JPS6043105B2 - 即席油揚げ様食品類 - Google Patents

即席油揚げ様食品類

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JPS6043105B2
JPS6043105B2 JP52054844A JP5484477A JPS6043105B2 JP S6043105 B2 JPS6043105 B2 JP S6043105B2 JP 52054844 A JP52054844 A JP 52054844A JP 5484477 A JP5484477 A JP 5484477A JP S6043105 B2 JPS6043105 B2 JP S6043105B2
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dough
water
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fried tofu
tofu
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Kibun KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、大豆蛋白を基材とするペースト状材料に魚
肉すり身を混練した生地および必要によつてはこの生地
に調味料や具を添加したものを、高周波加熱にて海綿状
に膨化乾燥させ、さらに油中加熱にてきれいな揚げ色と
香ばしい風味を付与することによつて得られるところの
、乾燥状で保存性が高く、吸水がきわめて速い即席油揚
げ様食品類に関する。
食生活の多様化に伴なつて、即席ラーメンを始めとす
る多くの即席食品が市場に登場してきた。
即席食品の魅力は何といつても好きな場所および好きな
時間に熱湯を注ぐ程度で誰にも手軽にできるという便利
さにあり、場合によつては日持ちのよい保存食、低カロ
リー食、低栄養食、軽食、間食などとして広く愛好され
てきた。しカルながら手軽さや便利さゆえの物足りなさ
が即席食品にはあり、最近では手造りのあたたかさを惑
じさせるものを求める傾向が強まつてきている。手造り
のあたたかさ、すなわち家庭的でおふくろの味を思わせ
るような代表的なものとして長い間広く親しまれてきた
日本の伝統的食品であるおしるこ、ぜんざい、ぞうに、
赤飯、きつねうどんなどが即席化されて市場に出まわり
好評を得ているのはその傾向の現れともみることができ
る。 さて、日本の伝統的食品の一つである油揚げや雁
もどきのような大豆蛋白を利用した油揚げ類についてみ
るならば、安価で最も身近にある大衆的食品であり、ソ
フトで滑らかな独特の食惑と香ばしい風味および旨味を
持つているが、もう一方の伝統的大豆蛋白利用食品であ
る豆腐とは異なつて’それ自身そのまま食事に供される
ことは少なく、みそ汁の具、稲荷寿司、きつねうどんや
きつねそば、おでんの様な煮物料理として調整される。
みそ汁の場合にはそのままきざんで入れてやればよいが
、寿司や麺類用には油揚げを砂糖、しよう・ゆ、みりん
など調味料の入つたた七汁で気長に煮詰めてやらなけれ
ばならず時間のかかるものである。本発明者は、手軽に
つくつて食べられるよう油揚け類を即席化すべき価値を
見出し、必要に応じあらかじめ味付けや具入りがなされ
ていて、凍豆腐やユバの様に乾燥状態で保存性が著しく
高く、吸水がはやく水戻りしやすい即席油揚け類を提供
するため研究を重ねてきた。従来、油揚げ類を用いた即
席食品としては熱湯を注ぐだけで食べれるきつねうどん
があり市販されているが、これに用いられている味付乾
燥油揚げは、周知のごとく豆腐あるいは大豆蛋白ペース
