JPS60442B2 - 被服 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は被服、より詳しくは被服における脇ポケット
の改良に関するものである。

従来、ズボンやジャンパ一等の被服の側部につけられて
いる脇ポケットは、一般に、手を出し入れし易いように
、そのポケット口が開放されたままであるため、これを
上下逆様にして洋服ハンガーなどに掛けた際、ポケット
内の収納物、例えば小銭などの小物重量物がポケット口
から逆流し、床面上に散乱する場合が多々ある。

これを防止しようとすれば、脇ポケット口にスライドフ
ァスナーを付けて塞ぐようにすればいいが、その場合は
もバンカチなどの出し入れを不便にしてしまうという欠
点がある。また近年、生活様式の近代化とあわただしい
生活環境に合わせて「合理的な着装意識が広まりつつあ
る。

洋服などのポケットについても従来、「かくし一と呼ば
れた本来の用途から、今日では実用的、合理的かつ機能
を重視した要望が高まっている。特に男性の洋服などは
教えきれないほどのポケットがつけられており、一説に
はこれだけの数は不要という声がある反面、女性のハン
ドバック代りの必要性が強調されつつある。ハンドバッ
クを持たない男性にとつては日常身につけなければなら
ない生活必需品のうち、脇ポケットの場合ハンカチ、ち
り紙から、ライター、鍵、印鑑などの貴重品をはじめ近
年自動販売機の急速な普及に伴い、硬貨などを収納する
いわゆる小銭入れの機能も要求されつつあり、簡易迅速
を尊ぶ今日の生活環境にマッチした実用的、合理的かつ
機能的なポケットについてのニーズが高まっている。こ
の発明は、このようなニーズに着目し、従釆の被服の脇
ポケットの形態、構造、用途面からの改良を意図したも
ので、さらに使い勝手のよさも追求し、鋭意検討の結果
なされたものである。以下、その詳細を被服のうちのズ
ボンを例にとり説明する。図面において、１は被服本体
（ズボン、ジャンパー）、２はその前身頃、３はその後
身頃、４は前身頃２と後身頃３との脇縫い線、５はウエ
スト帯であり、６は前身頃２の脇縫い線４の上方に設け
られる外側脇ポケット、７は脇ポケット、８は封口型ポ
ケットである。

外側脇ポケット６は二つ折りされた内外布１０ａ，１０
ｂを前身頃２の内側に縫着することにより形成されてお
り、そのポケット口１１は脇縫い線４から前方側に離し
て斜め方向に関口されている。

なお、この外側脇ポケットは、従来のズボンに形成され
ていた普通のものと同じものであって、、、この発明に
不可欠のものではない。脇ポケット７は、外側脇ポケッ
ト６の内側に形成されており、その外側布は、外側脇ポ
ケット６の内側布１０ｂと共通にした形となっており、
これと布片１２とによって脇ポケット７が形成されてい
る。なお、この脇ポケット７のポケット口部１３は、外
側脇ポケット６のポケット口１１と同様に、脇縫い線４
から前方に向けた斜め状に形成されている。封□型ポケ
ット８は、前記脇ポケット７の布片１２をもって外側布
とし、これに内側布１４をあてがって縫着することによ
って形成されており、内側布１４は、その下方部に折り
返し部１４ａが形成されている。

そして、この封○型ポケット８のポケットロー６は、脇
縫い線４上に一致させて関口ごれるとともに、スライド
ファスナー１５、好ましくはコンシールフアスナーで開
閉自在となるように構成されている。この封口型ポケッ
トロー６の形成並びにスライドファスナー１５の縫着は
、まず脇縫い線上のうち封□型ポケット口１６の位置に
相当する部分を縫合せずに開口させておき、スライドフ
ァスナー１５の両首テープ部の一方を布片１２に、その
他方を後身頃３と布片１４との間にはさみ込んだ状態と
して縫合することによって行なわれる。脇ポケット７と
封□型ポケット８とには、その下方部に、共通する受け
止め部１７が取付けられている。

