JPS6044472B2 - 鉄筋コンクリ−ト柱の補強方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 最近地震によつて鉄筋コンクリート構造物が大被害を受
ける例が多くみられるが、その主因は柱の剪断破壊によ
るものであるとされている。

特に繰返し大変形下において、柱のコンクリートが脆化
し、鉛直荷重に抗しきれず、建物全体の崩壊に至ること
もある。このような破壊を防止するためには、柱のコン
クリートを充分な横補強筋によつて拘束することが有効
であるが、既存の鉄筋コンクリート構造物にはこのよう
な配慮のなされていないものも数多く、改めて補強すべ
きことを指摘される場合がある。このような場合におけ
る従来の補強方法は、既存柱の周囲に新らたに鉄筋等を
配し、更に型枠な配設してコンクリートを巻立てるのが
一般であるが、補強後の柱断面が既存柱に比してかなり
大きくなり、建物使用上の支障を招来するとともに、湿
式であるため、補強工事中の建物使用不可能な期間が長
期に亘ることがあるという欠陥がある。

本発明はこのような欠陥を除去するために提案されたも
のであつて、既存の鉄筋コンクリート柱の外周面に複数
の鋼板を接着剤を介して添接し、型鋼若しくは木製角材
等の圧着部材を前記各鋼板に添接し、次いで相対する圧
着部材間にボルトを挿通するとともにナットを螺着緊締
して前記各圧着部材により前記各鋼板を既存鉄筋コンク
リート柱の外周面に圧着し、次いて相隣る鋼板間を溶着
して一体化することを特徴とする鉄筋コンクリート柱の
補強方法に係るものである。本発明においては前記した
ように、既存の鉄筋コンクリート柱の外周面の形状に対
応して所要数に区分した複数の鋼板を接着剤を介して前
記柱の外周面に添接し、型鋼若しくは木製角材等の圧着
部材を前記各鋼板に溶接したのち、相対する圧着部材間
にボルトを挿通するとともにナットを螺着緊締して前記
各鋼板により柱外周面を包覆したのち、相隣る前記鋼板
間に溶着して一体化せしめ、・かくして前記既存の鉄筋
コンクリート柱を補強するようにしたので、同既存の鉄
筋コンクリート柱の断面をそれ程大きくせす、また主と
して乾式の方法によつて補強するので、補強工事中及び
補強後の建物使用に影響を及ぼすことが少ない等、本・
発明は多くの利点を有するものである。

以下本発明を図示の実施例について説明する。

１は補強されるべき方形断面の既存の鉄筋コンクリート
柱で、その相対する一双の外周面に夫々接着剤２を塗着
し、（第１図参照）同各接着剤塗布面に夫々鋼板３を添
接し、型鋼若しくは木製角材等の圧着部材４を前記各鋼
板３に添接して、相対する圧着部材４間にボルト５を挿
通するとともにナット６で螺着緊締して前記各圧着部材
４により前記各鋼板３を鉄筋コンクリート柱１の外周面
に圧着する。

（第２図参照）次いで前記鉄筋コンクリート柱１の相対
する他の一双の外周面に夫々接着剤２を塗布し、（第３
図参照）同各接着剤塗布面に夫々鋼板３″を添接する。

なお同各鋼板３″は端部が前記鋼板３に重合するようＬ
字状に折曲されている。更に前記各鋼板３″を前記同様
にして圧着部材４を介して鉄筋コンクリート柱１の外周
面に圧着する。（第４図参照）次いて前記鋼板３と鋼板
３″の折曲部とを溶着ｗして、鋼板３，３″により既存
の鉄筋コンクリート柱１を補強するものである。

（第５図参照）第６図は本発明の方法の他の実施例を示
し、既存の鉄筋コンクリート柱１の外周面に、前記実施
例と同様にして平板状の鋼板３を接着剤を介して圧着し
、前記柱１の各隅角部において相隣る鋼板３，３間にＬ
型鋼７を溶着ｗして、前記既存の鉄筋コンクリート柱１
を鋼板３で補強するものであ−る。第７図乃至第９図は
本発明の更に他の実施例を示し、方形断面の既存の鉄筋
コンクリート柱の外周面全体に接着剤２を塗布し、（第
７図参照）相隣る外周面に亘つて一双のＬ型鋼板３″を
添接す．−る。

次いでＬ型圧締部４″ａの両端より夫々４５．の光角で
ボルト取付部４″ｂを延設してなる一双の圧着部材４″
を、夫々のＬ型圧締部４″ａが前記Ｌ型鋼板３″を抱着
するように配設し、相対する前記一双の圧着部材４″の
ボルト取付部４″ｂ間に亘つてボルト５を挿通してナッ
ト６で螺着緊締することによつて、前記各Ｌ型鋼板３″
を鉄筋コンクリート柱１に圧着し、（第８図参照）相隣
る前記Ｌ型鋼板３″の端部間にＬ型鋼７を重合して溶着
ｗし、既存柱の鉄筋コンクリート柱１をＬ型鋼板３″で
補強するものである。なお前記各実施例においては、鉄
筋コンクリート柱の外周面に接着剤を塗布したのち、鋼
板を圧着しているが、鋼板の裏面に予め接着剤を塗布し
たのち、同鋼板を鉄筋コンクリート柱の外周面に圧着し
てもよい。

また前記鉄筋コンクリート柱の高さ方向に亘つて所要数
に区分された鋼板を前記柱外周面に接着剤を介して圧着
するようにしてもよい。

以上本発明を実施例について説明したが、本発明は勿論
このような実施例にだけ局限されるものではなく、本発
明の精神を逸脱しない範囲内で種々の設計の改変？虚し
うるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本発明に係る鉄筋コンクリート柱の
補強方法の一実施例の工程を示す横断平面図、第６図は
本発明の方法の他の実施例によつて補強された鉄筋コン
クリート柱の横断平面図、第７図乃至第９図は本発明の
方法の更に他の実施例の工程を示す横断平面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 既存の鉄筋コンクリート柱の外周面に複数の鋼板を
   接着剤を介して添接し、型鋼若しくは木製角材等の圧着
   部材を前記各鋼板に添接し、次いで相対する圧着部材間
   にボルトを挿通するとともにナットを螺着緊締して前記
   各圧着部材により前記各鋼板を既存鉄筋コンクリート柱
   の外周面に圧着し、次いで相隣る鋼板間を溶着して一体
   化することを特徴とする鉄筋コンクリート柱の補強方法
   。