JPS6059370B2 - シートパイル圧入方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシートパイルを圧入する方法と装置に関する
。

従来、シートパイルを無騒音で圧入するには油圧によ
り上方より一本宛順次押圧する手段が採られている。

しカルながら、シートパイルは溝型に形成されており、
これを一本で地中に圧入すると、圧入に伴い、シートパ
イルに沿つて土砂が下方へ引込まれ、特にシートパイル
の凹なる内側で強く土砂が締め固められる圧密現象が発
生し、このため圧入抵抗の大きいシートパイルの最下部
の方が外側に出ようとする傾向になり、その鉛直性の確
保が極めて困難であり、圧入法線に沿つて圧入すること
が困難であつた。しかも後続のシートパイルの圧入は、
その連結部を既に圧入済みのシ ートパイルの連結部に
連結して行わなければならず、既に圧入済みのシートパ
イルの鉛直性が確保されていない場合には、後続のシー
トパイルの上部は少し外側に、下部はより大きく外側に
曲つてしまう。従つてシートパイルを直線状に整然と圧
入することができない、所謂乱杭状態を呈する。また前
記の如くシートパイルが曲つて圧入されつつあると、シ
ートパイルに対する圧入力は依然として鉛直方向である
ため、シートパイルの連結部内の抵抗は勿論のこと、シ
ートパイルの鉛直方向の曲りに伴うその凹部内面の地盤
に対する抵抗が増大し、本来、比較的圧入抵抗の少ない
地盤であつても途中から急激に抵抗が増し、圧入が困難
となつていた。 本発明の目的は比較的簡単にシートパ
イルを圧入することができて作業能率を向上させること
ができ、しかもシートパイルを、鉛直方向にも並列方向
にも曲ることなく、直線状に整然と圧入することができ
るようにしたシートパイルの圧入方法・とこの方法の実
施に使用する圧入装置を提供するにある。

前記目的を達成するための本発明の圧入方法は、複数
枚のシートパイルをその両側端の連結部において連結し
、この連結状態の複数枚のシート−パイルを静圧荷重に
よつて同時に地中に圧入するようにしたものである。

これによりそれぞれのシートパイルが凹なる内側に発生
する土砂の圧密現象による圧入抵抗により外側に出よう
とするのを連結部により阻止して、シートパイルの鉛直
性を確保し、以つて、前記の如きシートパイルの傾斜な
いし曲りの現象を解消し、直線状に整然と圧入すること
ができる。また前記圧入方法を実施するための本発明の
圧入装置は、シートパイル挿通用空所を有する基板と、
前記空所の両側部で前記基板に対し垂直方向に設けられ
た油圧シリンダと、これら油圧シリンダ間に、これら油
圧シリンダの伸縮に伴い上下動可能に連結され、複数枚
の連結状態のシートパイルを両側の油圧シリンダ間の中
央部に位置させた状態で、それぞれのシートパイルを別
個に挟持するチヤキング装置を備えたことを特徴とする
もの゛てある。