すなわち、二つ折りにした合成皮革片をもって構成した
受け止め部１７の一端部を外側脇ポケット６の内布ＩＤ
ｂの下方に、他端部を封口型ポケット８の内側布１４の
折り返し部１４ａに縫着させることによって取付けられ
ている。またも脇ポケット７の外側布を構成する内布１
０ｂと封口型ポケット８の外布片１２とは、第３図並び
に第４図に示すとおり、下方に至るにしたがい漸次狭幅
状となる縫い付け部１８り １９が施されており、脇ポ
ケット７のポケット口１３から投入された硬貨等の小物
が、この小物投入路２０を通つて受け止め部１７内に落
下するよう構成されている。すなわち、かかる縫い付け
部１８，１９により、小物を受け止め部１７内に誘導さ
せることになると同時に、脇ポケット７への逆戻りが防
止せられている。しかし、かかる縫い付け部１８，１９
は必ずしも必要とするものではない。なお脇ポケット７
の外布婁２と受け止め部１７の一方上端とは、小物投入
略２０を残し、縫い付け部２１，２２によって縫合せら
れている。なお、各ポケットの左右両端部並びに受け止
め部１７の両端部は、上記した開口部を残し、縫合せら
れている。

上記は、被服のうちのズボンを例にとり説明したもので
あるが、第２図で示すジャンパーに同様の構成として採
用することも可能である。この発明に係る被服は上記の
ような構成であり、脇ポケット７のポケット口１３は、
従来のものと同様に関口ごせたままであるので、ここに
ハンカチなどを容易に出し入れすることができる。

そして、被服を二つ折りにして洋服ハンガーなどに掛け
、そのポケット位置の上下が逆様になった場合であって
も、スライドファスナー１５を閉じておく限り、小銭な
どの重量物が逆流して床上に散乱するといったことを防
止し得る。ちなみに、小銭等の重量物の散乱を防止する
だけの目的であれば「ポケット口にスライドファスナー
を付けた別個のポケットを設け、これに小銭等を入れて
おくようにすればいいが、この場合は、それの投入の際
にもスライドファスナーの開閉操作を行わなければなら
ず、使用勝手の悪いものになるが、この発明では、その
ような操作を必要としない。また、同じ脇ポケット７内
に入れたものであっても小銭等の小物重量物は受け止め
部１７内に、ハンカチ等の軽量物は脇ポケット内に分け
られて収納し得るため、ハンカチ等の取り出しの際に小
銭等が一緒について出るといったことも防止し得る。さ
らに、イ・物重量物を収納する受け止め部１７を合成皮
革あるいは皮革等で構成した場合、あたかも皮革等のコ
イン入れに小銭を入れた状態となり、小走りの際に生ず
る不愉快な小銭の接触音を防止し得る。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、この発明の一実施例を示すものであって、
第１図はズボンに応用した場合のズボンの全体を示す側
面図、第２図はジャンパーに応用した場合のジャンパー
の全体を示す正面図、第３図はズボンに応用した場合の
その要部を示す拡大外側面図、第４図はその拡大内側面
図、第５図は第４図におけるＡ−Ａ線切断端面図である
。 ６・・・…外側脇ポケット、丁・・・・・・脇ポケット
、８……封○型ポケット、１５……スライドファスナー
、１７…・・・受け止め部「 ２０…・・・小物投入路
。 第１図第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被服本体１に、受け止め部１７を共通にする脇ポケ
   ツト７並びに封口型ポケツト８を形成するとともに、封
   口型ポケツト８のポケツト口１６をスライドフアスナー
   １５で開閉自在とし、かつ、前記脇ポケツト７の下方に
   は、受け止め部１７へと通じる小物投入路２０を設けた
   ことを特徴とする被服。 ２ 受け止め部１７が、皮革あるいは合成皮革等の素材
   で構成せられたものである特許請求の範囲第１項記載の
   被服。