JPS609821B2 - 血液浄化装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、体外循環中の血液から選択的に有害な物質を
除去するようにした血液浄化装置に関する。

一般に、人工腎臓，人工肝臓等を用い血液体外循環によ
り、血液中の生体有害成分を除去し血液浄化をはかる方
法は、主にその血液に直接触れる膜を介して透析を行な
うあるいは吸着剤によるものである。

しかしこれら従来の方法は血液中の有害成分の選択的な
除去の能力に於て問題が有った。つまり有害成分の取り
残し、又は有用成分の過剰除去である。透析による方法
は慢性毒性に関与すると考えられる中分子量物質を除去
する能力が低い。一方、炉過による方法は、比較的急性
毒性に関与すると考えられる低分子量物質及び中分子量
物質および水分の除去する能力は高いが、反面電解質や
アミノ酸などの有用物質までも同時に過剰に除去される
ことになる。さらに、低分子量物質中に含まれる有害物
質までは除去することができなかった。本発明は、上記
事情に着目してなされたもので、その目的とするところ
は、血液中の有用な物質を除去することなく、生体に有
害な中分子量の物質を選択的に除去し、かつ血液炉過装
置で除去できない低分子量物質中の有害物質も容易に除
去し得るようにした血液浄化装置を提供することにある
。

すなわち、本発明は「 まず、「体外循環回路の途中に
連結される血液導入口と血液導出口を設けた器体と「
この器体内空間に設置され、上記血液導入口を血液導出
口に蓮適する血液流動室を形成し分画分子量が１５００
０〜２５０００である第１の炉過膜と、この第１の炉過
膜を通過した物質を導き入れる補捉室と、この補捉室内
に設置され分画分子量が１０００〜１５００である第２
の炉過膜とｔ この第２の炉過膜を通過した物質を分離
する分離室と、この分離室を上記体外循環回路の流出側
に蓮通し、上記第２の炉過膜を通過した物質を含む液を
その体外循環回路中に戻し回路と、上記補捉室に運通し
、上記第２の炉過膜を通過しない物質を含む液を排出す
るための排出口とからなる血液炉過装置と、この血液炉
過装置よりも下流側に位置する上記体外循環回路の途中
に介挿される血液透析装置とを具備したことを特徴とす
る血液浄化装置」であり、また、「上記血液炉過装置の
器体内に第１および第２の炉過膜を配設し「その器体内
に血液流動室、補捉室および分離室を形成したことを特
徴とする血液浄化装置」であり、また、「流動室を形成
する器体とは別の器体を設け、この器体内に２の炉過膜
を酉己設することにより「その別の器体内に補捉室およ
び分離室を形成することを特徴とする血液浄化装置」で
あり、また、「上記第１および第２の炉過膜を多層に設
けたことを特徴とする血液浄化装置」を提供するもので
ある。

以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて説明する。

この実施例では血液炉過装置と血液透析装置しての透析
型人工腎臓装置と組み合せて使用する場合であって、特
に血液中の有害な中分子量の物質と過剰の水分を除去す
るようにし、人工腎臓としての性能を総合的に高めるよ
うにしたものである。しかして、図中１は体外循環回路
であって．動脈２側の途中にはローラポンプ３が設置さ
れていて、血液を強制的に流すようになっている。

さらに体外循環回路１内には、動脈２側に位置して血液
炉過装置４が設置され、また静脈５側に位置して透析型
人工腎臓装置６が設臆されている。もちろん、この血液
炉過装置４と透析型人工腎臓装置６が設置する順序はこ
れに限らずその逆に配置してもよいものである。次に「
上記血液炉過装置４について述べればし７はその器体で
あり〜 この器体７は台８によって支持されている。

器体７の内部は２種類の炉過膜９９ １０‘こよって仕
切られ、上下３つの空間に区分されている。すなわち、
各炉過膜９，１Ｑ‘まそれぞれ水平に配置されており、
最上部の空間を血液の流動室１１「中間の空間を中分子
量物質の捕捉室１２ｔ最下部の空間を低分子量物質の分
離室畳３とする。なお上記各炉過膜９，亀０はそれぞれ
支持枠ｇａｇ 耳８ａによって下面側が支えられ「水平
に支持されている。さらに、第１の炉過渡９は、分画分
子量１５０００〜２５００の室度のものを使用し、血液
中のいわゆる中分子量以下の大きさの物質を通すように
なっている。またし第２の炉過膜亀 ０は、分画分子量
１０００〜１５０の茎度のものを使用し「血液中のいわ
ゆる低分子量以下の大きさの物質を通すようになってい
る。血液の流動室軍蚤の側壁には、その流動室１１を間
に介して対向するように血液導入ロー４と血液導出口畳
５が設けられ、その血液導入ロー４と血液導出ロー５は
体外循環回路貴１こ連結されている。

