JPS608264B2 - 接着剤 - Google Patents

接着剤

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JPS608264B2
JPS608264B2 JP7007582A JP7007582A JPS608264B2 JP S608264 B2 JPS608264 B2 JP S608264B2 JP 7007582 A JP7007582 A JP 7007582A JP 7007582 A JP7007582 A JP 7007582A JP S608264 B2 JPS608264 B2 JP S608264B2
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幸夫 春日山
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光学用のレンズ、プリズム等の光学素材を接着
する際使用する新規な作業性良好で、光学性能及び耐久
信頼性に優れた接着剤用アミン硬化剤に関するものであ
る。
通常カメラあるいはその他の光学機器におけるレンズま
たはプリズム等を有する光学系に於いて接着剤の良否は
光学性能または耐久信頼性を左右するので極めて重要な
因子である。
従来この光学接着剤としては、針葉樹幹の分泌液に苛性
ソーダを添加し、水蒸気蒸留等の処理を行なって精製し
たもの、特にカナダ、北アメリカ地方に産するマッ科植
物より得られるカナダバルサムは、その屈折率がガラス
の夫れに近く、また作業性が良いため広く使用されてい
る。しかしながらカナダバルサムは次の如き使用上欠点
とされる性質を有する。
即ち作業上必要である加熱溶融工程において経済的に着
色して、色相透明性等に変化を受け、又接着後寒冷地等
においてその接着物を使用する場合、接着層にキレッを
生ずる等の欠点がある。さらに大きな欠点として、バル
サムはいわゆるホットメルト系の接着剤であるため熱に
弱く60oo程度の中温下で接着物の自重によるズレが
生じ、光学的な性能に大きな間題となることが多い。こ
の60qCという温度は我々の日常生活でいよいよ遭遇
することであり、例えば夏期に直射日光を受けている自
動車内部では80℃近くの高温になったことも知られて
いる。この様にバルサムは多くの欠点があるため、これ
に代わる合成樹脂系の接着剤が開発され、商品としてあ
るし、は特許としても数多〈出されている。バルサムと
同じホットメルトタイプではシヱラツクを用いたもの(
U.S.P.2455118)、セルロースキャバレー
トを主成分とするもの(U.S.P.2999029)
またポリ酢酸ビニルを主成分とするもの(日本特公昭4
5一15638)等が代表的なものであるが、これらは
いずれもバルサムと同じ本質的な欠点(高温、低温下で
の信頼性の不足)を有しており実用には供せない。高分
子化学の進歩に伴い、これらの欠点を有さない光学用後
着剤として熱硬化性樹脂によるものが近年数多〈出され
ている。
最も多いのはMIL、Spec(M山一A−oo392
帆)に規定されている不飽和ポリエステル系のものであ
り、各種の特許(U.S.P.2453666、B.P
.767466、U.S.P.2856379、U.S
.P.2445球5BP.907564、日本、持公昭
40−22954)、およびレンズボンド、オブテイカ
ルセメント、オプチコン等の商品名で報告あるいは市販
されている。これらの不飽和ポリエステル系接着剤は透
明度が良く、また屈折率もガスラのそれと近似している
等の利点があるが、本質的な欠点として耐水性が悪く、
光学ガラスを接着したものを高温高温下に長時間放置し
たとき自然にハク離してするというデータ−(P.G.
