JPS606638Y2 - ランナ−の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、樹脂製のランナーは、中央部に軸への固定用金具
をインサートして、駆動軸と固定されていた。

この固定用金具を樹脂にインサートする場合、ランナ一
本体との間に寸法的な狂いが出やすく、その結果、駆動
軸に固定して回転するとランナーの面振れが起きる原因
になっていた。

またインサート部品のまわりに樹脂が充填しにくい場合
もあり、駆動軸とインサート部品とが強固に固着されて
いてもインサート部品とランナ一本体との間に保持強度
が不充分となり、インサート部のズルケなどの故障の原
因となっていた。

こうした問題を充分に注意しながらインサートするため
、ランナー成形時に多大な工数と精度を要し、原価的に
も高いものになっていた。

本考案では、こうした問題を解消すべくランチ−成形時
のインサートを廃止し、成型性をよくして工数削減を図
り、品質的にも安定した装置を提供しているものである
。

以下、添付図面をもとに本考案の一実施例について説明
する。

図において、１および２は渦巻ポンプのケーシングで、
内部にランナー３が位置しており、これは駆動軸４の先
端部の回り止め用のカッター割り部５に挿嵌固定されて
いる。

６はランナー３を駆動軸４の先端の螺子部７に螺子部め
するためのフロク状のナツトである。

ランナー３はナツト６との間に軸方向への水洩れ防止用
としてパツキン８を介在させている。

ケーシング１の中央シール受は部９の内部にはメカニカ
ルシールが配設されている。

また１０はシールボスで、ケーシング１の中央シール受
は部９内壁に対しＯリング１１を介して挿嵌されている
。

シール受は部９内壁には、突起１２を有し、シールボス
１０に対応して設けた凹部１３と係合している。

シールボス先端の摺動面１４に回転摺接するシールリン
グ１５は、駆動軸４に挿嵌固定されているランナー３に
パツキン１６を介して水密時に圧嵌固着されている。

シールボス１０の内周部には、スプリング１７を配しシ
ール受は部９のフランジ部１８を基盤として、シールボ
ス１０をたえずシールリング１５へ圧接摺接させている
。

１９はシールボス１０の外周に設けたリブで、Ｏリング
１１のストッパーである。

２０はランナー３のボス部端面に挿入固着されたランナ
ー保持金具である。

このランナー保持金具２０の外周部には略全体に亘って
多数の切欠き部２１を有し、この切欠き部２１に対応す
る突起２２をランナー３のボス部に設けてランナー３と
ランナー保持金具２０の固着を確実にしている。

突起２２のすぐ外周部に三角リブ２３を設けているが、
これは前記したメカニカルシールのシールリング１５の
シール性を向上するために設けたパツキン１６の押えリ
ブである。

このように駆動軸４の先端部にランナー３を挿入してい
るが、駆動軸４のランナー回り止め用のカッター割り部
５と、この部分の軸断面形状に対応してランナーの小判
形のランナー中央挿入穴２４及びランナー保持金具２０
の中央穴２５はしつくり嵌合するようになっている。

通常ランナー３は樹脂成型されるものであり、ランナー
中央挿入穴２４と駆動軸４のカッター割り部５とは回り
止め作用をもっているものの、機械強度には限界がある
。

また軸スラスト方向にナツト６で、締付けた場合、駆動
軸４のカッター割り部５のカッター割り止め面２６とラ
ンナー３の一端面を当接することは、圧接保持力の点で
不充分である。

そこで、ランナー保持金具２０の中央穴２５周縁をカッ
ター割り止め面２６と当接させることにより、ランナー
保持金具２０でもってストッパー板の役割をはたせると
ともに、ランナー３の回り止めをも兼ねさせるため、ラ
ンナー保持金具２０の中央穴２５をも小判形にして駆動
軸４に挿嵌し、かつランナー保持金具２０の外周での回
り止めの切欠き部２１および突起２２を配設して、ラン
ナー３の駆動軸４に対しての取付強度（保持強度）を完
全にする工夫がなされるものである。