以下、本発明の一実施例を図面に基いて詳細に説明する
。

第１図乃至第３図に示すように長方形の基板１の中央長
手方向にシートパイル挿通用空所となるコ字状の切欠２
が形成され、基板１の前後に複数本のアウトリガー３が
配置きれている。基板１の上面には前記切欠２に沿つて
切欠２より等距離の位置に一対のチャンネル状のレール
４が敷設されている。前記切欠２の両側部で対峙する油
圧シリンダ５はその基部が各レール４の溝にそれぞれ嵌
合され、基台１に対して垂直方向に設けられ、各油圧シ
リンダ５はレール４に沿つて移動し得るようになつてい
る。各油圧シリンダ５のピストンロッド５ａの先端には
ピン６により切欠２に臨むチャッキング装置７における
四角形枠状の本体８の連結部８ａが取付けられている。
この本体８は油圧シリンダ５間の中央部に位置し、本体
８の軸心が油圧シリンダ５の軸心を結ぶ線上に位−置す
るように配置されている。本体８の内側にはシートパイ
ル９を圧締して挾持する二組のチャック部材が設けられ
ている。このチャック部材は本体８とピストンロッド５
ａの連結位置と略同一高さに設けられている。二組のチ
ャック部材は同一．構造のものが対称的に設けられてい
るので、両者同一符号を附して説明する。第４図及び第
５図に示すように表面をテーパーとした長、短の固定板
１０，１１が本体における油圧シリンダ５側の内壁に対
向して固定され、これら固定板１０，１１のテーパー面
によつて下方向に拡関する傾斜面が形成されている。固
定板１０，１１には両側の表面近くにテーパーに沿つて
溝が形成され、これらの溝に表面に多数の爪１２を有し
、裏面に固定板１０，１１とは逆のテーパーを附した可
動板１３の突条１３ａが摺動可能に嵌合されている。各
可動板１３は固定板１０，１１に枢支されたレバー１４
によつて吊下支持されている。これら二組のチャック部
材のチャック位置は対向内壁側に近寄せて対称的に位置
されている。従つて二組のチャック部材は連結部９ａで
連結された二枚のシートパイル９を両側の油圧シリンダ
５間に位置させた状態で、それぞれのシートパイル９を
別個に挾持ｌできるようになつている。前記基板１には
前記チャッキング装置７の近くにシートパイル９を圧入
する際に既に圧入されたシートパイル９から反力をとる
ためのチャッキング装置１５が設けられる。このチャッ
キング装置１５はシートパイル９を挿入する溝１６を下
部に有し、その対向内面を漸次狭窄する傾斜面とした枠
１７と、表面に多数の爪を設け、裏面を前記枠１７の傾
斜面に対応するテーパーとした二枚の可動板１８より形
成されており、可動板１８の裏面のテーパー面が枠１７
内面の傾斜面に当るように可動板１８が枠１７内に収め
られている。而して溝１６及び可動板１８を既に圧入済
みのシートパイル９の傾斜面に嵌め、この傾斜面を可動
板１８の爪により挾持するようになつている。従つてこ
のチャッキング装置１５はシートパイル９の交互いずれ
の方向の傾斜面をも挟持できるように支持板１９に回転
可能に取付けられている。支持板１９は切欠２に跨つて
基板１に対し取外し可能に固定され、または単に基板１
上に載せられている。次に前記実施例の動作を説明する
。