Hunt.Optica.Act、14(4)401一
435(1967))をあり、また我々も実験的に確認
している。
この様に従来知られている光学用としての接着剤は、い
ずれもカメラ及びその他の光学機器の様な高度の性能及
び品質耐久性を要求される光学系の接着には不適当であ
ることが理解される。
しかしながら現在まではこれに代わる高性能の接着剤が
ないため、今まで述べた様なものを使用しているのが実
状である。もし高度の光学性能耐久信頼性及び多量生産
可能な作業性を持つものを開発すれば、単に光学系を含
む装置の性能を高めるだけでなく、光学業界の発展にも
寄与するものと考えられる。以上の様に光学用接着剤は
各種の極めて高度の性能が要求されていることが理解さ
れると思うが、ここにその要求性能を整理し、併せてそ
れらの性能を満足させ得る本発明の接着剤用アミン硬化
剤の特徴について述べる。
光学用接着剤には、作業性、光学性能及び接着物の耐久
信頼性の三つに大別される要求性能があり各々が光学系
の接着と云う独自の特殊性を有している。
これらの一つが欠けてもその実用化は難しい。作業性で
は、例えばレンズとしンズを貼り合せる場合、その接着
物に気泡が残存することは許されない。
一般の接着系、例えば、金属同志、金属/プラスチック
等では無数の気泡が入っていても全く問題とならないが
、光学系では透過光がその泡により散乱されフレアの原
因となる。また外観も望ましい状態とは云えない。この
ため微小な気泡一つでも致命的な欠陥となり最早製品に
はなり得ない。この気泡をなくす操作を浮き出しと云い
接着剤をレンズ間に入れた後、圧力を加えながらレンズ
をずらして気泡を押し出すのであるが、接着剤の粘度が
高いとしンズをずらし‘こく〈気泡が非常に出に〈いた
め、接着剤は低粘度であることが必要である。またこの
浮き出し工程においては細心の注意を必要とすることは
当然であるが、1組のレンズのために多大な時間をかけ
ることはそのレンズ系のコストを高めることになり「低
コストで高品質」を目標としている生産工程においては
望めないことである。
理想的な量産工程ではこの操作に割振られる時間はわず
か3〜6秒であるため何よりもこの貼り合せ時の作業性
の良いことが重要であるという事が理解されるべきであ
る。この作業性を決める重要な因子はその後看剤の粘度
である。即ち低粘度であればある程その作業はしやすし
、と云える。実験によると500のレンズを完全に気泡
の残存しない状態に貼り合せるのに必要な時間は、接着
剤の粘度が10比psのとき、4秒、15比pSのとき
6秒、50比psでは43秒、1,00比pSでは1分
3の砂となり、いかに粘度による影響が大きいかが鱗る
。またレンズの接着で他のものにはない特殊な工程とし
てし、レンズ同志の光軸合せ(俗に芯出しと云う)があ
る。
これは浮き出し工程を終了させたものについて芯出し顕
微鏡を使用して、レンズをズラシながら光軸を合せるも
のであるが、非常に精度の高い作業であり、高粘度であ
ると時間のロスが大きく、全体の工程に支障をきたす。
さらに高粘度のため問題となる点に接着層の厚さがある
光学系では接着層が薄ければ薄い程好ましく、その限界
値は12仏とされている。レンズ等の大きさ、及び作業
者による差があるが粘度と接着層の厚さには相関関係が
あり12仏以下にするためには150〜16比ps以下
の粘度でなければならないことが実験的に確かめられて
いる。一般の接着系においても低粘度の方が望ましいこ
とは事実であるが、以上述べた様に光学系であるが故に
、いかに粘度が低いことが重要であるかが理解されたも
のと思う。
前記した従来の不飽和ポリエステル系あるいはその他の
現在までに報告されている光学用接着剤では大体1,0
0比ps程度の粘度である。
しかし本発明接着剤は接着時の粘度を常温で90〜13
比pSにしており、この点だけでもその優れた性能が見
出される。また作業性についてさらに詳述すると熱硬化
性樹脂を利用する場合は、可便時間ゲル化時間等の硬化
反応性が問題となる。
従来の熱硬化性光学用接着剤ではこの点についてはあま
り考慮がはらわれておらず、前記したオプティカルセメ
ント、レンズボンド等は常温では硬化不能で60℃以上
の硬化温度を必要とするものが多い。これを改良したも