しかして、体外循環回路１を流れる血液はその血液導入
口亀４から流動室亀１内に流入し、血液導出口１５から
流出するようになっている。また、流動室１８内におい
て血液は第１の炉過膜９の表面に沿って平行に流れる。
そして、このとき吸引炉過されるものである。捕捉室亀
２の側壁には排出口亀６が設けられており「 この排出
口官６１こは排出管１７が接続されている。

さらにも排出管１７の途中にはその排出管１７を開閉す
るバルブ亀８が設けられている。また「捕捉室包２の内
部には内部の液を雛拝する回転子１９が設置されていて
、第２の炉過膜１０の目詰りを防止し、初期の炉過効率
を維持するようになっている。分離室１３の底部にはＬ
流出口２０が設けられトこの流出口２Ｑ‘ま戻し回路２
ｉを介して上記体外循環回路川こ直結されている。

なお、この戻し回路２１は血液炉過装置４と透析型人工
腎臓装置６の間の体外循環回路亀の途中に接続されてい
る。また〜戻し回路２１の途中にはポンプ２２およびリ
ザーバ２３が設けられており、ポンプ２２によって分離
室１３内に溜る液を体外循環回路１側へ送り込むように
なっている。

リザーバ２３は、その容器２４内に分離室１３側から送
られてくる液を一旦溜め、再び戻し回路２１を介して体
外循環回路１に送り込むようにしたものである。リザー
バ２３の容器２４の底部には過剰水分を排出する排出口
２５が設けられている。また、この排出口２５にはバル
ブ２６が設けられていて、必要時において開放し、過剰
水分を排除するようになっている。すなわち、このリザ
ーバ２３は過剰の水分を除去することのできる水分除去
器２７を構成するものである。一方、透析型人工腎臓装
置６は、たとえばいわゆるホローフアイバー型ダイアラ
イザーが使用されている。

２９は透析液の導入口であり、２８は透析液の導出口で
ある。

次に、上記血液炉過装置４の作用を説明する。

まず、人体の動脈２から体外循環回路１を通じて血液が
血液炉過装置４の血液導入ロー４に達し、その流動室１
１内に流入する。流動室１１内に流入した血液は血液導
出ロー５へ向って流れるとともに、この間第１の炉過膜
９が表面に沿って平行に流れる。このとき、第１の炉過
膜９の反対側の浦促室１２および分離室１３の内部は、
戻し回路２１のポンプ２２によって吸引されて減圧状態
にあるから、上記第１の炉過膜９を通じて血液を炉過す
ることができる。すなわち、第１の炉過膜９は分画分子
量１５０００〜２５００の華度のものを使用し、いわゆ
る中分子量以下の大きさの物質、たとえば尿素，クレア
チニン，ビタミンＢ，２，低分子量物質および電解質を
含む液を補促室１２側へ炉過する。そして、・有用な蛋
白質白血球などの血球成分は有形物質及び高分子量物質
であり、その第１の炉過膜９を通過できないから、その
まま血液導出ロー５側へ流れ、再び体外循環回路１を通
じて透析型人工腎臓装置６へ送り込まれる。橘促室１２
内に分離させられた中分子量以下の物質を含む液は、回
転子１９によって適度に澱梓させられるが、分離室１３
側はさらに強い減圧状態にあるから、第２の炉過膜１０
を通じて炉遇される。

すなわち、第２の炉過膜１０Ｇま、分画分子量１０００
〜１５０の掌度のものを使用し、血液中のいわゆる低分
子量以下の大きさの物質を通すようになっているため、
低分子量物質および電解質を含む液が分離室１３側へ分
離することができる。そして分子量１０００以上の中分
子量物質のィヌＩＪン，チトクロムＣ，ビタミンＢ，２
等は、上記補促室１２内にとどまり、分離室１３側へは
、入り込まない。しかして、生体に有害な物質である中
分子量物質のものを浦促室１２内にとどめ、低分子量物
質や電解質等は、分離室１３側へ分離させることができ
る。なお、補促室１２内において回転子１９を適度に回
転させているため、第２の炉過膜１０の詰りを極力防止
しその炉過作用を維持する。また、蒲促室１２内の中分
子量物質は次第に増加するため、ときどきバルブ１８を
開いて排出ロー６からその濃縮した液を排出する。一方
、分離室１３内に分離した低分子量物質や電解質を含む
液はポンプ２２により、ｌｊザーバ２３側へ送り込まれ
て一旦溜められる。

そして、自然落差やポンプによって透析型人工腎臓装置
６の直前の体外循環回路１の部分へ戻される。つまり、
低分子量物質や電解質は再び血液中に戻すことができる
ため、無駄がない。また、過剰の水分は水分除去器２７
の排出口２５を開いて排出することができる。しかして
「上記血液炉過装置４によれば、血液中の生体に有用な
物質を除去することなく、生体に有害な物質のみを除去
し、さらにに過剰な水分も除去し得るものである。