また、ランナー保持金具２０の中央穴２５周縁をカッタ
ー割り止め面２６と当接させたことにより、ランナー保
持金具２０の取付は安定性がはかれ、特に、軸に対する
直角性が得られ、ランナーを軸に対して直角性をもたせ
て取付けできる。

ここで、ランナー３は樹脂製であり、カッター割り止め
面２６のみでランナー３のスラスト方向を保持すると、
ランナー３のくい込みや傾きが生じやすいが、上記ラン
ナー保持金具２０とナツトとの間にランナー３をサンド
インチ状に締付は固定することで前述のような問題は生
じない。

このランナー保持金具２０はランナー３の成型が完了し
てから挿入するものであり、従来にみられるようなイン
サート部品ではない。

成型の直後に挿入固定すれば、ランナー３に対するラン
ナー保持金具２０の固着精度は高められる。

このように本考案のランナーの取付装置は、駆動軸の先
端部にランナー締付は用螺子部及びランナー回り止め用
カッター割り部を設け、このカッター割り部には、樹脂
製のランナーと、このランナーのボス部の駆動軸側一端
面に挿入固着するとともに外周部分をランナーに凹凸嵌
合したランナー保持金具とを挿入するとともに、カッタ
ー割り止め面にランナー保持金具の中央穴周縁を当接さ
せ、かつランナーのボス部他端面側には上記ランナー締
付は用螺子部に螺合してナツトを配し、前記ランナー保
持金具とナツトで前記ランナーのボス部を圧接挾持した
ため、ランナー保持金具がインサート部品と同じ役割を
果し、固定用金具をインサートするものに比して、成型
性がよく工数削減がはかれ、かつ加工精度をより高める
ことができ、運転時のランナーの回転面振れや偏心振れ
がなくなり、これにより回転振動や、騒音を軽減できる
ものである。

そしてランナー保持金具は板金のプレス加工で形成する
ことができ、価格的にも非常に有利なものである。

さらに、ランナーは樹脂製であるが、ランナー保持金具
とナツトとによってサンドインチ状に締付は固定される
ものであり、従来みられるようにカッター割り止め面が
樹脂製のランナーに直接くい込むような事態は生じず、
ランナーの傾きは生じない。

また、カッター割り止め面とランナー保持金具の中央穴
周縁との当接にてランナー保持金具の軸に対する直角性
が確実に得られ、ランナーの回転面振れや偏心振れの発
生をより確実に防止できる。

さらにまた、前記したカッター割り止め面のランナーへ
のくい込み防止およびランナーのラジアル方向での保持
を、１つのランナー保持金具で行い得たものであり、組
み立て時の作業性の簡易化、部品点数の削減化が図れる
とともに、前記ラジアル方向の保持によって、負荷変動
や回転振動等による偏加重に対し、ランナーの取付精度
の安定化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す断面図、第２図は
メカニカルシール部の分解斜視図、第３図は本考案の要
部の分解斜視図である。 ３・・・・・・ランナー ４・・・・・・駆動軸、５・
・・・・・回り止め用カッター割り部、６・・・・・・
ナツト、部、２０・・・・・・ランナー保持金具。 ７・・・・・・螺子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動軸の先端部にランナー締付は用螺子部及びランナー
   回り止め用カッター割り部を設け、このカッター割り部
   には、樹脂製のランナーと、このランナーのボス部の駆
   動軸側一端面に挿入固着するとともに外周部分をランナ
   ーに凹凸嵌合したランナー保持金具とを挿入するととも
   に、カッター割り止め面にランナー保持金具の中央式周
   縁を当接し、かつランナーのボス部他端面側には上記ラ
   ンナー締付は用螺子部に螺合してナツトを配し、前記ラ
   ンナー保持金具とナツトで前記ランナーのボス部を圧接
   挾持したランナーの取付装置。