ト状材料から調製した生地を110℃付近の低温油中加
熱にて海綿状に膨化伸展させる1のばしョの工程とつい
で160〜180℃付近の高温油中加熱にて海綿状組織
を固定化し張りをもたせると同時に揚げ色と風味を付与
する1からしョの工程からなる通常の油中二段加熱法に
よつて製造された油揚げを、熱湯あるいは水蒸気を用い
て油抜きし、濃厚な調味液に十分に浸して味付けをした
後、主として凍結乾燥法により乾燥させたものであるが
、製品は段ボール紙やわら半紙の様なくすんだ灰茶色で
手造りのほんものとはほど遠く食欲を減するような色を
していること、乾燥状態では外圧や衝撃て割れたり砕け
たりしやすいこと、吸水力や水戻りに難点のあること、
吸水させて戻したものではちぎれやすく弾力性や結着性
が足りないこと、食感は油揚げというよりは麩に近いこ
となど、従来の手造りのものにくらべて品質的に著しく
問題がある。
また製造工程からみても、上記のごとく複雑で多くの手
段と時間を必要とするためもともと安価な油揚げが味付
けによつてかなりコスト高と.なり、安価供給するため
には望ましい製造方法ということはできない。近年油揚
げ類の製造法は、大豆から豆乳を抽出するかわりに豆乳
粉末や精製した大豆蛋白を原料とし、1のばしョ工程に
おける膨化伸展性を向上.させるのに生地に多リン酸塩
を添加し、また自動的に1のばしョと1からしョの油中
二段加熱ができる機械装置にて油揚げするなど、多くの
手間と熟練を要した伝統的な手造りの製造法にくらべ著
しく簡素化および省力化され、一定した品質のも−のが
量産されるようになつてきた。
しかしながら、これまでの技術開発は、勘と経験を必要
とするため難しいとされていた製造法を如何に克服して
量産できるようにするかに主力が注がれ、たとえば稲荷
寿司やきつねうどん用に味付けされた油揚げを生地にあ
らかじめ必要な調味料を添加して製造するといつた新た
な展開がなされるまでには至つていない。その主な理由
として、まず味付けの問題について触れるならば、食感
などの点から油揚げとして求められる生地の膨化伸展度
はタテ×ヨコの面積として3〜4倍の大きさであるがそ
の膨化具合は生地の状態によつて微妙に影響を受け、こ
とに味付油揚げと同様の濃厚な調味料を生・地にあらか
じめ添加した場合には、ふくらみすぎたり保水性や結着
性の低下を生じて弾力性のあるソフトで滑らかな食感が
失われるなど均一で良好な海綿状膨化構造は得難いこと
、また調味料のため加熱により褐変が著しく起ること等
、生地の段階て味付けを済ませて製造工程を短縮するに
は多くの難題を伴う。次に即席食品とする場合の乾燥と
水戻りの問題であるが、凍結乾燥法では乾燥コストが割
高となること、その他の加熱を主体とした乾燥法では油
揚げ類中の水分の分布および蒸散速度が均一ではないた
め乾燥むらを生じ局部的にこげたり著しく褐変したりし
やすいこと、もともと油揚げ類は加熱変性途上にある蛋
白質が皮膜様に伸展しつつ海綿状に膨化し固化したもの
てあつて表面や内部の皮膜をそれ自体多孔性に富むわけ
ではなくまた厚さも一定してはいないためいずれの乾燥
法によるものであろうとごく短時間にしかも均一に吸水
する水戻りのすぐれたものを得にくいこと等が認められ
、従来の油揚げ類を乾燥させたのでは即席食品に適した
ものとはならない。本発明者は、上記のごとく従来の油
中二段加熱法を主体とした製造法ては即席食品用として
良好な油揚げ類が得られないことに気付き、種々検討を
重ねた結果、これまでとは全く異なつた高周波加熱法を
主体とする新たな製造法およびこれに適した生地調製物
を開発することによつて従来の製造法における多くの難
題を克服し、即席用として最も適した乾燥状かつ必要に