のでは紫外線硬化によるタイプのものもあるが、レンズ
自体が接着剤を硬化させるのに必要な36仇h仏以下の
紫外線を透過させないものが少なくなく、全てのレンズ
系に適用できないと云う欠点を有している。作業工程の
合理化の観点から、接着剤は適度の可便時間を有し、室
温で硬化するものが望ましい。この点についても本接着
剤はすぐれており、可便時間、約2時間、常温下で5時
間程度でゲル化する様に設計してある。以上作業性の面
で本接着剤は従来のものにはない低粘度とし浮き出し工
程、及び芯出し工程が極めてやりやすく、かつ室温下に
放置しておけば自然に硬化するという性質も備えており
、非常に優秀な性質を持っていることが理解されたもの
と思つo作業性以上に重要な性質として接着物の耐久性
の問題がある。
これは偏に接着層(接着剤の硬化物)の性能に依存して
いるが、硬化物に要求される各種の性能の内、光学系の
接着であるが故に特に問題となる性能は可操性と耐水性
である。まず接着層の可操性の重要性について述べると
、ガラス材料に対し、接着剤となる樹脂の熱膨脹係数は
一般的に約1坊音程度大きい。樹脂の弾性率が高く、(
即ちT夕(ガラス転移温度)が高く硬いもの)接着力が
強いと、急激な温度変化による接着層の膨脹あるいは収
縮により、ガラスが引きつられてガラス自体が破壊した
り、あるいは接着層にキレッが入る等の現象が起る。ま
た実際にはこの方が多いが、接着力が不充分な場合に接
着層とガラスの界面からハク酸が起きる。接着層の熱膨
脹係数をガラスと同じにすることは不可能なので、接着
層がこの変形応力を吸収できる性質、即ちゴム状弾性体
であることが望ましい。しかし完全なゴム状弾性体とす
ると耐熱衝撃等の性能は向上するが凝集力等の物性が低
下し高温下での芯ズレ等が生じる様になる。このため適
度の可榛性を備えたものが理想的である。この点に関し
、理論面よりの解析及び経験則によるとT夕が30〜4
000の近辺でそのガラス状態での弾性率が150k9
/側位の砧弾性的性質をもつものが適当であることが解
つた。本接着剤はこの様な性質となる様に設計した点も
大きな特徴の一つであり、この接着剤による接着物は−
5000日8000の熱衝撃に耐え、かつ一50℃及び
80qoの高低温下放置でも接着層のキレッあるいは芯
ズレ等の現象がおきないことが実証されている。また接
着するものがガラスの場合には、その接着物は空気中の
水分により耐水性で問題が生じる場合が多い。それはガ
ラス表面は非常に活性な親水性面であるため、接着物を
空気中に放置しておくと樹脂中の吸湿水分の拡散により
、あるいはガラスと接着層との界面よりの水分の浸透に
より、界面からハク雛等を引き起すことがある。従来の
不飽和ポリエステル系接着剤には特にこの現象が著しい
が、バルサム、その他の前記したホットメルト系暖着剤
及びェポキシ樹脂系接着剤等でも、この様な現象により
接着層の周辺部がハク離してくることが我々の実験で認
められたし、前記の技術文献(P.G.Hunt.Op
tica.Act.、14‘4)401一435(19
67))にも報告されてる。一般の接着剤では1柳程度
の外周部がハク離しても全体の接着強度には影響せず実
用上問題となることはないが光学用のレンズ等の場合は
、気浮の問題と同じ様に、外周部のほんのわずかな部分
でもハク隣あるいは白濁等が生じればそれ自体光学的機
能を消失し最早使用不能となってしまう。このために光
学用接着剤の場合は他の接着剤では考えることのできな
い程耐水性という点に注意をはらわなければならない。
本発明接着剤は作業性、可榛性の附与と同様にこの耐水
性の向上についての考慮をはらってある。
それは接着剤の各成分に吸収性の著しく低いものを用い
、かつガラスとの接着性向上剤を用いているからである
。一般の接着は物理接着、いわゆる被着体と接着剤の二
次結合によってなされているが、もし化学結合(一次結
合)により接着がなされていれば、その接着強度は増大
し、かつその界面に水分や炭酸ガス等が入り込む余地は
なく、耐水性等も向上するであろうと考えられる。ここ
ではこのガラスと化学結合を起す能力を有するもの(ガ
ラスとの接着性向上剤)を接着剤の一成分として利用す
ることにより、ガラス接着物の耐水性の悪さを改良して
いるのである。但し、本接着剤の耐水性の良さは、この
