JPS6048213B2 - 電磁フイルタ−の再生方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 上Ｗロロ３Ｌ年枡っノ３れカーの百止古ヨ 寸’ｊわち
、電磁フィルターのフィルターエレメントに吸着・回収
された磁性物質を洗浄・除去して該フィルターエレメン
トを再生させる方法に関する。

被処理流体またはスラリー中の磁性物質（磁性粒子）を
除去する電磁フィルターとして、被処理流体またはスラ
リーが貫流する入口及び出口を有する非磁性金属容器内
に強磁性体のフィルターエレメントを収納し、該フィル
ターエレメントに磁界を与えるための電磁コイルを前記
容器の周囲に設け、該電磁コイルを作動させることによ
り前記フィルターエレメント上に磁性粒子を吸着・回収
する形式のものが実施されている。このような電磁フィ
ルターにおいて、フィルターエレメント上に吸着・回収
された磁性粒子を洗ゝ浄・除去して再生する方法として
は、従来、電磁コイルの電源を切つてフィルターエレメ
ントに磁界が作用しないようにした後、水や水と空気の
混合物、あるいは水と不活性ガスとの混合物、さらには
高温水やスチーム等を用いて逆流を行なう方フ法が採用
されている。

しかし、このような方法では、フィルターエレメント内
に生ずる逆洗流体の流れのよどみ点に吸着・回収されて
いる磁性粒子や、フィルターエレメント内の間隙に入り
込んでいる磁性粒子に対し５ては充分な洗浄効果を得る
ことができず、再生率充分なため、フィルター前後の差
圧が上昇したり、フィルターエレメントの目詰りが生じ
たりして処理効率が低下するという欠点があつた。

また、従来の再生方法として、前記逆洗流体による洗浄
の際またはその前後でフィルターエレメントに交流磁界
を与え、該エレメント内のよどみ点や間隙に入りこんで
いる磁性粒子に振動を与えて洗浄除去をしやすくする方
法や、前記交流磁界に減衰特性を与えてフィルターエレ
メント及び磁性物質の残留磁気を消磁し、該残留磁気に
固る吸着力を除去する方法も提案されている。しかし、
このような従来技術では、磁性粒子に振動を与えるにし
ても、その運動の有効範囲は通常ては磁性粒子の直径程
度であり、最大の場合でもその数倍程度の距離にしか達
せず、０．１〜１０μｍ程度の代表寸法を有する磁性粒
子にとつてはその運動範囲は非常に限られた距離内のも
のてあつた。

したがつて、洗浄効果を向上させるには至らなかつた。
また、残留磁気を消磁させる交流磁界としては、周波数
５０〜１８０Ｈｚ，ピーク磁界８００〜１００００”Ｅ
，減衰時間１０〜３叩′のものが使用される。

しかし、このような減衰磁界によつては、容器内にきち
んと充填されているフィルターエレメントの方は消磁さ
れるが、吸着された微細粒子の磁性物質の方は単磁区あ
るいは数磁区構造となつて消磁困難である。その上、磁
性粒子自体は剛性運動を比較的自由に行ない得る状態に
あるため、消磁されるよりも低いエネルギー値を有する
剛体回転及び剛体揺動運動により磁気エネルギーが消．
費され、したがつて消磁のためには磁気エネルギーが有
効に使われず、交流減衰磁界を作用させても実際上洗浄
効果を向上させることができないという欠点があつた。
本発明は以上のような従来技術の欠点を解消す−ること
を目的とし、フィルターエレメントを通して逆洗流体を
流している間に、該エレメントに順逆両方向に急激に反
転するステップ状波形の交番磁界を発生させることによ
り容易かつ効果的な洗浄を行ないうる電磁フィルターの
再生方向を提供クするものてある。

すなわち、本発明によれば、除去すべき磁性物質を含ん
だ被処理流体またはスラリーを貫流させるための入口及
び出口を有する非磁性金属容器内に強磁性体のフィルタ
ーエレメントを収納し、該フィルターエレメントに磁界
を与えるための電磁コイルを前記容器の周囲に設けた形
式の電磁フィルターの再生方法において、前記フィルタ
ーエレメントを通して逆洗流体を流すとともに、該逆洗
流体を流している間に、前記電磁コイルにより、順逆両
方向に反転するステップ状波形の交番磁界も前記フィル
ターエレメントに作用させることを特徴とする電磁コイ
ルの再生方法が提供される。

以下、図面を参照して本発明の再生方法を具体的に説明
する。第１図は本発明の再生方法を実施する対象である
電磁フィルターの構造を示す図である。

容器１２は非磁性金属て作られた密閉中空体であり、該
容器内には多孔質の強磁性体、例えばスチールウール、
ステンレスウール、多孔フェライトなどで構成されたフ
ィルターエレメント１４が充填されている。容器１２の
下端及び上端には、磁性物質（粒子）を含んだ被処理流
体またはスラリーを貫流させるための入口１６及び出口
１８が設けられている。

