JPS61102410A - 改良された扁平繊維 - Google Patents

改良された扁平繊維

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JPS61102410A
JPS61102410A JP22101884A JP22101884A JPS61102410A JP S61102410 A JPS61102410 A JP S61102410A JP 22101884 A JP22101884 A JP 22101884A JP 22101884 A JP22101884 A JP 22101884A JP S61102410 A JPS61102410 A JP S61102410A
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core
sheath
yarn
fibers
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JP22101884A
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Yoshinori Shibukawa
義法 渋川
Taizo Yasumoto
泰三 安本
Muneto Makiyama
牧山 宗刀
Teruichi Murata
照一 村田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、スポンジ状空孔部を有する芯部と、これと区
別し得る鞘部とからなる鞘/芯二層の発泡繊維であって
、且つ繊維横断面の長軸/短軸比が特定の比率である扁
平繊維に関するものであり、従来の発泡繊維の特徴を備
え、且つその最大の欠点である強度を補強し、新たに風
合及び色彩効果を改良した優れた新規且つ有用な繊維を
提供するものである。即ち、その主たる目的は製品の軽
量化、嵩高性、保温性、断熱性の利用、及び軽量化に基
づく経済性の向上を図ることにあり、又他の目的は獣毛
に似た外観と風合、及び特殊な色彩効果を有する繊維を
得ることにある。従って、その用途は各種1AIli物
は勿論のことシート、寝装具、インチリヤ製品、不織布
、立毛製品等応用範囲は工人に亙るものである。
「従来の技術」 「発明が゛解決しようとする問題点」
近年、新たな繊維組成の設計や後付加による繊維特性の
付与等、所謂本質的な繊維改良や機fat性向上の他に
、繊維の立体的構造に工夫を凝らし付加価値を高める種
々の方策が取られる様になった。
例えば、合成皮革に見られるfZ島型断面繊維の分割、
極細化を始め、断面形状の異形化、繊維表面の微細構造
に互る改質等であり、発泡繊維或いは扁平繊維は後者の
範鴎に属する0発泡繊維に関しては、繊維中に独立或い
は相互に連通した気泡部、又はこれらの混在した構造を
持たせ軽量化、嵩高性、ソフト感、弾力性等の向上を目
的として、多数の試みがなされて来た。
かかる代表例として、特公昭43−4536、特公昭4
6−850、特開昭58−36208があるが、いずれ
も合成イ草や産業資材分野、或いはインチリヤ製品への
部分使用用途のものであり、衣料を始めとする所謂一般
的繊維を対象としたものではない、又、その構造上紡績
、編、織等一般的繊維としての加工に耐えうる機械的物
性、特に強度、伸度の点で不足しており、更に決定的な
ことは着色(原液着色、染色、捺染)時に光沢、透明感
が低下し著しく品位を損なうことになる。一方、特公昭
42−21300、特公昭51−210、特公昭58−
38527等は、正にこの分野を意図したものと思われ
るが、その実態は繊維断面当たり、たかだか数個の空孔
を有するのみであって、発泡繊維の特徴が発揮されてお
らず未だ不十分といわざるをえない、更に、特開昭50
−77616では複合繊維の例が開示されているが、(
1)同一組成物からなる鞘/芯が得られない、(2)常
に二種以上の紡糸原液を必要とする、(3)複合ノズル
を使用することによる製品装置の複雑化等経済的にも有
利とはいえず、(4)性能も本発明の目的とするものと
は大きく異なる。
