JPS6059032B2 - 導管ライニング方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、大径管の適所から１つ又は複数の小径管が
分岐されている導管内に挿入した物体の管内走行によつ
て流動性シール剤を大径管、小径管の両方を含む全ての
導管内面に筒膜状にライニングする方法に関する。

従来、単一管をライニングする方法に第７図のイ、口
に示すように前後一対の走行物体（ピグ）３、３間に流
動性シール剤４を挾在させた状態でこれらを背後からの
流体圧力Ｆや牽引ワイヤーＷによつて導管Ｐ＿内を走行
させたり、或いは予め導管Ｐ＿全体に流動性シール剤５
を充満させておいて走行物体６を管内で走行させる方法
が知られている。

しかしながら、この方法を、大径管に小径管が分岐さ
れた導管のライニングに適用すると次のような問題があ
つて、実際には、分岐部を切断分離し、大径管、小径管
を別個にライニングしており、分岐部の切断分離作業、
特に地下埋設管の場合は土壌掘削作業、ならびにそれら
の復旧作業に多大な手間がかかつていた。

その問題とは、第８図のイ、口で示すように小径管Ｐ
＿ｏ側からライニングすると小径走行物体７の径が大径
管Ｐ＿、に合わないために、大径管Ｐ＿、へ移行した段
階で、大径管Ｐ＿、側に走行流体圧力をかけても走行が
停止してしまつたり、逆に大径管Ｐ＿、側からライニン
グするとシール剤８が小径管Ｐ＿２の分岐部内に浸入し
、閉塞を生じるということである。

従つて、分岐小径管が多数あると既述の通り作業性の著
しく悪い作業方法が余儀なく強いられていた。本発明に
よる導管ライニング方法は、かかる問題に鑑みて開発さ
れたもので、前記大径管をそれに対応する大径走行物体
の走行によつてライニングする工程と、前記小径管に対
応する小径走行物体を、前記の大径管ライニング工程で
小径管の分岐部側に浸入した余剰シール剤を大径管内に
押戻す状態で小径管内において走行させてその内面をラ
イニングする工程、ならびに、この押戻し余剰シール剤
および前記小径走行物体を移送する工程の組合せよりな
り、単一の小径管を有する範囲の導管部分にあつては、
前記各工程を前記の記載順に行うことを特徴とする。

即ち、大径管および小径管を各々所期通りにライニング
できるのは勿論、殊に、大径管ライニング工程で小径管
の分岐部側に浸入した余剰シール剤を、小径管ライニン
グ工程での終了時点でその小径走行物体の大径管側への
移入に基づいて大径管側へ自動的に押戻し、かつこれら
大径管へ押戻された余剰シール剤および移入した小径走
行物体を次の工程て大径管内て移送し、両者ともに外部
排出したり、或いは余剰シール剤は大径管のライニング
に消費して結局、両者の管内残置状態を解消してしまう
から、従来の如く、分岐部の切断分離作業、とりわけ地
下埋設管の場合の土壌掘削作業、ならびにそれらの復旧
作業といつた大掛かりて多大な手間を要する諸作業を省
略てきる。

仮に、大径管のライニングを先に行わずに、小径管ライ
ニング後、小径走行物体の排出を兼ねて大径管のライニ
ングを行えば、小径管との分岐部での空気流入によりそ
の部分の下手側内面に筒膜が形成されなくなるおそれが
あつて、これは採用できない（第４図）。本発明は、僅
か三工程という無駄のない必要最小限の合理的かつ経済
的な作業をもつて全体の作業性を顕著に向上することが
でき、殊に多数の分岐小径管があるときにその効果は絶
大である。

本発明方法の実施態様を第１図ないし第３図に示す基本
的な工程順に説明すると、１導管Ｐにおける大径管Ｐ１
内に、流動性シール剤Ｓ１とそれを前後から挾む一対の
大径走行物体１，１とを挿入し、走行用流体圧力付与下
にそれらを大径管Ｐ１内において走行させることにより
、大径管Ｐ１内面に前記シール剤Ｓ１を筒膜状にライニ
ングする（第１図）。

この工程により、小径管Ｐ２の開口端を閉塞しておいて
も小径管Ｐ２の分岐部側にシール剤Ｓ１の一部Ｓ／が浸
入する。

２導管Ｐにおける小径管Ｐ２内に、流動性シール剤Ｓ２
とそれらを前後から挾む一対の小径走行物体２，２とを
挿入し、走行用流体圧力付与下にそれらを小径管Ｐ２内
において、大径管Ｐ１内に到達移入するまで走行させる
ことにより小径管Ｐ２内面に前記シール剤Ｓ２を筒膜状
にライニングする（第２図）。

尚、１，２の工程での大径、小径走行物体１，２は、夫
々、大径、小径管Ｐｌ，Ｐ２の内半径よりライニング筒
膜の厚みをさし引いた半径をもつ。

３大径管Ｐ１内において大径走行物体１″を流体圧力付
与下に走行させて、２の工程で大径管Ｐ１内に押戻され
た余剰シール？１″および移入した小径走行物体２，２
とそれらの間の余剰シール剤Ｓ２″を移送する（第３図
）。

