JPS6054230B2 - エレベ−タの脱レ−ル検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はエレベータのかご室やつり合おもり等の昇降
体がガイドレールから外れたことを検出する脱レール検
出装置の改良に関するものである。

第１図および第２図は従来のエレベータの脱レール検出
装置を示すものであり、図において１は昇降路、２はこ
の昇降路の壁、３は上記昇降路１内に相対向してそれぞ
れ立設された横断面Ｔ字形の鋼材等からなる一対のガイ
ドレールで、上下方向に適宜な間隔で配置された複数個
のブラケット４を介して上記壁２に固着されている。

５はエレベータのつり合おもり、６はこのつり合おもり
の四隅にそれぞれ上記一対のガイドレール３に対向して
配置されたガイドシューで、上記ガイドレール３のＴ字
形の脚部の先端面およびその側面にそれぞれ対面する案
内部を有し、上記ガイドレール３に移動可能に係合案内
されることにより上記つり合おもり５を昇降するもので
ある。

７はかご、２７は上記昇降路１内に相対向してそれぞれ
立設された横断面Ｔ字形の鋼材等からなり、上記かご７
を案内する一対のガイドレール、８は上記かご７とつり
合おもり５を結び巻上装置９のつな車９ａに巻掛けられ
た巻上条体、１０は上記つり合おもり５とかご７との間
に設けられた導電材料からなる支持体で、一端はつり合
おもり５に固着され、他端の先端には導電材料からなる
リング状の接触子１１が固着されており、上記つり合お
もり５の移動とともにこの装置子１１を昇降させるも″
のである。

１２は上記接触子１１の中心に挿通された導電材料から
なる導電線て、昇降路１の頂部と底部において上記壁２
に固着された支持金１３、引張棒１４、ばね１５、ばね
座１６、ナット１７、止め金１８、および上記壁２と電
気的に絶；縁する絶縁体１９よりなる一対の支持装置に
より適度の張力で張設されているとともに、適宜な電圧
が印加されているものである。

この様に構成されたエレベータの脱レール検出装置にあ
つては、地震が発生してつり合おもり５が加振されてガ
イドレール３が曲がりガイドシュー６との係合が外れた
場合、すなわち脱レールした場合には、接触子１１がつ
り合おもり５と同方向に移動して導電線１２に接触する
ので、この接触により検出リレー（図示せず）が動作し
てエレベータの走行を停止させるものである。

そして、一般に脱レールを検出するとエレベータは一旦
非常停止すなわち急停止するものであるが、その後かご
７内の乗客を救出するために自動的に低速で最寄階に着
床させる動作を行なう必要があるものである。この再運
転時にはつり合おもり５が脱レールしているため、かご
７とつり合おもり５の相互位置関係を検出して、かご７
とつり合おもり５が交叉して衝突しないような方向にエ
レベータを運転しなければならないものである。このか
ご７とつり合おもり５の相互位置関係の検出は、従来エ
レベータの制御装置（蘭示せず）に設けられた階床選択
器により行なつているものであるが、このように階床選
択器と脱レール検出装置とを組合せると、リレーの個数
が増え高価となる欠点があつた。さらには既設のエレベ
ータに脱レール検出装置を後付けするには、制御装置を
も改造しなければならず、多額の費用が掛かソー般に普
及しにくいという欠点があつた。この発明は上記欠点に
鑑みてなされたものであ−リ、異常時に昇降体に取り付
けられた接触子と接触する導電線を複層とし外層を長さ
方向で複数に分割された導電体にして、脱レールを検出
してエレベータが停止したときかごとつり合おもりの相
互位置関係が脱レール検出装置そのものによつて；認識
できるようにした安価なエレベータの脱レール検出装置
を提供するものである。

以下にこの発明の一実施例を第３図ないし第５図に基づ
いて説明すると図において２０はワイヤローブ等の金属
条体からなる導電線１２の内層、３２２は極細銅線を編
組した導電体からなる導電線１２の外層で、中央でＡの
間隔をあけて長さ方向に分割された上部導電体２２ａと
下部導電体２２ｂからなる。

２１は上記内層２０と外層２２を電気的に絶縁するポリ
エチレン等からなる絶縁体、４２３ａは上記上部導電体
２２ａと接触子１１の接触により動作する第１検出リレ
ー、２３ｂは上記下部導電体２２ｂと接触子１１の接触
により動作する第２検出リレー、２４はこれら第１検出
リレー２３ａおよび第２検出リレー２３ｂを付勢するた
めの電源、２５は上記第１検出リレー２３ａと第２検出
リレー２３ｂの作動に応じてかご７の運転方向を決める
運転方向選択リレー、２６はこの運転方向選択リレーの
指令によりエレベータの運転を制御する制御装置である
。

