JPS607174Y2 - 易開封性包装体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、易開封性包装体に関するものである。

従来、易開封性包装体においては、その包装材料の接合
面に種々の問題点がある。

通常、接合方式として、ヒートシール（インパルスヒー
トシール等も含む）が巾広く利用されているが、従来ヒ
ートシールに関しては、特にシール強度を高め、シール
性を改良ならしめるという観点から改良研究が進められ
種々の皮果が得られてきた。

その反面、包装内容物を、保存中又は運搬中に完全に内
容物を保護腰内容物を取り出したい場合、該包装の密封
部を容易に開封し得る様なヒートシールに関しては要望
が有りながらも未だ実用化しうる物はほとんど無く、特
に包装後加熱殺菌が可能なものは皆無に等しいというの
が現状である。

本考案者は、上記のような問題点を解決すべく種々検討
の結果、２つの包材面を接合するに当たり、一方の接合
面にエチレン酢酸ビニル共重合体の層を設け、他方の包
材の接合面にＺｎタイプアイオノマーの層を設け、その
２つの層を介してヒートシールすることにより、適度の
易開封性を有し、しかも包装後の加熱殺菌が可能なヒー
トシール部を有する易開封性包装体を構成し得ることを
見い出し、かかる知見にもとづいて本考案を完成したも
のである。

即ち、本考案の要旨は２つの包材面を接合するに当たり
、一方の接合面にエチレン酢酸ビニル共重合体の層を設
け、他方の包材の接合面にＺｎタイプアイオノマーの層
を設け、その２つの層を介してヒートシール部を構成す
ることを特徴とする易開封性包装体である。

尚、本考案における易開封性ヒートシール強度としては
剥離強度が５００〜９００ｙ／１５ｒｒＬｌｒｒＬ巾の
範囲をいう。

以下、本考案について、図面を参照にしながら詳細な説
明をする。

２つの包材面を接合するに当たり、第１図に示すように
一方の包材１ａの接合面にエチレン酢酸ビニル共重合体
層２ａを設け（以下第１積層材という）、他方の包材１
ｂの接合面にＺｎタイプアイオノマ一層２ｂを設ける（
以下第２積層材という）。

次に、第２図に示す如く上記第１積層材のエチレン酢酸
ビニル共重合体層２ａと第２積層材のＺｎタイプアイオ
ノマ一層２ｂとが接するように包材１ａおよび１ｂとを
外側に向は所定の圧力および温度を所定時間加えて、ヒ
ートシールしてヒートシール部３を構成する。

ヒートシールのための熱圧は第２図の如く、包材のどち
らか一方から加えてもよくあるいは包材の両面から加え
てもよい。

ヒートシールされた部分を開封する場合、第３図に示す
如くヒートシール部３が剥離により何ら損なわれること
なく容易に行なわれる。

上記において、第１積層材を構成するエチレン酢酸ビニ
ル共重合体とは、密度０．９２〜０．９５９ ／ｄ１酢
酸ビニル含有率が２５重量％以下のものである。

また第２積層材のＺｎタイプアイオノマーとは、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体を亜鉛でイオン化した金属含
有イオン共重合体をいう。

アイオノマーにはＮａタイプも有るがＮａタイプアイオ
ノマーと、エチレン酢酸ビニル共重合体はヒートシール
の剥離強度が５０９ ／ １５ｍ、／ｍ以下とほとんど
接着せず実用上のシール強度が得られない。

Ｎａの方力Ｃｎにくらべて接着強度が弱いのは、Ｎａタ
イプの方がイオン凝集力が大きいため接着に寄与できる
自由なカルボン酸基がＮａの方が少ないためと考えられ
る。

よってＮａとＺｎタイプでは、物性がまったく異なるも
のである。

次に又、上記において第１積層材および第２積層材を構
成する包材１ａ、ｌｂとしては、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、アルミ箔
、紙等を使用することができ、これらは一層またはそれ
以上の積層構造物であってもよい。

而して、本考案において、包材がポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリア
ミド、ポリエステル等を使用する場合には成型基材とし
て有効であり、種々の容器本体を構成することができる
。

また、包材としてポリエステル、ポリアミド、ポリプロ
ピレン、アルミ箔等を使用する場合には、蓋体として有
効である。

尚、本考案において、包材１ａ、ｌｂにエチレン酢酸ビ
ニル共重合体の層またはＺｎタイプアイオノマーの層を
設けるには、通常の方法、例えば、ドライラミネート方
式、共押出ラミネート方式、その他等で行うことができ
る。

