JPS6051180B2 - テ−プレコ−ダ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気テープの現在位置表示として、磁気テー
プの始端部位置から現在位置に至るまで、記録あるいは
再生モード時の一定速度で磁気テープを走行させたとき
に要する時間を用いて表示するような構成を有するテー
プレコーダに関するものである。

１本の磁気テープ上には多種類の記録内容がそれぞれ異
なる位置に配置されており、これらの記録内容を早急に
得たい場合等には、上記磁気テープ上の位置を予め知つ
ていれば便利である。

このため、一般のテープレコーダには、機械的なテープ
カウンタが設けられており、このテープカウンタの計数
値により磁気テープ上の位置を確認し、上記記録内容を
対応させていた。しかしながら、従来のテープカウンタ
はリールの回転数を計数し・ており、磁気テープがリー
ルに巻かれ始めるときと巻かれ終わるときとで巻き径が
異なるため、磁気テープの実際の走行量とテープレコー
ダの計数値との関係は第１図のように非線型に表わされ
る。この第１図において、曲線Ａは供給リール側フの回
転数を、曲線Ｂは巻取りリール側の回転数を計数する場
合をそれぞれ示している。したがつて、従来のテープカ
ウンタでは、一定の記録内容が、磁気テープ巻き始めか
ら何分後に記録開始され、何分間記録されたかが一見し
て判５らない。

なお上記磁気テープの走行量は、記録や再生モードのよ
うに一定速度で磁気テープを走行させる場合には、磁気
テープの走行時間に正比例するものである。近年では、
供給リールと巻取リールの回転速度を検出して、これら
の速度の相互関係によつてテープ走行量を算出して時間
表示等を行なうリニア・テープ・タイマが案出されてい
るが、リールに巻かれる磁気テープの巻き形状やリール
軸とリールハブとのガタ等により、リール回転速度の精
度が低下するため、上記機械的なテープカウンタに比較
して精度が低いという欠点がある。

また、供給、巻取の両リールの回転速度を検出する必要
があり、構成も複雑となる。この他、テープレコーダの
動作モードと連動する時計装置を設け、録音、再生モー
ド時のみに時間を計測し、停止モードで上記時間計測動
作を停止させて、再び録音、再生モードになつたときに
上記時間計測動作を停止前の値から続けて行なうような
構成も考えられるが、録音、再生モードの途中て早送り
や早戻しモードに切換えると、磁気テープとの対応関係
が破られ、テープ位置に対応した時間を得ることができ
なくなる。

本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり
、簡単な構成で、磁気テープの走行時間表示が高精度に
かつ安定して行なえる磁気テープ走行時間表示装置を備
えたテープレコーダの提供−を目的としている。

このような目的を達成するため、本発明に係るテープレ
コーダによれば、磁気テープの走行時間表示を行なう際
には、常に磁気テープを始端部まで巻き戻した状態から
リールの回転数を計算し、この計数値を演算処理して走
行時間を算出することにより、磁気テープの始端部から
の走行時間を表示するような構成を備えることを特徴と
している。

ここで、磁気テープの走行時間表示を行なうと一きの条
件としては少なくとも、カセットテープが装着されてい
ること、走行時間表示スイッチがＯＮされていることが
あり、これらの条件が満たされたとき、自動的に磁気テ
ープを巻き戻すことにより、常に磁気テープの始端部か
ら計数を開始クするような構成が望ましい。

次に、リールの回転数より走行時間を算出する場合の計
算式について説明すると、第２図に示す巻取リール１に
巻き取られた磁気テープ２の長さ（すなわちテープ走行
量）ｅは、巻回数をｎ１磁気テープ２の厚みをｄとし、
巻取リール１のリールハブ半径をｒ１とするとき、）と
なる。

記録時あるいは再生時には、磁気テープ２は一定の速度
ｓ（＝４．８ｃｍ／Ｓｅｃ）で走行するため、テープ走
行時間Ｔは、と表わせる。

ここで、巻取リール１のリールハブ半径ｒ１は１１Ｔｇ
Ｌに規格が定まつており、また磁気テープ２の厚みｄは
６紛用（Ｃ−６０）が１？Ｍｌ９Ｏ分用（Ｃ−９０）が
１？！Ｊ．ｍｌｌ２紛用（Ｃ−１２０）が９μｍとそれ
ぞれ定まつている。また、巻回数ｎは、磁気テープ２を
始端部まで巻き戻した状態からの巻取リール１の回転数
であり、従来のテープカウンタの計数値に相当するから
、早送りや早戻しを行なつても確実に、しかも高い精度
で検出できる。したがつてこれらのＳ，ｒｌ，ｄ，ｎを
上記２式に代人して演算処理することにより、磁気テー
プ２の走行時間Ｔが求まり、これを表示することができ
る。以下、本発明に係る好ましい実施例について図面を
参照しながら説明する。

