JP2002122000A - トンネルライナーの構造とその製作方法 - Google Patents

トンネルライナーの構造とその製作方法

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JP2002122000A
JP2002122000A JP2000312216A JP2000312216A JP2002122000A JP 2002122000 A JP2002122000 A JP 2002122000A JP 2000312216 A JP2000312216 A JP 2000312216A JP 2000312216 A JP2000312216 A JP 2000312216A JP 2002122000 A JP2002122000 A JP 2002122000A
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Kenichiro Imafuku
健一郎 今福
Noriyuki Hirozawa
規行 広沢
Masato Miyake
正人 三宅
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネルライナーの曲げ性能等の構造的強度
の向上,製造コスト,組立コストの低減,組立作業の急
速化、品質管理や寸法精度の確保の容易化を図る。 【解決手段】 円形,矩形,馬蹄形等の任意断面のトン
ネル坑壁7に沿って配設され、坑壁を支持するトンネル
覆工に用いるライナー8において、トンネル軸に垂直な
2面の側板13および地山側あるいは内空側の少なくと
も1面の面板15が平面の鋼板で構成されたトンネルラ
イナーの鋼殻12を用いて、トンネル坑壁面に概ね平行
な平板状の弦要素で構成され、トンネル周方向に隣り合
う前記弦要素は、トンネル軸に垂直な断面でトンネル坑
壁に沿って直線又は屈折して形成されていることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、山岳トンネル工法
およびTBM工法あるいはシールド工法等を用いる各種
トンネルの覆工に利用されるトンネルライナーで、この
トンネルライナーは、鋼殻からなり、この鋼殻へコンク
リートを充填又は非充填としてなる冷間成形鋼板を用い
たトンネルライナーの構造とその製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】山岳トンネル工法やTBM工法やシール
ド工法における覆工用のセグメントあるいはライナー
を、ここではライナーと称す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、前記複数のライ
ナーからなる通常の円環状あるいは馬蹄形状のトンネル
覆工形状は、トンネル坑壁に沿って曲面で形成されてい
る。
【0004】(A)円環状あるいは馬蹄形状のトンネル
覆工形状の場合。 トンネル覆工形状が曲面であれば、これがトンネル坑壁
の曲面と良くなじむという利点がある反面、このような
曲面形状のトンネル覆工は、多角形状のトンネル覆工に
比べて製作上著るしく不利であり、多角形状のトンネル
覆工でも、トンネル坑壁の曲面となじむような多角形
(例えば20角形程度で問題がない)であれば、従来の
トンネル坑壁に沿って曲面で構成されるトンネル覆工に
比べ製作上著るしく有利であり、低コストで製作でき
る。
【0005】しかし、従来のトンネル覆工形状は、次の
理由で多角形状にできなかった。 弦要素(複数部材から構成するトンネル覆工の当該
部材の1単位をこのように呼ぶ)をライナー1ピースと
してトンネル覆工を構築する場合、隣の覆工リングと概
ね半ピースずらして千鳥配置しようとすると、多角形状
トンネル覆工では、隣りのリング同士の辺が一致せず、
トンネル軸方向のジャッキ推力の伝達に支障を来す。ま
た、半ピースずらして千鳥配置しようとした場合、添接
効果を発揮するためには、1辺の長さがある程度必要で
あり、多角形の辺の数が減り、次に述べる二次的付加断
面力が大きくなり、不経済になる。 各弦要素のトンネル軸直角方向の力学挙動に着目す
ると、面外等分布荷重を受ける両端固定あるいはヒンジ
の直線梁としての曲げモーメントおよびせん断力の二次
的断面力が発生し、トンネル横断面としての断面力に加
わる。そのために、部材断面が大きくなり、不経済にな
る。 シールドトンネルの場合、シールドマシンの鉄皮内
面とセグメント外面との離間距離が変化するために、テ
ールシール部におけるテールブラシとセグメント外面と
の密着が困難となり、シール性を確保できない。 山岳トンネルの場合、ライナーのエキスパンション
でライナーを地山に押し付ける際に、面で地山を拘束す
る効果が大幅に減ずる。
【0006】(B)SCセグメント(鋼・コンクリート
合成構造のライナー構造)の場合。 図33に示すように、この合成ライナー1においては、
2面の側板2と1面の地山側の面板3とが、同じ板厚
で、トンネルの曲率でもって一体に冷間プレス成形さ
れ、それぞれの側板2にはライナー(セグメント1同士
をトンネル軸方向に連結するために、ボルト締結用の治
具あるいは、チャックピン治具が装着され、2面の継手
板4は一体成形された側板2と地山側面板3の周方向両
端部に固着されており、それら継手板4には、ボルト締
結用の治具が装着されている。面板3と側板2の内側に
は所定の間隔でずれ止め用のジベル鋼材が溶接されてい
て、鋼殻内にボルトボックス5を形成できるようにコン
クリート6を充填して構成される。この構成では、次の
〜の問題がある。 前記構成では、1枚の鋼板から2面の側板と1面の
地山側の面板とをトンネル曲率をもって一体に冷間プレ
ス成形するためには、面板を均一にのばさなければなら
ず、そのためには、周囲の拘束下でのプレスが必要であ
り、高度な技術と特別な装置が必要となる。 また、内空側に面板がある場合、面板を均一に縮め
なければならず、実現が困難である。 前記,のため、冷間ロール成形は極めて困難で
ある。 内空側には、概ね地山側の面板相当の引張強度を有
する鉄筋が必要である。 さらに、前記のため、コンクリートを中詰めしな
いと、トンネル周方向の曲げに対して抵抗できない。 曲率を有するために、トンネル周方向の側板に深い
凹凸を付形することは困難である。 コンクリートとの一体化のために、特殊なジベル鋼
材を溶接しており、製造コストアップとなる。
【0007】(C)特公平3−59300(合成セグメ
ント)の場合。 これは、トンネルの内空側と地山側とに両端を折曲加工
した両面突起付き鋼板を対向して設け、内側にジベルを
設けてコンクリートを打設してなる合成セグメントであ
るが、次の問題がある。 鋼板とコンクリートとの一体性を確保するために、
突起付き鋼板を利用し、かつジベルを設けているが、そ
のために加工コストアップとなる。 突起付き鋼板と周方向側板とを溶接により接合する
場合、側板の上に突起付き鋼板を載せるときには、接合
部の突起を削る必要があり、また突起付き鋼板を側板で
挟むときには、突起付き鋼板の高い切断精度が要求され
る。いずれにしても、製作費のコストアップにつなが
る。
【0008】(D)特公平7−252994(コンクリ
ート中詰め鋼製セグメント)の場合。 これは、コンクリート中詰め鋼製セグメントの継手板あ
るいは主桁板にトンネル半径方向に噛み合う凹凸形状を
成形し、ボルトで締結したせん断耐力の高い継手構造で
あるが、次の問題がある。 鋼板に前記凹凸形状を成形するためには、熱間での
圧延あるいは鍛造プロセスが必要で、製造コストが比較
的高い。 前記製造プロセスの制約および鋼板厚さの制約によ
り凹凸の噛み合いが残いので、ボルト締め付けとの組み
合わせが不可欠である。 地山側面板と継手板、主桁板との接合部の溶接には
強度のみならず、止水性が要求され、品質管理が大変で
あり、また、溶接ひずみにより寸法精度確保が困難であ
る。
【0009】本発明は、前記の諸問題を解決した冷間成
形鋼板を用いたトンネルライナーの構造とその製作方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め本発明は次のように構成する。請求項1の発明は、円
形,矩形,馬蹄形等の任意断面形状のトンネル坑壁に沿
って配設され、坑壁を支持するトンネル覆工に用いるラ