応じて味付けや具の添加がなされている油揚げ類を非常
に簡易で安価に製造することに成功した。以下、本発明
によつて得られた即席油揚げ様食品類の特徴をあられす
物性等について詳細に説明する。
本発明における代表的な例として(4)実施例1によつ
て得られた即席油揚げ様食品および(B)実施例3によ
つて得られたきつねうどん用の味付即席油揚げ様食品、
これらの比較対照として(C)豆腐を油中二段加熱させ
た従来の製造法による市販の油揚げ、(9)市販の油揚
げを熱湯で油抜きし、しようゆ4部、砂糖5部、だし汁
20部からなる調味液500CCに対しこの油揚げ4枚
を入れ、弱火にて煮汁が3分の1となるまで24分間煮
込んだきつねうどん用の味付油揚げ、(E)市販の即席
きつねうどんに使われている味付乾燥油揚げを中心とし
て、次に記す1〜4について測定し比較評価した。
吸水量測定の場合、(C)と(9)は水分が10.0+
0.1%となるように家庭用電子レンジで乾燥したもの
を用いた。CA),(B),(E)の乾燥状態における
水分は、順に9.7,9.3,8.6の各±0.1%で
あつた。1揚げ色について 色差計により測定した色に関する彩度係数aとbおよび
明度係数Lの値を第1表に示した。
本発明による即席油揚げ様食品はいずれも、乾燥状態ば
かりでなく水戻し後でも明るくきれいで食欲を促すよう
な揚げ色をしており、ことに(E)と比べて格段にすぐ
れていた。膨化乾燥しただけでまだ油で揚げる前は、囚
の場合でa=ー2,b=+17,L=70,(B)の楊
合でa=ー1,b=+17,L=66で、ともに淡い黄
灰白色をした白つぽい色をしており、油で揚げる温度と
時間を変えることによつて消費者ニーズに合わせた好み
の揚げ色にすることが容易であつた。2吸水性および保
水性について 乾燥状態のものを、いずれも切つたりはせずに全体を1
枚ずつ水につけて自然吸水させた。
一定時間ごとに引き揚げ、残つた水の重量から換算して
みかけの吸水量を求めた。みかけの吸水量とは、乾燥固
形物自身に浸透した水、皮膜空胞内の水および表面に付
着した水を合計したものである。熱湯を注いだ場合には
(E)のごとくおそいものでも数分以内に水戻りするが
、注ぐ水の温度を低くするにつれ吸水し水戻りする速度
に顕著な差があられれた。
20℃と60℃の場合について、以下に吸水速度曲線、
第2表に吸水率を示した。
(4)および(B)で明らかなように本発明による即席
油揚げ様食品はいずれも、(C)〜(E)のような乾燥
油揚げの類にくらべて吸水速度が非常に速く、60℃の
温水で2〜3分、20℃の水でも数分で十分に食べられ
るほどに戻り、冷たい水で即席に戻して利用することの
できるものであつた。
これに対して、たとえば即席食品に利用されている(E
)の場合は、60℃で少なくとも7〜8分を要し、温度
が低くなるにつれ非常に水戻りが悪くなり、20℃では
9紛浸漬しても中心部にまだ芯が残つていて食するには
不十分であつた。十分に吸水させた時のみかけの吸水量
は、(E)で−は乾物の2倍、その他では3倍前後であ
つた。
空胞中および表面付着分の水を圧出して除いたあとの乾
物自身の真の吸水量は、(4)および(B)では乾物と
ほぼ同重量の0.9〜1.皓なのに対し、(C)と(2
)では0.4倍、(E)では0.3倍でしかなかつた。
このこと.から乾燥油揚げの類にくらべて本発明による
ものは、単に吸水速度が速いだけではなくて乾物自身の
吸水率すなわち保水性がかなり良く、ソフトでしなやか
な食感を与えるうえで大変好ましいもの”であつた。3
結着性について 引張り強度試験法により結着性について調べた。
乾燥物はいずれも60℃の温水に1紛間浸漬して戻した
