JPS607892B2 - 回転電機の固定子鉄心 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転電機特にタービン発電機の固定子鉄心の改
良に関する。

タービン発電機は大容量化にともなってコイルエンド部
におけるもれ磁束量も増加し、これによる固定子鉄心の
端部は過熱するので種々の対策が行なわれている。

すなわち回転子巻線および固定子巻線のつくるもれ磁束
は固定子鉄心の端部すなわち積層された電気鉄板で構成
した固定子鉄心の端部の鉄板に対し垂直に侵入するため
、うず電流に対する積層の効果がなく大きな電流損失が
発生する。もれ磁束密度は固定子鉄心の歯部が高く損失
も大きい。この頃失の対策として磁気シールドや磁気シ
ヤントをもうけてもれ磁束の鉄心への侵入を防止したり
、歯部にスリットを設けるなどして損失の低減がはから
れている。しかしながら鉄心材料の面からはあまり検討
されていなかった。本発明はもれ磁束が鉄′０端部の電
気鉄板を貫通するのを減らしてもれ磁束によって生じる
電流損失を低減するようにした回転電機の固定子鉄Ｄを
提供することを目的とする。以下本発明を図面に示す１
実施例について説明する。

第１図において１は円筒形回転子、２は電気鉄板を積層
する固定子鉄心、３は固定子鉄心２に巻回する固定子巻
線、２ａは固定子鉄心２の端部、２ｂは端部２ａ間の中
間部であって破線矢印は回転子１および固定子線論３の
もれ磁束を示す。そして端部２ａは第２図の様に単板６
の歯部６ｂを方向性けし、素鋼板５の圧延方向にして打
抜いたものを糠層して、ヨーク部６ａの圧延方向が半径
方向になっており、中間部２ｂは第３図の様に単板７の
歯部７ｂを方向挫けし、素鋼板５の圧延方向５ａの直角
方向にして打抜いたもの積層してヨーク部６ａの圧延方
向が円周方向になっている。次に作用を説明する。

コイルエンド部において固定子鉄心２の端部２ａの側面
から歯部６ａに垂直方向に入ったもれ磁束は鉄心の中で
方向を変え積層鉄版と平行に流れる。うず電流損の大部
分はもれ磁束が積層鉄板を貫通する成分によるため、う
ず電流損を低減するには積層鉄板を貫通する磁束量を減
ずればよい。積層鉄板を貫通する方向の透磁率は板に平
行な方向の透磁率に比較し非常に小さいため、もれ磁束
は表面の最初の鉄板でまず板に平行な方向に向い、この
鉄板が飽和をしてから次の鉄板に垂直に入る。大容量機
においてはもれ磁束量が多く、その上もれ磁束のほかに
主磁束があるため鉄板は次々に飽和し数センチの深さに
まで侵入する。鉄板を貫通する方向のもれ磁束が、損失
発生の少ない板に平行な方向に早く方向を変えるには鉄
心の飽和磁束密度が充分に大きくて主磁束密度との差が
大きいことが必要である。この差が小さければ鉄板には
板を貫通する方向のもれ磁束を板に平行な方向に変える
のを受入れる余裕がないことになる。第４図は方向性け
し、素鋼板の第２図の単板６における圧延方向磁気特性
曲線１６と第３図の単板７の圧延直角方向磁気特性曲線
１７とを示し、固定子鉄心２の磁束は主磁束分１８と板
に平行方向に向きを変えたもれ磁束分１９または２０と
の和であって圧延方向の場合は飽和磁束密度が高く、従
ってもれ磁束の方向を変えて受け入れる余裕が多い。

ところで大形タービン発電機は従来方向挫けし、素鋼板
は全部を第３図の様に打抜いて用いている。

これは極数が２または３または４と少ないことから鉄心
ヨーク部７ａにおいて磁路長が大となり円周方向に透磁
率が高いことが必要なためである。このため歯部７ｂの
磁束は圧延直角方向の磁束の流れ難い方向で使用され、
従って侵入したもれ磁束は板に平行方向に向きを変えに
くく板に垂直方向へ流れて大きな損失を発生していた。
本発明は端部２ａは第２図のように打抜き歯部６ｂが圧
延方向となるように横層したので第４図のような歯部６
ｂにおける飽和磁束が高くなりもれ磁束は板と平行方向
に向きを変え易くなり、発生する損失は少ない。中間部
２ｂは従来と同じく第３図の単板７を積層してあるので
発電機の励磁特性がそこなわれることはない。従って、
発電機の大容量化あるいは小形化に有効である。

第５図は織部２ａの単板の他の実施例であって単板８の
歯部６ｂは圧延方向５ａを半径方向にし、ヨーク部７ａ
は圧延方向５ａを円周方向にして両者を突合せ溶接した
ものであって、歯部６ｂはもれ磁束が容易に板と平行方
向に変り損失が少なく、発電機の励磁特性のすぐれた固
定子鉄心２が得られる。

また本発明は従来の歯部のスリットやシールドなどに組
合すことによって、更に効果的な損失低減をはかること
ができる。なお固定子鉄心の中間部は無方向性電気鉄板
を用いてもよいことは勿論である。以上の様に本発明に
よれば固定子鉄○の端部の歯部を方向性レナし、素鋼板
の圧延方向が半径方向になるように積層するようにした
ので、端部の歯部の飽和磁束が高くなりもれ磁束は板と
平行方向に向きを変え易くなり、端部におけるうず電流
損失が低減し、過熱と防止することができ、回転電機の
大容量化あるいは小形化が可能となるすぐれた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の回転電機の固定子鉄○の１実施例を示
す縦断面図、第２図および第３図はそれぞれ第１図の姿
部の鉄板打抜き状態を示す説明図、第４図は打抜きした
鉄板の圧延方向の相異による磁気特性を示す曲線図、第
５図は他の実施例を示す要部の鉄板の正面図である。 １・・・・・・回転子、２・・・・・・固定子鉄心、２
ａ・・・・・・端部、２ｂ・・・…中間部、３…・・・
固定子巻線、５・・・・・・方向挫けし、素鋼板、６，
７，８…・・・単板。 第１図第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ けい素鋼板を積層して内周面に歯部を有し外周面に
   ヨーク部を有する円筒状となした回転電機の固定子鉄心
   において、前記円筒の端部を形成する端部鋼板は方向性
   けい素鋼板の圧延方向が半径方向となるように打抜かれ
   た歯部を有することを特徴とする回転電機の固定子鉄心
   。 ２ 端部鋼板は歯部は圧延方向を半径方向にして打抜き
   、ヨーク部は圧延方向を円周方向にして打抜き、両者を
   結合したものであることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の回転電機の固定子鉄心。