JPS608773Y2 - 切取片付紙コップ

Info

【考案の詳細な説明】本願考案は紙コツプに関し、より詳細にはコツプ使用後
にそのコツプの一部を切取りその切取片を何枚か集める
ことにより景品と取換えたり出来るような切取片を有す
る紙コツプに関する。

現在例えば紙コツプ入りアイスクリームの蓋を所定枚数
送った者に景品を与えたり当該商品の割引券を与えたり
する販売方法が取入れられている。

しかし蓋自体の重量が重くまた形状も大きいので取扱い
が不便であった。

また、蓋の代りに紙コツプの一部（主に胴の一部分）を
切取りその切取片を集める方式も採用されている。

しかしこのように使用後のコツプの一部を切取ることは
コツプ自体が強いためなかなか困難であり、しばしばは
さみなどの切断具を必要とし、非常に手数のかかること
であり、一般消費者特に子供などにはなじまないもので
あった。

本願考案は、コツプ壁部に切取り可能部分を形成してい
るがコツプ自体として十分機能を発揮すると共に、コツ
プ使用後には当該切取り可能部分を子供などにも容易に
、はさみなどを使用せずに切取ることにより、上記と同
様の刺激的な販売を行なうことが出来る紙コツプを提供
することを目的とする。

以下具体例について述でる。

第１図は本願考案に基ずく紙コツプ１を示す。

この紙コツプ１がこれまでの紙コツプと異なるところは
胴壁部にミシン線２によって画定された切取り片３を有
しているところである。

本考案の紙コツプ１は公知のような手段によって例えば
印刷の際に又は扇形のブランクを打抜くと同時に又はブ
ランクを打抜いた後に、ブランクの所定位置にミシン線
２によって所定の大きさの切取片３を画定するためミシ
ン線を加工する。

ミシン線２によって切取片３を形成した後、公知の方法
にて紙コツプ１を成形する。

紙コツプ成形後に該紙コツプに防水加工としてのパラフ
ィンコートを施こす。

パラフィンは第２図に示すような紙質部４と抜取空所５
との連続体から威るミシン線２によって画定された切取
片３（第１図）とその他のコツプ胴部とに均等にコート
する。

パラフィンはコツプの内面及び外面に例えばスプレーコ
ートする。

この際パラフィンは望ましくはミシン線２の空所５をう
ずめず、両面とも紙質部４からそれに隣接する紙質部４
ヘブリッジ状に横架連結６、了するよう、うすい低温溶
融状態でのコートが好ましい。

もし空所５がパラフィンで詰められると切取片３の切取
が困難となるからであり、またパラフィンが空所５を橋
架しないとその部分から漏洩を生じるからである。

パラフィンコートはコツプの内面又は外面のみの片面コ
ートでもよいが両面コートの方が漏洩防止上好ましいこ
とは明らかである。

ミシン線２の紙質部４の長さは使用している紙の材質、
コツプの大きさなどによって適宜決定されよう。

またこの方式によればミシン線２はパラフィン６．７に
よって完全に連結されているので漏洩は防止できると共
にコツプ強度に実質的に変化を与えないようなミシン線
加工を施こすことによって切取片３の大きさは自由に決
定できる。

コツプ使用後には切取片３を画定しているミシン線２を
コツプ１の外側から内側に向って矢印８の方向へ押込む
とミシン線２の紙質部４が破断され切取片３は容易に、
特別の切取具を使用することなく切取られ得る。

コツプ外壁を内方に押すだけなので、コツプ内部へ指を
入れて破るような不快さはなく、また衛生的でもある。

この方式では紙質部４に出来るだけパラフィンがしみ込
まないようにしかつ空所５がパラフィンで目詰りを起さ
ないように注意することによって紙質部４の破断は容易
化されよう。

本考案は単にミシン目加工を施こすだけで他は全て公知
の装置を公知の方法にて使用することによって極めて簡
単にかつ衛生的に切取片を切取ることができる紙コツプ
を提供できるのである。

勿論この考案はコツプ胴壁以外の底壁にも自由に適用で
きるのである。

また切取片を複数個設けることも同様に自由である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による紙コツプの全体斜視図、第２図は
第１図の線■−■断面図である。符号の説明、１・・・・・・紙コツプ、２・・・・・・
ミシン目線、３・・・・・・切取片、４・・・・・・紙
質部、５・・・・・・空所、６．７・・・・・・パラフ
ィンワックス層。

【実用新案登録請求の範囲】

紙コツプの壁部にミシン目線によって切取片を形成しそ
の少なくとも片側面をパラフィンワックスでコートしミ
シン目線からの液体の漏洩を防止したことを特徴とする
切取片付紙コツプ。