JPS607942Y2 - 自動車用変速機操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用変速機操作装置に関するものである。

自動車の変速機操作装置において操作杆の振動及び騒音
の防止、操作ストロークの短縮等をはかる上で、変速機
のシックシャフトと操作杆を連結する操作ロッドに対し
はＳ゛平行配置において前端を変速機ケースに枢着して
後端を車体部材に弾性材を介して結合したリンクを設け
、操作杆を該リンクに回動可能なるよう支持させた所謂
平行リンク方式のものが有効であることは従来より知ら
れている。

上記平行リンク方式の変速機操作装置において、リンク
の操作杆支持部構造は、従来はリンクの上面に孔を穿ち
、他の板材を加工して構成した半球状の球座を該リンク
の孔に嵌装してこれを溶接等により固着し、該球座内に
ボールシートを介して操作杆下端に形成した球状部を嵌
着して支持させる構成をとるのが普通であった。

このように球座を別部品として製作する従来のものでは
、部品点数が多くなる上に、リンクに該球座を嵌着する
孔を設けねばならず、又球座を成孔に嵌挿して溶接等に
より固着しなければならないので工数がかさみ、コスト
的に非常に高価なものになってしまう等の問題を有して
いる。

本考案は上記のような従来の問題に対処しようとするも
ので、以下附図実施例につき説明する。

図において１は操作杆、２は該操作杆１と変速機３のシ
ックシャフト４を連結する操作ロッド、５は前端を変速
機３のケースに設けたブラケット６に軸７により回動可
能に取付けられ後端をゴム等の弾性材８を介して車体部
材（例えばフロアパネル等）９に取付けられたリンクで
、該リンク５は操作ロッド２とはＳ゛平行なるよう配設
される。

２ａ、２ｂは操作ロッド２の前後端をシックシャフト４
及び操作杆１にそれぞれ結合する軸である。

リンク５は上面部５ａ及び両側面部５ｂをもったコ字状
断面にの板金部材のプレス成型品にて構威されており、
該リンク５の上面部５ａにはその一部を皿状若しくは半
球状に下方に凹まして形成した球面座部１０がプレス底
形により一体に構威される。

該球面座部１０内には例えばナイロン等の合成樹脂より
なるボールシート１１が嵌装され、該ボールシート１１
には操作杆１の下端部に形成したボール部１ａが回動可
能なるよう嵌着保持される。

該球面座部１０内に嵌装されたボールシート１１は、リ
ンク５の上記球面座部１０上面に接合されボルト等にて
固定されるシート押え１２の内孔縁部にて押え固定され
、該シート押え１２は該ボール部１ａの支持部を履うブ
ーツ１３の下端保持具を兼ねている。

ボールシート１１にはその上端縁から最大径部にかけて
縦方向のスリン）ｌｌａが複数条設けられ、該ボールシ
ート１１にボール部１ａを圧入すると該ボールシート１
１の上端縁部はスリット１１ａにて押し拡げられつつボ
ール部１ａが嵌入し、該上端縁部は弾力をもってボール
部１ａを抱持し得るようになっている。

以上のように本考案によれば、平行リンク方式の変速機
操作装置において、操作杆の下端ボール部を支持するリ
ンクを、上面部と両側面部をもつ断面コ字状の板金部材
のプレス成形品にて構成すると共に、該リンクの上面部
をプレス成形により部品的に凹ませて球面座部を一体に
構威し、該球面座部にボールシートを介して操作杆のボ
ール部を嵌装支持する構造としているので、ロッド部材
よりなるリンクに他の板金部材よりなる操作杆支持部を
結合した従来装置に比し部品数の減少、取付工数の著し
い低減をはかり得るばかりか、本考案ではリンク構成時
のプレス成形にて同時に球面座部も形成できるので、加
工工数の大幅な低減、それに伴なう大幅なコストダウン
をはかり得るものである。

又従来よりリンクをロッド部材にて構威しこのロッド部
材に孔を穿って成孔に操作杆の下端ボール部を嵌装する
構造としたものも用いられているが、このような従来装
置はロッド部材に操作杆のボール部と同径の孔を穿つ穿
孔加工が必要で加工が厄介である上に、かなり径の犬な
るロッド部材を用いなければならず、リンクの重量が重
くなると言う問題を有しており、本考案ではこのような
従来装置に比し穿孔等の厄介なる加工が全く不要であり
、且つ重量が極めて軽く、コスト的にもはるかに有利で
ある等の効果をもたらし得る。

更に又本考案ではボールシートをリンクの球面座部内に
固定する為のシート押えを、操作杆支持部を履うブーツ
の下端保持部材として兼用させたことにより、操作杆支
持部のシール機能の向上をはかり得ると共に部品数及び
取付工数の尚一層の低減をはかり得るもので、実用上多
大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部縦断側図、第２図は
第１図のＡ部拡大詳細図、第３図はリンクの平面図であ
る。 １・・・・・・操作杆、１ａ・・・・・・ボール部、２
・・・・・・操作ロッド、３・・・・・・変速機、４・
・・・・・シフタシャフト、５・・・・・・リンク、８
・・・・・・弾性材、９・・・・・・車体部材、１０・
・・・・・球面座部、１１・・・・・・ボールシート、
１２・・・・・・シート押え。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作杆と変速機のシックシャフトを連結する操作ロッド
   とはＳ゛平行配置に一端を変速機ケースに軸着し他端を
   車体部材に弾性材を介して取付けたリンクを設け、該リ
   ンクに前記操作杆を支持させた平行リンク方式の変速機
   操作装置において、上記リンクを上面部と両側面部をも
   つ断面コ字状の板金部材のプレス成形品にて構成し、該
   リンクの上面部に皿状若しくは半球状の球面座部をプレ
   ス成形により一体に凹設し、該球面座部に操作杆のボー
   ル部を嵌装支持するボールシートを嵌装すると共に、上
   記リンクの球面座部周縁上面に接合固着され上記ボール
   シートを固定するシート押えに、該ボールシートによる
   操作杆支持部を履うブーツの下端を保持させた構成とし
   たことを特徴とする自動車用変速機操作装置。