イナーにおいて、トンネル軸に垂直な2面の側板および
地山側あるいは内空側の少なくとも1面が平面の鋼板で
構成されたトンネルライナーの鋼殻を用いて、トンネル
坑壁面に概ね平行な平板状の弦要素で構成され、トンネ
ル周方向に隣り合う前記弦要素は、トンネル軸に垂直な
断面でトンネル坑壁に沿って直線又は屈折して形成され
ていることを特徴とする。請求項2の発明は、円形,矩
形,馬蹄形等の任意断面形状のトンネル坑壁に沿って配
設され、坑壁を支持するトンネル覆工に用いるライナー
において、前記トンネルライナーは、トンネル坑壁面に
概ね平行な平板形状の弦要素により構成され、トンネル
周方向に隣り合う前記弦要素はトンネル軸に垂直な断面
でトンネル坑壁に沿って形成された直線又は屈折弦材ト
ンネルライナーであり、前記弦要素は、トンネル軸に垂
直な2面の側板およびトンネル軸に沿った2面の側板
と、地山側あるいは内空側のいずれか1面、あるいは両
面の面板とで鋼殻を構成し、前記トンネル軸に沿った2
面の側板は概ねトンネル坑壁面の法線方向に沿って形成
され、前記4面の側板と前記1面あるいは2面の面板は
互いに接触する辺が固着して構成されたことを特徴とす
る。請求項3の発明は、請求項2の鋼殻における地山側
と内空側の両面に面板を設けて鋼殻を構成するのに代え
て、地山側あるいは内空側のいずれか1面の面と請求項
2記載のトンネル軸に垂直な2面の側板および、トンネ
ル軸に沿った2面の側板とで鋼殻を構成し、前記トンネ
ル軸に沿った2面の側板は概ねトンネル坑壁面の法線方
向に沿って形成され、前記トンネル軸に垂直な2面の側
板の面板の無い側がライナー厚さの位置で、面板と平行
に延ばされ、あるいは、複数回同じ方向に折曲げ加工あ
るいは渦巻き状に曲げ加工されてコンパクトに畳まれて
おり、前記4面の側板と前記1面の面板は互いに接触す
る辺が固着されていることを特徴とする。請求項4の発
明は、円形あるいは矩形,馬蹄形等の任意断面形状のト
ンネル坑壁に沿って配設され、坑壁を支持するトンネル
覆工に用いるライナーにおいて、前記トンネル覆工は、
トンネル坑壁面に概ね平行な平板形状の弦要素より構成
され、トンネル周方向に隣り合う前記弦要素はトンネル
軸に垂直な断面でトンネル坑壁に沿って屈折された形状
になっている、屈折弦材トンネル覆工であり、1本のラ
イナーは複数の前記弦要素より構成され、トンネル軸に
垂直な2列の複数面の側板と、地山側あるいは内空側の
いずれか複数面、あるいは、両面のそれぞれ複数の面板
と、前記トンネル軸に垂直な側板および前記地山側ある
いは内空側の面板のトンネル周方向端部に配設されたト
ンネル軸に沿った2面の側板とで鋼殻を構成し、このト
ンネル軸に沿った2面の側板は概ねトンネル坑壁面の法
線方向に沿って形成され、前記トンネル軸に垂直な2列
複数面の側板と、前記トンネル軸に沿った2面の側板
と、前記複数面の面板は互いに接触する辺が固着されて
いることを特徴とする。請求項5の発明は、前記平板状
の弦要素は、複数の面板がフラット又は角形に形成さ
れ、トンネル軸に垂直な2面の側板が前記角形形成の角
部においてコーナ部補強構造により連結されていること
を特徴とする。請求項6の発明は、前記各請求項に記載
の鋼殻のトンネル軸方向に垂直な2列の側板部分におい
て、トンネル軸方向に沿って相対する側板間において互
いに噛み合い、トンネル坑壁面の法線方向のズレを防ぐ
凸状部あるいは凹状部が、それぞれの側板の長手方向と
平行に曲げ形成されていることを特徴とする。請求項7
の発明は、トンネル軸方向に垂直な2列の側板の面板の
無い側が、ライナー厚さの位置で面板と平行に所要の長
さ鋼殻内方に折り曲げ加工され、コンクリート面に平行
に延ばされることで請求項4記載の噛み合いの凹凸を兼
ねていることを特徴とする。請求項8の発明は、前記鋼
殻の面板が内空側のみで構成されている鋼殻において、
当該鋼殻に充填した地山側のコンクリート表面がトンネ
ル坑壁面形状に沿うように形成されていることを特徴と
する。請求項9の発明は、地山側あるいは内空側のいず
れかの面板、あるいは両方の面板に、冷間成形により所
要の大きさ,所要のピッチで鋼殻内側方向に突出する凸
部を設けたことを特徴とする。請求項10の発明は、弦
要素間の屈折部において、平形状あるいは山形状あるい
はT型形状をした鋼板をトンネル坑壁面の法線方向と概
ね平行になるように面板屈折部および、トンネル軸方向
に垂直な側板に固着して補強する構造を特徴とする。請
求項11の発明は、弦要素間の屈折部において、トンネ
ル周方向の主筋を貫通させる孔を開けた鋼板をトンネル
坑壁面の法線方向と概ね平行になるよう面板屈折部に固
着して、周方向主筋を貫通させ補強する構造の請求項5
に記載の弦要素間の屈折部において、トンネル周方向の
主筋を貫通させる孔を開けた鋼板をトンネル坑壁面の法
線方向と平行になるように面板屈折部に固着して、周方
向主筋を貫通させて補強する構造を特徴とする。請求項
12の発明は、前記の鋼殻が、トンネル軸に垂直な2面
の側板またはトンネル軸に沿った2面の側板あるいは前
記両方の複数面の側板と、地山側あるいは内空側のいず
れかの面板が、1枚の鋼板を用いて所要の形状に切断さ
れ、面板と側板とのそれぞれの辺が冷間で折り曲げ加工
されて一体成形され、前記の複数面の側板間の接続する
端部がある場合は、その端部が固着されて一体に成形さ
れ、必要に応じてその端部に残りの側板が、または残り
の面板が、あるいは残りの側板および内空側の面板が固
着されていることを特徴とする。請求項13の発明は、
トンネル軸に垂直な2列の側板と、地山側あるいは内空
側のいずれかの面板が、1枚の片面突起付き鋼板を、そ
の突起が、鋼殻内側方向に突出し、かつトンネル周方向
(トンネル軸に垂直な方向)のずれ止めとなる方向に用
いて所要の形状に切断され、面板と側板との境界の辺が
冷間で折り曲げ加工されて一体成形されていることを特
徴とする。請求項14の発明は、前記鋼殻にコンクリー
トが充填されていないトンネルライナーの構造を特徴と
する。請求項15の発明は、前記鋼殻にコンクリートが
充填されているトンネルライナーの構造を特徴とする。
請求項16の発明は、トンネル軸に垂直な2列の側板あ
るいはトンネル軸に沿った2面の側板、あるいは前記両
方の複数面の側板と、地山側あるいは内空側のいずれか
の面板とを1枚の鋼板を用いて所要形状に切断した後
に、当該切り板から、それぞれの辺あるいは前記辺かつ
側板折り曲げ部を冷間成型法で所要の角度に折り曲げ加
工して一体に成形し、更に前記の側板間の接続する端部
がある場合は、その端部を固着し、必要に応じてその鋼
殻端部に残りの側板を、あるいは残りの面板を、あるい
は残りの側板および面板を固着して、鋼殻を構成するこ
とを特徴とする。請求項17の発明は、請求項5に記載
の鋼殻の製作において、1枚の鋼板を用いて所要形状に
切断してなる切り板から、隣接する面板間の1本の辺に
対応する位置に所要の角度を有する屈折部形状を有し、
かつトンネル軸に垂直な側板と面板との平行な2本の辺
に対応する位置に直角折曲げ部形状を有するプレス用金
型を用いて、それぞれの辺の折曲げ部を同時に冷間プレ
ス成型法で形成し、当該冷間プレス一体成形の加工工程
を弦要素毎に繰り返すことを特徴とする。請求項18の
発明は、前記の鋼殻の製作において、前記金型が、隣接
する面板間の辺に対応する位置に、所要の角度を有する
屈折部形状を有し、かつトンネル軸に垂直な側板と面板
との辺に対応する位置に直角折曲げ部形状を有し、かつ
請求項10に記載の面板の凸部に対応する位置に凹凸の
付形されたプレス面を有しており、当該金型を用いて、
それぞれの辺の折り曲げ部の鋼殻内側方向に突出する凸
部を同時に冷間プレス成形法で一体に形成することを特
徴とする。請求項19の発明は、トンネル軸に垂直な2
列の側板と、地山側あるいは内空側のいずれかの面板で
構成される一体化した鋼殻部分の製作において、所要の
幅を有するコイル状に巻かれた熱間圧延鋼板(ホットコ
イル)を用いて、前記2列の側板と前記面板との境界の
平行な二辺、あるいは前記の二辺でかつ側板折り曲げ部
のライナー複数体分を冷間ロール成形法で連続して一体
に成型し、その後でトンネル軸に沿った2面の側板と固
着させる2面の端面を所要の角度を有する平面で切断し
て、1つあるいは複数の弦要素よりなるライナー1体分
