JPS605119Y2 - スチ−ルセグメント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スチールセグメントに関する。

シールド工法に使用される１つの鋼製リングＡは、複数
個のセグメントＢを環状に結合することによって得られ
、また隊道の覆工部は多数の鋼製リングＡを軸線方向に
連結することによって得られる。

一般に、上記セグメントＢは、相対する１対の平鋼板１
よび相対するｌ対の弧状平鋼板２から威る枠と、この枠
によって囲まれた外面全域に配置された弧状の薄鋼板３
と、上記相対する平鋼板２間に配置されかつ丙子鋼板お
よび薄鋼板３の各内面に溶接された複数の補強骨材４と
を含み、隣接するセグメントはその平鋼板１，２のセグ
メント結合部位に設けられたボルト孔５，６に挿入され
るボルト１３とナツトにより結合される。

このセグメントの構成およびセグメントの結合自体は、
周知である。

このセグメントの結合にあたっては、通常、地下水の浸
入を防止するために平鋼板１問および弧状平鋼板２間に
シール材７を介在させる。

シール材７によるシール効果を高めるために、従来、平
鋼板１，２の外側面に直線状の溝を機械加工し、この溝
に、シール材の一部又は全部を嵌合させていたが、平鋼
板１及び弧状平鋼板２に加工された直線状の溝に起因し
て次のような問題があった。

セグメント間に介在するシール材に外力（すなわち水圧
）が作用するとき、この外力は溝の法線方向に作用し、
シール材を負荷面である溝壁面に押圧する。

溝が直線形状である場合、外力はその全部が溝壁面に直
角をなす力として作用するから、シール材の溝方向（溝
の長手方向）への変形や動きを拘束する力（外力の分力
）がシール材に作用することはない。

ところで、上記外力はシール材に分布荷重として作用す
るが、たとえば不測の集中荷重が作用するとき、シール
材は押し出されて溝からはみ出し、その結果、シール材
によるシール効果は破られるが、セグメント間のいずれ
の箇所かでシール材が溝からはみ出すと、上記のように
シール材には溝方向への変形や動きを阻止する力が作用
していないので、シール材の溝外へのはみ出しは容易に
伝ばし、シール効果は全面的に破られる結果となる。

このように、直線形状溝においては、その法線方向に作
用する外力の全てが溝壁面直角に作用すること、すなわ
ち、シール材には溝方向への変形や動きを阻止する力が
作用しないことから、シール材の溝からのはみ出しを生
じ易いこと及び局部的に発生したはみ出しすら容易に溝
に沿って伝ばし、これが溝の全体に及んでシール効果が
全面的に破られるという欠点を有し、結局、信頼性の高
いシール効果の維持を期待することができないという問
題がある。

本考案は、従来の直線状溝の上記の欠点を除去すべく、
溝を正弦曲線形状とすることにより、シール効果の一層
の維持を図ることにある。

本考案に係るスチールセグメントは、これを構成する相
対する１対の平鋼板及び相対する１対の弧状平鋼板の各
外側面にあって、これらの平鋼板が構成する枠にこの枠
に取り付けられた弧状の薄鋼板に近い位置に上記平鋼板
及び弧状平鋼板の全長にわたる正弦曲線形状溝を設けた
ことを特徴とする。

本考案が特徴とするところは、図示の実施例についての
以下の説明により、さらに明らかとなろつＯ 本考案に係るセグメントＢは、前記リングを構成するた
めに突き合わされる平鋼板１及び前記リングを軸線方向
に結合するために突き合わされる弧状平鋼板２の各外側
面にその全長にわたって設けられ、薄鋼板３に近い位置
、すなわち、ボルト孔５，６の外側に位置する正弦曲線
形状の溝８゜９を備える。

この正弦曲線形状の溝８，９は、第５図に示すように、
外周面が平滑な成型ロール１０と、外周面に斜めに伸び
る突条１１を有するロール１２とを所要の間隙、即ち圧
延成形する鋼条帯の厚みに相当する設定間隙を置いて配
置し、この両ロール１０．１２間に熱間で鋼材を通過さ
せ、ロール１２の突条１１によって形成する。

本考案によれば、平鋼板１及び弧状平鋼板２の結合部位
であるボルト孔位置より外側すなわち薄鋼板３に近い位
置に正弦曲線形状の溝を形成したので、従来のように直
線状に形成した溝に比べて、次のように有利である。

正弦曲線形状溝においても、セグメント間に介在するシ
ール材に外力が作用するとき、この外力は溝の法線方向
に分布して作用するが、この外力は、溝が曲線形状であ
ることに起因して、シール材を溝壁面に押しつけるよう
に該壁面に作用する２つの分力、すなわち、縦縦力向分
力及び該縦方向分力と直角の方向に作用する横力向戊分
に分かたれる。

正弦曲線形状溝は、いわば上に凸と下に凹の曲線を連ね
てなるものであるから、この曲線のたとえば上に凸の部
分についてみれば、上向きの一半での横方向分力と下向
きの一半での横方向分力とは交錯する方向ないしは逆方
向に作用することとなる。

これらの横方向分力は上記縦方向分力と共にシール材を
溝壁面に押しつける力として作用するばかりでなく、シ
ール材の溝方向（溝に沿う方向）への変形や動きを阻止
する力として作用する。

従で、シール材に、たとえば不測の集中荷重が作用して
、シール材を溝からはみ出させようとするとき、上記の
ようにシール材には溝方向への変形や動きを阻止する横
方向分力が作用するので、シール材の溝外へのはみ出し
は極めて生じ難く、シール効果を安定的に維持すること
ができ、仮に、上記はみ出しが生じも伝ばはしないので
、局部的な漏水を生ずるに過ぎず、これが全体に及ぶこ
とはない。

このことから、本考案によれば、正弦曲線形状溝を設け
たことによって、シール材に信頼性の高い防水効果の一
層の維持を期待することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はセグメントの斜視図、第２図は平鋼板の正面図
、第３図はセグメント連結部の部分断面図、第４図は鋼
製リングの斜視図、第５図は平鋼板を成形するロール部
の正面図である。 Ａ：鋼製リング、Ｂ：セグメント、１：平鋼板、２：弧
状平鋼板、３：薄鋼板、４：補強骨材、５，６：ボルト
孔、７：シール材、８，９：正弦曲線形状の溝。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）相対する１対の平鋼板及び相対するｌ対の弧状平
   鋼板からなる枠と、この枠に取り付けられた弧状の薄鋼
   板とを含むシールド工法用セグメントであって、上記平
   鋼板及び弧状平鋼板の外側面の前記薄鋼板に近い位置に
   正弦曲線形状の溝を設けたことを特徴とする、スチール
   セグメント。
2. （２）上記溝は、上記平鋼板及び弧状平鋼板の全長にわ
   たって設けられている、実用新案登録請求範囲第（１）
   項に記載のスチールセグメント。