JPS608040B2 - 色，柄物の変，褪色を起さない漂白剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は酸素系漂白剤組成物、特に金属錯塩染料あるい
は金属銭塩顔料で染色された色、柄物衣料をも安全に漂
白しうる漂白剤組成物に関する。

家庭用及び工業用の漂白には一般に酸化反応が利用され
ており、大部分は塩素系の漂白剤が用いられている。と
ころが、塩素系の漂白剤では色、橘物を安全に漂白する
ことができない。これに対して最近は色、柄物も漂白で
きる酸素系漂白剤が普及しはじめている。しかし乍ら、
酸素系漂白剤でも条件によっては含金属染料あるいは顔
料で染色された色、柄物並びに金属塩あるし、は含金属
フィッス剤で処理された色、柄物に対して安全性が不十
分であることが明らかとなった。即ち、主成分として界
面活性剤、無機過酸化物、ビルダーを含む漂白性洗浄剤
（これらは一般に無機過酸化物を１０〜５の重量％含ん
でいる）での通常の処理（温度１０〜４０℃、使用濃度
０．０５〜０．２重量％）ではこれら色、柄物の変、腿
色を起さないが、一般に無機過酸化物を５０〜１００％
含んでいる漂白剤組成物においては、通常の処理（温度
４０〜６０ｑｏ、使用濃度０．３〜１．０％）でも変、
銀色を起す場合がある。

この様に色、柄物の変、腿色は無機過酸化物を比較的高
濃度で使用する漂白剤組成物に特有の問題である。従来
、酸素系漂白剤を使うにあたって、標白浴中での過酸化
物の安定化、蟹光増白剤の活性低下防止及び織物繊維の
縦化防止をする工夫がなされており、例えばキレート剤
の添加、マグネシウム塩の添加等が提案されている。

しかし乍ら、これらの方法で合金属染料または顔料で染
色された色、柄物ならびに金属塩あるいは合金属フィッ
クス剤で処理された色、柄物を漂白する場合には、配合
量を極めて多くしなければならないとか、または色調が
変化してしまうとか、あるいは添加の効果がないとかの
欠点がある。本発明者らは、この問題に関し鋭意研究し
た結果、アミノカルボン酸類を添加する方法に比較的効
果があることを見出した。

しかし乍ら、このアミノカルボン酸類の変、褐色を防止
する傾向は従釆、前述の目的の為に求められてきた傾向
とは明らかに異なる事がわかつた。

即ち、従来の目的である過酸化物の安定化等の為には過
酸化物の分解触媒である重金属類を強くキレートするも
のが求められていた。しかし乍ら、本発明の変、褐色防
止の目的にはこれとは逆の傾向が認められた。更に驚く
べき事には、これらのァミノカルボン酸類に硬水軟化剤
を添加したところ、ァミノカルボン酸類のうち、ニトリ
ロ三酢酸またはその塩のみが特異的に優れた効果を発揮
する事を見出し、本発明を完成するに至ったものである
。即ち、本発明は‘ィー水溶液中で酸素を放出する過酸
化物、｛ｏ）ニトリロ三酢酸（以下ＮＴＡと略記する。

）または、その塩及びし一硬水軟化剤を必須成分とする
色、柄物の変、褐色を起さない漂白剤組成物である。本
発明は、ＮＴＡまたはその塩と硬水軟化剤の如き、工業
量の入手が容易で、コスト的に安価なものの組合わせに
よって、色、柄物の変、褐色を起さない漂白剤組成物を
提供する事にある。

本発明でいう水溶液中で酸素を放出する過酸化物とは水
溶性無機または有機塩の過酸化物または過酸化水素付加
体であって、具体的にはアルカリ金属の炭酸塩、棚酸塩
、燐酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ポリカルポン酸塩の過酸
化物または過酸化水素付加体である。好ましい具体例と
して、過炭酸ソーダ（州ａ２Ｃ０３・３Ｌ０２）、過柵
酸ソーダ（ＮａＢ０３・４比○）、硫酸ソーダ塩化ナト
リウム過酸化水素付加体（小ａ２Ｓ０４・ＮａＣ１・が
Ｌ０２）及びヱタン−１・１・２・２−テトラカルポン
酸四ナトリウム過酸化水素付加体（〔ＣＨ（Ｃ０２Ｎａ
）２〕２・比０２）等を挙げる事ができる。本発明漂白
剤組成物中の水中で過酸化水素を放出する過酸化物の配
合量は５０〜９箱重量％、好ましくは８０〜９５重量％
である。

また、ＮＴＡまたはその塩は１％禾満では防止する効果
が弱く、１％以上４塁重量％好ましくは３％〜１の重量
％配合される。

更に、本発明で使用する硬水軟化剤は、使用水中のカル
シウム、マグネシウムのイオンを除去あるいはマスキン
グして軟水にする為に用いられる物質で、その作用から
次の三種類に分類されるもので、本発明にはこれらの性
質を備えたものであれば使用できる。

【ィ１ カルシウム、マグネシウムイオンを不溶性の化
合物として沈殿させてしまうもの。

【ｏ’イオン交換により除去してしまうもの。

し一 水縄性キレート銭化合物を作り、上記イオンの作
用を封じてしまうもの。本発明で使用できる硬水軟化剤
としては例えば、トリポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソ
ーダ、へキサメタリン酸ソーダの如き縮合リン酸及びそ
の塩、ジグリコール酸ソーダ、ＤＬ−リンゴ酸ソーダ、
スルホコハク酸ソーダ、グルタル酸ソーダ、オキサル酢
酸ソーダ、スルホィタコン酸ソーダ、スルホトリカパリ
ル酸ソーダ、ェタンテトラカルボン酸ソーダ、アジピン
酸ソーダ、酒石酸ソーダ、ｎ−クエン酸ソーダ、ＤＬ−
インクェン酸ソーダ、オキシジコハク酸ソ−ダ、ピロメ
リット酸ソーダの如きポリカルボン酸及びその塩、平均
分子量３０００〜７００００のポリアクリル酸ソーダ、
合成ゼオラィトＡ−４、合成ゼオライトＦ−９の如きア
ルミノケィ酸塩等が挙げられる。

