JPS6056018A - 強靭鋼の製造方法 - Google Patents

強靭鋼の製造方法

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JPS6056018A
JPS6056018A JP16434783A JP16434783A JPS6056018A JP S6056018 A JPS6056018 A JP S6056018A JP 16434783 A JP16434783 A JP 16434783A JP 16434783 A JP16434783 A JP 16434783A JP S6056018 A JPS6056018 A JP S6056018A
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JP
Japan
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steel
hot rolling
point
toughness
quenching
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Pending
Application number
JP16434783A
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English (en)
Inventor
Terutaka Tsumura
津村 輝隆
Yasuo Otani
大谷 泰夫
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6056018A publication Critical patent/JPS6056018A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、例えば極寒冷地等のような低温環境で使用
される大型構造物素材として好適な強靭鋼を、高価な合
金元素や格別な設備を要することなく低コストで製造す
る方法に関するものである。
近年、我々を取り巻く各種産業の進展ぶシには目を見張
るものがあり、これにともなって、地下資源の開発、或
いは海洋資源の開発・育成など様々な資源開発活動は益
々活発化の度合を深めて来ている。
そして、これらの活動を支えるものとして、種々の分野
に使用されている鋼材構造物の進歩・発展を見逃すこと
ができないが、開発活動の高能率化や、自然条件の苛酷
な未開発地での活動の必要性等から鋼材構造物は一層巨
大化する傾向を見せはじめてきておシ、同時に極寒冷地
等の厳しい環境での使用をも余儀無くされるようになっ
てきた。
ところで、鋼は、一般に、低温になると靭性の急激な劣
化を来たすという低温脆化現象を呈することが知られて
おり、このようなことから、極寒冷地で使用する大型構
造物用鋼材には、高い強度を備えていることはもちろん
のこと、極寒においても優れた靭性な示すものが強く要
望されていたのである。
従来、このような要望に応えるだめの鋼の強靭化は、N
l鋼を基本成分鋼として選び、これに熱処理を施すこと
によって微細焼戻しマルテンサイト組織と焼戻し時に析
出する微細な逆変態オーステナイトを生成せしめるか、
或いは微細焼戻しマルテンサイトと微細焼戻しベイナイ
トとの混合組織並びに微細な逆変態オーステナイトを生
成せしめるかして達成されるのが普通であった。
しかしながら、このようにして得られる強靭鋼はNiの
多量添加を欠くことができず、従って鋼材コストの大幅
上昇を免れることができないという極めて不利な問題を
抱えていたのである。
そこで、本発明者等は、先に、rNi等の高価な元素を
多量に含有することのない鋼であっても、オーステナイ
ト状態からの冷却条件を特定のものに制限すると、高強
度と優れた靭性とを同時に示すように彦る」との知見に