次に、扁平繊維に関しては、断面形状をスリット状とす
ること自体は、見掛けの太さに比してタッチが非常に柔
かくなることや反射面積の大きさ、方向性等に基づく色
彩効果の面白さから業界ではよく用いられる一つの手段
である。しかし、第4図に一例として示した天然獣毛の
断面写真からも明らかな如く、自然界にある扁平uh維
の断面構造は、従来品の様な単純且つ単一なものではな
い。
本発明者らは、このような構造上の違いが両者を隔絶せ
しめている大きな原因であり、扁平繊維の価値をより一
層高める上で非常に重要な要件であるとの知見を得、本
発明に到達するに至った。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、かかる実情に鑑み完成されたもので、扁平繊
維の内部構造を鞘/芯に二層化し、更に芯部を発泡構造
とすることにより、従来の扁平繊維及び発泡繊維が有し
ていた上記欠点を改良したものである。
部ち、本発明は繊維断面が多数の空孔部とそれを仕切る
壁面によりスポンジ状に配置された芯部、及びその芯部
と区別できる構造を有する鞘部とからなり、且つ鞘部及
び芯部を構成する重合体が同一組成物であって、断面積
に対する芯部の面積比が5〜90%、及び繊維断面の長
軸/短軸比が2゜0以上であることを特徴とする内部に
発泡構造を有した扁平繊維を内容とするものである。
本発明の多数の空孔部とそれを仕切る壁面によりスポン
ジ状に配置された芯部とは、次に記す実質上空孔部を含
まない鞘部によって包含される部分であって、且つ独立
或いは相互の連通した気泡部、又はこれらの混在した多
数の空孔部が該繊維横断面のほぼ中心部分にランダム分
散、或いはフィルム伏の膜でブロックされた形態や製パ
ン時に酵母発泡状の構造、更には海島状構造等を意味す
る。但し繊維横断面に於ける位置付けは、鞘部によって
囲まれた区域内であれば特に限定するものではない。
又、その芯部と区別できる構造を有する鞘部とは、発泡
構造をとらない通宝繊維と同等の緻密性を有した部分を
七すが、必ずしも全(空孔部を含まないことを意味しな
い。即ち、芯部との対比に於いて差別化し得る程度の緻
密性を有した構造であれば十分である。1llL、本発
明の重要な要点である二層構造による効果を損なわない
程度に留めなければならないことは言うまでもない、上
記構造の意図するものは、通常のホローファイバーの如
き完全中空構造とはその目的を異にし、又このような構
造では熱的或いは機械的外力により断面が変形し易く、
本発明の如き効果は得られない。
更には芯部に於いて従来繊維の如き繊維横断回当りたか
だか数個の空孔部しか有しないものや、横断面全体に互
って分散し鞘部との境界が明確でないもの、或いは繊維
表面部にまで芯部に突出したようなものも本発明の対象
とするものではない。
更に、本発明繊維の断面形状とは、単に正長方形のもの
のみを指すものではなく、ドツグボーン形、楕円形、ダ
ンヘル状、菱形、さつま竿状、だんご伏等の形状であっ
てもよい。
本発明の二層構造とは、第4図に一例として示した天然
獣毛の断面構造を一つの評価基準とすることができ、そ
れは断面積に対する芯部の面積比で表しつる。いずれも
断面写真により後述する方法で算出されるが、先づ面積
比は5〜90%の範囲が好ましい、5%未満では発泡繊
維として十分なる効果を発揮し得す、逆に90%を越え
ると特に機械的物性面で実用に供し得ない、更に好まし
くは10〜60%の時、最も本発明の目的が効果的に達
成される6次に長軸/短軸比は2.0未満では本来の太
さ感が得られず、好ましくは2.0〜15゜0である。
又、一般繊維と同様の各種繊維物性測定や、着色した際
の特に濃・淡色における太さ感、微妙な光沢や透明感、
色調等の特性を加えることによって、評価はより厳密な
ものとなる。
次に、本発明繊維の製法について述べる。但し、扁平化
すること自体は本発明に於いては紡糸口金のスリット形
状に大部分依存するのでここでは言及しない。
先ず、このような構造物を得る基本的手段としては、次
の方法の適用が可能である; (1)低沸点化合物によ
る加熱発泡、(2)化学発泡剤による分解発生ガスの利
