい
る。例えば内袋に関してその材質に工夫をこらし
たものとしては特開昭55−135188号公報や実公昭
57−14814号公報があり、保水材として珪そう土
を用いる例としては特開昭57−31978号公報、高
吸水性ポリマー(高吸水性樹脂)を用いる例とし
ては特開昭56−20450号公報、カーボンブラツク
を用いる例としては特開昭55−131081号公報、バ
ーミユキユライトや木炭を用いる例としては特開
昭57−94080号公報等が知られている。
しかしながら、これらの方法は、各成分の混合
が十分に行なわれないと発熱時の温度や、持続時
間にバラツキを生じ、必要な発熱保持時間が得ら
れないことや、保水性が不足するために多量用い
る必要があり、そのため、内容積が著しく大きく
なつたり、空気の取り入れ穴をふせいだり、空気
の取り入れ穴から微粉が飛び出したり、吸水性が
不足しているため、内袋が湿つたり、保存期間が
限られるなど、性能ばかりでなく、取扱い上にも
難点が種々みられ、完全なものとは言えない。と
りわけ、高吸水性ポリマー(高吸水性樹脂)を保
水剤として用いてなる特開昭56−20450号公報に
記載された方法は、上述の欠点を克服するものと
期待されたが、上述したようにその期待にはそぐ
わないものである。すなわち、該方法において保
水剤として使用されている、吸水倍率1000%以上
の吸水性ポリマー(高吸水性樹脂)も、酸化発熱
剤として用いられる金属粉や酸化促進剤(例えば
食塩や塩化カリウム等の金属塩)に接触すると、
吸水能力は著しく低下し、例えば1.6%位の金属
塩水では高々60〜80%の吸水率しかなく、水に溶
解する部分もあるため、実際の吸水倍率はさらに
低く、また発熱の持続時間を伸すために水を多く
入れる必要から、使用する高吸水性ポリマー(高
吸水性樹脂)の使用量が多くなり勝ちであり、コ
ストも高くなる。さらに吸水倍率の高い高吸水性
ポリマー(高吸水性樹脂)にあつては、水を吸収
させた時の前記ポリマーのゲル強度が著しく低い
ために内袋の空気取り入れ口から水がもれたり、
内袋が湿つたり、長期の保存が難しく、単に高吸
水性ポリマー(高吸水性樹脂)を添加する方法よ
り、なるべく団粒化した水分蒸散の遅い強じんな
含水ゲルの使用する方法が望ましいことが徐々に
わかつてきた。一方、団粒化した高吸水性ポリマ
ー(高吸水性樹脂)の含水ゲルを製造すること
は、含水ゲルの強度が弱いことや、高吸水性ポリ
マーを乾燥したポリマーの状態で得るため、乾燥
や脱水等の種々の工程を経る必要があり、著しく
コストが高いという欠点を有しており、新たな工
夫が待たれている。
本発明者等は、酸化発熱剤に液状の水を加える
必要がなく、簡便かつ即時に、適当な発熱状態に
到達し、かつ発熱の効果が安定して長時間にわた
つて持続する発熱組成物を作る目的で種々研究し
た結果、(A)酸化発熱剤100重量部、(B)水溶性重合
体、特にカルボキシル基または水酸基を分子内に
有する水溶性合成重合体、該重合体の架橋剤、酸
化促進剤および水からなる混合物を含水状態のま
ま架橋、ゲル化せしめて得られた含水ゲル10〜
300重量部および(C)保水材3〜100重量部を配合し
た組成物により、上記目的を達成する発熱組成物
を得られることを見出し、本発明を完成するに到
つた。
本発明において、酸化発熱剤とは、鉄、アルミ
ニウム、マグネシウム、亜鉛、銅、ニツケル、ト
リウムまたはバリリウム等の金属である。それら
を粉状または粒状にした形で用いるのが最も好ま
しい。とりわけ、掲砕鉄粉、還元鉄粉、電解質鉄
粉または噴霧鉄粉等の鉄粉が好ましい。
本発明において、含水ゲルとは、水溶性重合
体、該重合体の架橋剤、酸化促進剤および水から
なる混合物を含水状態のまま架橋、ゲル化せしめ
て得られた含水率60〜98%の含水ゲルルである。
ここで水溶性重合体とは、ゼラチン、カンテ
ン、カルボキシメチルセルロースまたはでんぷん
等の天然の水溶性重合体、あるいはポリアクリル
酸、無水マレイン酸を含む無水マレイン酸系共重
合体、ポリビニルアルコールまたはポリアルキレ