基づいた強靭鋼の製造方法を特開昭5’7−89424
号として提案し、低価格で、しかも優れた特性を備えた
強靭鋼を提供して来たが、この特開昭57−89424
号として提案された方法にも、「鋼の成分毎にその冷却
条件を変更しなければならないので、製造作業が幾分煩
わしい」との声が聞かれていたのである。
本発明者等は、上述のような観点から、N1元素の添加
が無い安価な成分の鋼を素材とし、しかも煩わしい作業
を要することもなく、極寒冷地等で使用する大型構造物
等として十分に適用が可能な強靭鋼を、簡単容易に、か
つ低コストで製造する方法を見出すべく研究を行った結
果、以下(a)〜(f)に示す如き知見を得るに至った
のである。即ち、(a) 従来のように、 Ni鋼を基
本成分鋼として選び、更にその焼戻し時に析出してくる
微細な逆変態オーステナイトを利用しなくても、鋼の組
織を極微細な焼戻しマルテンサイト組織、或いは極微細
な、焼戻しマルテンサイトと焼戻し低温ベイナイトとの
混合組織(以下、これらを焼戻し低温変態組織と称す)
とするだけで、極寒冷地における大型構造物素材鋼とし
て十分に満足し得る適度の強度及び靭性を具備した鋼材
が得られること。
(b) 該極微細焼戻し低温変態組織を得るには、焼゛
戻し前の低温変態組織が極微細でなければならず、また
極微細な低温変態組織は、焼入れ前の組織が微細な低温
変態組織、それもラス(zat、h)の崩れの小さい細
粒組織でないと実現できないこと。
(C)一般に、鋼の結晶粒微細化のためには、誘導加熱
法等の急速加熱手段を用いて焼入れを行うのが有効であ
ることが知られているが、特定量のC成分と、特定量の
Nb及びT1成分の1種以上とを同時に含有する鋼にお
いては、熱間圧延後に直接焼入れした後、電気炉加熱の
ような1℃/秒以下程度のゆっくりした加熱速度で加熱
しても、Ac3点以上でオーステナイト結晶粒粗大化開
始温度(Ac3変態点+200℃)以下の温度に加熱後
焼入れる処理を少なくとも1回以上繰り返すと、微細な
低温変態組織(マルテンサイト、低温ベイナイト)が得
られること、 ((1)更に、上記特定成分を有する鋼を直接焼入れし
た後で1回以上の焼入れ処理を繰シ返して組織の細粒化
を図る場合、直接焼入れする前ρ熱間圧延を2段階に分
け、オーステナイト域で先ず第1次の熱間圧延を行い、
その後変態を完了させ、次いで細粒オーステナイト域(
オーステナイトが粗大化しない温度域)に再加熱して第
2次の熱間圧延を行って、この第2次熱間圧延後にオー
ステナイト状態から直接焼入れすると5例え次の繰シ返
し焼入れ時の加熱速度が極めてゆつくシしたものであっ
たとしても極細粒組織の実現が可能となること。
(e) 直接焼入れ処理後及び繰シ返し焼入れ処理後の
いずれか、或いはいずれもの処理の後、次の焼入れに際
しての加熱の前に、置き割れ等の防止の目的で焼戻し処
理(以下、ラフテンパーと称す)を行う場合には、結晶
粒を所望の細粒とするために該ラフテンパー条件を、 A1” T(A2+log t ) なる式で計算されるA1が Al<19.OX 10 を満足するように設定しなければならず、このようにす
ることによってラフテンパーによるマルテンサイトや低
温ベイナイトのラスの崩れが小さく抑えられること。
(f) 鋼中に、更にCu、 Cr、 Mo 、 W及
びVの1種以上、を添加含有せしめると鋼の強度等が一
層向上1−1またCa及び希土類元素の1種以上を添加
含有させると鋼中の介在物が球状化されるとともに鋼の
清浄化がなされて靭性の改善を見、そして微量のBを添
加含有せしめると鋼の強度及び靭性が一層改善されるこ
と。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり。
C:0.15〜0.45%(以下、係は重量割合とする
)。
Si: 0.05〜1.00%、Mn: 0.3〜2.