あと水を切り、20×70wtに裁断したものの両端各
10Tfrfnをクリップではさんで一方をつりさげ、
室温(21゜C)にて毎分10yの割合で荷重を加えた
。大部分は中心からおよそ3分の2以内で切れ、両端を
はさんだところから切れるのはまれであつた。切れ始め
るまでの荷重および伸び率の平均値を第3表に示した。
本発明によるものは引張り強度が強く、(C)のような
従来の油揚げの1.3〜1.4倍、これを煮込んで味付
けをした(2)の1.7〜1.8倍、即席食品に使われ
ている(E)の2.0〜2.1倍の荷重で切れはじめ、
その時の伸び率はこれらのものにくらべて小さく、従つ
て結着性に大変すぐれており破れたり型くずれしたりし
にくい性質のものであつた。膨化乾燥しただけでまだ油
で揚げる前のものは、従来の油揚げより1割程度高い結
着性を有したもので、切れ始めるまでの荷重が230〜
240f1伸び率が1.42〜1.お倍であるが、これ
を高温油中加熱することで蛋白質の加熱変性がさらに一
段と1すすみ、3割近い引張り強度の増加とそれに伴つ
て伸び率が減少しいわゆる強い張りのあるすぐれたもの
となつた。
4物性と食感について レオロメーターにより1硬さョ、r凝集性ョJ弾2力性
ョを測定し、食感その中でもこれら三つの要素をかけあ
わせた1そしやく性ョについて評価した。
測定は、飯尾電気RMT−1380轢レオロメーター、
巾17rf!!Lのクサビ状感圧軸、室温(21℃)に
て、乾燥物は3と同様に水戻しものを用いて行な2つた
。本発明によるものは、第4表に示すように、硬さ、凝
集性、弾力性、そしてそしやく性のいずれかが、(C)
の従来の油揚げとほとんど同じであり、即席食品に使わ
れている(E)と比べると格段にすぐ.れていた。
これら食感に関する物性が従来のものと比較して少なく
とも機械測定でとらえられるほどの明らかな差がなく非
常に類似していたということは、食感的にみて、本発明
による新規な食品に何ら異和感を与えないすぐれたもの
であること.を裏付けている。以上1から4までの測定
を、ビニール袋に入れて封をした簡易包装状態で23℃
にて2ケ月間保存したものについても行なつたが、本発
明によるものはいずれも明らかな変化はなく保存性の高
いものであることが認められた。
すなわち本発明は、加熱凝固性を有する分離または濃縮
大豆蛋白を粉末として1皓、油脂6〜10部、水または
豆乳30〜旬部、および澱粉または小麦粉1〜2部の配
合物からなるペースト状物100部に対して加熱凝固性
を有する魚肉すり身を結着力に応じて5〜(至)部均質
に混練したもの、また必要に応じてさらに調味料や具を
添加したものを生地とし、成形後または成形しつつ、高
周波加熱にてこれらの生地を海綿状に膨化させると共に
その形状が冷却後も保持されるように乾燥後、高温の油
中加熱にて好ましい揚げ色および風味を付与することを
特徴とするものである。
油揚げ類が有している海綿状膨化構造は、高周波で生地
の外部と内部を同時に加熱することにより形成される。
これは生地内の水分が蒸散する際に、加熱変性途上にあ
る蛋白質が高温伸展性を発揮して薄い皮膜状に膨化伸展
されるためであり、オープン加熱のような外部加熱法で
は十分に形成されにくい。膨化により生じた海綿状構造
を冷却後もしぼませずに保持させるためには、そのまま
高周波加熱をつづけ、残存水分が好ましくはO数%にな
るまで乾燥させることが必要である。乾燥した凍豆腐や
ユバと同等の高い保存性をもたせるためには、10%付
近の水分となるまでさらに乾燥をつづけてやればよい。
なお、生地を膨化乾燥させる際、生地の上に生地付着防
止をほどこした非金属性の板状物をかぶせるかあるいは