ンオキサイド等の合成の水溶性重合体を意味する
が、天然のものは含水ゲルにしたとき保存中に変
質、変形し、さらには腐敗するという欠点や含水
ゲルとしたときにゲル強度が弱いという欠点があ
り好ましくない。一方、合成のものはそれらの欠
点が認められにくいので、好ましいが、とりわ
け、ポリアクリル酸や無水マレイン酸系共重合体
等のカルボキシル基を分子内に有する水溶性合成
重合体、あるいはポリビニルアルコールまたはそ
の誘導体等の水酸基を分子内に有する水溶性合成
重合体が、含水ゲルにした時、保水性に優れるの
で好ましい。なかんずく前者が本発明目的に最も
よく合致するので、以下に具体的に説明する。
本発明において、カルボキシル基を分子内に有
する合成重合体とは、分子内にカルボキシル基ま
たはカルボキシル基に誘導しうる基、すなわち、
例えばカルボン酸のエステル、アミド、イミドま
たは酸無水物を含有する官能基を、好ましくは分
子側鎖に有する重合体を意味し、具体的にはポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸また
はメタクリル酸を主体とするそれらの共重合体、
あるいはビニル化合物と無水マレイン酸からなる
無水マレイン酸系共重合体等であるが、無水マレ
イン酸系共重合体が最も好ましいので、詳述す
る。
ここで、ビニル化合物とは、無水マレイン酸と
共重合しうる不飽和化合物をいい、例えばα−オ
レフイン、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、メチル
ビニルエーテル、アクリル酸エステル類あるいは
酢酸ビニルをけん化して得られるビニルアルコー
ル等である。これらの中でもα−オレフイン、メ
チルビニルエーテルまたはスチレンが最も好まし
い。
ここでα−オレフインとは直鎖状または分岐状
の炭素数2〜12、好ましくは2〜8を有する不飽
和炭化水素を意味し、その例としてはエチレン、
プロピレン、ブテン−1、ブテン−2、イソブチ
レン、n−ペンテン、イソプレン、2−メチル−
1−ブテン、n−ヘキサン、2−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル
−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ジイ
ソブチレン、1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オク
タジエン、2−メチル−4−ジメチル−1−ペン
テン、2−メチル−4−ジメチル−2−ペンテン
が挙げられる。ここでイソブチレンとはイソブチ
レンを含むリターンBBをも意味する。とわけ、
イソブチレンが最も好ましい。
前記共重合体中おけるビニル化合物と無水マレ
イン酸との組成比は、生成した共重合体を塩基性
物質と反応させて得られる反応生成物が水に溶解
するようなものであればどの程度であつても差し
支えない。本発明において好ましく用いられるα
−オレフイン、スチレンまたはメチルビニルエー
テルと無水マレイン酸との各共重合体の場合に
は、無水マレイン酸1モルに対してα−オレフイ
ン、スチレンまたはメチルビニルエーテル1〜3
モル程度がよく、イソブチレンの場合には1モル
が好ましい。
また、前記共重合体の分子量はジメチルホルム
アミド溶液中で30℃で測定した極限粘度が0.5〜
5(dl/g)、好ましくは0.1〜3(dl/g)程度に
想当するものが望ましい。このような前記共重合
体は、ラジカル重合によつて製造される。
前記のカルボキシル基を分子内に有する重合体
は、水溶性であればそのまま使用されるが、そう
でない場合には水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムもしくは水酸化リチウム等のアルカリ金属の水
酸化物、アルカリ金属の酸化物、水酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウムもしくは水酸化バリウム
等のアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類
金属の酸化物、アンモニア、水酸化アンモニウ
ム、またはモノアミン等の塩基性物質を反応させ
て水溶性にして使用される。塩基性物質の使用量
は、一般に水溶性にするのに必要な量でよいが、
耐久性があり、かつ本発明の目的に合致した発熱
状態を与える含水ゲルをつくり、本発明の目的に
合致した発熱条件を有する発熱組成物を得るため
に無水マレイン酸系共重合体の場合には、共重合
体中の無水マレイン基1モルに対して0.3〜2モ
ル、とりわけ0.5〜0.8モル反応するような量にあ
るのが好ましい。
水溶性重合体を含水状態のまま架橋、ゲル化せ
しめるために用いる架橋剤は、用いる水溶性重合
体の種類によつて異なるが、水酸基を分子内に有
する水溶性重合体、例えばポリビニルアルコール
の場合には多価イソシアネート化合物、ホウ砂ま
たはホウ素化合物などであり、またカルボキシル
基を分子内に有する水溶性重合体、例えばポリア
クリル酸または無水マレイン酸系共重合体の場合
には多価アミンまたは多価エポキシ化合物がある
が、本発明において好ましく用いられる多価アミ
ンおよび多価エポキシ化合物について詳述する。
ここで、多価アミンとは、水溶性のポリエチレ
ンイミンを意味し、具体的にはエチレンジアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、直鎖状の
ポリエチレンイミンまたは分岐を有するポリエチ
レンイミン等が挙げられ、それは水溶性重合体
100重量部あたり0.2〜30重量部の割合で使用され
る。また、多価エポキシ化合物とは、エポキシ系
の架橋剤としてよく知られている、分子中にエポ
キシ基を2個以上含有する親水性または水溶性の
化合物を意味し、その例としては、グリセリンジ
グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテルまたはポリアルキレングリコールジ
グリシジルエーテル等が挙げられ、それは水溶性
重合体100重量部あたり0.5〜50重量部の割合で使
用される。
酸化促進剤とは、酸化発熱剤の酸化による発熱
反応を促進する化合物を意味し、その例としては
塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化カリウム、
ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、チオ硫
酸ナトリウムもしくはチオ硫酸マグネシウム等の
アルカリまたはアルカリ土類の金属のハロゲル化
物またはチオ硫酸塩、硫酸鉄、硫酸銅、塩化第2
鉄、または塩化銅等の水溶性の遷移金属塩類、酸
化マンガンまたは酸化第2鉄等の酸化物、鉄ミヨ
ウバンあるいは塩化アンモニウムが挙げられる。
適当な発熱温度、発熱の立上りの速度、安定した
発熱保持時間を得るという本発明の目的の点か
ら、塩化ナトリウムや塩化カリウム等のアルカリ
金属のハロゲン化物が最も好ましい。
含水ゲルは、水溶性重合体、架橋剤、酸化促進
剤および水からなる混合物を適当な条件で架橋、
ゲル化することによつて調製される。均一混合物
ができる限り、その添加順序は問わないが、まず
水溶性重合体と水または酸化促進剤の水溶液とよ
り、水溶性重合体の水溶液を作成し、次いで架橋
剤、その水溶液またはその水分散液を添加し、架
橋、ゲル化するという手順にて調製するのが好ま
しい。架橋剤の方に酸化促進剤を配合しておいて
もよい。架橋、ゲル化反応は、架橋剤の種類によ
つて異なるが、一般には室温で数日間から、50℃
の加温下に数分〜数時間という条件によつて行な
うのが好ましい。
前記混合物における水溶性重合体の水に対する
使用割合は、発熱状態の保持時間と関係し、使用
割合が小さいと保持時間が短かく、大き過ぎると
発熱が得られにくい。したがつて(水溶性重合体
の使用量)/(水の使用量)は2/98〜40/60、
とりわけ4/96〜20/80(重量比)の範囲にある
のが好ましい。
また、酸化促進剤の使用量は、酸化発熱剤100
