JPH0444568Y2

JPH0444568Y2 -

Info

Publication number: JPH0444568Y2
Application number: JP1987006731U
Authority: JP
Priority date: 1987-01-20
Filing date: 1987-01-20
Publication date: 1992-10-21
Also published as: JPS63115026U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案はコート、更に詳しくは、ポケツトの特
徴のあるコートに関するものである。

〔従来の技術〕

コートは用途、生地、流行等によりそのデザイ
ンが種々であるが、最も一般的なデザインのコー
トにおいてはコートの表側の両脇にポケツトが設
けられている。また、コートのデザインによつて
は両脇の他にコートの表側に胸ポケツトが付いて
いるものもある。

また、コートの内側に胸ポケツトや週刊誌が入
るような大きなマガジンポケツトが付いているコ
ートもある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

コートを着る季節になると、カバンやバツク等
を持ち歩かない男性は持物を収納するのに不便を
感じる。すなわち、コートの脇ポケツトだけでは
収容力が充分でなく、タバコなどを入れるのに不
都合である。また、コートの内側に設けた胸ポケ
ツトやコートの下に着ている衣服のポケツトは、
コートのボタンを外さなければ利用できないの
で、寒いときには特に不都合に感じる。

また、デザインの関係で表側の胸ポケツトが付
いていないコートが多い。これは、消費者一般
（着用者）に好まれて、売行きがよいコートはオ
ーソドツクスなデザインのものであり、変わつた
デザインにすると消費者の好みに合わず、売行き
が悪くなるという問題のためである。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上述のような問題を解決し、
ボタンを外さなくとも物の出し入れができ、週刊
誌のような大きな物やタバコのような嵩張つた物
を入れることも可能なポケツトを備えたコート
で、しかも、デザイン的にもオーソドツクスなデ
ザインのコートと外観が変わらないようなコート
を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によれば、コートの前開きを比翼仕立て
とし、上前の比翼部分にポケツトが縫着され、該
ポケツトは表比翼部分と裏比翼部分の間にポケツ
ト口が開口していることを特徴とするコートのポ
ケツトにより、前述の目的を達成した。

〔実施例〕

第１図は本考案のポケツトを設けたコート（紳
士用コート）の一実施例の正面図、第２図は第１
図に示したコートの上前側の前身頃の裏側を示す
部分正面図である。

本考案のポケツト８は表側からは見えないの
で、第１図においては一点鎖線でその位置を示し
た。また、第２図に示すように裏地７が付いてい
る場合は、コートの裏側からも見えないので、第
２図においても本考案のポケツト８は一点鎖線で
位置を示した。

第１図および第２図に示すように、本考案のポ
ケツト８は胸元辺りで比翼部分に繋がつたポケツ
ト口８３を備えており、ポケツト自体の大きさは
特に限定されず、小さくても良いし、或は、本等
が入れられるようにかなり大きくしても良い。な
お、本考案のポケツト８の底８４は、脇ポケツト
２１が付いている場合はそれぞれのポケツト８、
２１に収納した物が重なり合わないようにするた
めに、脇ポケツト２１のポケツト口付近までとす
ると良い。

第２図に示すように、この実施例では上から２
番目のボタン穴９から一番下のボタン穴９の箇所
まで比翼仕立てで、前端が二重になつている。身
返し４には内ポケツト２２が付けられ、身返し４
の内側端は裏地７に縫い合わされている。

第３図は第２図の−線に沿つて断面した斜
視図であり、比翼仕立ての上前の裏側を示してい
る。第３図に示した実施例において、表側の比翼
部分（表比翼部分）は前身頃表地１、前芯２、お
よび表地１と共地の表比翼布３からなり、これら
は前端のステツチ１１により縫い合わされてい
る。裏側の比翼部分（裏比翼部分）は身返し４、
比翼芯５および裏比翼布６からなり、これらはコ
バステツチ１２により縫い合わされている。

第３図に示した実施例では、ポケツト８は２枚
の袋布８１，８２からなり、袋布８１および袋布
８２はそれぞれ表比翼布３および裏比翼布６に縫
い目１３，１４により縫着される。袋布８１と袋
布８２の周縁は縫い目１５で縫われて、袋を形成
している。