ゼオラィトとは、無機質交換体、特にケイ酸質交換体の
総称で一般式、（Ｎａ２０）ｘ・ＡＩ２０３・（Ｓｉ０
２）Ｙで表わされ、ＸとＹは夫々０．７〜１．５及び０
．８〜６．０の値であり、その変化によって多くの種類
がある。硬水軟化剤を配合する目的は、変、褐色を防止
する為のアミノカルボン酸類が使用中にカルシウム、マ
グネシウムのイオンと反応するのを抑制する為であった
が、これらのうちでＮＴＡまたはその塩のみが特異的に
変、褐色の防止効果を向上する事が分かった。

これらの硬水軟化剤の添加量はその種類によって、カル
シウム捕捉館が異る為変化するが、一般に１〜４＄重量
％であり、特に好ましくは２〜１の重量％である。

本発明漂白剤組成物は、上記必須成分の他に漂白剤組成
物に通常添加される公知の成分を添加する事もできる。

例えば、ビルダーとして、硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、
ケイ酸塩、リン酸塩等の水溶性無機ビルダーの他、エチ
レンジアミン四鍔酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機
ビルダーを用いる事ができる。また過酸化物あるいは過
酸化水素付加体の安定剤として公知の硫酸マグネシウム
、ケイ酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ケィフッ化
マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム
の様なマグネシウム類及びケイ酸ソーダの様なケイ酸塩
類を用いる事ができる。更に必要に応じて、カルポキシ
メチルセルロース・ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコールのような再汚染防止剤、Ｎーアシル化物、
有機酸無水物、ェステルのような過酸化物の活性化剤も
添加できる。更にその他の成分として各種の界面活性剤
、酵素、蟹光増白剤、染料、顔料、香料等を添加する事
ができる。本発明漂白剤組成物を使用する事によって、
金属鍔塩染料あるいは、顔料で染色された色、柄物並び
に金属塩あるし、は含金属フィックス剤で処理された色
、柄物も漂白する事が可能となる。

次に実施例によって本発明を説明する。尚、例中％及び
部は全て重量基準である。

実施例 １ 〔染色布の作製〕 カラーインデックス、ダイレクト、フルー２４８（非、
金属錨塩直接染料）で綿ブロード＃６０を浸染法によっ
て染色した。

染色条件 水洗、脱水後更にフィックス処理をした。

フィツクス処理条件 この染色布は変、褐色がおきる染色剤の中でも、その程
度が特に大きなものである。

上記の染色布を下記の各種漂白剤組成物で処理した。

漂白剤の組成 漂白条件 使用水 水道水（３ｏｄＨ） この結果を表−１に示す。

尚、変、褐色竪牢度の等級はＪＩＳＬ０８０４（１９７
４）、変、褐色グレースケールに従って判定した。

等級に相当する評語 ５：変化が認められない。

（脱色されない）４：変化がわずかに認められる。３：
変化が明瞭に認められる。

（や）脱色される。）２：変化がや）著しく認められる
。

１；変化が著しく認められる。

（ほゞ完全に脱色される。）表‐１ 比較例 １ 実施例１と同様にして調製した染色布を下記の各種漂白
剤組成物で処理した。

漂白剤の組成 漂白条件 結果を表−２に示す。

表−２ 変，縄色防止効果 実施例 ２ ニトリロ三酢酸又はその塩の配合量を変えてその防止効
果を調べた。

漂白剤の組成 漂白条件は実施例１と同じである。

結果を表−３に示す。

表−３ 実施例 ３ 実施例３のトリポリリン酸ソーダを他の硬水軟化剤にか
えて、その防止効果を検討した。

漂白剤の組成 漂白条件 実施例１と同じ 結果を表−４に示す。

表‐４ 実施例 ４ 実施例３及び４の硬水軟化剤の量を変えて、その効果を
みた。

漂白剤の組成 漂白条件 実施例１と同じ 結果を表−５に示す。

表−５ 実施例 ５ 実施例５の過炭酸ソ‐ダ（がａ２ＣＱ・細２０２）を他
の過酸化物に直さかえて、同様の処理をした。

漂白剤の組成 漂白条件 実施例１と同じ 結果を表一６に示す。

表‐６，

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水溶液中で酸素を放出する過酸化物を５０〜９８重
   量％、ニトリロ三酢酸またはその塩を１〜４９重量％及
   び硬水軟化剤を１〜４９重量％の割合で必須成分として
   含有する変、褪色を起さない漂白剤組成物。 ２ 過酸化物が８０〜９５重量％、ニトリロ三酢酸また
   はその塩が３〜１０重量％及び硬水軟化剤が２〜１０重
   量％である特許請求の範囲第１項記載の変、褪色を起さ
   ない漂白剤組成物。 ３ 過酸化物が過炭酸ソーダ、過硼酸ソーダ、硫酸ソー
   ダ塩化ナトリウム過酸化水素付加体またはエタン−１・
   ２・２−テトラカルボン酸四ナトリウム過酸化水素付加
   体の何れかである特許請求の範囲第１項または第２項記
   載の変、褪色を起さない漂白剤組成物。 ４ 硬水軟化剤がトリポリリン酸、ピロリン酸、アルミ
   ノケイ酸またはこれらのアルカリ金属塩の何れかである
   特許請求の範囲第１項または第２項記載の変、褪色を起
   さない漂白剤組成物。