重量部に対して0.5〜50重量部の範囲にあればよ
いが、発熱組成物の発熱カーブの安定性の点から
0.5〜10重量部の範囲にあるのが好ましい。
含水ゲルの含水率は本発明が目ざす、すぐれた
発熱組成物を得るために60〜98%、とりわけ80〜
96%の範囲にあるのが好ましい。
含水ゲルは、団粒化したゲル体でもよいし、団
粒化したブロツク状のものであつてもよく、酸化
発熱剤や酸化反応助剤との混合が平均して行なわ
れるよう、適当な形状、大きさにして用いるのが
好ましい。
発熱組成物中の含水ゲルの量が多過ぎても少な
過ぎても酸化発熱剤との混合が行われにくく、必
要とする発熱温度が得られにくい。この観点か
ら、含水ゲルは、酸化発熱剤100重量部に対して
10〜300重量部の範囲で使用されるが、発熱反応
を安定して生起させるためには15〜200重量部の
範囲で使用するのが好ましい。さらに適当な発熱
温度、発熱の立上りの速度安定した発熱保持時間
を得るためには、20〜150重量部の範囲が最適で
ある。
また、本発明において保水材とは、酸化発熱
剤、含水ゲルおよび空気(酸素)の接触により生
じる発熱によつて蒸散する水が発熱組成物内で吸
着され、吸着−放出を繰り返すことにより酸化発
熱反応を安定して保持せしめる物質を言い、具体
的には活性炭、カーボンブラツク、木粉、ヒル
石、木炭、繊維くずのような微細な穴や空隙を数
多くもつものをさすが、最も好ましく用いられる
のは活性炭であり、粉体あるいは粒状のものが用
いられる。発熱組成物を実用に供する場合には空
気の取り入れ穴を有する袋にいれて用いられる
が、空気の取り入れ穴をふさいだり、穴からの微
粉のもれを防止する意味からは、粒状のものが好
ましく、含水ゲルの表面ぬれを僅かに押えるとい
う点からは微粉のものも用いられる。
本発明の発熱組成物は、酸化発熱剤、含水ゲル
および保水材を必須の成分とするものであるが、
発熱の際に発生する水素によつて発熱組成物のふ
くれあがりを防止するための、いわゆるふくれ防
止剤等の他の成分も添加することができる。本発
明の発熱組成物において、保水材は含水ゲルのま
わりにまぶしたり、酸化発熱剤と混合して用いら
れる。ふくれ防止剤の例としては、アルカリ水溶
液、アルカリ弱酸塩水溶液、アルコール類、二酸
化マンガン、酸化第二銅、クエン酸、修酸などの
酸性水溶液、イオウ、アンチモン、セレン、リン
またはテルルなどの水素抑制剤が挙げられ、それ
らは含水ゲル製造の際に水溶性重合体、架橋剤、
酸化促進剤、水と共に混合して用いてもよいし、
発熱組成物を製造する際に酸化発熱剤または保水
材と混合して用いてもよい。
本発明の発熱組成物は、酸化発熱剤、含水ゲル
および保水材を別々の袋に入れ、使用前に混合す
ることによつて使用してもよいし、三者を空気の
遮断下に混合しておいて使用時に空気を接触させ
て使用してもよい。後者の場合、空気の取り入れ
穴を有する内袋と空気(酸素)不透過性の外袋で
二重にシールして用いるのが好ましい。最もよく
用いられる簡易カイロの場合、後者の形態で用い
るのが好ましい。
本発明の発熱組成物は、液状の水を直接用いる
必要がなく、簡単な混合により発熱が生起し、発
熱の立上りが早いので即時に適切な発熱状態に到
達し、かつ発熱効果が安定して長時間にわたつて
持続する。かかる効果の発現機構は次のように考
えられる。すなわち、本発明において使用されて
いる含水ゲルは、団粒化しており、しかも含水ゲ
ル内に酸化促進剤である無機塩が混合されている
ために、空気(酸素)と接触させるために発熱組
成物の混合(簡易カイロの場合、発熱組成物の入
つた袋をもんだり、ふつたりするなどの混合)操
作を行なつた際に、僅かな水が放出され、酸化発
熱剤の酸化−還元による発熱反応に供され、発熱
に供されなかつた一部の水は保水材に吸着され
る。発熱が始まると含水ゲルからの水の蒸散がち
く次行なわれ、しかも保水材に吸着された水も
徐々に放出され、発熱が持続する。この水の放出
−吸着の繰り返しは、従来の発熱組成物ではみら
れない尻上りの発熱カーブを与える。そのため発
熱終了直後も発熱状態が持続することになる。こ