を切り出し、複数の弦要素よりなる場合は、前記の複数
面の側板の接続する端部を所要形状で切断し、その後に
隣り合う面板間の辺を所要の角度になるよう冷間で折り
曲げ加工し、前記の複数面の側板間の接続する端部を固
着して一体に成形し、その端面にトンネル軸に沿った2
面の側板を固着し、場合により、残りの1面の面板も固
着して、鋼殻を作成することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図を参
照して説明する。また、各図で同等要素には同一符号を
付して説明する。図1〜図3は本発明のライナーが実施
された3種のトンネル断面形状を示し、図1は断面が円
形(環状)に掘削されたトンネル坑壁7に沿ってライナ
ー8が配設された例、図2は断面が馬蹄形状に掘削され
たトンネル坑壁7に沿ってライナー8が配設された例、
図3は断面が矩形状に掘削されたトンネル坑壁7に沿っ
てライナー8が配設された例が示されている。なお、前
記各図において、ライナー8と地山10との間に裏込め
材11が充填されている。
【0012】図4〜図6は本発明の請求項1に対応する
実施形態の図である。図4はオープンサンドイッチ合成
構造のライナー8を示す破断斜視図で、この例では、ラ
イナー8は弦要素である鋼殻12が、トンネル軸に垂直
な2面の側板13および、トンネル軸に沿った2面の側
板14と、地山側あるいは内空側のいずれか1面のフラ
ットな面板15とで構成されている。
【0013】前記トンネル軸に沿った2面の側板14
は、概ねトンネル坑壁面の法線方法に沿って形成され、
これを含む4面、つまり、側板13,14と前記1面
(あるいは後述する2面)の面板15は、互いに接触す
る辺が固着(部分的に一体化)されている。
【0014】さらに図4では、鋼殻12のトンネル内空
側で、所定のコンクリートかぶりが確保できる位置に、
トンネル周方向とトンネル軸方向に鉄筋22が所定の間
隔で配置され、かつ鋼殻12内に中詰めコンクリート1
6が打設されている。トンネル軸に垂直な2面の側板1
3とトンネル軸に沿う2面の側板14には、ライナーリ
ング間及び、ライナー間を連結する雄ねじのある連結軸
17とその連結軸17が嵌合する嵌合孔18が設けられ
ている。各側板14,15の内側で、嵌合孔18と合致
する位置にはボルトボックス19が設けられ、その内部
にコンクリート16が流入しないようにして中詰めコン
クリート16が打設される。なお、鋼殻12内にコンク
リート16を中詰めしない場合もある。
【0015】図5に示すライナー8は、トンネル軸に沿
う2面の側板14が薄鋼板で形成され、かつトンネル半
径方向のずれを防ぐ凸状部20と凹状部21が冷間プレ
ス加工で曲げ形成され、トンネル周方向に隣接するライ
ナーの各側板14の凸状部20と凹状部21が互いにト
ンネル半径方向に噛み合う形状にされている。
【0016】前記図4,図5の各ライナー8はいずれも
オープンサンドイッチ構造であり、中詰めコンクリート
16と鋼殻12との結合をさらに強固にするため、図6
(A)〜(D)に示す構成とするのがよい。図6(A)
では面板15の内面には図に示すように補強筋23が溶
接され、この補強筋23の先端を鉄筋(主筋)22に連
結するよう曲げ加工し、または、同図(B)に示すよう
に面板15の内面にジベル筋25を溶接するなどして、
中詰めコンクリート16が鋼殻12とより強固に一体化
するように構成している。
【0017】図6(A),(B)の例ではライナー8は
オープンサンドイッチ構造であるが、図6(C),
(D)に示すように地山側と内空側の2面に面板15を
設けたボックスサンドイッチ構造とすることもある。
【0018】図6(C)に示すサンドイッチ構造のライ
ナー8においては、鋼殻12内において、内外2面の面
板15の間を連結プレート24で溶接により連結するこ
とで補強し、かつ内詰めコンクリート16とのより強固
な一体化を図っている。図6(D)に示すサンドイッチ
構造のライナー8にあっては、同図(C)の連結プレー
ト24に加えて、各面板15の内面にジベル筋25を溶
接して、中詰めコンクリート16とのさらなる一体化を
図っている。
【0019】図7〜図10は本発明の請求項3に対応す
る実施形態の図である。図7,図8に示す例では、トン
ネル軸に垂直な2面の側板13において、面板15のな
い側がライナー厚さの位置で、折曲げ部(フランジ)2
6として中詰めコンクリート16の面に沿って所要の長
さ鋼殻12内方に折り曲げ加工され、コンクリート面に
平行に延ばされていて、この折曲げ部26によって鋼殻
12の強度向上が図られ、かつ中詰めコンクリート16
と鋼殻12との強固一体化が図られている。
【0020】図9のライナー8では、図7,図8の折曲
げ部26に代えて側板13における面板15のない側
が、ライナー厚さの位置で複数回同じ方向に折り曲げ加
工あるいは渦巻き状に曲げ加工されていて、この巻き込
み部27によってコンクリート打設時の充填を良くし、
かつコンクリート16と鋼殻12との強固一体化が図ら
れている。
【0021】図10(A)〜(D)は鋼殻12自体の補
強と、中詰めコンクリート16との強固一体化を図った
鋼殻12の構造が断面で示されている。図10(A)の
鋼殻12はコンクリートが中詰めされていない点を除い
て、図7,図8のライナー8と同じである。
【0022】図10(B)のライナー8は、面板15の
内面中間部に側板13と同じ断面構造、つまり起立部2
8の先端に折曲げ部26を有するL形の補強枠30を溶
接している。図10(C)のライナー8は、面板15の
内面中間部寄りの部位に、側板13と平行に、かつ側板
13と同じ断面構造、つまり起立部28の先端に巻き込
み部27を有する2つの補強枠29を溶接している。図
10(D)のライナー鋼殻12は、同図(B)の鋼殻1
2における断面L字形の中間補強枠30に代えて、CT
形鋼又は不等辺山形鋼等、断面がT字形の補強枠31が
溶接された例が示されている。
【0023】図10(A),(D)に示す各ライナー8
は、コンクリート16を中詰めしなくとも、強度が向上
された鋼殻となり、コンクリート16を中詰めしたとき
は、コンクリート16と鋼殻12との強固一体化が確実
となる。
【0024】図11は請求項4に対応する実施形態のラ
イナー8を示す。このライナー8は側面多角形であり、
複数の単一面板15が折曲げ線33を介して接続されて
なる複数面板34が地山側あるいは内空側のいずれか
(図示例は地山側)に設けられる。また、各単一面板1
5に対応して設けられたトンネル軸と垂直な2面の単一
側板13が設けられ、隣合うこの各単一側板13は互い
に切離線36をして所定角度で接続していて。全体で複
数側板37が構成され、複数面板34のトンネル周方向
両端部に、トンネル軸に沿った2面の側板14を配置し
て構成された多角形の鋼殻12が示されている。
【0025】この鋼殻12においても内部にたて,よこ
に鉄筋22が配筋され、中詰めコンクリート16が充填
されている。また、トンネル軸と垂直な2面の側板13
には、ライナーリング間を連結する連結軸17とその嵌
合孔18が設けられ、トンネル軸と平行な2面の側板1
4には、互いに嵌合し合ってライナー8のトンネル半径
方向のずれを防ぐ凸状部20と凹状部21が形成されて
いる。
【0026】図12,図13(A)は、さらに請求項6
に対応する実施形態を示し、図13(B),(C)はそ
の変形例を示し、図12(D)は、図は請求項7に対応
する実施形態を示す。図12,図13(A)に示す多角
形のライナー8は、複数面板34がトンネルの地山側と
内空側に設けられたサンドイッチ合成ライナー構造であ
り、かつトンネル軸と垂直な2面の単一側板13に、互
いに嵌合し合ってライナー8のトンネル半径方向のずれ
を防ぐ凸状部40と凹状部41が形成されている。これ
らの構成が図11のライナー8と相違し、他の構成は図
11の合成構造ライナー8と同じである。
【0027】図13(B),(C)は、トンネル軸と垂
直な2面の側板13に設ける凸状部40と凹状部41の
断面形状が同(A)のライナー8と相違している。つま
り、図13(A)の凸状部40と凹状部41は断面山形
であるのに対し、同図(B),(C)の凸状部40と凹
状部41はそれぞれ断面V字形状と断面半円形状に構成
されている。また、図13(D)のライナー8では、ト
