JPS6051607B2 - 加熱炉における燃焼制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は加熱炉における燃焼制御装置に関する。

加熱炉は、鋼材などを熱間圧延に適した温度に加熱する
設備であり、幾つかの燃焼室（この燃焼室は帯と呼ばれ
ている）に分割されている。

この加熱炉には、各帯の燃焼制御が重要であり、帯ごと
に燃焼制御ループが設けられている。この燃焼制御ルー
プは燃焼流量の設定値に基ずいて、燃料流量および空気
流量の制御を行なうものである。一般に加熱炉は、材料
抽出用などの扉を開く際、一時的に多量の空気が加熱炉
内に侵入し、この侵入空気によつて加熱炉内のＯ２（酸
素）濃度が大−−゛一 −１１↓ｐ、 、 を４−９１
、ｎ」±、＾れ３ァ々量の空気が侵入すると、この侵入
空気は余剰空気となり、加熱炉内の温度が一時的に低下
するとともに排ガス量が増加する。この排ガス量の増加
は、排ガスにて持ち出される熱量の増加を意味し、結果
的に燃料消費の増加につながると同時に加熱炉の空燃比
制御動作を乱すことにもなる。これに対処するため従来
では、材料抽出扉の開閉による炉圧外乱に対して侵入空
気を防止するように炉圧を変化させる方式や、空燃比操
作のための００制御ループを一時しや断する方式が採用
されている。しかし、これら何れの方式においても、材
料抽出扉の開閉の際に空燃比をエネルギ原単位最小とす
るように操作することははなはだ困難であつた。

この発明は上記の点に鑑みてなされたもので、加熱炉内
で測定した００値に基づいて加熱炉の各帯の空燃比を自
動的に操作し、これにより余剰燃焼用空気の供給量を減
らしてエネルギ原単位の低減を図るようにした加熱炉に
おける燃焼制御装置を提供することを目的とする。

以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図は、この発明によるる加熱炉の燃焼制御装置を示
すものである。第１図において、１は燃料流量設定器、
２は変化率制限器、３は空燃比制御装置である。上記変
化率制限器２は燃料流量設定値の急激な変化による燃料
制御系の外乱を防止し、０２制御ループの出力によつて
、空燃比操作を有効にするためのもので、上記燃料流量
設定器１は、この変化率制限器２を通して空燃比制御装
置３に燃料流量の設定信号を与えている。また、４は燃
料流量調節計、４■はこの燃料流量調節計４により開閉
制御され、燃料流路Ｐ１を流れる燃料量を調節するバル
ブ、５は空気流量調節計、５■はこの空気流量調節計５
により開閉制御され、空気流路Ｐ２を流れる空気量を調
節するバルブ、６は燃料の実際の量を計測する計測器、
７は空気の実際の量を計測する計測器、８は加熱炉内に
設置され０２濃度を検出する０２濃度検出器、９は材料
抽出用扉（図示せず）が開かれたときの０２量調節計、
１０は上記扉が閉じられているときの０２量調節計、１
１，１２は加算器、１３，１４は定電圧電源、１５は継
電器、１５ａ，１５ｄは継電器１５の常開接点、１５ｂ
，１５ｃは継電器１５の常開接点、１５ｅは継電器１５
の切換接点である。上記継電器１５は材料抽出扉が開か
れたとき出力する扉開信号により励磁されるもので、こ
の継電器１５の動作による各接点のオン、オフは第２図
に示す通りである。

すなわち、継電器１５が励．磁されると、常開接点１５
ａ，１５ｄがオン状態、常閉接点１５ｂ，１５ｃがオフ
状態となるが、上記常閉接点１５ｂは継電器１５が励磁
されてから一定時間Ｔ後にオフするようになつており、
また、上記常開接点１５ｄは、継電器１５の！励磁が解
かれた後、一定時間Ｔ後にオフするようになつている。
また、切換接点１５ｅは扉が開のときは端子Ｓ１側に、
扉が閉のときは端子Ｓ２側に切換わるようになつている
。また、前記した空燃比制御装置３は、前記変化！率制
限器２を介して得られる燃料流量設定器１からの設定信
号の他に、燃料および空気の実際の値を計測する計測器
６，７からの信号、切換接点１５ｅを介して選択的に得
られる０２量調節計９，１０からの信号を受け、これら
の信号に基づいクて、燃料流量と空気流量との比を決定
し、燃料流量および空気流量の調節計４，５にそれぞれ
設定値を与えるものである。

このような構成において、上記０２量調節計９，１０は
、０２濃度検出器８からの同一信号によつて動作するが
、０２量の制御において何れの調節計の出力を使用する
かは、材料抽出用扉の開閉信号によつて決定される。