ガラスとの接着性向上剤の効果によるだけでなく、他の
成分にも吸収性の少ないものを吟味して用いた点に負う
ところも非常に大きいと云える。この様にして作られた
本接着剤は常温100%R.日.近くの高温下では1年
以上問題なく、また6000、100%R.日.の様な
高温高温下では、従来の各種の光学用接着剤は1〜2日
で周辺部のハク離あるいは白濁が生じるのに対 日以
上も耐えうるこてが実証されている。以上光学用接着剤
としての要求性能及びこれを満足させ得る本接着剤の特
徴について述べてきたが、これ以外に本質的な要求性能
として光学性能がある。これ‘こは■360〜72肌一
の波長城における分光透過率が高く、各波長での吸収が
なく均一な透過性を有していること、@屈析率が1.5
以上あること、■蟹光性がないこと、@曇による散乱の
ないこと、等が上げられるが本接着剤はその個々に関し
ても充分要求性能を満たしており、またあえてその優秀
性を説明するまでもなく、他の従来品に対しても著しく
優れている。以上の様に本発明者は長年に亘り鋭意研究
してきた結果式:QN−R−NH.X(ここでRは炭素
数2〜10の側鎖を持つかあるいは持たない線状のアル
キレン基、Xは水素あるいは本釆そこに存在した活性水
素と置換した有機置換基)で示される化合物又はそのモ
ノアダクト物及び式:伍N−(CnH2NH)m一× (ここでnは1〜4の数、mは1〜5の数、×は水素か
あるいは本釆そこに存在した活性水素と置換した有機置
換基)で示される化合物又はそのモノアダクト物及び式
:(CnQn十,)が(CZ)mNH2(ここでnは1
〜3の数、mは2〜5の数)で示される化合物の内、少
なくとも一つの化合物の55〜95重量部と、式: (ここでnは1〜10、好ましくは1〜6の整数、Xは
水素またはメチル基)で示されるポリアルキレングリコ
ールジアミンの45〜5重量部を有することを特徴とす
る接着剤用アミン硬化剤を見し、出すことができた。
以下、本発明の接着剤用アミン硬化剤についての詳細を
説明する。本接着剤はある種のェポキシ樹脂組成物と特
殊なアミン硬化剤とからなるものである。
このェポキシ樹脂組成物及びアミン硬化剤の双方とも各
々従釆のものには見られない特異性を有すものである。
しかし本発明の最も大きな特徴はこの互いにすぐれた二
者を併用して用いることにある。すなわちこの樹脂と硬
化剤について、その調合すべき相手を他の一般のものと
した場合上記した様な性能は期待できないと云えるので
ある。ェポキシ樹脂組成物は無色透明で、吸水率が低く
、できるだけ低粘度で、かつそれが硬化剤の作用により
硬化した場合、適度の可榛性を備えたものになる性質を
有するものでなければならない。
本発明の組成物の基本組成は ■基本ェポキシ樹脂 ■
内部可塑化された可榛・性附与効果を有する可榛性ェポ
キシ樹脂 ◎反応性ェポキシ系希釈剤及び■シランカッ
プIJング剤からなるものである。■の成分にはビスフ
ェノ−ルA、ジグリシジンェーテル、環状あるいは線状
の脂肪族ェポキシド、ノポラツクグリシジルエーテル、
レゾルシノールジグリシジルエーテル、グリシジルエス
テルェーテル型及びグリシジルェステル型等があるが、
硬化反応性、透明性、着色度硬化物の凝集力吸水性、及
び接着強度の点でバランスのとれているビスフェノール
Aジグリシジルェーテルが最も好ましい。
またその粘度の点から分子量350〜420でェポキシ
当量180〜20駁塁度のものがより望ましい性能を与
える。■の成分としては、ダィマー酸グリシジルェーテ
ル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、
ビスフエノールA、アルキレンオキシド附加物ジグリシ
ジルェーテル、アルカンジオールジグリシジルェーテル
、ウレタン変性ジグリシジルェーテル及びアルキルフエ
ノールグリシジルヱーテル等がある。
ここでもその透明性、着色度、凝集力及び可孫性附与能
力吸水性、粘度、硬化反応性及び接着性を考慮した場合
、ビスフェノールAアルキレンオキシド附加物ジグリシ
ジルェーブル及びアルカンジオールジグリシジルヱーテ
ルが好ましいことが解つた。また◎の成分はモ/ェポキ
シドとポリェポキシド化合物があるが、モノェポキシド
化合物は物性の低下が著しいため、ポリェポキシド化合