0%。
AM : 0.01〜0.10%。
Nb及びTi(7)1種又(は2種: o、o O5〜
0.1 り O%。
を含有し、必要により更に、 第1区分・・・ Cυ:0.05〜050チ。
Cr: 0.05〜2.00 %。
MO及びWの1種又は2種: Mo +1/2 Wで0.05〜1.20%。
V : 0.01〜0.15 %。
第2区分・・・ Ca: 0.001〜0.050 %。
希土類元素:O,OO1〜0.050チ。
第:3区分・・・ B : 0.0005〜0.0050%。
のうちの1種以上をも含むとともに。
Fe及び不可避不純物:残り。
から成り、かつ不純物中のP及びSの含有量がそれぞれ
、 P:0.025係以下。
S:0.015%以下。
である鋼を、オーステナイト状態で第1次熱間圧延しだ
後一旦冷却して変態を完了させ、その後AC3点〜〔A
C3点+200℃〕の温度域に再加熱して第2次熱間圧
延し、続いてオーステナイト状態からその−i を直接
焼入れを行い1次いで、これをAC3点〜(AcB点+
200℃〕の温度域に加熱後焼入れする処理、或いは、
これを A1= T (A++log t ) なる式で計算されるA1が、 A4<19.OX 10 を満足する条件で焼戻しくラフテンパー)した後、AC
3点〜(Ac3点+200℃〕の温度域に加熱後焼入れ
するという処理を1回以上戸り返し、その後Ac1点以
下の温度で焼戻し処理を施すことによシ、高強度と、極
寒冷地等のような低温環境においても優れた靭性な示す
強靭鋼を得る点に特徴を有するものである。
なお、この発明の方法において、第1次熱間圧延後に一
旦冷却して変態を完了させ、その後AC3点以上に再加
熱して第2次熱間圧延を行う理由は、変態をくぐらせる
ことによる組織の細粒化を狙うことにある。
そして、第2次熱間圧延後に直接焼入れを行うのは、第
2次熱間圧延後大気放冷によって室温まで冷却すると、
次の焼入れ加熱の前組織がフェライトやパーラ・イト或
いは高温ベイナイトといった高温変態生成物となり、こ
のような前組織では次に焼入れ処理を施しても細粒化で
きないからである。
また、この発明の方法において、ゆっくりとした加熱速
度での焼入れ処理を2回以上繰り返す場合には、2回目
以降のn回目の焼入れに際してのオーステナイト化加熱
温度は、(n−1)回目の焼入れの際のオーステナイト
化加熱温度以下であるのが好ましく、このようにするこ
とによって鋼の組織は一層細粒で、かつ整粒となり、靭
性がより改善されることとなる。
つまり、この発明は、「特定量のC成分と、Nb成分及
びT1成分のいずれか又は両者とを同時に含有する鋼に
おいては、熱間圧延工程を2段階に分けて実施し、先ず
第1次熱間圧延後一旦変態を完了させ、しかる後に細粒
オーステナイト域に再加熱して第2次熱間圧延を行い、
続いてオーステナイト状態から直ちに直接焼入れすれば
、その後電気炉加熱のようにゆっくりとした加熱速度で
加熱してもA(13点以上オーステナイト結晶粒粗大化
開始温度以下の温度に加熱後焼入れる処理を少なくとも
1回以上繰り返すことによって鋼が極めて細粒化する。
従って、これをAc1点以下の温度で焼戻しすれば非常
に微細な焼戻し低温変態組織となって、十分な強度と優
れた靭性を共に具備することが可能となる。」との技術
的事項を骨子としたものである。もちろん、直接焼入れ
後の焼入れに際して急速加熱処理を採用すれば、一層の
細粒組織が得られるのは当然のことである。
次に、この発明の方法において、鋼の化学成分組成、及
び圧延・熱処理条件を前記の如くに数値限定した理由を
説明する。
A、鋼の化学成分組成 ■ C C成分は、鋼の焼入れ性増加、強度増加に加えて、細粒
化のためには欠くことのできないものであるが、その含
有量が0.154未満では、直接焼入れ処理後に、特に
ゆっくりとした加熱速度の場合に1回以上の繰り返し焼
入れを行っても所望の細粒化が達成できず、また強度低
下及び焼入れ性劣化を来たすこととなり、一方0.45
 %を越えて、含有させると靭性劣化を招くようになる
ことがらC含有量は0.15〜0.45%と定めた。
■ 5i S1成分は、鋼の脱酸剤として有効なものであるほか、
強度及び焼入れ性を高める作用を有するものであるが、
その含有量が0.054未満では前記作用に所望の効果
を得ることができず、他方1.00係を越えて含有させ
ると靭性を劣化するようになるので、S1含有量を0.