先す基板１を所定位置に配置し、チャッキング装置７を
シートパイル圧入予定地に臨ませる。次にアウトリガー
３を伸長して基板１を所定の高さに上昇させる。次に第
１図に鎖線で示すように油圧シリンダ５及びチャッキン
グ装置７をレール４に沿つて出発点に移動させると共に
シートパイル圧入時の反力をとるためのバランスウェイ
ト（図示せず）を基板１上に載せる。次に油圧シリンダ
５のピストンロッド５ａを伸長させてチャッキング装置
７を上昇限高さ迄上昇させて圧入作業の準備を終える。
而してクレーンで連結状態の二枚のシートパイル９を吊
下してチャッキング装置７における各可動板１３の爪１
２の間を挿通して圧入予定地面に当接させ、各可動板１
３をレバー１４により固定板１０，１１のテーパー面に
引込み、各可動板の爪１２により各シートパイル９を連
結部９ａの両側で挾持する。然る後、油圧シリンダ５の
ピストンロッド５ａを縮め、チャッキング装置７を下降
させる。従つてチャッキング装置７により挾持されたシ
ートパイル９はピストンロッド５ａのストローク、即ち
チャッキング装置７の下降距離だけ地中に圧入される。
圧入後、ピストンロッド５ａを伸長させる。この伸長の
際、チャッキング装置７における固定板１０，１１と可
動板１３とは下向きのテーパー面により係合しているの
で最初本体８と固定板１０，１１とが少し上昇すると可
動板１３がシートパイル９より開放され、チャッキング
装置７はピストンロッド５ａと共に上昇する。上昇後、
レバー１４を操作して可動板１３を引込み、爪１２によ
りシートパイル９を挟持し、再びピストンロッド５ａを
縮め、チャッキング装置７を下降させてシートパイル９
を地中に圧入する。以下、チャッキング装置７の昇降動
作を反復することによりシートパイル９を所定の深度ま
で圧入することができる。このように二枚のシートパイ
ル９を連結した状態で同時に圧入することにより、それ
ぞれのシートパイルの凹なる内側に大きな土砂の圧密現
象が生じても互いの連結部９ａにより外側に出ようとす
るのを阻止することができるの蝦シートパイル９を並列
方向にも鉛直方向にも殆んど曲ることなく一列に整然と
圧入することができる。また最も抵抗の大きいシートパ
イル９の連結部９ａを油圧シリンダ５間の中央部に位置
させて均等に引下げるので、二枚のシートパイル９を一
列に整然と圧入することができる。このようにして最初
二枚のシートパイル９を圧入した後、油圧シリンダ５及
びチャッキング装置７をレール４に沿つて隣接の圧入位
置に移動させる。そしてチャッキング装置１５により既
に圧入済みのシートパイル９を挾持する。然る後、前記
と同様にして連結状態の二枚のシートパイル９を圧入す
る。このとき三枚目と四枚目のシートパイル９同志は前
記の如く整然と一列に圧入され、この三枚目と四枚目の
シートパイル９の連続部９ａが油圧シリンダ５に連結さ
れたチャッキング装置７により位置規制されるので二枚
目と三枚目のシートパイル９の連続部９ａでシートパイ
ル９が曲がることはない。以下、油圧シリンダ５及びチ
ャッキング装置７を順次移動させ、シートパイル９を二
枚宛順次連続して圧入する。基板１の端部迄油圧シリン
ダ５等を移動させて圧入作業を終えた後は基板１を移動
させて前記と同様に圧入作業を行う。尚、前記実施例で
はシートパイル９を二枚の連結状態で圧入する場合につ
いても説明したが、三枚以上の連結状態で打設してもよ
い。

また油圧シリンダ５は適当に増設してもよい。また前記
実施例ではシートパイル９のチャック位置を油圧シリン
ダ５の力点と略同一高さに位置させているが、チャック
位置は必要に応じて適宜選択すればよい。また基板１に
車輪或はクローラ装置を装備して本発明装置を走行可能
としてもよい。以上より明らかなように本発明によれば
、油圧シリンダのピストンロッドの伸縮によつてシート
パイルを地中に圧入するようにしたので、圧入作業を行
う際に振動、騒音が生じない。

また複数枚のシートパイルを連結状態で同時に圧入する
ので、それぞれのシートパイルの凹なる内側に大きな土
砂の圧密現象が生じてそれぞれのシートパイルが外側に
逃げようとしてもこれを連結部により阻止することがで
きる、従つてシートパイルを並列方向にも鉛直方向にも
曲ることなく直線状に整然と圧入することができ、作業
能率を向上させる・ことができる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の圧入装置の一実施例を示す平面図、第
２図は正面図、第３図は側面図、第４図は本発明に用い
るチャッキング装置の拡大平面・図、第５図はそのＶ−
Ｖ線に沿う断面図である。 １・・・・・基板、２・・・・・切欠、３・・・・・・
アウトリガー、４・・・・・ルール、５・・・・・・油
圧シリンダ、７・・・チャッキング装置、９・・・・・
・シートパイル、１５・・・・・チャッキング装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数枚のシートパイルをその両側端の連結部におい
   て連結し、この連結状態のシートパイルを静圧荷重によ
   つて同時に地中に圧入することを特徴とするシートパイ
   ル圧入方法。 ２ シートパイル挿通用空所を有する基板と、前記空所
   の両側部で前記基板に対し垂直方向に設けられた油圧シ
   リンダと、これら油圧シリンダ間に、これら油圧シリン
   ダの伸縮に伴い上下動可能に連結され、複数枚の連結状
   態のシートパイルを両側の油圧シリンダ間に位置させた
   状態で、それぞれのシートパイルを別個に挟持するチャ
   ッキング装置を備えたことを特徴とするシートパイル圧
   入装置。