JPS604380B2 - 機関用始動電動機のオ−バランニングクラツチ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は機関用始動電動機のオーバランニングクラッ
チ装置の改良に関するものである。

まず、この種従来装置を第１図、第２図について説明す
る。即ち、第１図、第２図において、１は機関用始動電
動機のアマチュアシャフト、２はこのアマチュアシャフ
トの端部に設けられた４・歯車、３は上記アマチュアシ
ャフト１を回転自在に支承する軸受メタル、４は中間ブ
ラケットで上記〆タル３を介して上記アマチュアシャフ
ト１を支承する。５は大歯車で上記アマチュアシャフト
１の回転力を上記小歯車２を介して伝達する。

５ａはこの大歯車の内周に設けられた直線状スプラィン
、６はこのスプラィン５ａと噛合可能な直線状スプラィ
ン６ａを有する出力軸、６ｂはこの出力軸にその直線状
スプラィン６ａと違って形成されたヘリカルスプライン
、７はこのヘリカルスプラィン６ｂと噛合可能なヘリカ
ルスプラィン７ａを有し、外周部にピニオン移行用レバ
ー（図示せず）との係合部７ｂを有する筒状のスプラィ
ンボス、８はこのスプラィンボスの先端部に設けられた
筒状のクラッチアウタで、内周部に等間隔に４ケ所形成
された凹部８ａを有する。

９は円筒状のピニオン筒で、上記クラッチアウタ８の内
周部に挿入され、その凹部８ａとの間でくさび状空間１
０を形成するクラッチィンナ１１と、その他端部に形成
された機関駆動用ピニオン１２とを有する。

１３は上記くさび状空間１０内に各々装着された円柱状
のローラで、そのくさび状空間１０内を転動して上記ク
ラッチアウタ８と上記クラッチインナ１１との連結状態
を制御する。

１４は上記クラッチアゥタ８の内周部に装着され、上記
ローラ１３を常にくさび状空間１０の狭くなる方向に押
圧するスプリング、１５は上記クラッチアウタ８と上記
クラッチィンナ１ １とに跨って装着された係止用ワッ
シヤで上記。

ーラ１３の軸万向への飛出しを防止している。１６は上
記ローラ１３の潤滑用グリース（図示せず）の漏れ等を
防止するりング状のゴムバツキン、１７はこのパツキン
、上記クラッチアゥタ８の外周部にかしめ付けられたカ
バーで上記ゴムパッキン１６、係止用ワツシャ１５を圧
着して上記クラッチアウタ８、０ーフ１３、クラッチイ
ンナー１を１体的に保持するものである。

１８は上記出力軸６と上記ピニオン筒９との間に装着さ
れた軸受、１９は機関のリングギアで上記ピニオン１２
により回転駆動される。

この種従来装置の動作は周知の如く、機関の始動に際し
、図示しない電磁スイッチが付勢すれば、スプラィンボ
ス７の係合部７ｂに係合されたピニオン移行用レバー（
図示せず）により、スプラインボス７、クラッチ部、ピ
ニオン１２はへりカルスプラィン６ｂに沿って右方へ螺
動され、ピニオン１２と機関のリングギア１９とが噛合
する。これと略々同時に、始動電動機の各コイルにも通
電され、アマチュアシャフト１が回転駆動される。アマ
チュアシャフト１の回転力は小歯車２から大歯車５、大
歯車５内周に設けられたスプラィン５ａ，６ａを介して
出力軸６に伝達され、出力軸６に設けられたヘリカルス
プラィン６ｂからこれに係合するスプラィン７ａを有す
るスプラインボス７に伝達され、スプラィンボス７と一
体なるクラッチアウタ８、ローラ１３、クラッチインナ
ー１を介してピニオン１２へと伝達される。従って、ピ
ニオン１２と機関のリングギア１９は噛合しているので
機関のｌｊングギア１９は回転駆動され、機関を始動さ
せる。機関が完全に始動し、ピニオン１２の回転が始動
電動機による回転以上になっても、クラッチアウタ８の
凹部８ａとクラッチインナー１との関係と、その間のく
さび状空間１０内に装入されたローラー３との作用によ
り、クラッチアウタ８とクラッチィンナ１１との結合が
解かれてピニオン筒９のみが空転し、アマチュアシャフ
ト１の高速回転を防止する。

ところで、上記の従来構造では、アマチュアシャフト１
の回転を減速する大歯車５、オーバランニングクラツチ
を構成するスプラィンボス７、係止用ワツシャ１５、パ
ッキン１６、カバー１７、ピニオン筒９、及び出力軸６
を各々設ける必要があり、従って、それらの製作に手数
を要し、生産性が悪くなる欠点が生じていた。

この発明は上記の欠点を解消することを目的とし、以下
に述べる優れた機関用始動電動機のオーバランニングク
ラツチ装置を提供するものである。

以下、第３図、第４図に示すこの発明の一実施例につい
て説明する。

即ち、第３図、第４図において、２川ま筒状部材で、外
周部には上記アマチュアシャフト１の小歯車２と噛合可
能な大歯車２０ａを、内周部には鞍合部である凹部２０
ｂを有している。

この凹部２０ｂはその円周方向には傾斜面を有し、その
円周上等間隔に４箇所形成されている。２１は上記筒状
部村２０内に挿入され、しかも上記中間ブラケット４、
上記筒状部材２川こ軸方向移動可能に支持された出力軸
で、その外周部にはピニオン移行用レバーとの係合部２
１ａと、機関駆動用ピニオン２２とを有する。