ンネル軸方向と垂直の2面の側板13において、両サイ
ドで凸部38と凹部39がトンネルの半径方向にみて内
外逆の関係になるよう設けることで、互いに嵌り合う凸
状部40と凹状部41が設けられ、面板15の無い側で
かつ凸部39側が、ライナー厚さの位置でコンクリート
面に沿って所要の長さ鋼殻内方に折曲げ加工79される
と共に、凹部3側の側板13が鋼殻外方側に、かつコン
クリート面と平行に伸びて係合部80とされ、噛み合い
凹凸を兼ねた例が示されている。
【0028】図14と図15に示すライナー8は請求項
8に対応する実施形態である。図14に示すライナー8
は、図5に示すライナー8の鋼殻12と同じ構造である
が、この鋼殻12に充填する中詰めコンクリート16の
充填形状が図5のそれと相違している。つまり、図14
のライナー8では、鋼殻12の面板15が内空側に構成
されており、鋼殻12内に当該鋼殻12から盛上るよう
に充填された中詰めコンクリート16の地山側のコンク
リート表面35が、トンネル坑壁面形状に沿うよう曲面
形状に形成されている。
【0029】図15に示すライナー8の鋼殻12は、あ
たかも図14に示すライナー8の鋼殻12を、トンネル
周方向に一体的に連ねた多角形のライナー8であり、こ
の多角形のライナー8においても、鋼殻12内に、当該
鋼殻12から盛上るように充填された中詰めコンクリー
ト16の地山側のコンクリート表面35がトンネル坑壁
面形状に沿うように曲面形状に構成されている。
【0030】図16に示す多角形のライナー8の鋼殻1
2は、請求項9,10に対応する実施形態として示して
おり、当該ライナー8の地山側または内空側のいずれか
に位置する面板15(図示例は地山側)あるいは、両方
の面板(地山側は省略する)に、冷間成形により所要の
大きさ、所要のピッチで鋼殻内側方向に突出する凸部4
2を設け、それにより面板15の強度を向上し、かつコ
ンクリートとのずれを抑止して中詰めコンクリート16
と鋼殻12とのより強固な一体化を行った例が示されて
いる。
【0031】さらに、図16のライナー8では、隣接す
る単一面板15の間の折曲げ線33の位置に沿って、面
板15の内面と角部の内側面に端部を当てがうようにし
て仕切り板43を配設し、仕切り板43の端縁と面板1
5と側板13との接合を溶接で固定している。
【0032】図17のライナー8は請求項10に対応す
る実施形態として示す。この多角形ライナー8では、図
16のライナー8と同様、折曲げ線33を介して複数の
単一面板15が接続されて地山側又は内空側の一面の複
数面板34が構成され、各単一面板15に対応してトン
ネル軸に垂直な2面に設けられる単一側板13からなる
複数側板37と、トンネル軸に沿う2面の側板14を有
し、さらに、トンネル軸に垂直な2面の側板13におい
て、複数面板34のない側が、ライナー厚さの位置で、
複数の折り曲げ部26(全体を複数折り曲げ部46とす
る)として面板15と平行に、所要の長さ鋼殻12内方
に折り曲げ加工され、コンクリートを打設した場合の、
そのコンクリート面に平行に延ばされていて、この折曲
げ部26によって鋼殻12の強度向上が図られ、かつコ
ンクリートを充填する場合、その中詰めコンクリート1
6と鋼殻12との強固一体化が図られている。さらに、
図17のライナー8では、図16の場合と同様隣接する
単一面板15の間の折曲げ線33の位置に沿って、面板
15の内面と折曲げ部26の内面側に両端部を差込むよ
うにして仕切り板43を配設し、仕切り板43の両端部
の端縁と面板15と側板13と折曲げ部26との接合部
を溶接で固定している。
【0033】図18は請求項11に対応する実施形態
で、図17のライナー8における鋼殻12の変更例であ
る。つまり、この図18のライナー8では仕切り板43
に複数の鉄筋挿入孔44が開設され、複数面板34と相
似形状に折り曲げ形成される複数本の主筋45を前記各
鉄筋挿入孔44に挿入したうえ、鋼殻12内に中詰めコ
ンクリート16(図示せず)を充填することにより、こ
の中詰めコンクリート16が主筋45によって補強さ
れ、かつ鋼殻12との強固な一体化が一層増進される。
【0034】図19,図20は請求項12に対応する各
実施形態であり、前述した実施形態に示すライナー8の
製造途中の図を示す。なお、後述するライナー8の製造
方法ではいずれも、薄鋼板を冷間曲げ加工することが共
通の技術思想をなしている。
【0035】図19には、オープンサンドイッチ構造の
ライナー8の製造途中の工程が示されており、その地山
側あるいは内空側のいずれかの面板15が、1枚の鋼板
を用いて所要の形状に切断され、面板15と、トンネル
軸に垂直な2面の側板13のそれぞれの辺47が所定の
R≒2t(R:曲げ半径)で冷間曲げ加工されて一体成
形され、その端部にトンネル軸に沿う2面の側板14が
溶接で固着されて鋼殻12が構成される例が示されてい
る。
【0036】図20は、サンドイッチ構造のライナー8
を構成する例を示す。同図(B)に示すように1枚の鋼
板を用いて図示形状に切断して、矩形の折曲げ線48を
介して面板15とトンネル軸に対して垂直な2面の側板
13と、トンネル軸に沿う2面の側板14とをフラット
に展開して形成し、前記折曲げ線48を介して前記4辺
の側板13,14を冷間で折り曲げて加工し、各側板1
3,14の端部間を溶接49にて固着して5面が閉じ一
面開放の鋼製枠59を形成し、この鋼製枠50の開口面
を面板15で閉じてサンドイッチ構造のライナー8を構
成する。
【0037】図21は、請求項16に対応する他の実施
形態を示す。同図に示すライナー8は、図11に示す多
角形でかつオープンサンドイッチ構造のライナー8の鋼
殻12とほぼ同じライナー8において、その鋼殻12を
1枚の鋼板を所定形状に切断して一体成形する例を示
す。同図において、折曲げ線33を介して3つの単一面
板15が直列に接続された複数面板34と、その両側に
トンネル軸に対して垂直な2面の単一側板13からなる
複数側板37を形成し、隣接する単一側板13の端部は
V字カット部51が形成され、さらに複数面板34の端
部にはトンネル軸に沿う2面の側板14が形成されてい
る。
【0038】また、トンネル軸に沿う側板14には、折
曲げ線52を介してプレス加工が施され、両方の側板1
4にそれぞれ凸状部20と凹状部21が形成される。
【0039】前記形状に打抜いたフラットな鋼板を、各
折曲げ線33,53,54を介して折曲げることで、単
一面板15同士が多角形をなすように折曲げられ、かつ
各側板13,14が面板15に対して所定角度折曲げら
れ、各側板13,14同士の接合端縁を溶接で固着する
ことにより、複数面板34を有する多角形のオープンサ
ンドイッチ構造のライナー8が構成される。このとき、
トンネル軸に垂直な2面の単一側板13同士は所定の角
度曲げたとき、V字形カット部51を介してその端面同
士が円滑に接合し、その接合部を円滑に溶接49にて固
着できる。
【0040】図22(A)は、請求項16に対応する他
の実施形態として示される。同図において、多角形ライ
ナー8の複数面板34が、図21の場合と逆にトンネル
内空側になるように折曲して設けられ、この複数面板3
4の両端には、凸状部20と凹状部21のあるトンネル
軸に沿う2面の側板14が一体に折曲げ成形される。ま
た、トンネル軸と垂直な2面の複数側板37は複数面板
34とは別部材として鋼板により切断して、複数面板3
4の多角形形状に沿うように一定幅で一体形成され、か
つ両端には凸部55と凹部56を設けて形成される。
【0041】そして、トンネル軸に沿う2面の側板14
を一体に有する多角形の複数面板34の両側端面に、ト
ンネル軸と垂直な2面の複数側板37の側面を当てが
い、その当接部を溶接で固着することで、複数面板34
が内空側に位置するオープンサンド形の多角形ライナー
が構成される。
【0042】図22(B)は、同図(A)の変形例で、
この多角形ライナー8は、トンネル軸に沿う2面の側板
13の構成が図22(A)の多角形ライナー8と相違す
る。つまり、図22(B)の多角形ライナー8では、1
枚の鋼板を所定形状に切断することによって、内空側に
位置する複数面板34と、トンネル軸に垂直な2面の単
一側板13と、トンネル軸に沿う2面の側板14が形成
されている。この場合、端部が切断されたトンネル軸に
垂直な2面の単一側板13の切離部57は複数面板34