のようなことは、本発明に使用されている含水ゲ
ルが団粒化していること、含水ゲルに水の離しよ
う現象がおこりにくいこと、含水ゲルが酸化促進
剤によつて何ら影響を受けないこと、酸化促進剤
が含水ゲル中に均一に分散していることによつて
はじめて可能となる。したがつて、本発明におい
て含水ゲルは極めて重要である。またこの含水ゲ
ルが好ましいのは、水の放出速度を含水ゲルを調
製するのに用いる水溶性重合体、その濃度、架橋
剤、その使用量で種々コントロールできることで
あり、低廉に製造できることである。
前述した効果は、最近市販されている高吸水性
樹脂へ水または酸化促進剤を含んだ水を吸水させ
ることによつて得られる含水ゲルでは認められな
い。なわち、無機塩が主なる酸化促進剤や酸化発
熱剤との接触によつて、この含水ゲルは急激に水
を放出してしまうので、安定した長時間にわたる
発熱状態は到達できない。なお、高吸水性樹脂を
酸化促進剤と同時に用いると得られる含水ゲルか
らの水の離しようが起るため、水の過剰供給とな
り好ましくない。
また、本発明の発熱組成物は、特に含水ゲルと
してブロツク状の含水ゲルを用いてなる発熱組成
物は、前述したように、本発明の所期の目的を達
成するばかりでなく、発熱を部分的に生起させよ
うとする場合、酸化発熱剤、保水材および含水ゲ
ルの一部を混合し、含水ゲルの一部をブロツクの
まま残すことが可能で適当に発熱反応をコントロ
ールできるメリツトをも有する。このメリツトは
発熱時間の持続時間を引き伸したり、発熱カーブ
のピークを下げたり、ずらしたりすることができ
るということに結び付く。また、含水ゲルを使用
しているので発熱組成物にクツシヨン性をもたせ
たり、コンパクトな大きさにすることも可能であ
る。さらに、ブロツク状のゲルを用いることがで
きるため、缶に入れたり、種々の形状のものにす
ることができるので、従来から使用されている簡
易カイロ(手もみカイロ)やホツトプレートのみ
ならず、芳香剤や殺虫剤等の温熱材として広く応
用できる。
以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はそれらによつて何ら限定されるも
のではない。
実施例 1 酸化発熱剤として鉄粉、および保水材として1
〜2ミリメートルの粒状活性炭を準備した。
一方、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体
(分子量が16万の交互共重合体:クラレイソプレ
ンケミカル(株)製イソバン−10)100重量部を容器
中で撹拌しながらアンモニアガスを吹き込み、イ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアンモニ
ア付加物117重量部を調製した。このアンモニア
付加物10重量部と水90重量部を混合して水溶液を
作製した。次いでこの水溶液にテトラエチレンペ
ンタミン0.5重量部を加えて撹拌した後、さらに
食塩2重量部を加えて撹拌し、50℃で30分間加
熱、ゲル化させて、含水率約90%で食塩約2%を
含む含水ゲルを作製した。この含水ゲルは均一で
透明で、ゼリー状を示し、弾力性に富み、ポリエ
チレンの袋に入れて放置しても離しよう現象は認
められないものであつた。
この含水ゲルを23g、鉄粉30gおよび活性炭6
gを不織布(レイヨン100%)とポリエチレンフ
イルムをラミネートした厚さ0.23ミリメートルの
10×10平方センチメートルの、有孔(0.6ミリメ
ートルの穴を両面あわせて160個あけてある)の
袋に入れ、軽く混合し、発熱組成物とし、前記袋
の口をシールした。次いで、発熱組成物の入つた
前記袋を厚さ0.08ミリメートルの酸素不透過性エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物((株)クラレ
製エバールE)のフイルムの袋(10×15センチメ
ートル)に入れ、25℃で1週間放置する。しかる
後、発熱曲線(温度〜測定時間)を測定した。測
