JPS6054240B2 - 高所作業車における安全装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高所作業車の安全装置に関する。

作業車として多段ブームを装備し、該ブーム端先に作業
台を装設した作業車が汎用されている。

この種作業車においてブームの起状、並びに伸縮作動は
通常、油圧シリンダを使用し、油圧回路中の切換弁操作
て作動制御を行い、且つ地上、即ち、車体側と作業台側
のいづれからも操作可能に構成したものが多い。更に、
高所電気工事等における感電防止上の配慮から、電気制
御手段は採用せず、ブーム内の空隙を利用するなどして
作業台まて油圧回路の配管をし、作業台側からの作動制
御も切換弁を以て直接に操作するようにしている。

そこで、この種の作業車にあつては、必然的に油圧配管
長が長くなる。

また、ブームの旋回動、起状動、伸縮動等で複雑な動き
があり、しかも狭隘な空間を利用してのブーム内配管部
を有することなどから、配管途中における油漏れ或いは
破断事故の発生が考えられるが、もしも、高所作業中に
おいて油圧回路の配管途中で油漏れ事故が発生すると、
忽ちにしてブームの異常作動が伴い危険な状態に陥る。

このため従来からも各種の安全上の施策が提案されてい
る。例えば、自動ロック機構によつてブームの作動を停
止させる類の安全装置があるが、これでは事故の発生後
作業台上の作業員を地上に安全、且つ速やかに降ろす際
に問題がある。

本発明は上記のような点に鑑がみ発明されたも”のであ
つて、油圧回路の改良によつて仮令油圧回路の配管に油
漏れ事故等が発生しても、当該配管部を遮断し、健全回
路の切換弁操作て安全に作業員を地上に確保できるよう
にした高所作業車に於ける安全装置を提供しようとする
ものである。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。１は
作業車の車体、２はこの車体後部に起状動自在に装備し
たブームで、このブーム２は繰出式（テレスコープ状）
にして複数段に伸縮する構成のもので、その先ブーム３
には、作業台４が装設してある。

５はブーム２の起状用の油圧シリンダ、６はブーム体内
に装設されたブーム伸縮用の油圧シリンダである。

これ等油圧シリンダ５，６は第２図に示す油圧回路に組
み込れられて作動する。

即ち、油圧シリンダ５は並列接続の切換弁７，７″を介
して油圧源９に接続され、油圧シリンダ６は並列接続の
切換弁８，８″を介して油圧源９に接続される。油圧源
９は油圧ポンプ１０と油タンク１１を主要構成とし、油
圧ポンプ１０はエンジンによつて駆動される。切換弁７
と８は車体側の操作部１２に配装し、また切換弁丁と８
″は作業台側の操作部１３に配装する。

そして、車体側切換弁７，８と作業台側切換弁７″，８
″とを接続する配管途中に止弁１４を装設し、また作業
台側切換弁７″，８″と油圧シリンダ５，６とを接続す
る配管途中に止弁１Ｃを装設する。

これらの止弁１４，１Ｃは可及的車体側切換弁７，８に
近づけるようにし、車体側操作部１２に配装するのが望
ましい。

１５はパイロットチェック弁で、各シリンダ５，６への
圧油の供給が断たれた際、各シリンダをその位置に保持
するものである。

上記構成において、次に作用を説明する。

通常の作業においては、すべての止弁１４，１４″は開
放状態におかれ、車体側の操作部１２あるいは作業台側
の操作部１３から切換弁７、もしくは７″を操作するこ
とにより油圧源９よりの圧．油を油圧シリンダ２に供給
すれば、油圧シリンダ５が伸縮作動し、ブーム２が起立
、状倒する。

即ち、車体側の切換弁７を上方位置に切換えれば、圧油
は油圧シリンダ５のピストン背圧側油室に流れ、ピスト
ン側油室は油タンク１１に連通す−ることから、油圧シ
リンダ５が伸長作動し、ブーム２が起立する。また、切
換弁７を下方位置に切換えれば、圧油は油圧シリンダ５
のピストン側油室に流れ、ピストン背圧側油室はパイロ
ットチェック弁１５を介して油タンク１１に連通する。

そして、ピストン側油室に一定以上の油圧が発生すると
、パイロットチェック弁１５が開放してピストン背圧側
油室の圧油が油タンク１１に帰還する。

この結果、油圧シリンダ５が縮小作動し、ブーム２が状
倒する。一方、作業台側の切換弁７″を上方位置あるい
は下方位置に切換えても、油圧シリンダ５は伸縮”作動
し、ブーム２の起状作動を行うものである。

同様にして、切換弁８あるいは８″を切換え操作するこ
とにより油圧シリンダ６は伸縮作動し、ブーム２が伸長
、縮小するものである。今、高所作業に供し得る位置に
ブーム２が作動中、あるいは高所作業中において油圧回
路の配管系が破断したり、或いは油漏れを生じると、一
般に破断箇所はブーム内のどこか不明であるため、地上
の作業員は作業台側への配管係および作業台側からの配
管系を遮断するよう、すべての止弁１４，１Ｃを閉鎖し
、作業台５の操作部１３からの制御を不能とする。

この場合、配管系に配断などが生じても、油圧シリンダ
５，６はパイロットチェック弁１５によりその高所作業
位置に保持されているから、この後、車体側操作部１２
において切換弁８を下方位置に切換えて油圧シリンダ６
を縮小させると、ブーム２は縮小し、さらに切換弁７を
下方位置に切換えて油圧シリンダ５を縮小させると、ブ
ーム２は状倒し、作業台４上の作業員を地上に降ろすこ
とが出来る。

以上説明したように、本発明によれば、高所作業車に装
備したブームの作業制御を車体側とブーム先端に装設し
た作業台上の２箇所から油圧回路の切換弁の操作により
行う構成において、配管系の油漏れあるいは破断事故に
対して直ちに止弁の閉鎖で当該事故配管系を遮断し、爾
後健全な操作部における切換弁操作でブームを安全に作
動させることが出来る構成としたから、高所作業車の安
全性を高め、また特別な自動ロック機構の付設等に比べ
構成も簡素化でき、且つ、安価に提供できる等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置を装備した高所作業車の側面図、
第２図は油圧回路図である。 １・・・・・・車体、２・・・・・・ブーム、３・・・
・・・先ブーム、４・・・・・・作業台、５・・・・・
・油圧シリンダ（起状用）６・・・・・油圧シリンダ（
伸縮用）、７，７″・・・・・・切換弁（起状用入８，
８″・・・・・切換弁（伸縮用）９・・・・油圧源、１
０・・・・油圧ポンプ、１１・・・・・・油タンク、１
２・・・・・操作部（車体側）、１３・・・・・・操作
部（作業台側）、１４・・・・・・止弁、１５・・・・
・・パイロットチェック弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車体上に先端に高所作業台を装設したブームを装備
   し、ブーム関連動作を各所に配設した複数の油圧駆動装
   置により行うようにした高所作業車において、前記複数
   の油圧駆動装置のそれぞれの作動制御をなす複数の切換
   弁を車体側並びに作業台側に設け、車体側切換弁から作
   業台側切換弁への配管途中、及び作業台側切換弁から油
   圧駆動装置への配管途中にそれぞれ止弁を挿設したこと
   を特徴とする高所作業車における安全装置。 ２ 前記作業台側切換弁と油圧駆動装置との配管途中に
   挿設した止弁は少なくともブーム起伏用、もしくは伸縮
   用油圧回路に含まれることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の高所作業車における安全装置。