用、(3)不活性ガス又は空気の封入、(4)発泡性樹
脂のブレンド、(5)重合体中に分散した非相溶性液体
若しくは固体の後処理による抽出、(6)重合体と相溶
性はないが混和する樹脂のブレンドによる相分離、(7
)後処理による鞘部分の緻密化、(8)これら二種以上
の組み合わせ等である。
以下、−例として(1)の方法に基づき記述する。
第一に、本発明の繊維を構成する重合体は熱可塑性合成
重合体であればよく、アクリロニトリル、塩化ビニル、
塩化ビニリデンに代表されるビニル系重合体、オレフィ
ン系重合体、その他ポリアミド系、ポリエステル系、ポ
リウレタン糸環各種重合体が通用できる。この内ビニル
系重合体、特にアクリロニトリルを含む重合体について
は、アクリロニトリル25重量%以上を含むことが好ま
しく、より好ましくはアクリロニトリル35〜85重量
%、更に好ましくはアクリロニトリル40〜60重量%
である。これらは当然ながら単独或いは共重合物、ポリ
マーブレンド物として使用できる。更に、一般的に用い
られる添加剤類、即ち、安定剤、有機、無機の顔料や染
料、艶消し剤、各種の触感改良剤、難燃剤、増白剤等の
使用も本発明の目的を阻害しない範囲であれば全く支障
はない。尚、発泡効率を高める上で、アルカリ金属やア
ルカリ土類金属の炭酸塩、又はケイ酸塩、金属酸化物、
セルロース誘導体等の群より選ばれた通常一般的に用い
られる成核剤を後述する発泡剤と併用することも有効で
ある。
第二は紡糸方法についてであるが、先ず低沸点化合物を
用いる場合の基本的m念について述べておく1通常、低
沸点化合物により発泡繊維を得る為には熱可塑性重合体
の溶剤溶液、或いは融液が紡糸ノズルに供給される以前
の段階で、常用圧力下で液体の低沸点化合物(以下、発
泡剤という)を添加混合し、紡糸原液とする。紡出後、
繊維糸条中に含有せる該発泡剤を繊維形状の過程に於い
て、その沸点温度以上に加熱気化せしめ、発生したガス
膨張力により当該構造物を得る。その他延伸、熱処理等
は通常の繊維で行なわれるものと何等変わるものではな
い、以下の説明は、この基本的方法の順序に従う。
紡糸方法は、基本的には従来からの溶融、乾式、湿式、
いずれの紡糸方法も可能であるし、又必要であれば特開
昭54〜30934の如き半乾式−湿式紡糸法であって
もよい。
次に発泡剤は、通常の紡糸工程に於ける処理温度内で容
易に蒸発気化するものがよく、沸点温度120℃以下、
好ましくは10〜100℃の範囲のものが紡糸原液の調
整、発泡効率、熱エネルギー消費の点で好ましい。かか
る発泡剤としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、石油エーテル等の低級脂肪族炭化水素、ンクロペン
クン、シクロヘキサン等の低級脂環式炭化水素、メタノ
ール、エタノール等のアルコール類、臭化エチル、沃化
メチル、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素、ジエチ
ルエーテル等のエーテル[,1,1゜2−トリクロロ−
1,2,2−)リフルオロエタン、トリクロロモノフル
オロメタン等の塩化弗化炭化水素、具化ケトン類、アル
デヒド類、エステル類等が挙げられる。これら発泡剤は
重合体の融。
液或いは溶剤溶液中に添加され該繊維の紡糸原液となる
が、特に溶剤を用いる場合発泡剤の種類と共に、この溶
剤を後述する様に慎重に選択する必要がある0本発明に
到達し得たのも正に此の点に有り、又凝固過程に於ける
この二者の挙動が重要となる。即ち、従来の方法、例え
ばアクリル系発泡繊維の特許を引用すれば、使用する溶
剤との関係に於いて、発泡剤は重合体に対し非溶媒であ
って、且つ該重合体の溶剤溶液、及び該重合体の凝固液
(以下、凝固液という)に不溶性、又はH溶性であるこ
とを必要条件としている。かかる例として、特公昭51
−210、特公昭5B−38527の実施例にみられる
硝酸、チオンアン酸ソーダの如き無機系溶剤、特公昭4
1−6297、特公昭42−21.300にみられるジ
メチルホルムアミド(DMF) 、ジメチルスルホキシ
ド(DMSo)、ジメチルアセトアミド(DMA)の如