が中間部を凸にして多角形に屈折形成するときV字状に
開く。このため図22(B)に示すように、切離部57
の内側に所定形状のつなぎ板58が当てがい、その両側
を単一側板13の内側に溶接して固着する。これにより
V字状の間隙が閉じられて、鋼殻内の中詰めコンクリー
トを打設するときコンクリートが、V字間隙から流出せ
ず、かつ各単一側板13間も連結されて補強される。
【0043】図23,図24および、図25,図26に
示す各ライナー8は、いずれも複数面板34がトンネル
地山側になるように形成された多角形のライナー8を、
1枚の鋼板を所定形状に切断し、かつ、各折曲げ線を介
して折曲げて一体成形する例を示す。また、図23およ
び図24のライナー8と、図25および図27のライナ
ー8が相違する点は、後者の多角形ライナー8では、ト
ンネル軸と垂直な2面の単一側板13において、面板1
5のない側で、かつライナー厚さの位置で折り曲げ部2
6が、中詰めコンクリート16の面に沿って所要の長さ
鋼殻12内方に折り曲げ加工され、コンクリート面に平
行に延ばされていて、この折曲げ部26によって鋼殻1
2の強度向上が図られ、かつ中詰めコンクリート16と
鋼殻12との強固一体化が図られているのに対し、図2
3,図24ではこの折曲げ部26が設けられていないこ
とである。
【0044】図23,図25に示す各多角形ライナー
8,8は、それぞれ図24,図26の形状に1枚の鋼板
を切断し、次に折曲げ線52のところで冷間プレスして
トンネル軸に沿う2面の側板14に凸状部20と凹状部
21を形成し、(図26にあっては、さらにトンネル軸
に垂直な2面の側板13に折曲げ線60を介して凸状部
40と凹状部41を形成し、)次に折曲げ線33,5
3,54を介して単一面板15とトンネル軸に垂直な2
面の側板13とトンネル軸に沿う2面の側板14を折り
曲げ(図26にあっては、折曲げ線59を介して折曲げ
部26を形成し、)、各単一側板13の当接端部を溶接
で固着して各図(B)の鋼殻12を構成する。その後に
単一面板15が接続する角部に鉄筋挿通孔44のある仕
切り板43が設けられ、この鉄筋挿通孔44に周方向主
筋45を通して配設したうえ、鋼殻12に中詰めコンク
リート16を打設してオープンサンドイッチ合成構造の
多角形のライナー8を構成する。
【0045】図27,図28は、図1に示す鋼殻12の
変形例を示し、各図27は、それぞれ図10に示した鋼
殻12と構造上は同じであるが、これに用いられる鋼板
部材と製作方法が異なっている。図27では、例えば2
つのリップ付き溝形鋼を用いてライナー構成部材61を
トンネル軸と垂直に、かつ互いに平行に間隔を有して配
設し、各ウエブ間、つまり面板部62間を中間連結面板
63で溶接49により連結することで、先端に折曲げ部
26を有するトンネル軸と垂直な2面の側板13と、中
間寄りの部位に先端に折曲げ部26のある補強枠65を
有する鋼殻12が構成されている。
【0046】図28のライナー8は、リップ部を巻き付
けた形状の3つのリップ巻き込み溝形鋼を用いて、ライ
ナー構成部材64をトンネル軸と垂直に、かつ互いに平
行に間隔を有して配設し、各ウエブ間、つまり、面板部
62間を2つの中間連結面板63で溶接49により連結
することで、先端に内側への巻き込み部27を有するト
ンネル軸と垂直な2面の側板13と、中間寄りの部位に
先端に巻き込み部27のある複数の補強枠65を有し、
コンクリート充填性がよく、かつ強度が向上された鋼殻
12が構成されている。
【0047】図29は請求項13に対応する実施形態が
示されていて、同図に示されるライナー8は、トンネル
軸に垂直な2列の側板13と、地山側あるいは内空側の
いずれかの面板15が、1枚の片面突条66付き鋼板
を、その突条66が鋼殻12の内側方向に突出し、かつ
トンネル周方向(トンネル軸に垂直な方向)のずれ止め
となる方向に用いて所要の形状に切断され、トンネル軸
に垂直な2列の側板13と面板15との境界の辺47が
冷間で折り曲げ加工されて一体成形され、両端面にトン
ネル軸に沿う2面の側板14が溶接にて固着されてオー
プンサンドイッチ構造のライナー8が構成される。
【0048】図30は、図21に示すライナー8の製作
工程として示す図である。同図に示されるライナー8
は、トンネル軸に垂直な2面の側板13と、トンネル軸
に沿った2面の側板14と、地山側あるいは内空側のい
ずれかの面板15とを1枚の鋼板を用いて所要形状に切
断した後に、当該切り板から、それぞれの辺47を冷間
成型法で所要の角度Rに折り曲げ加工して一体に成形
し、更に前記の各側板13,14間の接続する端部を溶
接で固着して鋼殻を構成している。
【0049】図31は請求項18に対応する実施形態で
ある。同図(A)の例では、鋼殻12の製作において、
鋼板の切り板から、隣接する面板15間に一方の辺に対
応する位置に所要の角度θのある屈折部形状67を有
し、かつトンネル軸に垂直な側板13と、面板15との
平行な2つの辺に対応する位置に折角折り曲げ部形状6
8有するプレス用雄金型69および、これに対応するプ
レス用雌金型70を用いて、それぞれの辺の折り曲げ部
を同時に曲げ形成して、冷間成型法でライナー8の面板
15と側板13を形成する、冷間プレス一体成形の加工
工程を各弦要素毎に繰り返す方法を示している。また、
図31(B)の例では、プレス用雄金型69が、その押
圧面72に多数の凹型71を有し、これに対応し、プレ
ス用雌金型70が、その受け面73に多数の凸型74を
有していて、この凹型71と凸型74とで、面板15に
内向きの多数の凸部42を一体に設けるようになってい
る。
【0050】図32は、請求項19に対応する実施形態
を示し、面板15に内向きの多数の凸部42を有するラ
イナー8を構成する冷間ロール成形するプロセスを示し
ている。つまり、この例では、1枚の長尺の鋼板を多数
の冷間ロール(図示省略)を通過させることによって面
板15とトンネル軸に垂直な2列の側板13と、それに
設ける凸状部40と凹状部41を成形し、その冷間ロー
ル成形プロセスの最終ロール成形段階で、凸型75と凹
型76がそれぞれ付形された一対のロール77,78間
に前記面板15を通すことによって、鋼殻内側方向に突
出する凸部42を冷間ロール成形法で一体成形する例が
示されている。
【0051】本発明の各実施形態では、主として円形又
は馬蹄形のトンネル坑壁に単一ライナー8と多角形のラ
イナー8を実施する例を示した。しかし、既述のとお
り、本発明は図3に示す矩形断面のトンネル坑壁に用い
るライナーにも適用できる。その場合は同図に示すよう
に矩形トンネル坑壁7の直線部は、面板と、トンネル軸
に垂直な側板と、トンネル軸に沿う側板とからなるライ
ナー8が直線配置され、コーナ部においては、2つの単
一面板が直角折曲げ部で連結された複数面板と、トンネ
ル軸に垂直な2列の単一側板が直角折曲げ部で連結され
た複数側板と、トンネル軸に沿う2面の側板とで構成さ
れるコーナ部直角ライナー8とで構成される。また、本
発明は、鋼殻12内にコンクリート10を中詰めする場
合と、中詰めしない場合とを含む。
【0052】本発明に係る各実施形態の作用を説明す
る。 (1)各図に示すように、ライナー8は配設置多角形状
になるように構成していることにより、覆工を構成する
当該ライナー8の鋼殻12において、面板15と、トン
ネル軸方向に沿う側板14と、トンネル軸と垂直な側板
13は、切断、溶接・かしめ・接着等による固着、ある
いは板の折り曲げのみの加工で低コストで製造可能であ
る。そして、リングとしての骨組み解析を行った結果、
多角形の辺数を概ね20角形にすれば、各弦要素のトン
ネル軸直角方向に発生する、面外等分布荷重を受ける両
端固定あるいはヒンジの直線梁としての曲げモーメント
およびせん断力の二次的断面力は、円形の場合の10%
〜30%の増加に押さえられることが判明した。したが
って、部材断面の増加は比較的少なく、加工コストの低
減によりトータルの製造コストを低減できる。 (2)図4に示すように鋼殻12を型枠として用いる
と、平板形状なので、コンクリート打設も容易である。 (3)また、ライナー8における継手は、通常のボルト
ボックス、継手金物を介してのボルト接合で良い。通常
の山岳トンネルの場合、リング間継手には引張強度は要
求されないので、リング間継手は雄ピンと雌孔との嵌合