物の方がより優れている。これらにはアルカンジオール
ジグリシジルヱーテル、ポリアルキレングリコールジグ
リシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ポリエピク
ロルヒドリソングリシジルエーテル、ビニルシクロヘキ
センジオキシド、ジベンテンジオキシド及びヱポキシ化
植物油等が上げられる。これらについても、反応性、透
明性、吸水性等の各種の性質についての実験の結果、ア
ルカンジオールジグリシジルェーナルが最も優れている
ことが認められた。このアルカンジオールジグリシジル
ェーテルは■の成分にも掲げた通り、可操性附与効果を
も有している。よってここでは■の成分に分子量600
〜80uェポキシ当量330〜360のピースフェノー
ルA、アルキレンオキシド附加物ジグリシジルェーテル
を用い◎の成分としてこのアルカンジオールジグIJシ
ジルェーテルを使用する。この◎の成分は前記した作業
性を向上させるための低粘化剤として重要なものである
ことは良く理解されると思うが、この成分としてアルカ
ンジオールジグリシジルェーテルのみに限定するところ
が本発明ェポキシ樹脂組成物の著しい特徴の−つである
それは一般に反応性希釈剤を使用すると、その樹脂系の
吸水率及び接着強度が著しく低下することが知られてい
るが、この化学構造のもののみが、この様な物性の低下
を引き起すことなくむしろ全体としての性能を高める作
用があることを見出した点にあるからである。このアル
カンジオールジグリシジルエーテルは式:(ここでRは
直鏡状アルキレン基)で示され例えばエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジル
エーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、オ
クタンジオ−ルジグリシジルェーテル等があり粘度の点
から炭素数2〜6までのアルキレン基からなるものが好
ましい。
このアルキレン基が小さいもの程硬化反応が早く、硬化
物も硬くなる。よってこれを適当に選択することによっ
て樹脂組成物の性能の微調整が可能となる。よってどれ
を使用するかは接着剤の要求性能により決めることがで
き、この中の一つの成分あるいは数成分の混合系でもか
まわないものである。■の成分は前記したガラスとの接
着性向上剤で、耐水性の向上を主目的として使用するも
のである。
この結果は次式に示される様にシラン基とガラス表面の
吸着水とで加水分解反応による化学結合を形成し、池端
の有機官能基が接着剤樹脂と化学結合を起すことにより
接着力が増大し、耐水性が向上するものである。シラン
カップリング剤はF,R,P、等の分野でガラスへの前
処理剤として広く利用されているが本接着剤はこれを樹
脂中の成分として混入すると云う積極的な利用方法によ
りその効果を倍増させているものである。
即ち前処理剤として利用する場合は、レンズの様な光学
性能を要求されるものにはその塗布膜の均一性等により
問題が生じる可能性が高く、また工程も煩雑になるが、
接着剤中に均一に混入することによりこれらの問題は解
消し、かつ接着性向上の効果も充分維持できると云う特
徴を有しているからである。シランカツプリング剤でシ
ラン基に対する他端に反応性基を持つものにはy−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、ピニルトリクロロシラ
ン、B−(3.4エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン、yーグリシドキシプ。
ピルトリメトキシシラン、yーアミノプロピルトリエト
キシシラン、N一8(アミノエチル)一yーアミノプロ
ピルトリメトキシシラン等がある。しかし他の3成分が
ェポキシ系樹脂であるため、8一(3.4、エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン及びyーグリ
シドキシプロピルトリメトキシシランが好ましく用いら
れる。
この二者のうちでも反応性、他の成分との相溶性等から
yーグリシドキシプロピルトリメトキシシランが最も好
ましいものである。この成分は常温で母ps程度の低粘
度であり、粘度低下剤としての効果もあり優れた性能を