き極性存置溶剤の例がある。しかしこの方法によれば、
発泡剤は何れも溶液中で単に分散されているに過ぎず、
かかる状態は紡糸原液の配管移送中に於ける発泡剤の凝
集、特に扁平繊維の場合狭小な紡糸口金スリットに於け
る目詰まり、繊維の切断、発泡効率の低下、得られる発
泡繊維の強度低下等、重大な影響を及ぼしかねない、し
かも、後述する理由により本発明の目的とする構造物と
はならない、即ち、本発明に於ける発泡剤とは、重合体
に対しては非溶媒であって、且つ重合体の溶剤及び溶剤
溶液に可溶、且つ湿式紡糸法に於いては重合体の凝固液
、水に不溶性、又は難溶性でなければならない、ここで
重合体に対して非溶媒でなければならない理由は、該構
造物が発泡剤の気化による発生ガスの膨張力によって形
成される為に、重合体との間に界面の存在が必要である
からであり、又重合体の溶剤及び溶剤溶液に可溶とは、
上記分散状物の及ぼす影響の防止、及び次に記す本発明
の構造物を得るに不可欠の要点であるからである。
又、湿式紡糸に於ける凝固液、水に不溶性又は難溶性と
は発泡剤の系外への溶出を防止すると共に、最大限有効
に機能させる為である。
上記定義に従って選ばれた溶剤と発泡剤との組み合わせ
、例えばDMFに対する1、1.2−トリクロロ−1,
2,2−トリフルオロエタン、或いはアセトンに対する
1、1.2−トリクロロ−1,2,2−)リフルオロエ
タン、ペンタン、ヘキサン等を用いた場合、何故に本発
明の構造物となり得るかについて、本発明者らは次の様
に考えている。l51Iち、紡糸原液は紡糸ノズルより
凝固相(水系、溶剤系、加熱気相等)中に押し出され、
先ず表面部分から溶剤の繊維系外への拡散、5式法の場
合凝固液、ここでは主に水の浸入に伴う重合体に対する
溶剤濃度の低下、重合体の遊離、沈澱といった所謂凝固
と呼ばれる一連の繊維形成過程が始まる。この凝固過程
は、繊維の表面部分より溶剤の系外への拡散と凝固液の
内部侵入の相互拡散を繰りかえしながら、繊維中心部に
向かって徐々に進行し、所謂未凝固弾性糸を形成する。
このとき、最も凝固相に近い繊維表面部分には本発明で
いう鞘部、一般的にはスキン層と呼ばれる鞘状の殻が形
成されるが、このスキン層は繊維内部の急激な凝固を抑
止すると共に、発泡剤の系外への溶出を防止する働きを
存している。従って、この時点に於ける重合体に対する
溶剤の濃度を、繊維断面の外周部より中心に至る半径方
向でみた場合、中心に近いほど溶剤濃度が高くなるとい
った濃度分布を示すことになる。一方、発泡剤は本来重
合体に対し非溶媒である為に、紡糸原液中にあっては溶
剤と熔解状態にあり、従って凝固過程では溶剤に準じた
拡散挙動を取る。但し、凝固液或いは水に不溶性又はf
fi性である為′に繊維系外へは溶出しないか、溶出し
ても微量に留まる。つまり繊維表面に近い部分では、溶
剤が繊維系外へ拡散することによって、溶剤と発泡剤と
の混合液(以下、混合液という)は重合体への熔解力を
失い、重合体中に分散した形となるがそれ以外の部分で
は重合体との溶解状態にある。この点を従来法と比較す
ると、従来法ではその性質上、溶剤と発泡剤は全く違っ
た挙動を示す。特に発泡剤は、元々紡糸原液中に分散状
態にあったものが、凝固が開始されるとより一層重合体
及び溶剤よりはじき出され、繊維全体にわたって単独で
不規則に孤立するか、又は互に凝集して明らかな相分離
を呈し、本発明の状態とは本質的に異なる。
続いて、この未凝固弾性糸を水洗工程に於ける熱水、加
熱蒸気等の熱媒体でその内部に含有する発泡剤の沸点温
度以上に加熱、気化せしめることになるが、この時の外
部加熱によって凝固は一層促進され、スキン層はより強
固なものに、又中心部分に於ける溶剤の繊維系外への拡
散に伴い、重合体と該混合液との遊離も進行する。だが
同時に残存する溶剤自体が加熱されることによって再び
重合体に対する溶解力を生ずると共に、繊維表面に近い
部分で分散状態にあった該混合液の、鞘部よりも溶剤1
度が高く従って機械的な妨害の少ない繊維中心部への移
行といった現象が、本発明でいう芯部に相当する部分で
急激に行なわれる。これらの相互作用と、沸点温度以上
に加熱され溶剤と分離し気化した発泡剤の膨張力及び加