継手でも良く、この場合、組立作業の省力化、効率化が
図れる。山岳トンネルや地盤の良いシールドトンネルで
円形形状のトンネルの場合、周方向には軸圧縮力が卓越
し、曲げモーメントは小さいので、ピース間継手はほと
んどの場合全断面圧縮状態になっており、ピーク間継手
は、半径方向のせん断伝達のみの凹凸嵌合にしても良
く、この場合、組立作業の省力化、効率化は勿論のこ
と、鋼板の曲げ加工のみで成形でき、低コストとなる。 (4)さらに、ライナー本体の構造は、鋼製の面板14
が軸力部材となり、鋼製の周方向鋼板がせん断補強鋼板
となったオープンサンドイッチ構造あるいは、2面が鋼
板の面板14からなるボックスサンドイッチ構造となっ
ており、断面係数が大きい構造特性を有する。したがっ
て、多角形状覆工の特性であるところの周方向断面力に
付加される(1)に記述した二次的断面力に対しても経
済的な断面で抵抗できる。さらに、図4,図5等に示す
ように、ライナー8がオープンサンドイッチ構造の場合
は、コンクリート解放面側に周方向の主筋とトンネル軸
方向の配力筋を配筋する。周方向曲げモーメントに対し
て周方向軸圧縮力が卓越する場合には、面板15と中詰
めコンクリート16との自然付着でほぼ一体性は保持さ
れ、かつトンネル軸方向側板14が離散的なずれ止めと
して機能するので、特別なずれ止めは必要ないが、周方
向曲げモーメントが比較的大きい場合には、図6に示す
ように、面板15への突起付き鋼板の利用、あるいは頭
付きスタッドやシャーキー等の通常のずれ止め措置を施
す。これらは、面板15とコンクリート16との剥離防
止にも役立つ。せん断力が比較的大きい場合には、スタ
ッド鉄筋を用いたスターラップ、あるいはタイバー、タ
イプレート、ウェブ鋼板等の、せん断補強筋やせん断補
強鋼板を設ける。 (5)図7,図8に示すようにライナー8がオープンサ
ンドイッチ構造の場合、コンクリート面側に折曲げ部2
6を設けることにより、鉄筋を代替し、あるいは鉄筋と
相俟って鋼殻12とコンクリート16との付着を向上さ
せ、周方向側板14のせん断補強鋼板としての機能を向
上させる。また、図9に示すように巻き込み部27とし
てコンパクトに折り畳むことにより、コンクリート16
の打設性を向上させると同時に、ボルト継手の場合ボル
トボックスの設置、ボルトの締付けが容易になる。 (6)図10に示すように、トンネル軸直角方向の側板
13をウェブ鋼板とすることにより、上下のフランジを
有する曲げ性能の高い鋼構造ライナーとなる。面板15
の有効幅の制限、および土水圧に対する面板15として
の強度より、ライナー8のトンネル軸方向長さが制約を
受けるが、図10(B)〜(D)の鋼殻によりその課題
も解消され、断面性能も向上する。したがって、多角形
状覆工の特性であるところの周方向断面力に付加される
二次的断面力に対しても容易に抵抗すると同時に、ボル
ト継手の場合ボルトボックスの設置、ボルトの締付けが
容易になる。 (7)図11の多角形ライナー8の構造により、現場で
のライナー組立作業の省力化、効率化を実現する。ま
た、ピース間(周方向)の継手箇所数が減ることによ
り、構造信頼性が向上する。さらに、千鳥配置が可能に
なり、ピース間継手の強度、剛性の低下を隣接するリン
グの添接効果で補強することが出来る。この多角形のラ
イナー8を一体で製作する場合には、溶接箇所、鋼材料
が減り、経済性が向上し、シールドトンネルの場合、止
水信頼性も向上する。 (8)図12の多角形構造でライナー8の各面が平板に
なったことにより、トンネル軸直角方向の側板13にも
折り曲げ加工により容易に凹凸(つまり凹状部41、凸
状部40)付形が可能になった。また、リング間半径方
向せん断強度が向上する。 (9)図13(D)のライナー構造(これは図7と図1
2の組み合わせ)により、製造が低コストとなる。 (10)図14,図15のライナー8では、曲面型枠を
利用してコンクリート16を打設するもので、山岳トン
ネルのエキスパンション工法に適用可能である。また、
シールドトンネルのテールシール可能になり、シールド
工法への適用可能である。さらに、周方向軸圧縮力もス
ムーズになり、多角形形状による付加的な曲げモーメン
ト、せん断力を緩和する。 (11)図16のライナー8では、多角形構造で鋼板1
2が平板になったことにより、冷間成形プロセスの中
で、突起(凸部42)の加工が容易になった。つまり、
低コストずれ止め構造である。 (12)(図17のライナー8)では、補強鋼板(つま
り仕切り板43)が多角形の角部で面板15と主桁(つ
まり、側板13と折曲げ部26)に溶接され、鋼製面板
15の折れ曲がり部での面外変形が抑制される。また、
面板15の土圧に対する抵抗機構を補強している。 (13)図18のライナー8では、補強鋼板(つまり仕
切り板43)が多角形の角部で面板15と主桁(つまり
側板13)に溶接され、その有効部に鉄筋(主筋45)
を貫通させて設置しており、鉄筋および鋼製面板15の
面外変形を抑制している。また、ずれ止めにもなる。さ
らに、低コストでこれらの機能が実現される。 (14)図19〜図26に示す各ライナー8は、その鋼
殻12の各面が平面で構成されているので、冷間での折
り曲げ加工が容易になり、一体成形が可能になった。こ
れにより、溶接箇所、鋼材料が減り、経済性が向上し、
シールドトンネルの場合、止水信頼性も向上する。溶接
箇所の減少により、溶接ひずみを押さえることが可能に
なり、鋼殻12の加工精度が向上する。図22(B)の
ライナー8では、面板15が内空側にあり、トンネル軸
直角方向の側板13とその面板15とが一体で折り曲げ
加工される場合で、連結すべき側板の端面間は離間して
いるので、その点は、繋ぎ鋼板(つなぎ板58)等の溶
接により連結することで解決されている。 (15)図27,図28に示すライナー8では、鋼板を
折り曲げ加工するだけで一体に成形された同一形状寸法
のユニット複数個を面板となる繋ぎ鋼板(つまり、連結
面板63)を介して溶接等により溶接するだけで、所要
寸法の鋼製トンネルライナーが製造できるので、製作費
が低コストとなる。また、溶接箇所も減りこの点でも低
コスト化が図られる。 (16)図29のライナー8では、鋼殻12の各面が平
面で構成されているので、片面突起付き鋼板を用いて冷
間での折り曲げ加工が可能になり、片面突条66のつい
た面板15とトンネル軸直角方向の側板13との一体成
形が可能になった。これにより、面板15のみならず側
板13にも突起がついているので、中詰めコンクリート
との一体性が向上すると同時に、溶接箇所が減り、経済
性が向上し、製造精度が向上する。 (17)図30のライナー8では、所要の幅のホットコ
イルを用いて、展開図通り切断し、折り紙のように冷間
で折り曲げ加工するだけで鋼殻形状を成形できるので、
溶接を最小限に押さえることができ、製造コストが安価
となる。また、製作精度も向上する。 (18)図31(A)のライナー製作方法によると、ラ
イナー各辺の折り曲げ部のみをプレス面とした金型を製
作すれば良く、金型コストも比較的安価で製造も容易で
ある。また、1つの弦要素をユニットとしてコンパクト
な金型を製作し、弦要素毎に逐次プレスして行くことに
より、複数の弦要素よりなるトンネルライナー鋼殻も安
価に製造できる。さらに、図31(B)の場合は、各辺
の折り曲げ部および所要の凹凸を付形した面板部を有す
る金型を用いて、同時に最終の鋼殻形状を成形すること
が出来、前記と概ね同等の製造コストで成形可能とな
る。 (19)図32のライナー製作方法では、所要の幅のホ
ットコイルを用いて、面板15と軸直角方向側板13と
を連続して多段ロールで冷間成形でき、特に、側板に凹
凸形状を付形する場合にも容易に連続成形でき、製造コ
ストが安価となる。特に、大量生産する場合に、コスト
低減が顕著になる。請求項15の場合、最終ロールに所
要の凹凸形状を付形しておけば、コストアップがほとん
どなく面板のずれ止め突起形状を成形することが可能で
ある。
【0053】
【発明の効果】本発明のトンネルライナーの構造とその
製作方法によると、当該ライナーの曲げ性能等、構造的
強度が向上し、さらに製造コスト、組立コストの低減、
組立作業の急速化、品質管理や寸法精度の確保の容易化
等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライナーを円形のトンネル坑壁に実施