定にあたつては、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物のフイルムからなる袋(外袋)を破り、
発熱組成物の入つた袋(内袋)を取り出し、10回
手でかるくもみほぐし、木机の上にのせた4折の
タオル(30×90平方センチメートルの大きさ)に
のせ、熱電対を中央においてから4折のタオルを
のせて、保温した。かかる手法により熱電対の温
度変化をレコーダーによつて発熱曲線を求めた。
得られた結果を第1図の番号1で示した。第1
図には他の実施例および比較例で得られた発熱組
成物の発熱曲線2〜7をもあわせ示したが、本実
施例の発熱組成物は、発熱の立上り速度が早く、
安定した発熱曲線が得られ、さらに発熱の後期に
なるに従い、発熱温度が高いという興味深い結果
が得られた。発熱後期の発熱が優れているという
ことは、簡易カイロ(手もみカイロ)に応用した
際、余熱がさらに持続するため、発熱保持時間が
著しく長いということになる。
実施例 2 イソブチレン−無水マレイン酸共重合体(イソ
バン−10)10重量部に水酸化ナトリウム4重量部
および水86重量部を加え、80℃で3時間撹拌して
100重量部の水溶液を調製した。次いで、この水
溶液にグリセリングリシジルエーテル2.0重量部
加えて撹拌した後、さらに食塩2重量部を撹拌し
た後、70℃で2時間ゲル化させ、含水率約90%で
食塩を約2%含有する含水ゲルを得た。
この含水ゲルを用いる他は、実施例1と同様に
して発熱組成物を作製し、実施例1と同様に発熱
曲線を第1図に示した。第1図において番号2で
示たのが本実施例の発熱組成物の発熱曲線であ
る。これから明らかなように、本実施例の発熱組
成物は、実施例1のものと同様、優れていること
が判る。
比較例 1 鉄粉30g、活性炭6g、水20gおよび食塩0.6
gを混合し、発熱組成物を作製し、内袋に入れ、
実施例1と同様に発熱曲線を測定した。その結果
を第1図に示した。本比較例の発熱組成物の発熱
曲線は第1図において番号3で示されるものであ
る。
比較例 2 鉄粉30g、活性炭6g、水20g、食塩1.0gお
よび木粉6gよりなる発熱組成物をつくり、実施
例1と同様に内袋、さらに外袋に入れた。これを
用い、実施例1と同様にして発熱曲線を測定し
た。第1図において番号4で示したものが本比較
例の発熱組成物の発熱曲線である。これから明ら
かなように、初期の発熱温度は高いが、発熱の持
続時間は短かい。
比較例 3 鉄粉30g、活性炭6g、デンプン−ポリアクリ
ル酸系高吸水性樹脂(三洋化成(株)製サンウエツト
IM−1000)1.5g、水20gおよび食塩1.0g混して
発熱組成物を作製した。該組成物を内袋に入れ、
さらに外袋に密封した。これを用いて、実施例1
と同様にして発熱曲線を求めたところ、第1図の
番号5で示される曲線がられた。これから明らか
なように、初期の発熱温度は高いが、発熱時間の
持続時間は短かい。
比較例 4 実施例1で調製したイソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体(イソバン−10)のアンモニア付加
物100重量部と水10重量部を混合して水溶液を作
製した。この水溶液にテトラエチレンペンタミン
0.5重量部を加え撹拌した後、50℃で30分間加熱
ゲル化させて含水率約90%の含水ゲルを得た。
この含水ゲル22g、鉄粉30g、活性炭6gおよ
び食塩0.6gを軽く混合し、発熱組成物を作製し、
次いで内袋に入れてシールした。内袋の穴より水
が僅かににじみ出ていた。
これを用いて発熱曲線を求めたところ、第1図
で番号6で示した発熱曲線が得られた。
実施例 3 ポリアクリル酸(日本純薬(株)製、ジユリマー
AC−10H)の7%水溶液97重量部に水酸化ナト
リウム3重量部を添加してポリアクリル酸ナトリ
ウム水溶液を作製した。この水溶液100重量部に
エチレングリコールジグリシジルエーテルで2重
量部と食塩2重量部を添加、混合して50℃で2時
間、加熱し、含水率約97%、食塩の含有量約2%
の含水ゲルを得た。