発揮しているものである。以上の本発明ェポキシ樹脂組
成物の各成分の特徴の説明により、各成分の必要性およ
びその効果が理解できたものと信ずるが、本発明ェポキ
シ樹脂組成物の強調すべき特徴はこの4成分の混合物で
その配合比により各種のすぐれた性能を発揮していると
ころにあるものである。すなわちこれらの一つの成分が
かけても、また後に述べる配合比が異なってもこの優れ
た性能を望むことはできない。
以下にェポキシ樹脂組成物の組成について整理して述べ
る。
本発明ェポキシ樹脂組成物は ■式: (ここでnは0または1の数)で示されるェポキシ当量
180〜200のピスフヱノールAジグリシジルェーテ
ル30〜6の重量部と■式: (ここでm,nは各々1より大きくその和が3より小さ
い数、Rは炭素数2〜3個のアルキレン基、Z‘ま1〜
2の数)で表わされるェポキシ当量粉0〜360のビス
フエノールAアルキレンオキシド附加物ジグリシジルェ
ーテル15〜6の重量部と◎式:(ここでRは炭素数2
〜1功庁まし〈は2〜6のアルキレン基)で示されるア
ルカンジオールジグリシジルェーテル10〜4の重量部
と■y−グリシドキシブロブルトリメトキシシラン3〜
1の重量部との4成分からなるものである。
■の成分は前記した様に可榛・控附与剤としての効果を
有しているので配合比が増すと硬化物が軟かくなり少な
いとその逆になるが15〜6の重量部の範囲をこえると
各々の傾向が強くなりすぎ好ましくない。
◎の成分は作業性を向上させるための粘度低下剤として
、また可榛性附与剤としての性質も有しているので量が
多くなると組成物の粘度が低下し、硬化物の可榛性が向
上するが40%以上となると凝集力が落ちて接着強度が
低下するし耐水性も悪くなる、また10%以下では低粘
化の効果が矢なわれるため10〜4の重量部の配合比が
適当である。■の成分はガラス材との接着性及び耐水性
向上剤としてまた粘度低下剤としての性質を有するから
鼻が多い程その効果が大きい。しかしモノェポキシドの
ため1の重量部以上となると硬化物の凝集力が低下して
しまい、また3重量部以下ではその本来の性能を発揮し
ないと云える。この様な配合組成により得られたェポキ
シ樹脂組成物は、常温で200〜40比psという従来
のェボキシ樹脂混合物には見られない低粘度であり、無
色透明で屈折率も1.52〜1.54と、光学的性能に
も優れているものである。
さらに本接着剤の重要な構成要素として硬化剤組成物が
ある。
この硬化剤はェポキシ樹脂組成物と同様従来のものには
見られない特異性を有しているものであり、前記した様
に本接着剤の優性な性能はェポキシ樹脂組成物単独では
なり得ず、この硬化剤の効果によるところが大きいもの
である。まず一般的な硬化剤としては、脂肪族ジアミン
、芳香族ジアミン、脂肪族濠式アミン、酸無水物等が良
く知られている。
光学用接着剤用の硬化剤としては、無色透明低粘度(常
温で1比ps程度)、低吸水性、低毒性、常温硬化可能
、及び硬化物に可榛性を与える性質をもつこと、等が望
まれるためにこれらの一般的な硬化剤では適用できない
。すなわちエチレンジアミン、ジェチレントリアミンの
様な一般的な脂肪族ジアミンだけでは硬化物が硬くなり
、吸水性も悪く、何よりも毒性が強すぎる。芳香族ジア
ミンでは常温硬化は望めず、粘度も一般的に高い。また
脂環状アミンは着色が強く高粘度であり、酸無水物では
常温硬化が不可能である、等である。しかるに本発明者
は各種の実験により次の少なくとも2成分からなる硬化
剤が、硬化剤自体に要求される性能を全て満たし前記の
ヱポキシ樹脂組成物と組み合せた時、極めてすぐれた光
学接着剤となることを見出した。
すなわち、■式: QN−R−NH・× (ここでRは炭素数2〜10の側鎖を持つか、あるいは
持たない線状のアルキレン基、Xは水素かあるいは、本
来そこに存在した活性水素と置換した有機置換基)で示
されるアルキレンジアミン及びそのモ/アダクト物、ま
た式:比N(CnH2NH)m−X (ここでnは1〜4の数、mは1〜5の数及び×は水素
かあるいは本来そこに存在した活性水素と置換した有機
置換基)で示されるポリァルキレンポリアミン及びその
モノアダクト物、また式:(CmH2n十,)2N(C
H2)mNH2(ここでnは1〜3の数、mは2〜5の