生地をのせた台との間に一定の間隙を与えることにより
生地は上方への膨化がさまたげられ、そのかわり油揚げ
類製造の1のばしョ工程でみられるような水平方向への
膨化伸展性を増大させることができる。この様に膨化状
態を規制して方向性をもたせることは、従来の油揚げ類
がもつているそしやく性にすぐれた食感および外観を与
える点で重要である。次に、膨化乾燥させた海綿状構造
物を、160℃付近の高温油中で好ましい揚げ色がつく
まで加熱する。
加熱時間は15〜20秒程度の短時間でよく、この時に
、揚げ色とともに油揚げ類の風味が付与され、また蛋白
質の加熱変性がさらにすすんで一段と結着力が増加しい
わゆる張りのあるものとなる。魚肉すり身が練り込まれ
ているため、たとえばタラすり身であればかまぼこを焙
焼してやき板かまぼこを製造する際のスルメに似た香ば
しさがあられれ、水戻ししても乾燥食品特有のひなたく
ささすなわち乾燥臭を感じさせない。この様にして得ら
れた海綿状膨化乾燥物は、表面および内部皮膜に水分が
蒸気となつて抜け出した跡の微小孔が無数にあるため吸
水が速く、温湯で2〜3分間、水でも数分間浸漬するぐ
らいで十分に吸水しこて戻り、張り、結着力、食感、色
沢、風味ともにすぐれた油揚げ様食品となる。本発明を
実施するにあたつて、高周波加熱と油中加熱を同時に行
なうこともできるが、乾燥食品として流通できるものに
するためには生地の重量3の半分余りに相当する多量の
水分を油中で蒸散させることから油の汚れが著しくなる
こと、生地の膨化しすぎや揚げ色のつきすぎを防ぐため
には油の温度を低めにして1のばしョおよび1からしョ
工程を行なわなければならず風味など品質的に良4好な
ものは得にくいこと、機械装置力塙温になることなど幾
つかの難点が伴うため、必ずしも好ましい方法とはおえ
ない。
ところで本発明において、高周波加熱により油揚げ様の
ソフトで滑らかな食感をもち結着力のある均質な海綿状
膨化構造物を得るためには、生地の調製が最も重要であ
る。
本発明者は、高周波加熱に対する大豆蛋白と魚肉蛋白の
膨化伸展性についてくわしく調べ、ユバ皮膜状の食感を
もつた海綿状膨化構造を与える大豆蛋白に、これよりも
非常に薄くしなやかで滑らかな海綿状膨化構造を与える
魚肉蛋白を少量組み合せることで解決した。その最も適
した生地調整物は、大豆蛋白を基材とした配合物からな
るペースト状材料100部に対し、魚肉すり身を結着力
に応じて5〜(至)部混練したものである。例えば、結
着力の強いSA級タラすり身の場合には5・・−1娼、
比較的結着力の弱いC級タラすり身やイワシ、サンマ、
サバなどの魚.肉すり身の場合には20〜(至)部加え
ることができる。また旨味は少ないが結着力の強い魚肉
すり身と結着力は弱いが旨味のある魚肉すり身とを組み
合せて用いるのもよく、加熱凝固して結着力をあられす
ものであれば魚種やすり身の製法に限定さ・れない。い
ずれにせよ、上記の混合範囲をこえて添加した場合には
(膨化伸展性が著しく増大して乾燥皮膜がもろくくずれ
やすくなり、また焦げ始めるぐらいまで膨化乾燥を行な
つても海綿状小胞皮膜が薄くなりすぎて冷却すると小胞
内の陰圧に耐えられずクシヤクシヤに丸めた紙くずの様
に著しく収縮してしまう。この混合範囲より添加量が少
ない場合には、皮膜は厚めでユバ状の食感となり、油揚
げ類が有するソフトで滑らかな食感は得られない。なお
、油揚げ類の製造において魚肉すり身を混練したものは
、本発明を除いてこれまで例がなく、全く新規なもので
ある。本発明で用いる大豆蛋白を基材としたペースト状
材料において、大豆蛋白とは、加熱凝固性を有する分離
および濃縮大豆蛋白を意味するもので、いずれの精製度
の大豆蛋白を用いてもよく、ただどちらかというと、分
