JPS607477Y2 - 端子同一方向形電解コンデンサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は端子間一方向形電解コンデンサの素子固定およ
び気密保持と組立工数削減を図ったものである。

一般に端子同一方向形の電解コンデンサは、第１図に示
すように陽極電極箔および陰極電極箔の各々に内部引出
リード端子１を加締などの方法により接続し、電解紙を
介して巻回してコンデンサ素子２を形成したのち、含浸
などにより電解液を電解紙に浸透せしめ、内部引出リー
ド端子１をベーク板またはモールド板の端子板３に取り
付けた外部端子４に接続し、アタックチックポリプロピ
レンなどの熱可塑性無定形樹脂５を該素子２の固定材と
して注入したアルミニウムなどよりなる有底円筒ケース
６に該コンデンサ素子２を挿入し、該ケース６の開口部
に端子板３を嵌合し、該ケース６の開口部を巻締などし
て端子板３を固定して密閉してなるものがある。

しかしながら、上記従来品は長期間の寿命試験あるいは
使用中において、端子板３とケース６の気密を図るため
、封口部の気密材としてゴムパツキンなどを用いている
が、気密材に劣化が起って各種特性の劣化による信頼性
低下が生じたり、素子固定材をコンデンサケースの底部
に注入するため、ケース底部に防爆弁機構７を設けるこ
とができない。

したがって防爆弁機構７は端子板３の一部に設けること
になる。

すると前述のごとく長期間使用に対してゴムなどに劣化
が起り、作動特性が極めて不安定なものとなる欠点があ
った。

本考案は上述の欠点を除去すると共に組立の簡略化を図
り、かつ品質の向上を図ったものである。

以下、本考案を第２図および第３図に示す実施例に基づ
き詳細に説明する。

第２図は本考案の端子間一方向形電解コンデンサの断面
図、第３図イは第２図のケース底部の孔の密閉拡大断面
図、口はゴムパツキンの固定のためのスプリング状リン
グの平面図で、１１は陽極電極箔および陰極電極箔に各
々設けた引出リード端子、１２はコンデンサ素子、１３
は端子封目板、１４は外部端子、１５は熱可塑性無定形
樹脂で、アタックチックポリプロピレンなどの固定材、
１６は有底ケース、１７は有底ケース１６の底部に設け
た孔で、段部を設けるとさらに良好である。

アルミニウムなどの金属よりなる有底ケース１６の底部
に孔１７を設け、該ケース１６の開口部にあらかじめ外
部端子１４が取り付けられ、コンデンサ素子１２の引出
リード端子１１と接続された端子封口板１３が嵌合され
、巻締封口している。

なお、コンデンサ素子１２は図のようにケース１６内に
収納されている。

そしてコンデンサ素子１２はケース１６の底部の孔１７
から注入された固定材１５によって固定し、しかるのち
、該孔１７に第３図に示すようにゴムパツキン１８を挿
入し、スプリング状リング１９でゴムパツキン１Ｂを押
え固定する。

スプリング状リング１９は中央に孔２０を有し、ゴムパ
ツキン１Ｂは防爆弁となる。

なお、上記実施例で有底ケース１６はアルミニウムなど
よりなる金属で説明したが、樹脂などの絶縁ケースであ
ってもよく、端子封口板１３のケース開口端への密封固
定も巻締に限らす溶着などによって密封してもよい。

またケース１６の底部（７）孔１７の密封ヲコムパッキ
ン１８とスプリング状リング１９によって行なったが、
他の方法例えばゴム栓あるいは樹脂封口でもよい。

したがって防爆弁として活用できる状態で密封してもよ
く、防爆弁をケース底部の他の位置に設けてもよい。

しかし、固定材１５の注入孔と防爆弁とを兼ねることに
よりコストなど有利である。

以上のように構成した本考案の端子間一方向形電解コン
デンサは、従来長期間の寿命試験などで気密不良の原因
となっていた端子封口板部が、アタックチックポリプロ
ピレン樹脂などの固定材の注入により完全に密封され、
端子封目板取付部からの気密不良が皆無となる。

また同時にコンデンサ素子の固定もできる。

さらに従来の防爆機構は固定材の関係上ケースの底部に
設けることができず、そのほとんどが端子封口板を少な
くともベーク板とゴムの貼り合せとし、ベーク板に穴を
あけ内圧上昇と共に内部ガスは該穴を抜けて上面のゴム
を破って外部に逸脱させていたが、前述のごとくゴムの
劣化現象により作動が不安定であった。

本考案では有底ケースの底部に防爆機構が設けられてい
るため、防爆機構の経時劣化がなく、作動特性も非常に
優れたものとなる。

しかも外部端子の取り付けられた端子封目板部にコンデ
ンサ素子固定材が充填されているので、固定基板に取り
付けたとき、空間部が上方となり安定に取り付けられる
。

本考案は以上述べたように端子封目板取付部の気密が図
れ、かつ防爆機構がケースに設けることができ、経時劣
化要因がなくなって信頼性の向上が図れ、工業的ならび
に実用的価値大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の端子間一方向形電解コンデンサの断面図
、第２図は本考案の端子間一方向形電解コンデンサの断
面図、第３図イは第２図のケース底部に設けられた孔の
密閉拡大断面図、第３図口はゴムパツキンを固定するた
めのスプリング状リングの平面図である。 １１・・・・・・引出リード端子、１２・・・・・・コ
ンデンサ素子、１３・・・・・・端子封口板、１４・・
・・・・外部端子、１５・・・・・・固定材、１６・・
・・・・ケース、１７・・・・・・孔、１Ｂ・・・・・
・ゴムパツキン、１９・・・・・・スプリング状リング
。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （イ）有底ケース１６の底部に孔１７を形成し、該ケー
   ス１６の開口端部よりコンデンサ素子１２を収納し、端
   子封口板１３を嵌合して加締、溶着などして封目され、
   端子封口板１３には外部端子１４が取付固定され、該端
   子１４とコンデンサ素子１２の引出リード端子１１とが
   接続されている。 （ロ）該ケース１６底部の孔１７よりアタクチックポリ
   プロピレンなどの固定材１５を注入し、上記コンデンサ
   素子１２の固定および引出リード端子１１と端子封口板
   １３との接続部の封口がなされている。 （ハ）さらに該孔１７の密封をゴムパツキン１８とスプ
   リング状リング１９でしている。 以上のように構成した端子間一方向形電解コンデンサ。