容器１２の側壁周囲には電磁コイル２０が配置され、該
容器１２及び電磁コイルの全体は前記入口１６及び出口
１８の部分を除き中実強磁性体のリターンフレーム２２
によつて包囲されている。

電磁コイル２０は分離プロセス及び再生処理時に用いる
磁界をフィルターエレメント１４に発生させるためのも
のであり電源２４によつて付勢される。電磁コイルに電
流を流すと、該コイルの軸方向範囲内に強力な磁界が形
成され、次いで強磁性体のリターンフレーム２２に磁束
の帰路が形成される。こうして、容器１２の両側と両側
面とを画定するリターンフレーム２２の一部並びに多孔
質の強磁性体のフィルターエレメント１４によつて完全
密閉の磁気回路が得られる。以上の構成を有する電磁フ
ィルターに、入口１６から磁性粒子を含んだ被処理流体
またはスラリーを供給し容器１２内を貫流させ、これと
同時にフィルターエレメント１４に磁界を作用させると
、第５図１に示す如く、磁性粒子２６は多孔質強磁性体
のフィルターエレメント構成要素、すなわち、スチール
ウールの場合はこれを構成するスチールワイヤー２８上
に磁気的に吸引される。この第５図１は分離プロセス中
の作用を示す説明図であり、同図中の左方の図面でＡは
磁界方向を、Ｂは被処理流体の流れ方向を、Ｎ及びＳは
磁極を示し、右方の図面て１よ磁界Ａの強度と時間との
関係を示している。この場合の磁界は一様な磁界でｔあ
る。分離プロセスの時間経過に伴ない、スチールワイヤ
ー２８上に磁性粒子２６が蓄積され、フィルターエレメ
ント１４の磁気的吸着能力が減退してくると、該フィル
ターエレメントを洗浄して再生１させる必要が生じてく
る。

この場合、従来の再生方法では、電磁コイルの作動を停
止させた後、水または水と気体との混合物の逆洗流体を
容器１２内を通して貫流させることによりフィルターエ
レメント１４の洗浄を行なつていた。第５図２はその状
態を示す図であり、同図中Ｃは逆洗流体の流れ方向を示
し、右方の図面はフィルターエレメントの磁界が零磁界
であることを示している。しかし、このような従来技術
では、スチールワーイヤー２８及び磁性粒子２６に残存
する残留磁気Ｎ，Ｓにより吸着されている磁性粒子や、
フィルターエレメント内の逆洗流体のよどみ点に捕捉さ
れている磁性粒子は除去されずに残り、低い洗浄効果し
か得られなかつた。

他の従来技術ては、第５図２に示す如き逆洗流体による
洗浄に先立ち、電磁コイル２０に減衰特性を有する交流
電流を流して容器１２内に第２図に示すような減衰交流
磁界を発生させ、これによつてフィルターエレメント１
４及び磁性粒子の残留磁気を消磁させたりあるいは該磁
性粒子に振動を与える方法が採用されていたのは前述し
たとおりである。

しかし、このような従来技術によつても、前述した理由
から、洗浄効果の向上はほとんど期待できなかつた。本
発明の再生方法においては、逆洗流体を非磁性金属容器
１２内に貫流させるのと同期して、電磁コイル２０にス
テップ状波形の減衰交番電流を流し、例えば第３図ある
いは第４図に例示するような順逆両方向に急激に反転す
るステップ状波形 （の減衰交番磁界が印加される。

このステップ状交番磁界は、例えば、ピーク磁界１０〜
１００００，ピーク値保持時間０．１〜１０秒て略零磁
界を平均値とする矩形波形を有する減衰特性のものであ
る。また、逆洗流体の流れ方向は前記交番磁界の反転時
期に同期して所定のタイミングで適宜反転させることが
好ましい。第５図３及び第５図４はこのような状態を示
す説明図であり、同図中Ｄは交番磁界の方向を、Ｃは逆
洗流体の方向をそれぞれ示している。こうすることによ
り、先ず第５図３に示す如き第一回目のステップ状磁界
Ｄにより、フィルターエレメントを構成するスチールワ
イヤー２８の片側の磁性粒子２６は同極性磁気反撥力を
利用して容易かつ効果的に離脱させることができる。

離脱した磁性粒子は逆洗流体Ｃによつて洗い流される。
この場合の逆洗流体Ｃの流れは磁界Ｄと同じ方向にし離
脱した磁性粒子をスチールワイヤー２８から遠ざかる方
向に流出させるようにすることが好ましい。次いで、第
５図４に示す如く、第一回目とは逆方向の第二回目のス
テップ状磁界Ｄを作用させれば、スチールワイヤー２８
の他方の側に吸着されていた磁性粒子２６も同じく同極
性磁気反撥力を用いて容易に離脱させることができる。

この場合は、逆洗流体の流れ方向Ｃも磁界の反転と同期
させて反転させ、第５図４中に示す如く磁界Ｄの方向に
一致させてやれば、前述と同じ理由で、一たん離脱した
磁性粒子２６の洗浄除去を一層容易かつ効果的に行なう
ことができる。第５図３及び第５図４について説明した
磁性粒子の離脱・流出のメカニズムを磁気学的に捕捉説
明すれば次のとおりである。