ここで今、材料抽出用扉が閉じている場合は、切換接点
１５ｅは端子Ｓ２側にあり、０２量調節計１０からの信
号が加算器１２を通つて、空燃比制御装置３に供給され
る。このとき接点１６が開いているので、加算器１２に
は、定電圧電源１４からの電圧は加算されノず０２量調
節計１０の信号がそのまま出力される。空燃比制御装置
３では、燃料流量設定器１、計測器６，７と上記０２量
調節計１０のそれぞれの信号により空燃比を決定して調
節計４，５に設定値を与える。一方、材料抽出用扉が開
かれた場合は、切換接点１５ｅが端子Ｓ１側に切換わる
とともに接点１５ａ，１５ｄが閉、接点１５ｂが開とな
り、さらにＴ時間後に接点１５ｂが閉となる。

したがつて０。量調節計９の出力に定電圧電源１３の電
圧が加算器１１で加算されて出力され、その値が空燃比
制御装置３に供給される。このとき他方の０２量調節計
１０の出力は切換接点１５ｅが切換えられる直前の値に
保持されている。そして、加算器１１の出力が空燃比制
御装置３に供給される。

空燃比制御装置３では燃料流量設定器１、計測器６，７
および上記加算器１１のそれぞれの信号に基ずいて空燃
比を決定して調節計４，５に設定値を与える。しかるの
ち、材料抽出用扉が閉じられると、切換接点１５ｅが端
子Ｓ２側に切換えられるとともに、接点１５ａが開、接
点１５ｂが閉、接点１５ｃが閉となり、また、接点１５
ｄは扉が閉じられた後もＴ時間だけ閉状態を保持してい
る。したがつて、このＴ時間の間は０２量調節計１０の
出力に定電圧電源１４からの一定電圧が加算され、この
加算された値が空燃比制御装置３に供給されてこれに基
ずいて空燃比制御が行なわれる。なお、上記した定電圧
電源１３，１４による一定時間の加算は、切換接点１５
ｅの切換えによつて選択された直後の０２量調節計の出
力に一定のバイアスを与えるものであり、このバイアス
の符号および量は、材料抽出扉が開→閉、閉→開の際の
０２量の実際の値の変化の特性に合わせて、これを補償
するように決定される。また、０２量調節計９，１０の
比例・積分ゲイン等の調整は、それぞれ材料抽出用扉の
開時および閉時に最適となるように行なうもので、たと
えは開時および閉時において、それぞれ比例および積分
ゲインを中心とした制御方式としている。以上のような
制御により加熱炉内の０２濃度の変化（材料抽出用扉の
開時）は第３図のように小さく抑えることができる。第
３図においてΔｔは扉が開いている時間であり、実線で
示す変動は上記実施例の制御による０２濃度の変動を示
し、破線で示す変動は上記実施例を採用しない場合の０
２濃度の変動を示している。同図からも明らかなように
、この発明によれば扉開時における０２量の変動を大幅
に抑え０２濃度をほぼ一定に保つことができ、これによ
つて、エネルギ原単位を最小とするように空燃比を制御
することが可能となる。以上説明したように、この発明
によれば加熱炉内で測定した０２濃度に基ずいて、炉の
各帯の空燃比を自動的に操作することによつて、余剰燃
焼用空気の供給量を減少し、エネルギ原単位の低減を計
るための燃焼制御において、同一の０２濃度測定値によ
つて２つのモードで動作する０２量調節計を設置し、こ
れら０２量調節計を材料抽出扉等の開時および閉時用に
切換えて使用するとともに、上記材料抽出扉などの開閉
の直後の一定時間に、上記０２量調節計の出力に一定の
バイアスを与え、この値に基ずいて空燃比制御するよう
にしたので、適正な空燃比制御が可能となり、エネルギ
原単位の低減を図れる加熱炉における燃焼制御装置を提
供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の構成を示す図、第２図ａ
−ｈは同実施例における継電器およびその接点に関する
動作を示すタイミング図、第３図は同実施例による０２
濃度の変動を示す図である。 １・・・・・・燃料流量設定器、３・・・・・・空燃比
制御装置、４・・・・・・燃料流量調節計、５・・・・
・・空気流量調節計、８・・・・・・０２濃度検出器、
９，１０・・・・・・０２量調節計、１１，１２・・・
・・・加算器、１３，１４・・・・・・定・電圧電源。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱炉内の酸素濃度を検出する検出器と、この検出
   器からの信号が共通に与えられ、上記加熱炉の扉の開時
   および閉時に応じて選択的に作動するそれぞれの酸素量
   調節計と、上記選択された酸素量調節計の出力に一定電
   圧を加算する加算器と、燃料流量設定信号、燃料流量実
   測値信号、空気流量実測値信号および上記加算器出力を
   受け、これらの信号に基ずいて燃料流量と空気流量との
   比を設定する空燃比制御装置を具備したことを特徴とす
   る加熱炉における燃焼制御装置。