また、この血液炉過装置４を経た血液は、次の透析型人
工肝臓装置６において透析作用を受け、ここでも、人体
に有害な低分子量物質（例えば尿素，クレアチニン）の
除去及び電解質調整が行なわれる。

すなわち、この場合、血液炉過装置４と透析型人工腎臓
装置６の両者によって除去作用が行なわれるため、高い
能力を発揮させることができる。特に、透析型人工腎臓
装置６は、能力に限界があるため、この血液炉過装置４
を補助として用いることにより、総合的に高い能力を発
揮し、短時間で血液の処理を行なうことができる。なお
、本発明は上記実施例のものに限られるものではなく、
たとえば橘促室を独立したものとせず潅流路を形成し、
ポンプ等によって濯流させるようにしてもよい。すなわ
ち、上記実施例に相当する分離室部分を上下２室に仕切
り、その２室と運適する漣流路を形成し、上側の室から
溝流路を通して下側の室へ潅流させることによって第２
の炉過膜１０の表面に沿う流れを作り、その第２の炉過
膜１０の目詰りを防止するようにしてもよい。また、上
記流動室１１を形成する器体７とは別の器体を設置し、
この別の器体内に第２の炉過膜を設置することにより、
その器体内を浦促室と分離室に仕切り構成としたもので
もよい。

また、上記第２の炉過膜１０の面積は第１の炉過膜９の
面積よりも広くすることが望ましい。

たとえば１０：１程度の比率とする。また「積層するこ
とにより実質的に差をもたすようにしてもよい。さらに
、第１および第２の炉過膜９，１０とも積層構造とし、
設置面積をコンパクトにしてもよい。

以上説明したように本発明によれば、血液中の生体に有
用な物質を過剰に除去してしまうことなく、生体に有害
な中分子量の物質のみを能率的に除去し得るとともにさ
らに、低分子量物質中に含まれる有害物質も選択的に除
去できる。

つまり〜中分子量から低分子量に至る物質中から有害物
質をそれぞれ容易に除去し得ることができる。さらに、
上記炉過装置は、その第１の炉過膜の分画分子量が１５
０００〜２５０００であり、第２の炉過膜の分画分子量
が１０００〜１５００である第２の炉過膜は、低分子量
物質が透過するようにしたものである。したがって、ま
ず、この炉過装置において特にいわゆる中分子量以上の
有害物質を除去するこを目的とし、いわゆる低分子量以
下の物質は、第２の炉過膜を通過するから、第２の炉過
膜にかかる圧力がそれほど大きくなることはなく、その
膜が被断する危険が少ない。また〜 ここでの透過速度
も充分遠くでき、これは、後段の透析装置をも含め血液
浄化装鷹全体の浄化速度を速めるのである。また、本発
明は、まず中分子量のものを血液炉過装置において除去
する。そして、この後、血液を後段の血液透析装置にか
け、ここで初めて透析により低分子量物質中の有害物質
を除去するものである。したがって、この血液透析装置
においては、すでに中分子量物質が除去された血液を透
析処理するため、透析膜などのにおける詰り現象などを
極力防止しながら、その透析作用を効率的に行なわせる
ことができる。このように本発明は、炉過装置と透析装
置の利点をそれぞれ有効に利用した血液浄化装置を構成
し、かつ炉過装置を適合するように改良することにより
、浄化能力、浄化時間、浄化効率などを高めるという格
別な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示す概略的な構成図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 体外循環回路の途中に連結される血液導入口と血液
   導出口を設けた器体と、この器体内空間に設置され、上
   記血液導入口と血液導出口に連通する血液流動室を形成
   し分画分子量が１５０００〜２５０００である第１の濾
   過膜と、この第１の濾過膜を通過した物質を導き入れる
   補捉室と、この補捉室内に設置され分画分子量が１００
   ０〜１５００である第２の濾過膜と、この第２の濾過膜
   を通過した物質を分離する分離室と、この分離室を上記
   体外循環回路の流出側に連通し、上記第２の濾過膜を通
   過した物質を含む液をその体外循環回路中に戻す戻し回
   路と、上記補捉室に連通し、上記第２の濾過膜を通過し
   ない物質を含む液を排出するための排出口とからなる血
   液濾過装置と、 この血液濾過装置よりも下流側に位置
   する上記体外循環回路の途中に血液透析装置を設けたこ
   とを特徴とする血液浄化装置。 ２ 上記血液濾過装置の器体内に第１および第２の濾過
   膜を配設し、その器体内に血液流動室、補捉室および分
   離室を形成したことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   の血液浄化装置。 ３ 流動室を形成する器体とは別の器体を設け、この器
   体内に第２の濾過膜を配設することにより、その別の器
   体内に補捉室および分離室を形成することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項の血液浄化装置。 ４ 上記第１および第２の濾過膜を多層に設けたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１，第２または第３項の血
   液浄化装置。