05〜1.00%と定めた。
■ Mn Mn成分には、焼入れ住改善作用、強度及び靭性向上作
用、及び鋼の脱酸作用があるが、その含有量が03係未
満では前記作用に所望の効果が得られず、他方2.0d
l)を越えて含有されると逆に靭性の劣化を招くことと
なるので、 Mn含有量を0.3〜2.0%と定めた。
■ A9 Al成分は、鋼の脱酸の安定化、均質化及び細粒化を図
るために添加するものであるが、その含有量が0.01
4未満では前記作用に所望の効果が得られす、他方01
0%を越えて含有させると脱酸効果は飽和してしまい、
また介在物増大による疵の発生や靭性の劣化をも招くこ
とから、AM含有量を0.01〜0.10係と定めた。
■ Nb、及びTl Nb及びT1成分には、鋼の強度増加作用、焼戻し軟化
抵抗の増大作用に加えて、組織な細粒化するという均等
な作用があるが、これらの元素の1種又は2種の合計含
有量が0.005%未満では、直接焼入れした後、特に
ゆっくりとした加熱速度の場合、1回以上の繰返し焼入
れ処理を行っても所望の細粒化が達成りきす、他方これ
らの元素の1種又は2種の合計含有量が0.150%を
越えると前記作用にそれ以上の向上効果が得られないば
かシでなく、靭性劣化をも来たすようになるので。
Nb及びT1の1種又は2種の含有量を0. OO5〜
0、150%と定めた。
■ P、及びS P及び8分は、鋼の靭性向上のためには可及的に少ない
方が好ましいものであるが、鋼の製造コストを考慮して
Pの上限を0.025%、Sの上限なo、 o 15 
%とそれぞれ定めた。
@Cu’、 Cr、 V 、 Mo、及びWこれらの成
分1/I:は鋼の強度を向上する作用があるので、必要
に応じて1種以上を添加含有せしめるものであるが、以
下、個々の元素についてその詳細な特性及び含有量限定
理由を説明する。
i) Cu Cu成分は、鋼の靭性なそれ程阻害することなく強度上
昇をもたらす好ましい元素であるが、その含有量がo、
 05 @未満では所望の効果を得ることができず、他
方050%を越えて含有させると熱間加工性の劣化を招
くようになることから、Cu含有量を0.05〜0.5
0 %と定めた。
ii) Cr Cr成分には、鋼の焼入れ性2強度、及び焼戻し軟化抵
抗を増大させる作用があるが、その含有量が005チ未
満では前記作用に所望の効果を得ることができず、他方
2.00%を越えて含有させると靭性の劣化を招くこと
から、Cr含有量を0.05〜2.00係と定めた。
1ff) Mo、及びW MO及びW成分には、いずれも焼入れ性及び強度を上昇
させ、焼戻し軟化抵抗を増大するという均等な作用があ
るが、WはMOに対して原子量が約2倍であシ、効果の
点ではMo含有量がWの半分で丁度均等となるものであ
る。そして、M。
+1/2 Wの値が0.05%未満では前記作用に所望
の効果が得られず、Mo+1/2 Wで1.20%を越
えてMo及びWの1種以上を含有させても強度上昇効果
が飽和してしまう上、かえって靭性の劣化を招くように
なることから、Mo及びWの1種又は2種の含有量をM
o−1−1/2 Wで005〜1.2oチと定めた。
iv) v ■成分には、鋼の強度を上昇するとともに。
焼戻し軟化抵抗を増大する作用を有するものであるが、
その含有量が0.01%未満では前記作用に所望の効果
を得ることができず、他方0.15%を越えて含有させ
ると靭性の劣化な招くようになることから、■含、有量
を0.01〜0.15係と定めた。
■ Ca、及び希土類元素 これらの成分には、いずれも鋼中の介在物を球状化する
とともに鋼を清浄化して、圧延方向と直角をなす方向に
おける靭性を改善し鋼の異方性を小さくする作用がある
ので、必要に応じて1種以上添加含有せしめられるもの
であるが、いずれも0、 OO11未満の含有量では前
記作用に所望の効果を得ることができず、他方、いずれ