この含水ゲル22g、鉄粉30gおよび活性炭を混
合し、発熱組成物を作製した。次いで該発熱組成
物を内装中にシールし、外袋に入れた。
これを用い、実施例1と同様にして発熱曲線を
求めたところ、実施例1と同様の発熱曲線が得ら
れた。
実施例 4 ポリビニルアルコール((株)クラレ製、クラレポ
バール117)の8%水溶液100重量部に10%のほう
砂水溶液3重量部および食塩2重量部を混合し、
含水ゲルを調製した。
この含水ゲル22g、鉄粉30gおよび活性炭6g
を混合し、発熱組成物を調製した。この発熱組成
物を内袋、さらに外袋に入れ、実施例1と同様に
してその発熱曲線を測定した。その結果は第1図
中番号7で示されるものであつた。
実施例 5 実施例1で調製したイソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体(イソバン−10)のアンモニア付加
物10重量部と水90重量部を混合して水溶液を作製
し、次いでこの水溶液にポリエチレンイミン(日
本触媒化学工業(株)製SP−006)0.8重量部と塩化
銅2重量部を加えて撹拌し、50℃で2時間ゲル化
せしめ、含水ゲルを得た。
この含水ゲル23g、鉄粉30gおよび活性炭6g
を混合し、発熱組成物を作製した。この組成物を
内袋に入れシールし、外袋に入れ、次いでこれを
用いて実施例1と同様に発熱曲線を測定した。そ
の結果は、実施例1の発熱組成物と同様の形状の
発熱曲線を示す、優れたものであつた。
実施例 6 実施例1で得られた発熱組成物(含水ゲル60
g、鉄粉30gおよび活性炭8gからなる組成物)
を直径50ミリメートル、高さ60ミリメートルのポ
リエチレン(厚さ2ミリメートル)の円筒状の容
器に入れ、上蓋で密封した。3カ月後、上蓋をあ
け、含水ゲルをつぶしながら混合し、直径0.6ミ
リメートルの穴が200個あいたポリエチレンの蓋
をし、発熱温度を測定した。
その結果は、最高温度が70℃に達し、発熱後40
℃を切るまでの発熱時間は28時間であつた。
前記ポリエチレンの蓋の上に市販の加熱燻蒸剤
(電気蚊取)をのせたところ、殺虫効果は20時間
持続した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1,2,4および比較例1〜
4において得られた発熱組成物の発熱曲線(温度
〜測定時間)を示す。第1図中の番号と実施例お
よび比較例との関係は次のとおりである。 図中の番号 発熱組成物の実施例または比較例 1……実施例1 2…… 〃 2 3……比較例1 4…… 〃 2 5…… 〃 3 6…… 〃 4 7……実施例4

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 酸化発熱剤100重量部、 (B) 水溶性重合体、該重合体の架橋剤、酸化促進
    剤および水からなる混合物を含水状態のまま架
    橋、ゲル化せしめて得られた含水ゲル10〜300
    重量部、および (C) 保水材3〜100重量部 からなる発熱組成物。 2 酸化発熱剤が、鉄粉である特許請求の範囲第
    1項記載の発熱組成物。 3 水溶性重合体が、カルボキシル基を分子内に
    有する合成重合体である特許請求の範囲第1項記
    載の発熱組成物。 4 カルボキシル基を分子内に有する合成重合体
    が、α−オレフイン−無水マレイン酸共重合体ま
    たは該共重合体に塩基性物質を作用させることに
    よつて得られる塩、あるいはポリアクリル酸また
    はその塩である特許請求の範囲第3項記載の発熱
    組成物。 5 水溶性重合体が、水酸基を分子内に有する合
    成重合体である特許請求の範囲第1項記載の発熱
    組成物。 6 水酸基を分子内に有する合成重合体が、ポリ
    ビニルアルコールである特許請求の範囲第5項記
    載の発熱組成物。 7 保水材が、活性炭である特許請求の範囲第1
    項記載の発熱組成物。
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