JPS6045062B2 - 積層フイルム製チユ−ブとその成形方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、積層フィルム製チューブとこのチューブの成
形方法に関するもので、さらに詳言すれば、帯状となつ
たフィルムの両側端の接合部が他の部分よりも肉厚とな
らないようにしてチューブ５の外観を良くすることを目
的とするものてある。

他の目的は、フィルムの両側端の接合部における不侵透
の劣化を防止することにある。帯状となつた積層フィル
ムをまるめて、このフィルムの両側端間を接合して成形
されるチューブが数多く利用されている。

このチューブ成形に利用される積層フィルムは、ほとん
ど例外なくアルミニウム箔とかナイロンシートとかさら
にはポリエステルシール等の不侵透性の高い材料製のシ
ートの両面に耐水性、耐薬性、耐酸性そして耐衝撃性に
優れたポリエチレン樹脂の如き材料で被膜を成形して構
成されている。

もちろん、チューブの表面に模様、文字を表わすべく印
刷層を設けたり装飾層を設けたりすることはあるが、積
層フィルムの基本的構造は前記した不侵透性シートの両
面に被膜を施したものであることに変りがない。

このような構成となつた積層フィルムでチューブを成形
するに際し、注意しなければならない基本的な事項は、
フィルムの側端面に露出した不侵透層がチューブの内面
または外面に露出した状態でチューブに成形してはなら
ないということである。

これは、不侵透層の側端面がチューブの内面または外面
に露出すると、チューブ内に収納される内容物または外
気とか水分によつて不侵透層が腐食、変質するとか、不
侵透層の材料が内容物内に析出して内容物を変質させる
とかの不都合が生ずるからである。

このため、従来のこの種の積層フィルムを使用したチュ
ーブにあつては、帯状となつた積層フィ．ルムの両側端
縁部を重ね合せて溶着し、この溶着の際に被膜を形成す
る樹脂または専用に設けた樹脂体により、フィルムの側
端面を覆うようにするとか、フィルムの側端縁を噛み合
せ、これを折り曲げて溶着する等の手段が取られていた
。

それゆえ、フィルム両側端縁の接合部は、他のチューブ
部分に比べて、どうしても肉厚となり、このため、チュ
ーブの周面に段部が形成されて外観を著しく害すると共
に、チューブに成形されてからのチューブ表面への印刷
が難しくなる等の不１都合があつた。

また、このようにチューブの一部に軸心に沿つて肉厚部
が形成されると、この肉厚部が他の部分に比べて変形し
難い部分となるため、例えばチューブ容器に成形した場
合に、内容物の注出量に従つたチューブ容器の良好な変
形を望まないという欠点があつた。

さらに、特にチューブ容器とする場合には、チューブの
周方向に沿つた肉厚が均一でないために、このチューブ
成形型の一部としてインサート成形される頭部は、金型
の型締め不完全さによつてバリの発生する場合とか、接
合が全周にわたつて均一に達成されるとは限らない場合
があつた。

本発明は、上記した従来例における欠点を解消すべく創
案されたもので、従来１層の不侵透層によつてチューブ
を形成していたのに対し、本発明は、この不侵透層を少
なくとも２層設け、各不侵透層の接合部を周方向にずら
せることによつて接・合部における不侵透効果の劣化を
防止したものである。以下、本発明を図面に従つて説明
する。

第１図ないし第３図に示す実施例は、本発明の基本を示
すもので、アルミニウム箔、ナイロンシ”一ト、ポリエ
ステルシート等の不侵透性の高い材料によつて帯状に成
形された第１の不侵透層Ｆ１および第２の不侵透層Ｆ２
を相互に所定量だけ側方に変位させて接合層Ｓで接合す
る。

第１および第２の不侵透層Ｆｌ，Ｆ２の接合されなかつ
た側の表面には耐水性、耐薬性そして耐衝撃性に優れた
ポリエチレン樹脂の如き材料によつて成形された表面層
Ｈｌ，Ｈ２を被覆形成しておく。

このようにして成形されたフィルム体Ａは、両不侵透層
Ｆｌ，Ｆ２を変位させることによつ形成される両側端縁
部である接合部Ａ″１とＡ″２とを重ね合せかつ個々の
不侵透層Ｆｌ，Ｆ２の両側端面が当接する状態で組合せ
て接合してチューブ体Ｔを形成している。