磁性粒子２６は一般に単磁区あるいは数磁区構造を持つ
ており、しかも剛体運動が自由な状態におかれている。

このため、磁界方向Ｄが急に反転しても磁化の反転はそ
れ程急には起り難く、磁界反転の瞬間にはスチールワイ
ヤー２８と磁性粒子５２６とは同極性の磁極が相対する
ことになり、その磁気反撥力により磁性粒子はスチール
ワイヤーから強制的に放出される。その後、磁性粒子は
剛体回転を起こし再びスチールワイヤーに吸引される方
向に変化するが、磁性粒子は放出された時点クでスチー
ルワイヤーから離反されており、しかもこれを益々離反
させる方向に逆洗流体が流れているので、再びスチール
ワイヤーに吸着されることなくフィルターエレメントか
ら流出除去される。本発明の電磁フィルター再生方法に
よれは、多孔質の強磁性体て作つたフィルターエレメン
ト上に吸着された磁性粒子を従来技術に比べより強制的
にかつ効果的に除去することができるので、電磁フィル
ターの連続運転に対してもフィルター両側間の差圧上昇
を防止することができ、周辺機器の異常な負荷増大を回
避することができる。また、従来の再生方法てはフィル
ターエレメント内に残存した磁性粒子により該エレメン
トが局部的に閉塞する現象があつたが、本発明の再生方
法によればこのような現象を防止することができる。さ
らに、従来の再生方法においては、フィルターエレメン
トから磁性粒子をラングムな状態で放出させるため、該
エレメントの逆洗に長時間を要していたが、本発明によ
れば、フィルターエレメント内の磁性粒子を磁気反発力
により強制的に放出させこれを洗浄除去するので逆洗に
必要な時間を短縮することができる。

第６図及び第７図は逆洗時間に対する逆洗流体中の磁性
物質（磁性粒子）の濃度を示す図であるが、従来の再生
方法で．は第６図に示すように徐々にしか減少せず洗浄
完了までに長時間を要していたが、本発明の再生方法に
よれは第７図に示す如く間欠的な反転磁界の強制離脱作
用により短時間のうちに洗浄を完了することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の再生方法の実施対象てある電磁フィル
ターの構造を示す説明図、第２図は従来の再生方法で使
用する交流減衰磁界の特性を示す図表、第３図は本発明
の再生方法て使用するステップ状交番磁界の特性を例示
する図表、第４図は本発明の再生方法て使用するステッ
プ状交番磁界の他の特性を例示する図表、第５図１は分
離プロセス中のフィルターの状態を示す説明図、第５図
２は従来技術の再生方法の実施中の状態を示す説明図、
第５図３及び第５図４は本発明の再生方法の実施中の状
態を示す説明図、第６図は従来技術の再生方法による逆
洗時間と逆洗流体中の磁性物質濃度との関係を示す図表
、第７図は本発明の再生方法による逆洗時間と逆洗流体
中の磁性物質濃度との関係を示す図表である。 図面中の番号及び記号は以下の部分を表示している。 １２・・・・・・非磁性金属容器、１４・・・・・・フ
ィルターエレメント （スチールウール等）、１６・・
・・・・入口、１８・・・・・・出口、２０・・・・・
・電磁コイル、２６・・・・・・磁性物質（粒子）、２
８・・・・・・スチールワイヤー（フィルターエレメン
トの構成要素）、Ａ・・・・・・分離プロセス中の磁界
方向、Ｂ・・・・・・被処理流体の流れ方向、Ｃ・・・
・・・逆洗流体の流れ方向、Ｄ・・・・・・再生処理中
の磁界方向をそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 除去すべき磁性物質を含んだ被処理流体またはスラ
   リーを貫流させるための入口及び出口を有する非磁性金
   属容器内に強磁性体のフィルターエレメントを収納し、
   該フィルターエレメントに磁界を与えるための電磁コイ
   ルを前記容器の周囲に設けた形式の電磁フィルターの再
   生方法において、前記フィルターエレメントを通して逆
   洗流体を流すとともに、該逆洗流体を流している間に、
   前記電磁コイルによつて順逆両方向に反転するステップ
   状波形の交番磁界を前記フィルターエレメントに作用さ
   せることを特徴とする電磁フィルターの再生方法。 ２ 前記第１項記載の電磁フィルターの再生方法におい
   て、前記交番磁界として減衰特性を有しかつ略零磁界を
   平均値とする矩形波形の磁界を作用させることを特徴と
   する方法。 ３ 前記第１項または第２項記載の電磁フィルターの再
   生方法において、前記交番磁界が順方向に作用している
   とき前記逆洗流体を順方向に流し、かつ該交番磁界が逆
   方向に作用しているとき逆洗流体を逆方向に流す段階を
   含んでいることを特徴とする方法。