ポケツト８は表比翼布３および裏比翼布６に縫
着された箇所がポケツト口８３となり、矢印Ａで
示したように、表比翼部分と裏比翼部分との間の
比翼の開きからポケツト口８３に手を入れて、ポ
ケツト８内部に物を入れたり、出したりすること
ができる。

このように本考案のポケツト８は、ボタン穴９
を形成した裏比翼部分とボタン穴９を隠すための
表比翼部分との間にポケツト口を開口させたの
で、ボタン穴９の間隔に制限されることなく、ポ
ケツト口の大きさを任意に設定できる。なお、通
常のボタン穴の間隔は紳士物で12〜16cmであるの
で、仮にボタン穴の間隔によりポケツト口の大き
さが制限されると、ポケツト口が小さいために手
の出入れ、物の出入れが行えなくなる。

本考案のポケツト８を作るには、比翼を先に仕
立ててから、ポケツトを縫い付けても良い。或
は、２枚の袋布をそれぞれ表比翼布および裏比翼
布に縫い付けてから、比翼を仕立ててもよい。

また、ポケツト口８３の箇所にフアスナー、ベ
ルベツト式フアスナまたはスナツプボタン等を取
付けて、ポケツト口を開閉できるようにしても良
い。

なお、図示した実施例では紳士用コートに本考
案のポケツトを設けたものであるが、この実施例
に限らず、本考案のポケツト８は前開きが比翼仕
立てとなつている婦人用コートにも適用できる。

また、本考案のポケツトは図示した比翼に限ら
ず、他の形式の比翼、例えば前身頃表地および身
返しをそれぞれ折り返して表裏の比翼布の代りと
した折返し比翼等、にも適用できる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、コートのデザインを損うこと
なく、ポケツトを増やすことができ、しかも比較
的大きなポケツトとすることも可能であり、物を
充分に収容できるようになる。

すなわち、本考案によれば、コートの前身頃の
表面には特別なポケツトを設けておらず、前開き
も従来のオーソドツクスなコートと同様に比翼仕
立てとしているので、本考案のコートはデザイン
的に消費者一般に好まれ、売行きのよい従来のオ
ーソドツクスなコートと変わらない外観とするこ
とができる。しかも、コートに脇ポケツトだけで
はなく、コートの前身頃に外から全く見えないよ
うに大きいポケツトを付けられるので、物の収容
力が充分となる。

本考案によれば、表比翼部分と裏比翼部分との
間にポケツト口を開口させたので、ボタンを外し
たり嵌めたりしなくても、ポケツトに物を出入れ
できるので、非常に便利である。また、上着の前
を開かなくても物の出入れができるので、寒いと
きには好都合である。また、背広の内ポケツトと
同じ感覚で使用することができる。

本考案のポケツトは、比翼を利用しているの
で、ボタン穴の間隔に関係なく、ポケツト口の大
きさを任意に選定することができ、従つて、物の
出し入れが容易となる。

本考案のポケツトは表比翼部分と裏比翼部分の
間でポケツト口が横方向に開いているので、コー
トを脱いで手に抱えた際にも、ポケツト口が表裏
の比翼部分に挟まれてカバーされている状態とな
り、比翼部分によりポケツトの中身が落ちてしま
うことを防止でき、安全である。

本考案のポケツトは隠しポケツトとなるので、
大事な物を入れておくことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のポケツトを設けたコート（紳
士用コート）の一実施例の正面図、第２図は第１
図に示したコートの上前側の前身頃の裏側を示す
部分正面図、第３図は第２図の−線に沿つて
断面した斜視図である。１……前身頃表地、２……前芯、３……表比翼
布、４……身返し、５……比翼芯、６……裏比翼
布、７……裏地、８……ポケツト、８１，８２…
…袋布、８３……ポケツト口、８４……ポケツト
の底、９……ボタン穴、１１……ステツチ、１２
……コバステツチ、１３，１４，１５……縫い
目、２１……脇ポケツト、２２……内ポケツト。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

コートの前開きを比翼仕立てとし、上前の比翼
部分にポケツトが縫着され、該ポケツトは表比翼
部分と裏比翼部分の間にポケツト口が開口してい
ることを特徴とするコートのポケツト。