も0.050係を越えて含有せしめると前記靭性改善効
果が飽和してしまうのみならず、酸化物等の非金属介在
物が増大して鋼の清浄性が低下するので、それぞれの含
有量をともに0.001〜0.050 %と定めた。な
お、希土類元素はミツシュメタルの形で添加することが
実用上好ましい手段である。
■ B B成分には、鋼の焼入れ性を向上させて強度及び靭性な
改善する作用があるので、必要に応じて添加含有せしめ
られる元素であるが、その含有量がO,0O05%未満
では前記作用に所望の効果を得ることができず、他方0
.0050%を越えて含有させてもそれ以上の向上効果
がもたらされないことから、B含有量を0.0005〜
0.0050%と定めた。
なお、B処理を行った鋼の場合には、鋼中のN含有量(
1)が[: 2.5 X B(%)−1,5X 10−
3:]以下であるとACI点以下での焼戻し時に粗大な
ボロカー/<イドが析出して所望の高靭性を有する鋼を
得ることができなくなる恐れがあシ、更にN含有量(イ
)が〔3×B(イ)+1.2 X 10−” 〕以上で
あるとBの焼入れ性向上作用が十分に発揮されず、強度
及び靭性が劣化する恐れを生ずることから、 2.5 xsC@−1,5X 1 ’o−3(’ N(
イ)〈3×B(イ)+i、 2 X 10″′なる制限
を設けれことが望ましい。
また、この場合に、鋼が0.005%以下のT1を含ん
でいないならば、焼入れ加熱温度を1075℃以下にす
ることが望ましい。
B、圧延・熱処理条件 この発明は、以上のように構成された鋼を溶製した後、
厚板、形鋼、鋼管等に熱間で圧延加工するが、この際、
オーステナイト粒を細粒化するために熱間圧延工程を、
第1次圧延と、その後一旦冷却して変態を完了させてか
ら再度細粒オーステナイト域に加熱して行う第2次圧延
との2段階に分けて行う。
そして゛、第2次熱間圧延後、直ちにオーステナイト状
態から適当な冷却媒体で直接焼入れすると微細な低温変
態組織が得られるのである。
このことは直接焼入れに際しての焼割れ感受性の低減に
有効であるという2次的効果をも生ずるが、その第1義
とするところは、電気炉加熱のようなゆつくシとした加
熱速度であったとしても。
続いて細粒オーステナイト域に加熱後焼入れる処理を1
回以上行うのみで鋼の細粒化を達成できるような下地を
作る点にある。
即ち、直接焼入れ処理後に行う焼入れに際しての前組織
が微細な低温変態組織であれば、それもラスの崩れの小
さい細粒組織であれば1次の焼入れによって極めて微細
な組織を得ることができるのである。従って、直接焼入
れで微細な低温変態組織が得られるように細粒オーステ
ナイト域に再加熱して第2次熱間圧延を施すことは1本
発明方法の大きな特徴の1つである。
そして、第2次圧延の際の再加熱温度、及び繰り返し焼
入れの際の加熱温度がAc3点未満であると当然のこと
なからオーステナイト化が達成できず、一方[Ac3点
+200℃〕を越えて加熱するとオーステナイト結晶粒
が粗大化してしまって、本発明処理によっても所望の微
細組織を得ることができなくなる。
また、ラフテンパーを施す際には、 Ax ” 、T (A2+logt )なる式で計算さ
れるA1が A1〉19.0X10 であると、ラフテンパーによってマルテンサイトラスや
低温ベイナイトラスに大きな崩れを生じ、細粒組織を得
られなくなるので、ラフテンパー条件は上記A1の値が Al<19.OX 103 となるように選ぶこととした。
更に、上述のような焼入れ処理によって得た微細組織を
、最終的にAc1点以下の温度で焼戻し処理すれば、鋼
に所望の強度と靭性とが付与されるのである。
この場合、焼戻し温度がAC3点を越えると鋼材強度が
大幅に変動し、靭性も劣化することから、該温度をAc
1点以下と定めた。
次に、この発明を実施例により比較例と対比しながら具