熱による重合体の可塑化効果とが相俟って、スポンジ伏
空孔部を育する芯部を形成すると共に、一方繊維表面に
近い部分では発泡1FI(混合液)の繊維中心部への移
行に伴って、芯部に比し緻密化した鞘部を形成し、ここ
に初めて本発明の基本的構造、即ち鞘/芯形二層構造が
発現するのである。従来の方法、即ち溶剤に不溶性の発
泡剤を用いた場合、上記溶剤及び発泡剤の挙動の内、特
に発泡剤を含む溶剤の移行といったことは本質的に取り
得ない。
従って得られる繊維の構造も、単に分散状態にあった発
泡剤のランダム発泡物か、或いは発泡剤のみが繊維中で
重合体と分離凝集し局所的に発泡した所謂少数の巨大空
孔のみを有するものにしかならない、これら発泡剤及び
溶剤の繊維内部に於ける性状や分布、加熱時の挙動が最
終繊維の発泡構造を決定すると言っても決して過言では
なく、溶融、乾式、湿式、或いは半乾式−湿式法に於い
ても基本的考え方は同じであり、本発明が他と大きく異
なるところでもある。
次に凝固、加熱(発泡)の工程を経た該繊維は所定の処
理、即ち一次延伸、水洗、乾燥、二次延伸、熱処理、ク
リンプ付与等を受は最終繊維となるが、これらは一般的
繊維のそれとほとんど同様に行って何等差し支えない、
加熱(発泡)処理を凝固や一次延伸、水洗等と同時期に
行うことも自由である。又、紡績性、制電、撥水、撥油
、防汚、風合改良等を目的とした各種油剤の付着も本発
明の性能を同等左右するものではなく、必要に応じて実
施出来る。更に、染色、捺染、コーティング、ラミネー
ト、型付は等後加工に於いても同様である。
「作用」 「発明の効果」 かくして得られた発泡繊維は、通常の一般的繊維と同様
の特徴を有することは勿論のこと、その構造に基づく各
種の優れた性質を有している。即ち、軽量感、嵩高性、
保温性、断熱性及び扁平繊維の特徴である柔らかいタッ
チ、色彩効果等である。特に二層構造に基づく最大の特
徴は、発泡の強度保持にあり、染色、紡績、編・織等一
般的繊維の高次加工にも十分に耐えうるものである。更
に驚くべきことは、本発明が天然獣毛と同様の光沢、風
合、色彩効果を有することであり、この点につき以下に
詳述する。
天然獣毛の特徴は、本来有している色素或いは染料等で
着色した際に顕著となる。即ち、天然の獣毛をよくa察
すると特に業界で刺し毛、或いはガードヘアと呼ばれる
ものは、i度的にはほぼ同一のものであっても、淡色と
濃色の違いでその太さ感及び艶感が全(異なって見える
。つまり、ベージュ、グレイ等の淡色では太く且つ艶消
し柵に見えたものが、ブラウン、ブラック等濃色になる
とその部分だけが極端に細く見え且つ透明感のある光沢
を呈する。更に、この濃、淡色調が一本のヘアの中で連
続して変化している為に、誠に微妙で味わいのある外観
となる0本発明者らは、この原因が獣毛断面の所謂骨の
髄にあたる部分の光学的特性とその扁平な断面にあると
仮定し、検針を加えた結果法の結論を得た。!lpち、
詳細な理由は未だ明らかではないが、本発明者らは鞘部
と芯部の境界、及び芯部のスポンジ構造に対する入射光
の多重反射、光散乱にあると推察している。つまり、淡
色では着色剤の絶対量も少なく繊維の透明度も高い為に
、入射光は鞘部分をほぼ直線的に透過し、鞘/芯の境界
に達する。しかし、ここで一部乱反射すると共に、残り
の大部分はスポンジ層中に多重反射し、見掛は無機物等
を添加したと同じ艶消し効果を呈する0反対に濃色の場
合、着色剤量が多い為に入射光自体これに吸収されて、
境界面に於けるこれらの現象が見た目に影響を殆ど及ぼ
さない、又、鞘部は本来緻密である為に繊維表面の光沢
は、鞘/芯の境界が作り出す所謂鏡面効果と相俟って微
妙な艶感を見る側に与える。太さ感は、断面が扁平であ
ることによる見た目の太さく長軸側の面積効果)とタッ
チの柔らかさく短軸側のたわみ力の効果)との感覚差、
及び艶、光沢の有無(強弱)、透明感の差に基づく見か
けの膨張、収縮の感覚変化に起因するものと考えられる
。更に、つけ加えるならばスポンジ部分自体を多重層と
見たとき、鱗片顔料を添加した時と同様のパール調の光
沢が生じている可能性が有り、「微妙な艶感」の−因に