数)で示されるジアルキルアミノアルキルアミンの内少
なくともそのいずれか一つの物質からなるもの55〜9
5重量部と、■式:(ここでnは1〜IQ好ましくは1
〜6の数、Xは水素またはCH3基)で示されるボリア
ルキレングリコールジアミン45〜5重量部との少なく
とも2成分からなるものである。
この各成分のもつ特徴は■の成分は低吸湿率で比較的硬
い硬化物を生成し、■の成分は極めて軟かし、硬化物を
与える。
よってこの各成分単独では高性能の硬化剤とはなり得ず
この2成分の混合物によって適度の可榛性と接着性及び
低吸湿性を具備した硬化剤となり得るものである。この
成分の配合比によって物性のコント。ールが可能である
が、前記の配合比がェポキシ樹脂組成物と細合せた硬化
物のガラス転移点28〜4ぷ○、そのガラス状態での弾
性率120〜180k9/松と最も好ましい物性を与え
るため適当でいる。それは■の成分が45重量部より多
くなると軟かくなりすぎ、5重量部以下では非常に硬い
硬化物を生成してしまうためである。■及び■の成分の
具体例をあげると、まず、式:ZN−R一NH・X (ここでX、Rは前記と同様)で示されるアルキレンジ
アミン及びそのモノアダクト物は、エチレンジアミン、
ジエチルテトラメチレンジアミン、トリメチルヘキサメ
チレンジアミン等があり、またプチルグリシジルエーテ
ル、フエニルグリシジルェーテル等のモノェポキシドあ
るいはアクリロニトリルメタアクリル酸及びそのェステ
ル等がアダクトした上記アミンのモノアダクト物がある
式: 比N一(CnH2NH)m−X (ここでn,m,Xは前記と同機)で示されるポリアル
キレンポリアミン及びそのモノアダクト物にはジェチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン「テトラエチレ
ンベンタミンが有り、またブチルグリシジルエーテル、
フエニルグリシジルェーテル等のモノェポキシドあるい
はアクリロニトリル、メタアクリル酸及びそのェステル
等がアダクトした上記アミンのモノアダクト物がある。
また式:CnQM,)が(C比)mNH2 (ここでn,mは前記と同様)で示されるジアルキルア
ミノアルキルアミンには、ジメチルアミノプロピルアミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン等がある。
式: (ここでn,Xは前記と同様)で示されるポリアルキレ
ングリコールジアミンにはエチレングリコールージ−(
3ーアミノプロピル)エーテル、プロピレングリコール
ージー(3ーアミノプロピル)エーテル、ジエチレング
リコールージー(3ーアミノプロピル)エーテル、トリ
エチレングリコールージ−(3ーアミノプロピル)エー
テル、及びジプロピレソグリコールージー(3ーアミノ
ブロピル)エーテル等がある。
■の成分に対して■はここにかかげた各物質の1種ある
いは数種の混合系でも、合計量が前記の配合比を満足さ
せてし、れ‘よ良いのであり、■の成分については好ま
しくは分子量の大きいアミンを用いること、あるいはジ
アミンとモノアダクト物の混合系で使用することが望ま
しいと云える。
この硬化剤は常温での粘度7〜13ps.屈折率1.4
4〜1.47無色透明であり、一般の脂肪族ジアミンに
比し、分子量が大きいため、無臭で毒性が低く、取扱が
非常に容易である。以上の様にェポキシ樹脂組成物及び
アミン硬化剤は、各々従釆のものにない磯れた特徴を有
すものであるがこの2者を組合せて用いることにより光
学用接着剤として要求性能を全て満たすことができる性
能を発揮するものである。
すなわち、調合時の粘度、約10比ps、可便時間約2
時間、ゲル化時間約5時間で作業性は非常に良好であり
、その硬化物の屈折率約1.5母無色透明であり、その
他光学的性能もきわめて優れている。またこの接着剤に
より得られた光学系接着物は800OH−5000の急
激な熱衝撃に耐え、6000、100%RH中放置、8
0qCおよび一5び○中の長期間放置にも接着層のハガ
レ、キレッ等の現象が生じない等の非常に優れた特徴を
有している。以下に本発明接着剤の優秀性を実施例をも
って説明する。
実施例 1 ェポキシ樹脂組成物の作成 ェポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルヱ
ーテル(A成分)とェポキシ当量350のビスフェノー
ルA、アルキレンオキシド附加物ジグリシジルヱーテル
(B成分)とブタンジオールジグリシジルエーテル(C
成分)およびyーグリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン(D成分)とを表1に示す配合比で混合作成した。
表1ェボキシ樹脂組成物 配合比単位重量部表1ェポキ
ン樹脂組成物 配合比単位重量部*1 ■セメグイン製
*2 ■シェル化学製実施例 2 アミン硬化剤の作成 ジメチルアミノプロピルアミン8碇部とトリメチルヘキ
サメチレンジアミンのブチルグリシジルエーテルモノア
ダクト物2碇部とからなるもの(E成分)と、ジェチレ
ングリコールジー(3−アミノブロピル)エーテル(F
成分)とを表2の配合比で混合し作成した。
表2アミン硬化剤 配合比単位重量部 *1■味の素製 脂環状ァミン 実施例 3 性能試験 実施例1,2により得られた樹脂と硬化剤を各々組合せ
たもの、及び市販光学用接着剤について、接着作業性、
接着強度、及び各種の耐水性試験を行なった。
その結果を表3に示すが、この実験方法は以下に述べる
通りである。尚硬化剤は化学当量分だけ樹脂中に配合し
た。■ 接着強度 S4$のブロックを2洲の面積で接着し、室温で養生1
0日後圧縮灘断接着強度を測定。
■ 液体中での熱衝撃500t=5柵のBK−7とSK
−16の光学ガラス板を接着、室温で養生10日後、8
0oo(湯)H−10℃(メタノール)各lhouす員
滴の熱衝撃を5サイクル行なつた。■ 空気雰囲気中で
の熱衝撃 500t=5側のBK一7とSK−16の光学ガラス板
を接着、室温下で養生1の髪、80二0日‐50午C(
各水ou8)の熱衝撃を5サイクル行なった。
■ 高温高温(60二0、100%R.日.)500t
=5肋のBK−7とSK−16の光学ガラス板を接着、
室温下で10日間養生後6000,100%RH中に1
0日間放置した。表3 各性能測定結果 *1 サマーズラボラトリ→既製 *2 コダック■製 以上の結果より各成分の効果及び配合比規定の効果が理
解できるであろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式:H_2N−R−NH,X (ここでRは炭素数2〜10の側鎖を持つかあるいは
    持たない線状のアルキレン基、Xは水素あるいは本来そ
    こに存在した活性水素と置換した有機置換基)で示され
    る化合物又はそのモノアダクト物及び 式:H_2N−
    (CnH_2nNH)m−X (ここでnは1〜4の数
    、mは1〜5の数、Xは水素かあるいは本来そこに存在
    した活性水素と置換した有機置換基)で示される化合物
    又はそのモノアダクト物及び 式:(CnH_2_n_
    +_1)_2N(CH_2)mNH_2 (ここでnは
    1〜3の数、mは2〜5の数)で示される化合物の内、
    少なくとも一つの化合物の55〜95重量部と、 式: ▲数式、化学式、表等があります▼ (CH_2)_3−NH_2 (ここでnは1〜10、好ましくは1〜6の整数、X
    は水素またはメチル基)で示されるポリアルキレングリ
    コールジアミンの45〜5重量部を有するアミン硬化剤
    とエポキシ樹脂とからなることを特徴とする接着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002515534A (ja) * 1998-05-20 2002-05-28 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン 可撓性のある包装のための接着剤及び被覆調合物

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JP2002515534A (ja) * 1998-05-20 2002-05-28 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン 可撓性のある包装のための接着剤及び被覆調合物

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