体的に説明する。
実施例 1 まず、通常の方法によって第1表に示す如き成分組成の
鋼1〜64を溶製した。
次に、これらの鋼片を1200℃に均熱した後、第2表
に示される条件にて熱間圧延し、焼入れ焼戻し処理を行
った。
得られた鋼板について、降伏点(耐力)、引張強さ、及
びシャルピー破面遷移温度を測定し、その結果も第2表
に併せて示した。
なお、第2表における比較法人とは、1200℃に鋼片
を均熱した後第1次の熱間圧延で最終製品の寸法に仕上
げを行ない、それを室温まで空冷した後焼入れ・焼戻し
処理するものであり、本発明法とは、1200℃に均熱
した鋼片にオーステナイト域にて第1次の熱間圧延を施
した後、一旦変態の完了する温度以下に冷却し、その後
細粒オーステナイト域に再加熱して第2次の熱間圧延を
行って最終製品寸法に仕上げ、その後オーステナイト状
態から直接焼入れし、更に焼入れ・焼戻し処理を行った
ものである。
第2表に示される結果からも、鋼の成分組成及び熱処理
条件が本発明の範囲内にあるものは強度及び靭性が優れ
ているとともに、そのバランスが良好であるのに対して
、鋼の成分組成、或いは熱処理条件が本発明の範囲から
外れている比較法で得られた鋼材では、上記特性に劣っ
ていることが明白である。
実施例 2 前記第1表中の本発明対象鋼である鋼40を1230℃
に均熱後、オーステナイト域で第1次の熱間圧延を施し
、それを第3表に示す種々の温度にまで冷却した後、細
粒オーステナイト域である950℃に一再加熱して第2
次の熱間圧延を行って最終製品寸法に仕上げ、続いてオ
ーステナイト域である870℃から直接焼入れし、更に
焼入れ・焼戻し処理を行い、得られた鋼材の強度及び靭
性を測定した。
このようにして得られた結果を第3表に併せて示した。
第3表に示される結果からも、本発明の方法によれば、
強度及び靭性の優れた鋼材が確実に得られることが明ら
かである。
実施例 3 前記第1表中の本発明対象鋼45を1230℃に均熱後
、オーステナイト域で第1次の熱間圧延を行い、続いて
一旦380℃まで冷却して変態を終了させてから、10
30℃に再加熱して第2次熱間圧延を行って最終製品寸
法に仕上げ、次いで第4表に示す温度から直接焼入れし
、その後更に第4表に示す条件にて焼入れ・焼戻し処理
して強度及び靭性を測定した。
このようにして得られた結果を第4表に併せて示した。
第4表に示される結果からも1本発明の方法によって強
度及び靭性の優れた鋼材を得られることが明白である。
実施例 4 前記第1表中の本発明対象鋼40を、1200℃に均熱
後、種々の温度で第1次の熱間圧延を終了し、これを変
態の終了する温度である440℃まで冷却した後、細粒
オーステナイト域である950℃に再加熱して第2次の
熱間圧延を行って最終製品寸法に仕上げ、その後種々の
温度から直接焼入れし、更に焼入れ・焼戻し処理して強
度及び靭性を測定した。これらの条件及び結果を1とめ
て第5表に示す。
第5表に示される結果からも、本発明の方法によって強
度及び靭性の優れた鋼材が得られることが明らかである
実施例 5 前記第1表中の本発明対象鋼4oを1250℃に均熱後
、オーステナイト域で第1次の熱間圧延を行い、それを
490’Cまで冷却して変態を終了させ、その後980
℃又は1120℃に再加熱して第2次の熱間圧延を行い
、最終製品寸法に仕上げた。次いで、これらを種々の温
度から直接焼入れし、再に焼入れ・焼戻し処理して強度
及び靭性な測定した。それらの条件及び結果をまとめて
第6表に示した。
第6表に示される結果からも、本発明の方法によって強
度及び靭性の優れた鋼材が得られることが明白である。
実施例 6 前記第1表中の本発明対象鋼46を1220℃に均熱し
た後、第7表に示した処理条件にて板材を製造し、得ら
れた板材についてオーステナイト粒度番号(A S T
