JPS6043788B2 - 凹凸模様を有する化粧シ−トの製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は凹凸模様を有する化粧シートに関するものであ
り、詳しくは樹脂浸透性の良好な基材シートの表面に樹
脂の浸透を阻止する模様を部分的に設け、模様の部分は
樹脂が基材シートに浸透せすに表面に残ることによつて
凸部を形成して凹凸模様を得るものである。

凹凸模様を有する化粧シートは従来より種々製造されて
いるが、それらの多くは加熱発泡剤を用いたり、特殊な
薬剤を用いて樹脂の硬化速度に部分的に差を設けるとい
う手法によつている為に、高価な薬剤を使用することに
よるコスト高、未発泡の発泡剤や樹脂の硬化抑制剤の残
留による物性の低下等の問題を有していた。

本発明は以上のような欠点を解消し、特殊な薬剤を使用
することなく、平易な手法を用いて凹凸模様を有する化
粧シートを製造する方法を提供するものである。

以下本発明を詳細に説明する。

まず、透明紙、チタン紙等の紙、不織布等の樹脂浸透性
の良好なシートの表面に、樹脂の浸透を阻止するインキ
で所望の模様を施す。

この樹脂の浸透を阻止するインキは、具体的にはビニル
系、塩化ゴム系、ポリオール系、アクリル系等の皮膜形
成を行ない易い合成樹脂をバインダーとしたインキであ
る。

所望の模様は樹脂の浸透を阻止するインキのみで施して
も良ιル、通常のインキと組み合わせて用いて施しても
良い。

所望の模様は、木目模様、抽象柄模様、幾何学模様、布
目模様、大理石模様、石目模様、その他の内から任意に
選択する。

次に、所望の模様を施してシートの上から、ロールコー
ト、グラビアコート、スプレーコート、フローコート、
スクリーンコート、その他の方法によつて合成樹脂を塗
布する。

塗布された合成樹脂は、樹脂の浸透を阻止するインキの
上にのつた分は、そのままインキ層の上に樹脂層を形成
し、その他の部分の上にのつた分はシートの内部に浸透
するので、樹脂の浸透を阻止するインキの上が凸部とな
りその他が凹部となつた凹凸状の樹脂層が形成される。
使用する合成樹脂としては、ウレタン系、アミノアルキ
ッド系、アクリル系、エポキシ系その他・の樹脂等の広
範囲の樹脂が使用可能である。

樹脂の塗布量は用いるシートの種類によつてその適量の
範囲が変動するが、一般には２０〜３０ｇ／ゴが良好で
、１０ｇ／ゴ以下では十分な凹凸差が得られず、４０ｇ
／イ以上では樹脂がシートに浸透しきれずにシート表面
に残る分が多くなり、凹凸が形成されなくなる。合成樹
脂は下層の模様が透視できるように透明なものを用いる
必要があるが、染料や透明顔料を用いて着色透明とした
ものを用いることも可能である。

又、異なつた色に着色した２種類以上の合成樹脂をスプ
レーコート法によつて塗布すれば、凹凸形状を有し、か
つ縞模様状の樹脂層を形成することができる。

以上のような本発明の方法によれば以上のような効果を
得ることができる。

１模様に同調した凹凸を容易に形成することができる。

２硬化抑制剤等の特殊な薬剤を使用していないのでコス
トが安く、又、物性の低下の心配もない。３透明感があ
り、深みのある高級惑を持つた凹凸を形成することがで
きる。

〔実施例１〕 坪量８０ｇ／ｄのチタン紙に通常インキと塩化ビニル系
インキＶＣＦＬ（東洋インキ製造（株）製）とを用いて
チーク柄木目模様を印刷し、その上からアクリル系エマ
ルジョン型樹脂を２０ｇ／ｄ塗布し、乾燥硬化させたと
ころ、通常インキの模様の部分が凹部となり塩化ビニル
系インキの模様の部分が凸部となつた化粧シートを得た
。

〔実施例２〕 実施例１と同じ木目模様印刷紙の模様面に、各々黄色と
赤色に着色した２種類の着色透明なアクリル系樹脂を、
チタン紙の走行方向に対して直角に並べた２柵のスプレ
ー装置を用いて、隣のスプレー装置からは必ず異色の樹
脂を噴霧するようにして塗布し、乾燥させたところ、凹
凸差の他に縞模様を有する樹脂層が形成された化粧シー
トを得た。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 紙、不織布等の樹脂浸透性の良好なシートの表面に
   、樹脂の浸透を阻止するインキで所望の模様を施し、次
   いでその上から合成樹脂を塗布して前記模様を施してい
   ない部分からのみ該合成樹脂を前記シートの内部に浸透
   させることによつて、前記模様の部分を凸部とし、その
   他の部分を凹部とすることを特徴とする凹凸模様を有す
   る化粧シートの製造法。