した断面図。
【図2】本発明のライナーを馬蹄形のトンネル坑壁に実
施した断面図。
【図3】本発明のライナーを矩形のトンネル坑壁に実施
した断面図。
【図4】本発明の実施形態に係るオープンサンドイッチ
構造のライナーの破断斜視図。
【図5】本発明の他の実施形態に係るオープンサンドイ
ッチ構造のライナーの破断斜視図。
【図6】(A),(B),(C),(D)は本発明のそ
れぞれ異なる実施形態の合成構造ライナーの断面図。
【図7】本発明の他の実施形態に係るオープンサンドイ
ッチ構造のライナーの破断斜視図。
【図8】図7の断面図。
【図9】図7の他の変形例に係る断面図。
【図10】(A),(B),(C),(D)は本発明の
それぞれ異なる実施形態の鋼殻の断面図。
【図11】本発明の他の実施形態に係るオープンサンド
イッチ構造の多角形ライナーの破断斜視図。
【図12】本発明の他の実施形態に係るオープンサンド
イッチ構造の多角形ライナーの斜視図。
【図13】(A)は図12の断面図、(B),(C),
(D)は図(A)の変形例として示す断面図。
【図14】他の実施形態に係るオープンサンドイッチ構
造のライナーの斜視図。
【図15】図14の変形例として示すオープンサンドイ
ッチ構造の多角形ライナーの斜視図。
【図16】他の実施形態として示すオープンサンドイッ
チ構造の多角形ライナーの斜視図。
【図17】他の実施形態として示すオープンサンドイッ
チ構造の多角形ライナーの斜視図。
【図18】他の実施形態として示すオープンサンドイッ
チ構造の多角形ライナーの斜視図。
【図19】他の実施形態として示す鋼殻の製作工程とし
て示す分解斜視図。
【図20】(A),(B)は他の実施形態として示す鋼
殻の製作工程の分解斜視図と展開図。
【図21】(A),(B)は他の実施形態として示す鋼
殻の製作工程の分解斜視図と展開図。
【図22】(A),(B)は他の2つの実施形態として
示す鋼殻の分解斜視図と展開図。
【図23】(A),(B)は本発明の他の実施形態に係
るオープンサンドイッチ構造の多角形ライナーの斜視図
と、その鋼殻の斜視図。
【図24】図23(B)の鋼殻の展開図。
【図25】(A),(B)は本発明の他の実施形態に係
るオープンサンドイッチ構造の多角形ライナーの斜視図
と、その鋼殻の斜視図。
【図26】図25(B)の鋼殻の展開図。
【図27】本発明の他の実施形態に係る鋼殻の断面図。
【図28】本発明のさらに他の実施形態に係る鋼殻の断
面図。
【図29】本発明の他の実施形態に係る鋼殻の分解斜視
図。
【図30】(A),(B)は本発明の他の実施形態に係
るオープンサンドイッチ構造の多角形ライナーの斜視図
と、その鋼殻の斜視図。
【図31】(A),(B)は本発明に用いる冷間プレス
成形金型の2例の斜視図。
【図32】(A),(B)は製作途中の鋼殻の斜視図
と、これに用いる突起付きローラの斜視図。
【図33】(A)は、従来のトンネルライナーの斜視
図、(B)はその鋼殻の分解斜視図。
【符号の説明】
1 合成ライナー 2 側板 3 面板 4 継手板 5 ボルトボックス 6 コンクリート 7 トンネル坑壁 8 ライナー 10 地山 11 裏込材 12 鋼殻 13 側板 14 側板 15 面板 16 コンクリート 17 連結軸 18 嵌合孔 19 ボルトボックス 20 凸状部 21 凹状部 22 鉄筋 23 補強筋 24 連結プレート 25 ジベル筋 26 折曲げ部 27 巻き込み部 28 起立部 29 補強枠 30 補強枠 31 補強枠 33 折曲げ線 34 複数面板 35 コンクリート表面 36 折曲げ線 37 複数側板 38 凸部 39 凹み部 40 凸状部 41 凹状部 42 凸部 43 仕切り板 44 鉄筋挿入孔 45 主筋 46 複数折り曲げ部 47 辺 48 折曲げ線 49 溶接 50 鋼製枠 51 V字カット部 52 折曲げ線 53 折曲げ線 54 折曲げ線 55 凹部 56 凸部 57 切離部 58 つなぎ板 59 折曲げ線 60 折曲げ線 61 ライナー構成部材 62 面板部 63 連結面板 64 ライナー構成部材 65 補強枠 66 片面突条 67 屈折部形状 68 折角折曲げ部形状 69 プレス用雄金型 70 プレス用雌金型 71 凹型 72 押圧面 73 受け面 74 凸型 75 凸型 76 凹型 77 ロール 78 ロール 79 曲げ加工部 80 係合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 正人 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 2D055 CA01 EB01 KB04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形,矩形,馬蹄形等の任意断面形状の
    トンネル坑壁に沿って配設され、坑壁を支持するトンネ
    ル覆工に用いるライナーにおいて、トンネル軸に垂直な
    2面の側板および地山側あるいは内空側の少なくとも1
    面が平面の鋼板で構成されたトンネルライナーの鋼殻を
    用いて、トンネル坑壁面に概ね平行な平板状の弦要素で
    構成され、トンネル周方向に隣り合う前記弦要素は、ト
    ンネル軸に垂直な断面でトンネル坑壁に沿って直線又は
    屈折して形成されていることを特徴とするトンネルライ
    ナーの構造。
  2. 【請求項2】 円形,矩形,馬蹄形等の任意断面形状の
    トンネル坑壁に沿って配設され、坑壁を支持するトンネ
    ル覆工に用いるライナーにおいて、前記トンネルライナ
    ーは、トンネル坑壁面に概ね平行な平板形状の弦要素に
    より構成され、トンネル周方向に隣り合う前記弦要素は
    トンネル軸に垂直な断面でトンネル坑壁に沿って形成さ
    れた直線又は屈折弦材トンネルライナーであり、前記弦
    要素は、トンネル軸に垂直な2面の側板およびトンネル
    軸に沿った2面の側板と、地山側あるいは内空側のいず
    れか1面、あるいは両面の面板とで鋼殻を構成し、前記
    トンネル軸に沿った2面の側板は概ねトンネル坑壁面の
    法線方向に沿って形成され、前記4面の側板と前記1面
    あるいは2面の面板は互いに接触する辺が固着して構成
    されたことを特徴とするトンネルライナーの構造。
  3. 【請求項3】 請求項2の鋼殻における地山側と内空側
    の両面に面板を設けて鋼殻を構成するのに代えて、地山
    側あるいは内空側のいずれか1面の面と請求項2記載の
    トンネル軸に垂直な2面の側板および、トンネル軸に沿
    った2面の側板とで鋼殻を構成し、前記トンネル軸に沿
    った2面の側板は概ねトンネル坑壁面の法線方向に沿っ
    て形成され、前記トンネル軸に垂直な2面の側板の面板
    の無い側がライナー厚さの位置で、面板と平行に延ばさ
    れ、あるいは、複数回同じ方向に折曲げ加工あるいは渦
    巻き状に曲げ加工されてコンパクトに畳まれており、前
    記4面の側板と前記1面の面板は互いに接触する辺が固
    着されていることを特徴とするトンネルライナーの構
    造。
  4. 【請求項4】 円形あるいは矩形,馬蹄形等の任意断面
    形状のトンネル坑壁に沿って配設され、坑壁を支持する
    トンネル覆工に用いるライナーにおいて、前記トンネル
    覆工は、トンネル坑壁面に概ね平行な平板形状の弦要素
    より構成され、トンネル周方向に隣り合う前記弦要素は
    トンネル軸に垂直な断面でトンネル坑壁に沿って屈折さ
    れた形状になっている、屈折弦材トンネル覆工であり、
    1本のライナーは複数の前記弦要素より構成され、トン
    ネル軸に垂直な2列の複数面の側板と、地山側あるいは
    内空側のいずれか複数面、あるいは、両面のそれぞれ複
    数の面板と、前記トンネル軸に垂直な側板および前記地
    山側あるいは内空側の面板のトンネル周方向端部に配設
    されたトンネル軸に沿った2面の側板とで鋼殻を構成
    し、このトンネル軸に沿った2面の側板は概ねトンネル
    坑壁面の法線方向に沿って形成され、前記トンネル軸に
    垂直な2列複数面の側板と、前記トンネル軸に沿った2