すなわち、この様に構成したことにより、導電線１２の
外層２２となる導電体が昇降路１のかこ７とつり合おも
り５が交叉する付近で接触子１１ｊより少し長めの寸法
Ａで上部導電体２２ａと下部導電体２２ｂの二つのゾー
ンに分割され、且つ金属条体２０とは絶縁体２１によつ
て絶縁されているので、接触子１１と導電体２２の接触
は第１及び第２検出リレー２３ａ，２３ｂにより独立し
て・検出することが可能となる。

次にこのものの動作について説明すると、地震が発生し
てつり合おもり５が脱レールし、接触子１１が横方向に
移動して上部導電体２２ａと接触すると一旦エレベータ
の走行を停止させるとともに第１検出リレー２３ａが動
作し、この作動により運転方向選択リレー２５および制
御装置２６が働き、かこ７はつり合おもり５と離れる方
向すなわぢ下降方向に運転が再開されて最寄階に着床し
て乗客を救出するものである。

また、つり合おもりが脱レールした時、接触子１１と下
部導電体２２ｂが接触した場合には、第２検出リレー２
３ｂが動作し、かご７は上昇方向に上記と同様にして運
転が再開されて最寄階に着床して乗客を救出するもので
ある。したがつて、この実施例のものにあつては、かご
７とつり合おもり５の相互位置関係が導電線１２の外層
２２を構成する導電体の分割によつて絶対的に検出され
かごの運転方向が決定されるので制御装置のシーケンス
回路が簡単になり製作費が節減できるものである。

第６図はこの発明の他の実施例を示すものであり、第３
図および第５図に示した実施例のものの導電線１２の外
層２２を構成する導電体を第１〜第４の導電体２２ａ，
２２ｂ，２２ｃ，２２ｄとして４個に分割し、これら４
個の第１〜第４の導電体２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２
ｄそれぞれに対応して、接触子１１との接触を検出する
検出リレーも第１〜第４の検出リレー２３ａ，２３ｂ，
２３ｃ，２３ｄとして４個に分割したものである。

この第６図に示す実施例のものにあつては、導電線１２
の外層２２を構成する導電線を昇降路１の長さ方向に４
個に分割して４つのゾーンに対するかご７とつり合おも
り５の相対位置関係を認識できるようにしたものである
から、一般に高層ビルに設置され、昇降路の途中で停止
個所のないいわゆる急行ゾーンが設けられたエレベータ
にあつて、この急行ゾーンに対応して４つの導電体の一
つを対応させれば、エレベータが急行ゾーンで脱レール
した場合後の運転動作に急行ゾーンで停止していること
の認識ができ、特に有益なものである。

なお、上記実施例では、つり合おもり５がガイドレール
３から脱レールした場合について述べたが、かご７がガ
イドレール２７から脱レールした場合についても適用で
きるものである。

この発明は以上に述べたとおり、昇降路内に相対向して
立設されたガイドレールに両側部を係合案内されて昇降
路内を昇降する昇降体に支持体を介して取付けられ、内
方に空間を有する接触子と、この接触子の内方空間に通
常は遊離配置され、異常時のみ接触するよう昇降路のほ
ぼ全長に渡つて垂直に張設された導電線を備えたエレベ
ータの脱レール検出装置において、導電線を複層とし、
その外層を構成する導電体を長さ方向に複数個分割する
とともに、分割された外層導電体に対応させて異常検出
装置を設けたので分割された導電体のいずれかと接触子
との接触を識別検出することにより、かごとつり合おも
りの相互関係を簡単に認識でき、エレベータの異常停止
後の昇降体の運転制御を支障なく行なえるという効果が
あり、さらに製作費を節減することができるとともに既
設のエレベータにも簡単に取り付けることができるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエレベータのつり合おもりにおける脱レ
ール検出装置を示す縦断面概念図、第２図は第１図の■
−■断面図、第３図はこの発明の一実施例を示す第１図
相当図、第４図は第３図の■部要部拡大図、第５図は第
３図の制御系統図、第６図はこの発明の他の実施例を示
す第３図相当図である。 図において、３，２７はガイドレール、５はつ）り合お
もり、７はかご、１１は接触子、１２は導電線、２０は
内層、２１は絶縁体、２２は外層、２２ａは上部導電体
、２２ｂは下部導電体である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 昇降路内に相対向して立設されたガイドレール、こ
   のガイドレールに両側部を係合案内され昇降路内を昇降
   する昇降体、この昇降体に支持体を介して取付けられ、
   内方に空間を有する接触子、この接触子の上記内方空間
   の内部に配設され、常時は上記内方空間の内壁部と間隙
   を隔てて上記接触子とは非接触状態とされ、異常時は上
   記内壁部に接触子した状態とされるとともに昇降路のほ
   ぼ全長に渡つて垂直に張設され、且つ外層が長さ方向で
   複数に分割された導電体よりなる複層導電線、上記複数
   に分割された導電体に対応して設けられ、上記接触子と
   導電体との接触により動作して異常を検出する検出装置
   、を備えたエレベータの脱レール検出装置。 ２ 複層導電線として、内層を金属全体、内層と外層の
   間の中間層を絶縁体としたことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載のエレベータの脱レール検出装置。