第３図は実施例の要部を示すブロック構成図であり、巻
取リール１側の回転数を検出する場合を示している。

すなわち、カセットテープ３の供給リール４および巻取
リール１のそれぞれの回転駆動軸５，６のうち、巻取側
の駆動軸５には回転検出装置７が設けられている。この
回転検出装置７は種々の構成が可能であるが、たとえば
外周に沿つて等間隔に磁極が設けられた円板磁石８を上
記駆動軸５に取り付け、この円板磁石８の磁極を可飽和
インダクタンス９等の磁気検出素子で検出するような構
成とすればよい。可飽和インダクタンス９に発振器１０
からの高周波信号を印加しておけば、円板磁石８が回転
して可飽和インダクタンス９を通る磁束が変化すること
により、上記高周波信号がＡＭ変調を受ける。検波回路
１１はこの店変調信号から上記高周波成分を除去して整
流し、次に波形成形回路１２がパルス信号に変換する。
このパルス信号について分周等を行なつた後に計数すれ
ば、巻取リール１の回転数を得ることができる。この波
形整形回路１２からの回転検出パルスは、マイクロプロ
セッサ１３に送られている。ここで、磁気テープ２の走
行時間表示を行なわせる場合に、上記２式の巻回数ｎを
得る必要があるが、この巻回数ｎは磁気テープ２を始端
部まで巻き戻した状態からの巻取リール１の回転数に等
しいことより、本実施例では一定の条件の下に自動的に
磁気テープ２を巻き戻し動作させるような制御回路２０
を備えている。

この制御回路部２０において、スイッチ２２は走行時間
表示モードに切換えたとき０Ｎし、信号０ＬをＡＮＤ回
路２１に送る。

スイッチ２３はカセットテープが装着されていることを
検出して０Ｎし、信号ＲｌＪをＡＮＤ回路２１に送る。
次に、検出器２５、および２６は、それぞれ電源ＯＮ動
作、およびカセットテープ排出動作（エジエクト動作）
を検出してパルス信号ｒ１ョを０Ｒ回路２７に送る。こ
の０Ｒ回路２７の出力信号は、フリップフロップ２４の
セット端子に送られる。また、駆動軸５，６の停止やテ
ープテンションの増加等により巻き戻し動作の完了を検
出する検出器２８からのパルス信号０１Ｊは、フリップ
フロップ２４のリセット端子に送られる。このフリップ
フロップ２４の出力信号は上記Ｎ１回路２１に送られ、
このＡＮＤ回路２１の出力信号によつて自動巻き戻し動
作が行なわれる。ここで、この制御回路部２０の動作に
ついて説明すると、まずカセットテープレコーダの伝源
ＯＮ時に検出器２５がパルス信号ｒ１ョを発生するから
、フリップフロップ２４がセットされ出力がＲｌ．Ｊと
なる。

この状態で、走行時間表示切換スイッチ２２を０Ｎし、
カセットテープを装着してスイッチ２３を０Ｎすれば、
Ｍの回路２１の入力がすべてＲＬとなり、ＡＮＤ回路２
１からは巻き戻し指令信号が出力される。この巻き戻し
指令信号により、供給リール４の駆動軸６が回転し、磁
気テープ２を第３図矢印と反対方向に高速走行させて、
磁気テープ２の始端部まで自動的に巻き戻す。このよう
にしてカセットテープ３の磁気テープ２が始端部まで巻
き戻されたとき、あるいは装着前に既に巻き戻されてい
るときには、巻き戻し完了検出器２８からパルス信号Ｒ
ｌＪがフリップフロップ２４に送られ、フリップフロッ
プ２４がリセットされる。このときフリップフロップ２
４の出力はＲＯョとなり、ＡＮＤ回路２１に送られるか
ら、ＡＮＤ回路２１からの巻き戻し指令信号が停止し、
自動巻き戻し動作は終了する。フリップフロップ２４は
、上記リセット状態のまま保持されるが、録音動作等が
終了して、エジエクトボタン操作等によりカセットテー
プが排出される時点で、検出器２６からパルス信号Ｒｌ
Ｊが出力され、フリップフロップ２４がセットされる。
しかしカセットテープが排出されるとスイッチ２３が０
ＦＦするから、Ｍ巾回路２１から巻き戻し指令信号は出
力されない。次に他の未録音のカセットテープを装着し
たとき、上記スイッチ２３が０Ｎして、ＡＮＤ回路２１
の入力がすべて１１Ｊとなり、巻き戻し指令信号が出力
される。なお、走行時間表示スイッチ２２が０Ｎされて
いるときには、カセットテープ装着と同時に自動巻き戻
し動作が行なわれるが、走行時間表示スイッチ２２が０
ＦＦ状態で既にカセットテープが装着されているときに
は、走行時間表示スイッチ０Ｎと同時に自動巻き戻し動
作が開始されることは勿論である。このようにして、磁
気テープ２の走行時間表示を行なわせるに際して、一定
の条件が満たされたとき、自動的に磁気テープ２を始端
部位置まで巻ノき戻し、この状態から巻取リール１の回
転数を計数開始することにより、上記２式の巻回数ｎが
得られる。