    面の側板と、前記複数面の面板は互いに接触する辺が固
    着されていることを特徴とするトンネルライナーの構
    造。
  5. 【請求項5】 前記平板状の弦要素は、複数の面板がフ
    ラット又は角形に形成され、トンネル軸に垂直な2面の
    側板が前記角形形成の角部においてコーナ部補強構造に
    より連結されている請求項2〜4のいずれかに記載のト
    ンネルライナーの構造。
  6. 【請求項6】 前記各請求項に記載の鋼殻のトンネル軸
    方向に垂直な2列の側板部分において、トンネル軸方向
    に沿って相対する側板間において互いに噛み合い、トン
    ネル坑壁面の法線方向のズレを防ぐ凸状部あるいは凹状
    部が、それぞれの側板の長手方向と平行に曲げ形成され
    ていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載
    のトンネルライナーの構造。
  7. 【請求項7】 トンネル軸方向に垂直な2列の側板の面
    板の無い側が、ライナー厚さの位置で面板と平行に所要
    の長さ鋼殻内方に折り曲げ加工され、コンクリート面に
    平行に延ばされることで請求項6の噛み合いの凹凸を兼
    ねていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記
    載のトンネルライナーの構造。
  8. 【請求項8】 前記鋼殻の面板が内空側のみで構成され
    ている鋼殻において、当該鋼殻に充填した地山側のコン
    クリート表面がトンネル坑壁面形状に沿うように形成さ
    れていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記
    載のトンネルライナーの構造。
  9. 【請求項9】 地山側あるいは内空側のいずれかの面
    板、あるいは両方の面板に、冷間成形により所要の大き
    さ,所要のピッチで鋼殻内側方向に突出する凸部を設け
    たことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載のト
    ンネルライナーの構造。
  10. 【請求項10】 弦要素間の屈折部において、平形状あ
    るいは山形状あるいはT型形状をした鋼板をトンネル坑
    壁面の法線方向と概ね平行になるように面板屈折部およ
    び、トンネル軸方向に垂直な側板に固着して補強する構
    造を特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載のトンネ
    ルライナーの構造。
  11. 【請求項11】 弦要素間の屈折部において、トンネル
    周方向の主筋を貫通させる孔を開けた鋼板をトンネル坑
    壁面の法線方向と概ね平行になるよう面板屈折部に固着
    して、周方向主筋を貫通させ補強する構造の請求項4に
    記載の弦要素間の屈折部において、トンネル周方向の主
    筋を貫通させる孔を開けた鋼板をトンネル坑壁面の法線
    方向と平行になるように面板屈折部に固着して、周方向
    主筋を貫通させて補強する構造を特徴とするトンネルラ
    イナーの構造。
  12. 【請求項12】 前記の鋼殻が、トンネル軸に垂直な2
    面の側板またはトンネル軸に沿った2面の側板あるいは
    前記両方の複数面の側板と、地山側あるいは内空側のい
    ずれかの面板が、1枚の鋼板を用いて所要の形状に切断
    され、面板と側板とのそれぞれの辺が冷間で折り曲げ加
    工されて一体成形され、前記の複数面の側板間の接続す
    る端部がある場合は、その端部が固着されて一体に成形
    され、必要に応じてその端部に残りの側板が、または残
    りの面板が、あるいは残りの側板および内空側の面板が
    固着されていることを特徴とする請求項2〜11のいず
    れかに記載のトンネルライナーの構造。
  13. 【請求項13】 トンネル軸に垂直な2列の側板と、地
    山側あるいは内空側のいずれかの面板が、1枚の片面突
    起付き鋼板を、その突起が、鋼殻内側方向に突出し、か
    つトンネル周方向(トンネル軸に垂直な方向)のずれ止
    めとなる方向に用いて所要の形状に切断され、面板と側
    板との境界の辺が冷間で折り曲げ加工されて一体成形さ
    れていることを特徴とする請求項2〜12のいずれかに
    記載のトンネルライナーの構造。
  14. 【請求項14】 前記鋼殻にはコンクリートが充填され
    ていない請求項1〜13のいずれかに記載のトンネルラ
    イナーの構造。
  15. 【請求項15】 前記鋼殻にはコンクリートが充填され
    ている請求項1〜13のいずれかに記載のトンネルライ
    ナーの構造。
  16. 【請求項16】 トンネル軸に垂直な2列の側板あるい
    はトンネル軸に沿った2面の側板、あるいは前記両方の
    複数面の側板と、地山側あるいは内空側のいずれかの面
    板とを1枚の鋼板を用いて所要形状に切断した後に、当
    該切り板から、それぞれの辺あるいは前記辺かつ側板折
    り曲げ部を冷間成型法で所要の角度に折り曲げ加工して
    一体に成形し、更に前記の側板間の接続する端部がある
    場合は、その端部を固着し、必要に応じてその鋼殻端部
    に残りの側板を、あるいは残りの面板を、あるいは残り
    の側板および面板を固着して、鋼殻を構成することを特
    徴とする請求項12に記載するトンネルライナーの製作
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項7に記載の鋼殻の製作におい
    て、1枚の鋼板を用いて所要形状に切断してなる切り板
    から、隣接する面板間の1本の辺に対応する位置に所要
    の角度を有する屈折部形状を有し、かつトンネル軸に垂
    直な側板と面板との平行な2本の辺に対応する位置に直
    角折曲げ部形状を有するプレス用金型を用いて、それぞ
    れの辺の折曲げ部を同時に冷間プレス成型法で形成し、
    当該冷間プレス一体成形の加工工程を弦要素毎に繰り返
    すことを特徴とする請求項12に記載のトンネルライナ
    ーの製作方法。
  18. 【請求項18】 請求項9の鋼殻の製作において、前記
    金型が、隣接する面板間の辺に対応する位置に、所要の
    角度を有する屈折部形状を有し、かつトンネル軸に垂直
    な側板と面板との辺に対応する位置に直角折曲げ部形状
    を有し、かつ請求項13に記載の面板の凸部に対応する
    位置に凹凸の付形されたプレス面を有しており、当該金
    型を用いて、それぞれの辺の折り曲げ部の鋼殻内側方向
    に突出する凸部を同時に冷間プレス成形法で一体に形成
    することを特徴とする請求項17に記載のトンネルライ
    ナーの製作方法。
  19. 【請求項19】 トンネル軸に垂直な2列の側板と、地
    山側あるいは内空側のいずれかの面板で構成される一体
    化した鋼殻部分の製作において、所要の幅を有するコイ
    ル状に巻かれた熱間圧延鋼板(ホットコイル)を用い
    て、前記2列の側板と前記面板との境界の平行な二辺、
    あるいは前記の二辺でかつ側板折り曲げ部のライナー複
    数体分を冷間ロール成形法で連続して一体に成形し、そ
    の後でトンネル軸に沿った2面の側板と固着させる2面
    の端面を所要の角度を有する平面で切断して、1つある
    いは複数の弦要素よりなるライナー1体分を切り出し、
    複数の弦要素よりなる場合は、前記の複数面の側板の接
    続する端部を所要形状で切断し、その後に隣り合う面板
    間の辺を所要の角度になるよう冷間で折り曲げ加工し、
    前記の複数面の側板間の接続する端部を固着して一体に
    成形し、その端面にトンネル軸に沿った2面の側板を固
    着し、場合により、残りの1面の面板も固着して、鋼殻
    を作成することを特徴とする請求項16に記載するトン
    ネルライナーの製作方法。
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