 M A )を測定した。
(注)※印は、本発明の条件から外れていることを示す
第 7 表 なお、第7表における処理条件はそれぞれ、■ オース
テナイト域での第1次の熱間圧延で最終製品の寸法に仕
上げ、それを室温まで空冷し、その後920℃に075
℃/秒の加熱速度で加熱して焼入れ処理を行う、 ■ オーステナイト域で第1次の熱間圧延を行ってから
室温まで空冷し、更にそれを950℃に再加熱して第2
次熱間圧延を行って最終製品寸法に仕上げ、続いて8’
i’O℃から直接焼入れを行い、更に920℃に075
℃/秒の加熱速度で加熱して焼入れ処理を行う、 というものであった。
第7表に示される結果からも、本発明の条件を満たす処
理によって細粒組織の得られることが明らかである。
実施例 7 前記第1表中の本発明対象鋼46及び比較鋼62を12
00℃に均熱後、オーステナイト域で第1次の熱間圧延
を行い、一旦35071:’l:で冷却して変態を終了
させ、その後980℃に再加熱して第2次熱間圧延を行
って最終製品寸法に仕上げ続いて900℃から直接焼入
れし、その後更に第8表に示す条件にて焼入れ・焼戻し
処理してから得られた製品の強度及び靭性を測定した。
このようにして得られた結果を第8表に併せて示した。
第8表に示される結果からは、本発明の方法によって得
られる銅材はどの強度レベルでも、即ちどの焼戻し温度
域での焼戻しによっても優れた強度・靭性バランスを有
するが、比較法ではP成分が高く、又高温焼戻し処理の
場合に粗大なM23(C,B)6型ボロカーバイドが析
出してくるので1強度が下っても靭性が向上しない材料
しか得られ々いことがわかる。
実施例 8 前記第1表中の本発明対象鋼46を1250℃に均熱後
オーステナイト域で第1次の熱間圧延を行い、一旦37
0℃まで冷却して変態を終了させその後950℃に再加
熱して第2次熱間圧延を行って最終寸法に仕上げ、続い
て870℃から直接焼入れし、更に第9表に示す条件に
て途中のラフテンパー処理を行い、次いで焼入れ・焼戻
し処理を施しだ。
このようにして得られた製品の強度及び靭性を測定した
結果を第9表に付きて示した。
第9表に示される結果からも、本発明の方法によって、
優れた強度及び靭性を兼備する鋼材が得られることが明
白である。
上述のように、この発明によれば、 Ni等の高価な元
素を添加することなく、しかも格別な設備や煩わしい作
業を要することもなく、極寒冷地等で使用する大型構造
物等に好適な強靭鋼を、簡単容易に、かつ低コストで製
造できるなど、産業上有用な効果がもたらされるのであ
る。
出願人 住友金属工業株式会社 代理人 富 1) 和 夫 ほか1名 手続補正書C自発ノ 特許庁長官 若 杉 和 夫 殿 1、事件の表示 特願昭58−164347号 2、発明の名称 強靭鋼の製造方法 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 代弄者 熊谷典文 4、代 理 人 住所 東京都千代]n区神1■錦町−丁目23番地宗保
第二ビル8階 〒101 電話(03) 233 1676・1677
自 発 補正の内容 l) 明細書、第9頁、第3行に 「(Ac3変態点+200′CBとあるな、「(Ac3
点+200℃)」 と訂正する。
2) 明細書、第27〜29頁の、「第1表の2」、「
第1表の3」及び「第2表の1」の記載を、それぞれ「
別紙■」、「別紙■」及び「別紙■」の通りに訂正する