次に又、上記においてヒートシールの条件は、温度１４
０〜２００℃で圧力５−４０ｐｓｉ／１ｎｃｈ２の範囲
が好ましく、必要シール強度による適宜選択できる。

以上の本考案においては、包装内容物を保存中又は運搬
中等には密封部（ヒートシール部）が開く事なく、完全
に内容物を保護腰包装後の加熱殺菌も可能で、かつ内容
物を取り出したい場合、該包装の密封部を包材の材質を
損傷する事なく、容易に開封し得るものである。

このような本考案は、深絞り包装体の密封を始め、易開
封性を必要とする種々の包装体の密封方式として利用し
得るものである。

次に実施例をあげて更に本考案を具体的に説明する。

実施例 ｌ エチレン酢酸ビニル共重合体として、厚さ３０μのフィ
ルムＤＶＳ−５（ダイヤプラスチック■製酢酸ビニル含
有率５％）を用意した。

他方、下記のアイオノマー樹脂（イ）、（ロ）をインフ
レーション法により製膜し、各々厚さ３０μのフィルム
を得た。

（イ） １ハイミラン０１６５２ヨ（三井ポリケミカル
社製、Ｚｎタイプアイオノマー、密度０．９４ ｇｌａ
ｌ。

ＭＩ−５，Ｑ、融点９９℃） （ロ） １ハイミラン■１７０７ヨ（同上、Ｎａタイプ
アイオノマー、密度０．９＼ＭＩ＝Ｑ、９．融点８７’
Ｃ）次に、基材として、厚さ１２μのポリエチレンテレ
フタレートのフィルム（東洋紡績、ニスペット■）を用
い、また接着剤としてタケラックＡ−３８５（武田薬品
工業■製）、硬化剤タケネートＡ−５０（同上）を用い
て、該基材に、上記で得たエチレン酢酸ビニル共重合体
フィルム、Ｚｎタイプアイオノマーフィルムの各々積層
材を得た。

次に上記で得た積層材を使用し、貼り合わせ条件、温度
１２０℃、１４０°Ｃ，１６０°Ｃ，１８０°Ｃ，２０
０°Ｃ１圧力３Ｑｐｓｉ／１ｎｃｈ２．１．５ｓｅｃで
貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレート層／エチレン
酢酸ビニル共重合体層／Ｚｎタイプアイオノマ一層／ポ
リエチレンテレフタレート層からなるＡフィルム、およ
びポリエチレンテレフタレート層／エチレン酢酸ビニル
共重合体層／Ｎａタイプアイオノマ一層／ポリエチレン
テレフタレート層からなるＢフィルムを得た。

而して、上記のＡフィルムおよびＢフィルムについて引
張速度３００ｍ／ｍ／分で剥離試験を行なってヒートシ
ール強度を測定した。

その結果を第４図に示した。

図のグラフは本考案によるＡフィルムが広いヒートシー
ル温度範囲にわたってほぼ一定のイージーオープン性を
与えることを示しているものである。

更に、上記の実施例１で作成したＡフィルムについて、
９０℃の熱湯中に３粉間浸漬するボイル処理を加えたも
のについて、引張速度３００ｍ、／ｒｒＬ／分で剥離試
験を行なってシール強度を測定した。

以上の結果を第５図に示した。

これより９０℃のボイルにより実質上影響されないこと
を示しているものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図および第３図は、本考案の易開封性包装
体の包装材料の構成を示すものであり、第１図、第２図
および第３図ともにその包装材料の断面図、第４図およ
び第５図は、本考案の易開封性包装体の物性を示すもの
であり、第４図および第５図ともに剥離試験の結果を示
すグラフである。 ｌａ、ｌｂ・・・・・・包材、２ａ・・・・・・エチレ
ン酢酸ビニル共重合体、２ｂ・・・・・・Ｚｎタイプア
イオノマー、３・・・・・・ヒートシール部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２つの包材面を接合するに当たり一方の包材の接合面に
   エチレン酢酸ビニル共重合体、他方の包材の接合面にＺ
   ｎタイプアイオノマーの層を設け、その２つの層を介し
   てヒートシール部を構成することを特徴とする易開封性
   包装体。