なっているとも考えられる。更に風合に関しては、この
太さ感や機械的外力に強く、反発性に冨む二層構造に依
るところが大きいと考えている。
「実施例」「比較例」 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、
これらは−例にすぎず本発明がこれら実施例の記載によ
って同等限定されるものではない。
尚、本文及び実施例中に記載の面積比、見掛は比重、長
軸/短軸比の測定は下記方法によった;(イ)面積比の
算出法; 走査電子顕徴鎮(日立製作所S−510型)を用いて、
単繊維横断面の垂直上方より一定倍率、一定距離で写真
撮影し、鞘/芯構造であることを確認後、全断面積を求
めた0次に当該繊維と同組成、同繊度であって非発泡の
繊維(ブランク)の全断面積を同法により求め、下式に
より全断面積に対する芯部の面積比を算出し、合計20
本の平均値を求めた。
面積比(%)= (Sa−3b)/5sxlOO但し、
 SS:発泡繊維の全断面積 Sb:非発泡繊維の全断面積 (ロ)見掛は比重の算出法; 試料(スライバー)0.5重程度を取り空気中で精秤後
、水中置換法に基づく自動比重計(東洋精機製作所要)
の上下式水槽中に繊維自体の濡れ速度よりも速(ならな
い様に浸漬せしめ、検出した水の置換量により求めた。
尚、このとき水中の試料表面に気泡が付着しやすい為、
フッ素系界面活性剤を気泡除去剤として微量添加した。
(ハ)長軸/短軸比の算出方法; (イ)で用いた断面写真の中から、ランダムに試料25
本を選び、横断面の長軸長さ及び短軸長さを測定し下式
により各試料毎の長軸/短軸比を求め平均値を出した。
長軸/短軸比−長軸長さ/短軸長さ 実施例1 アクリロニトリル50重置%、塩化ビニル49重量%、
及びスチレンスルホン酸ソーダ1重量%共重合してなる
重合体をアセトンで溶解し、重合体重量当たり25%の
1.1.2−)リクロロー1.2.2−)リフルオロエ
タン、及び二酸化チタン0.2%を加え、最終重合体濃
度が25重量%となる様に調整後、密閉容器中で40℃
に保ちながら30分間攪拌し紡糸原液を得た。該原液を
長方形スリットの長軸中0.60mm、短軸中0.08
m m 、スリット数100ケの紡糸口金を用いて、2
5℃の30%アセトン水溶液中へ吐出し、巻き取り速度
4.5m/分で9秒間浸漬した。続いて30℃、25%
アセトン水溶液中に1.8倍の延伸をかけながら6秒間
浸漬後、75℃の熱水洗浴に緊張状態で導き約1分間の
滞留で発泡を完了させた。
得られた水洗糸を120℃の気流乾燥機内で水分率1%
以下とした後、引き続き2.75倍の二次延伸及び14
5℃、5分間の緊張熱処理を経て、草繊度20デニール
、面積比32%、見かけ比重l。
01、長軸/短軸比3.2の扁平繊維を得た。このもの
に1常の仕上げ処理を施してハイバイルに仕上げたとこ
ろ、従来の擬似獣毛立毛品には見られない、軽くてしか
も高級感の有る色あい、艶、風合を有していた。得られ
た繊維横断面の走査電子顕微鏡写真を第1図に示した。
実施例2 実施例1と同じ重合体f4液にn−ペンタン20%、炭
酸カルシウム粉末2%を添加し、同法に則って攪拌を行
ない道合体濃度25%の紡糸原液を得た。咳原液を、第
6図に示した形状の楕円形スリットであって長軸0.5
5mm、短軸0.13mm、孔数100ホールの紡糸口
金を用いて、25℃の21%アセトン水溶液中に吐出し
た0巻き取り速度4.5m/分で9秒間浸漬させた後、
引き続き同組成、同温度の浴中に1.8倍の延伸をかけ
ながら18秒間滞留させ、続いて75℃の熱水洗浴に緊
張状態で導き、45秒間の滞留で発泡を完了させ以下、
実施例1と同法で処理し、輩繊度15デニール、面積比
24%、見掛は比重1. I O、長軸7w1fk比3
.5の楕円形繊維を得た。このものでハイバイルを作っ
たところ、実権例Iと同様の効果が得られた。得られた
繊維の横断面の走査電子顕微鏡写真を第2図に示す。
実施例3 長方形スリットの長軸中0.60mm、短軸中0゜08
mm、スリット数100ケの紡糸口金を用いた以外は、
実施例2と全く同じ紡糸原液、紡糸条件で実施しN&l
l1度15デニール、面積比289A、見掛は比重1.