このフィルム体Ａの両側端縁接合に際しては、両接合部
Ａ″，，Ａ″２の接合と同時に表面層Ｈｌ，Ｈ２も接合
し合うので各不侵透層Ｆｌ，Ｆ２はチューブ体Ｔの内外
面において表面層Ｈｌ，Ｈ２によつて完全に被覆された
状態となつている。

また、第１の不侵透層Ｆ１を主体とする外部フィルムＡ
１の接合された両側端面すなわち接合端面Ｄ１と第２の
不侵透層Ｆ２の主体とした内部フィルムＡ２の接合され
た両側端面すなわち接合端面Ｄ２とは、チューブ体Ｔの
周方向に沿つてその位置を変位させているので、チュー
ブ体Ｔとして接合端面Ｄｌ，Ｄ２における不侵透層Ｆｌ
，Ｆ２の不侵透性効果の劣化が生ずる恐れは全くない。

さらに、フィルム体Ａはその両側端面を突き合せた状態
で接合されてチューブ体Ｔを形成しているので、このフ
ィルム体Ａの接合部が他の部分よりも肉厚が大きくなる
いうことがなく、チューブ体Ｔはその全周が均一な肉厚
で成形されることになる。このような構造となつたチュ
ーブ体Ｔの成形方法としては種々のものが考えられるが
、最も簡単と思われる方法を説明する。

ます、第１の不侵透層Ｆ１の一方の表面に表面層Ｈ１を
そして反対の表面に接合層Ｓを押出しコーティング法に
より被覆して外部フィルムＡ１を成形する。

これとは別に第２の不侵透層Ｆ２の一方の表面に表面層
Ｈ２を押出しコーティング法により表面層Ｈ２を被覆し
て内部フィルムＡ２を成形する。

このようにして成形された外部フィルムＡ１と，内部フ
ィルム〜とを側方に所定量変位させて接合してフィルム
体Ａを成形し、このフィルム体Ａをまるめて両側端縁部
であ接合部Ａ″１，Ａ″２を接合してチューブ体Ｔを成
形する。この方法の場合、接合部Ｓは前もつて外部フィ
ルムＡ１の一部として成形されているので、外部フィル
ムＡ１と内部フィルムＡ２との位置合せの時に接合層Ｓ
の位置を考慮することはないので接合作業が行ない易く
なる。

また、第１の不侵透層Ｆ１として、アルミニウム箔を使
用する場合に、接合層Ｓは押出しコーティング法により
不侵透層Ｆ１に接合されるので、アルミニウムとの接合
に特別な考慮を払わなくて良いという利点がある。

もちろん、この場合、第２の不侵透層Ｆ２はアルミニウ
ム箔以外のものを使用する。

第４図ないし第６図に示した実施例は、外部フィルムＡ
１および内部フィルムＡ２共に接合層Ｓｌ，Ｓ２を有す
るものの場合を示すもので、特に両不侵透層Ｆｌ，Ｆ２
がアルミニウム箔を利用している場合に有効なものであ
る。

この場合、外部フィルムＡ１と内部フィルムＡ２との接
合は、アルミニウム箔との接合を考慮することなく、接
合層Ｓｌ，Ｓ２同志の接合を考慮すれば良い。

特に、両接合層Ｓｌ，Ｓ２を同一材料で成形した場合に
は、外部フィルムＡ１と内部フィルムＡ２との接合強度
は極めて強大なものとなり、チューブ体Ｔとして充分な
強度を得ることができる。