又、この出力軸２１は上記筒状部材２０の凹部２０ｂと
の間でくさび状空間２３を形成している。２４は上誌く
さび状空間２３内に各々軸方向にも円周方向にも複数個
装着された球体からなるローラで、上記くさび状空間２
３内を転動して上記筒状部材２０と上記出力軸２１との
結合状態を制御すると共に、上記出力軸２１を軸方向移
動可能にするものである。

２５は上記ローラ２４を常に上記くさび状空間２３内の
狭４・方向に押圧するスプリングで、全周に亘り４個装
着されており、各々軸方向に並設された複数個の上記ロ
ーラ２４を、そのくさび状空間２３の狭小方向に押圧す
るため帯状に形成されている。

次にこの実施例の動作を説明する。機関の始動時にはま
ず、出力軸２１の係合部２１ａと係合した図示しないピ
ニオン移行レバーにより、出力軸２１が右方向へ押圧さ
れる。

これに伴い、出力軸２１‘ま、くさび状空間２３内にお
けるスプリング２５に抗した球体からなるローラ２４自
体のころがり作用により軸方向に移動され、ピニオン２
２が機関リングギア１９に噛合される。これと略々同時
に始動電動機が回転駆動され、この駆動力はアマチュア
シャフト１、小歯車２〜大歯車２０ａを介して筒状部材
２０に減速して伝達される。

この時、ローラ２４はくさび状空間２３の狭小方向に位
置保持されているので、筒状部材２０と出力軸２１はロ
ーラ２４を介して結合状態にあり、従って筒状部材２０
の回転力はローラ２４を介して瞬力軸２１に伝達される
のでピニオン２２は機関リングギア１９を回転駆動させ
て機関を始動させる。

また、出力軸２１が右方向に移動され、ピニオン２３が
機関リングギア１９に当接して噛合しない場合、図示し
ないピニオン移行レバーのみが図示しない電磁スイッチ
の電磁力により一方向に移動して、電磁スイッチの接点
がオンして始動電動機に小電流を流し、そのため、始動
電動機が低速で回転するので、ピニオン２２が回動され
、機関リングギア１９と完全噛合する。このピニオン２
２と機関リングギア１９との完全噛合により、始動電動
機に大電流が通電され始動電動機がピニオン２２を介し
て機関リングギア１９を回転駆動させて機関を始動させ
る。この後機関が完全に始動し、筒状部材２０の回転数
より出力軸２１の回転数が高くなると、出力軸２１が筒
状部材２０１こ対してその回転方向に回動する。これに
伴い、ローラ２４が各々くさび状空間２３の舷開方向に
転動するので、筒状部材２０と出力軸２１との結合が解
かれ、筒状部材２川ま空転してアマチュアシャフト１の
オーバランは防止される。即ち、この実施例にあたって
は、筒状部材２０の外周部に大歯車２０ａを形成し、そ
の内周部には出力軸２１の外周とによってくさび状空間
２３を形成する凹部２０ｂを設けているので、従来の如
く大歯車５、スプラィンボス７は不要となる。又、出力
軸２１に従来のクラッチィンナ１１の作用を行なわせて
おり、しかもローラ２４を球状にし、くさび状空間２３
内にも円周方向にも複数個装着して出力軸２１を軸方向
へ移動可能にしているので、従来のクラッチィンナ１１
並びに出力軸６に形成されたヘリカルスプラィン６ｂも
設ける必要がなくなる。更に、各ローラ２４はくさび状
空間２３内において、円周方向に対しては帯状スプリン
グ２５により、軸方向に対しては筒状部材２０の両端部
により各々移動が規制されているので、従来の如く孫止
用ワツシヤ１５、パツキン１６、カバー１７も必要とし
ない。

以上の様にこの発明は、外周部に機関用始動電動機の駆
動軸の歯車に直俵噛合された減速歯車を有し、内周部に
接合部を有する筒状部村と、この筒状部材の鉄合部内に
挿入され、その鉄合部との間に複数のくさび状空間を形
成する出力軸と、その各くさび状空間内に各々藤方向へ
複数個装着され出力軸と筒状部材との結合状態を制御す
ると共に出力軸を筒状部材に対して軸方向移動可能に支
持する球体とから構成するようにしているので、従来装
置の如く大歯車、クラッチィンナ、スプラインポス、係
止用ワツシヤ、パツキン、カバー、ピニオン筒、及び出
力軸に形成されるスブラィンを設ける必要がなくなるの
で、製作が簡略化し得、生産性が向上する利点を有する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す断面図、第２図は第１図の０ー
ロ線断面図、第３図はこの発明の一実施例を示す断面図
、第４図は第３図のＷ−Ｗ線断面図である。 図中、１はアマチュアシャフト、２は小歯車、１９は機
関リングギア、２０は筒状部村、２０ａは大歯車、２０
ｂは蕨合部、２１は出力軸、２１ａは係合部、２２はピ
ニオン、２３はくさび状空間、２４はローラ、２５はス
プリングである。 尚、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。第１図第
２図 第３図 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機関用始動電動機の駆動軸の歯車に直接噛合された
   減速歯車を外周部に有し、内周部に嵌合部を有する筒状
   部材、この筒状部材の嵌合部内に挿入され、上記嵌合部
   との間に複数のくさび状空間を形成する出力軸、上記各
   くさび状空間内に各々軸方向へ複数個装着され、上記出
   力軸と上記筒状部材との結合状態を制御すると共に上記
   出力軸を上記筒状部材に対して、軸方向移動可能に支持
   する球体、及び上記各くさび状空間内に各々装着され、
   上記各球状体を各々上記くさび状空間の狭少方向へ押圧
   する弾性体を備えた機関用始動電動機のオーバランニン
   グクラツチ装置。