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1) 重量割合で、 C: 0.15〜0.45 %。 Si:0.05〜1.00チ。 Mn :0.3〜2.0 % * All : O,Ol〜0.10チ。 Nb及びT1の1種又は2種: 0.005〜0.15’O%。 を含有し、必要により更に、 第1区分・・・ Cu: 0.05〜0.50 %。 Cr: 0.05〜2.00%。 MO及びWの1種又は2種: Mo−4−172、Wで0,05〜1.20%。 V : 0.0 1〜0.1 5 %。 第2区分・・・ Ca: 0.001〜0.050 %。 希土類元素:0.001〜0050係。 第3区分・・・ B : 0.0005〜0.0050%。 のうちの1種以上をも含むとともに。 Fe及び不可避不純物:残り。 から成り、かつ不純物中のP及びSの含有量がそれぞれ
    、 P:0.025チ以下。 S:0.015係以下。 である鋼を、オーステナイト状態で第1次熱間圧延した
    後一旦冷却して変態を完了させ、その後AC3点〜(A
    c3点+200℃〕の温度域に再加熱して第2次熱間圧
    延し、続いてオーステナイト状態からその一!ま直接焼
    入れを行い、次いで、これをAC3点〜(A’C3点+
    200℃〕の温度域に加熱後焼入れする処理を更に1回
    以上繰シ返し、その後Ac1点以下の温度で焼戻し処理
    を施すことを特徴とする強靭鋼の製造方法。
  2. (2)重量割合で、 C:0.15〜045チ。 Si:0.05〜1.00%。 Mn: 0.3〜2.0 %。 AQ : 0.01〜0,10チ。 Nb及びT1の1種又は2種: 0、 OO5〜0.1!50係。 を含有し、必要により更に、 第1区分・・・ Cu: 0.05〜0.50 %。 Cr: 0.05〜2.00 %。 Mo及びWの1種又は2種: Mo −1−l/2 Wで0,05〜1.20%。 v :’ 0.01〜0.15 %+ 第2区分・・ Ca: 0.001〜0.050 %。 希土類元素:O,OO1〜0.050係。 第3区分・・・ B:0.0005〜0.0050チ。 のうちの1種以上を含むとともに、 Fe及び不可避不純物:残シ。 から成り、かつ不純物中のP及びSの含有量がそれぞれ
    、 P:0.025チ以下。 S:0.015%以下。 である鋼を、オーステナイト状態で第1次熱間圧延した
    後一旦冷却して変態を完了させ、その後Ac3点〜〔A
    C3点+2oo℃〕の温度域に再加熱して第2次熱間圧
    延し、続いてオーステナイト状態からそのまま直接焼入
    れを行い、次いで、これを ”” T(Aa+Iogt ) なる式で計算されるA1が Al<19.OX 103 を満足する条件で焼戻しする処理と、Ac3点〜[Ac
    3点+200℃〕の温度域に加熱後焼入れする処理とを
    この順序で1回以上繰り返し、その後A(4点以下の温
    度で焼戻し処理を施すことを特徴とする強靭鋼の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09511282A (ja) * 1995-01-24 1997-11-11 キャタピラー インコーポレイテッド 改良された耐破断性と摩耗特性を有する深部硬化ホウ素鋼
JP2019173054A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 株式会社神戸製鋼所 高強度高延性鋼板
JP2019173053A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 株式会社神戸製鋼所 高強度高延性鋼板

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JP2019173054A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 株式会社神戸製鋼所 高強度高延性鋼板
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