また、場合によつては 、外部フィルムＡ１と内部
フィルムＡ２共に完全に同一の構造、構成とすることが
できるので、両フィルムＡｌ，Ａ２を成形する手間が１
つ省略することができるという利点がある。以上の説明
から明らかな如く、本発明は、チューブ体Ｔの表面に縦
突条が全く成形されることなく、全周にわたり均一な肉
厚となりかつ接合部分を外部から見分けることができな
いものとなるので、外表面が完全な円滑面となり、それ
ゆえ外面のきれいなものとなると共に印刷が容易となり
、さらに、種々のチューブを利用した容器への成形が容
易であると共に美しく成形することができ、また不侵透
性の効果が全く劣化することがなく、さらに成形も容易
である等種々の優れた作用効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の成形順を示すもので、第
１図はフィルム体成形状態を示す断面図、第２図は成形
されたフィルム体の構造を示す・断面図、第３図はチュ
ーブ体の構成を示す断面図である。 第４図ないし第６図は他の実施例を示すもので、第４図
はフィルム体成形順を示す断面図、第５図はフィルム体
の構造を示す断面図、第６図はチューブ体の構造を示す
断面図である。符号の説明Ｔ：チユーブ体、Ａ：フイル
ム体、Ａ１：外部フィルム、Ａ２：内部フィルム、Ａ″
１，Ａ″２：接合部、Ｄｌ，Ｄ２：接合端面、Ｈｌ，Ｈ
２：表面層、Ｆｌ，Ｆ２：不侵透層、Ｓ，Ｓｌ，Ｓ２：
接合層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 帯状となつた積層フィルムをまるめて両側端部を接
   合して成形されるチューブ体Ｔであつて、アルミニウム
   箔、ナイロンシート、ポリエステルシート等の不侵透性
   の高い材料によつてシート状に成形された第１の不侵透
   層Ｆ＿１と第２の不侵透層Ｆ＿２との間に両不侵透層Ｆ
   ＿１，Ｆ＿２を接合する接合層Ｓを位置させ、前記両不
   侵透層Ｆ＿１，Ｆ＿２の前記接合層Ｓが位置しない側の
   表面にポリエチレン樹脂の如き耐水性、耐薬性として耐
   衝撃性に優れた材料で表面層Ｈ＿１，Ｈ＿２を被覆形成
   し、前記第１の不侵透層Ｆ＿１の側端面の接合端面Ｄ＿
   １と第２の不侵透層Ｆ＿２の側端面の接合端面Ｄ＿２と
   を周方向にずらせて位置させて成る積層フィルム製チュ
   ーブ。 ２ 不侵透層Ｆ＿１，Ｆ＿２の少なくとも一方をアルミ
   ニウム箔で形成して特許請求の範囲１に示した積層フィ
   ルム製チューブ。 ３ アルミニウム箔、ナイロンシート、ポリエステルシ
   ート等の不侵透性の高い材料によつてシート状に成形さ
   れた第１の不侵透層Ｆ＿１および第２の不侵透Ｆ＿２の
   一方の表面ポリエチレン樹脂の如き耐水性、耐薬性そし
   て耐衝撃性に優れた材料で表面層Ｈ＿１およびＨ＿２を
   被覆成形して成る同一幅寸法の帯状となつた外部フィル
   ムＡ＿１と内部フィルムＡ＿２とを前記表面層Ｈ＿１，
   Ｈ＿２の位置しない表面で接合層Ｓにより側方に所定寸
   法ずれた姿勢で接合してフィルム体Ａを成形し、該フィ
   ルム体Ａをまるめて、フィルム体の一方の側端に形成さ
   れる外部フィルムＡｔの接合部Ａ′＿１をフィルム体Ａ
   の他方の側端に形成される内部フィルムＡ＿２の側端部
   である接合部Ａ′＿２とを重ね合せると共に外部フィル
   ムＡ＿１の両側端面同志および内部フィルムＡ＿２の両
   側端面同志を当接させた状態で前記フィルム体Ａの両側
   端部間を溶着接合する積層フィルム製チューブの成形方
   法。 ４ 第１および第２の不侵透層Ｆ＿１，Ｆ＿２の少なく
   とも一方をアルミニウム箔で成形し、該アルミニウム箔
   で第１および第２の不侵透層Ｆ＿１，Ｆ＿２を成形した
   外部フィルムＡ＿１およびまたは内部フィルムＡ＿２を
   成形する際に、表面層Ｈ＿１およびまたはＨ＿２と一緒
   に接合層Ｓ＿１およびまたはＳ＿２を押出しコーティン
   グ成形法により前記第１およびまたは第２の不侵透層Ｆ
   ＿１，Ｆ＿２の表面に被覆成形する特許請求の範囲３に
   示した積層フィルム製チューブの成形方法。