次に、マイクロプロセッサ１３は上記２式の計算を行な
う演算処理回路であり、上記波形整形回門路１２からの
回転検出パルスが入力されている。

この回転検出パルスは、巻取リール１の回転数の整数倍
であり、マイクロプロセッサ１３内部で分周等の処理を
行なつた後計数することにより巻取リール１の回転数が
得られる。ここでこの計数に）用いられるカウンタを、
上記検出器２８からの巻き戻し完了検出信号等によりリ
セットしてやれば、計数値がそのまま上記巻回数ｎとな
るわけである。また、このマイクロプロセッサ１３内部
では、上記２式中のリールハブ半径ｒ１（＝１１ｗＬ）
や、テープ走行速度ｓ（＝４．８ｃｍ／Ｓｅｃ）等が既
に代人されており、さらにテープ厚みｄについては、使
用するテープの種類に応じて選択スイッチ１４を切換操
作すること等により、１Ｂｐｍ１１奉Ｍｌ９μｍのいず
れかを選択して数値代人するようにすれば、２式中のＮ
，ｒｌ，ｓ，ｄがすべて定まる。マイクロプロセッサ１
３は、これらの数値にもとづいて２式の計算を実行する
から、テープ走行時間Ｔの表示信号が出力端子１５より
得られる。このようにして得られたテープ走行時間Ｔの
表示信号は、切換スイッチ１７を介し表示駆動回路１８
に送られ、この表示駆動回路１８は、複数個の７セグメ
ンツ表示素子より構成される表示部１９を駆動する。

なお、マイクロプロセッサ１３のもう１個の出力端子１
６は、上記巻取リール１の回転数を表示する信号を出力
するものであり、切換スイッチ１７をこの出力端子１６
に切換えたときには、従来のテープカウンタと同様の数
値が表示される。

さらに、上記切換スイッチ１７を、テープ走行時間表示
モード選択用のスイッチ２２と連動させ、またこの時間
表示モードでは、１分Ｊ１秒ョなどの時間単位を表示す
るための表示板２９を点灯させるような構成とすること
も好ましい。以上の説明からも明らかなように、磁気テ
ープ２の始端部、すなわち巻取リール１への巻始め位置
から磁気テープ２の走行時間表示が開始されるとともに
、巻取リール１（あるいは供給リール）の回転数を検出
し演算処理を行なつて、磁気テー丁プ２の走行時間を算
出し、走行時間表示を行なつている。

したがつて、従来のテープカウンタ程度の高い精度でテ
ープ現在位置の時間表示が行なえるとともに、早送り、
巻戻しを行なつてもテープ位置と走行時間との対応関係
が保たれる。さらにリールの回転検出装置は、巻取ある
いは供給のいずれか一方のみでよいため、従来のリニア
・テープ・タイマのように両方のリールの回転検出を行
なうのに比べて、部品点数が少なく構成も簡単と”なり
、安価な供給が可能である。なお、本発明は上記実施例
のみに限定されるものではなく、たとえば供給リール４
の回転数を検出することにより時間表示を算出すること
もできる。

この場合には、磁気テープ２を始端部位置まで巻き戻し
た状態では、供給リール４の巻回数が最大値■になつて
おり、供給リール４が回転して磁気テープ２が繰り出さ
れるに従い巻回数が減少する。他は巻取リール１の場合
と同様であるから、容易に計算式を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般のテープカウンタにおける計数値とテープ
走行量との関係を示すグラフ、第２図は本発明に係るテ
ープレコーダに用いられる走行時間を得るための計算式
を説明するための模式図、第３図は本発明の実施例の要
部を示すブロック構成図である。 １・・・巻取リール、２・・・磁気テープ、３・・・カ
セットテープ、４・・・供給リール、７・・・回転検出
装置、１３・・・マイクロプロセッサ、２０・・・制御
回路部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも走行時間表示スイッチと、カセットテー
   プの装着に応じて操作されるスイッチと、上記走行時間
   表示スイッチが動作状態とされているときにカセットテ
   ープの装着を上記スイッチで検出し、カセット内の磁気
   テープを始端部まで巻き戻す自動巻き戻し手段と、該始
   端部までの巻き戻し動作が完了したことを検出する巻き
   戻し完了検出手段と、該巻き戻し完了検出手段からの検
   出信号によりリセットし、かつ上記始端部からの上記カ
   セットテープのリールの回転数を検出して計数する計数
   手段と、テープの種類に応じたテープの厚みを選択的に
   設定するためのテープ種類選択手段と、予め定められた
   リールハブ径およびテープ走行速度と上記計数手段から
   の計数値と上記テープ種類選択手段により設定されたテ
   ープ厚みとにもとづいて演算処理することにより上記磁
   気テープの始端部からの走行時間を算出する演算処理手
   段と、この算出された走行時間を表示する表示手段とを
   備えてなるテープレコーダ。