05、長軸/短軸比5.2の扁平繊維を得た。このもの
でハイバイルを作ったところ、実施例1と同様の効果が
得られた。第3図に、得られた繊維横断面の走査電子顕
微鏡写真を示す。
比較例1 発泡剤及び成核列を使用しない他は、実施例1と同法で
N繊度20デニール、長軸/短軸比6.3の扁平繊維(
従来品)を得た。該繊維横断面の走査電子g微鏡写真を
第5図に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1、第2図は同し〈実施例2、
第3図は同じ〈実施例3で得られた繊維の形状を示すも
ので、繊維横断面の走査電子顕微鏡写真である。第4図
は、本文中参考例として引例した天然獣毛の繊維の形状
を示す横断面写真であり、又、第5図は比較例Iに記載
した従来品の繊維の形状を示す繊維横断面写真である。 第6図は、本発明の実施例2で用いた楕円形紡糸口金の
概略図である。 区       区 へf              σ)除      
 駅 トー−−−−−□、    −、、、、l     l
−手、糸プ゛ご↑市二N−1−−店−(自発)昭、+1
.I5(]年11月29 F−1特許庁り番官 志 賀
   学 殿     盲。 1、事件の表示 昭和59年特許願第221018冒 2、発明の名称 改良された扁平繊維 3、補正をする者 事件との関係:特許出in人 住所 大阪市北区中之島H”T[N 2番4鴛−名称 
(094)鐘淵化学1業株式8ン1代表者 代表取締役
 新 納 B 人 44代理人 住所 大阪市北区白人満3’]’[1?、昌−4−15
、補正の対象 「発明の詳細な説明」(、・)拍( G  31;□21、σ1突            
−・r7了さ・・1、明細書の「発明の詳細な説明」の
欄の記載を下記の通り補正する; (1)第2頁、2行目、「強度」とあるを、〔強力〕に
訂正する。 (2)第5頁、下から5行目、「相互の」とあるを、〔
相互に〕に訂正する。 (3)第5頁、下から2行目、「製パン時に」とあるを
、〔製パン時の〕に訂正する。 (4)第6頁、下から2行目、[゛芯部に」とあるを、
〔芯部が〕に訂正する。 (5)第10頁、4行目、「繊維形状」とあるを、〔繊
維形成〕に訂正する。 以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、繊維断面が、多数の空孔部とそれを仕切る壁面によ
    りスポンジ状に配置された芯部、及びその芯部と区別で
    きる構造を有する鞘部とからなり、且つ鞘部及び芯部を
    構成する重合体が同一組成物であつて、断面積に対する
    芯部の面積比が5〜90%、及び繊維断面の長軸/短軸
    比が2.0以上であることを特徴とする内部に発泡構造
    を有する扁平繊維。 2、扁平繊維がアクリロニトリルを含む重合体である特
    許請求の範囲第1項記載の繊維。
JP22101884A 1984-10-19 1984-10-19 改良された扁平繊維 Pending JPS61102410A (ja)

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DE8585113161T DE3586032D1 (de) 1984-10-19 1985-10-17 Geschaeumte synthesefaser und verfahren zur herstellung derselben.
EP85113161A EP0180097B1 (en) 1984-10-19 1985-10-17 Foamed synthetic fiber and its manufacturing method
CN 85109642 CN1011319B (zh) 1984-10-19 1985-10-19 多孔合成纤维及其制造方法
US07/082,916 US4865786A (en) 1984-10-19 1987-08-10 Foamed synthetic fiber and its manufacturing method

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