この工程でも小径管Ｐ２の開口端を閉塞しておくことが
望ましい。

又、大径走行物体１″は、ライニングシール剤の小径管
Ｐ２への移行を極力回避するように１の大径管ライニン
グ工程での後方の大径走行物体１より少なくともその走
行時にはや）小径にしておくことが望ましく、そうする
ことによつて、余剰シール剤臥″，Ｓ２″を大径管Ｐ１
のライニングに消費し得ると同時に小径管Ｐ２側への浸
入を防止し得る。走行物体１″の径は最初からそうなつ
ているもよいし、又、走行背圧調整でそのようにするも
よい。上記基本的工程についての有用な変形態様を列挙
すると、（イ）１，２の工程では、前後一対の走行物体
１，１，２，２を用いる代わりに、夫々シール剤Ｓ，，
Ｓ２を管内全体に充満したのち、一つの走行物体１，２
を走行させることによりライニングするもよい。

（口）１の工程では、前後一対の走行物体１，１又は（
イ）で言う単一の走行物体１を第７図と同様牽引によつ
て行つてもよい。

（ハ）３の工程での余剰シール斉β１″，Ｓ２゛、小径
走行物体２の移送を、大径走行物体１″を用いすに、単
に流体圧送のみで行つてもよい。

以上の基本的工程は、単一の小径管Ｐ２を有する範囲の
導管Ｐ部分についてのものであつたが、次に、小径管Ｐ
２が多数ある導管Ｐ範囲に対しての実際的な施工態様を
二、三挙げる。

その説明に当つて理解を容易にするために、図面上で、
１の大径管ライニング工程を３ ２の小径管ライニング工程を８ ３の押戻し余剰シール剤移送工程をＯ で表わす。

又、破線で囲んだ部分に付した〔１〕，〔■〕，〔■〕
等の記号は大きく分けての時間順を表わす。

４は通常、第５図のように一挙に行う。

８とＣとの関係については、大別して第６図（イ），（
口）の二通りがある。

第６図（イ）は、複数の小径管Ｐ２の夫々に対して８を
行つてのち、大径管Ｐ１に対し一挙にＣを行うものであ
る。

小径管Ｐ２群に対しての８は、同時でもよいし、時間差
をおいて並行してもよいし、又、一つが完了したのち次
に移るという順序でもよい。

第６図（帽ま、１つの小径管Ｐ２に対し８を行つてのち
、その小径管Ｐ２を有する範囲の大径管Ｐ１部分に対し
てＯを行うという〔１〕で囲んだ〔８→Ｏ〕の組合せを
、〔旧↑〔■〕というふうに順次的に行うものである。

図面の簡単な説明図面は本発明に係る導管ライニング方
法の実施の態様を例示し、第１図ないし第３図は基本的
な施工要領を順次的に示す概略断面図である。

第４図は本発明方法からその第一工程を省略した場合の
問題点を指摘する概略断面図、第５図および第６図イ，
口は実際的な施工要領のモデル図、第７図イ，口は単一
管に対する一般的なライニング方法を示す概略断面図、
第８図イ，口はその方法を分岐小径管付き導管に対し、
単純に適用した場合の問題を指摘する概略断面図てある
。Ｐ・・・・・導管、Ｐ１・・・・・・大径管、Ｐ２・
・・・・・小径管、Ｓ１″・・・・余剰シール剤、１，
１″・・・・・・大径走行物体、２・・・・・・小径走
行物体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 大径管Ｐ＿１の適所から小径管Ｐ＿２が分岐されて
   いる導管Ｐ内に挿入した物体の管内走行によつて流動性
   シール剤を導管Ｐ内面に筒膜状にライニングする方法で
   あつて、前記大径管Ｐ＿１をそれに対応する大径走行物
   体１の走行によつてライニングする工程と、前記小径管
   Ｐ＿２に対応する小径走行物体２を、前記の大径管ライ
   ニング工程で小径管Ｐ＿２の分岐部側に浸入した余剰シ
   ール剤Ｓ＿１′を大径管Ｐ＿１内に押戻す状態で小径管
   Ｐ＿２内において走行させてその内面をライニングする
   工程、ならびに、この押戻し余剰シール剤Ｓ＿１′およ
   び前記小径走行物体２を移送する工程の組合せよりなり
   、単一の小径管Ｐ＿２を有する範囲の導管Ｐ＿部分にあ
   つては、前記各工程を前記の記載順に行うことを特徴と
   する導管ライニング方法。 ２ 前記押戻し余剰シール剤Ｓ＿１′および小径走行物
   体２の移送を、大径管Ｐ＿１内に大径走行物体１′を走
   行させることによつて行う特許請求の範囲第１項に記載
   の導管ライニング方法。 ３ 前記押戻し余剰シール剤Ｓ＿１′の移送は、その大
   径走行物体１′を、前記大径管ライニング工程で用いる
   大径走行物体１よりやゝ小径の状態で走行させることに
   よつて行う特許請求の範囲第２項に記載の導管ライニン
   グ方法。