離大豆蛋白を用いた場合は組織がより均質で結着力が強
く吸水の速いもの、濃縮大豆蛋白を用いた場合は揚げ色
がよく旨味や風味の濃いものを得やすい。
油脂は、食感をソフ1・で滑らかにするとともに風味を
向上させる。その種類は、大豆油をはじめ、コーン油、
なたね油など液状で不飽和脂肪酸に富むものおよびパー
ム油、ヤシ油、ラードなど半固形状や固形状で不飽和脂
肪酸が少なく酸化変敗されにくいものいずれでも目的に
応じて使用できるが、ただ乳化剤ことに親油性のものを
含む場合には生地が膨化伸展しすぎたり食べた時に油つ
ぼさを感じさせるので、かような乳化剤が含まれていな
い精製された新鮮な油脂を選ぶことが望ましい。さらに
、澱粉または小麦粉を少量配合することにより保形性や
色沢が増してくる。水は、大豆蛋白に対して3〜4倍が
最適である。分離大豆蛋白を用いた場合には、大豆加工
食品がもつている旨味や風味が足りなく、揚げ色も好ま
しくはないため、水のかわりに豆乳を使用するとよい。
この場合の豆乳は、加熱処理したもの、またはしないも
の、大豆臭を除去したもの、またはしないもの、オカラ
を除去せずに高圧ホモゲナイザー等で均質な液状に強制
分散させたもの、あるいは豆乳粉末を水に分散させたも
のいずれでもよく、固形分は3〜4%程度の比較的低濃
度にした方が含有しているレシチンの強い乳化作用によ
つてひき起されるとみられる生地のふくらみすぎをさけ
るためによい。これらの他に、多リン酸塩、ソルビツト
等の品質改良剤を添加することにより、膨化伸展性およ
び水戻しした時の吸水性をさらに向上させることができ
る。また、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコレ
デルタラクトンのような凝固剤やベーキングパウダーの
ような膨張剤を用いて、膨化の過少や速さをある程度コ
ントロールすることが可能である。本発明におけるもう
一つの大きな特徴は、生地にあらかじめ濃縮な味付けや
加熱変色しやすい具でも添加できることにある。たとえ
ば、即席きつねうどんに用いる乾燥した味付油揚げは、
熱湯をさした時の味のバランスを保つために10%近い
砂糖と麺つゆの3〜4倍の濃い味付けをする必要がある
が、あらかじめ味付けした生地を従来の油中二段加熱法
で油揚げしたのでは著しい褐色をひき起す。そのため従
来の乾燥した味付油揚げは、油揚げを調味液で味付けし
た後乾燥する方法がとられているが、本発明によれば濃
厚な味付けをした生地を高周波加熱にて膨化乾燥しても
褐変はせず、次の油中加熱にて好ましい揚げ色を付与す
るだけでよいため、非常に簡易かつ短時間に即席性にす
ぐれた味付きの油揚げを製造することができる。生地に
具を入れたもの、これにさらに味付けがなされたもの、
いずれもが具をよくとらえて海綿状に膨化し、例えば円
形で厚めに成形されたものであれば外観が雁もどき状と
なる。稲荷寿司や野菜などを詰め込んだ煮物用等に中空
で袋状になつたものは、生地の厚さを薄くして2枚ある
いは必要によつてはそれ以上の枚数を軽く重ね、上方へ
の膨化防止板をかぶせて、そのまま高周波加熱にて膨化
乾燥させることにより著しく容易に得られる。
これは、高周波加熱した時に生地がまず周辺部からふく
らみはじめ、この時加熱変性途上にある蛋白質が付着性
を帯びてあたかも溶接されたかのように生地の周辺部同
志が強く結着し、重ねた生地間の空気や水蒸気は閉じ込
められて空間層を形成するため生地内面同志の付着が防
がれるからである。以下に本発明の実施例を示す。
実施例1 分離大豆蛋白1娼、豆乳粉末1部、大豆白絞油8部、馬
鈴薯澱粉1部、水35部をサイレントカツターにて1紛
間混練し均質なペーストとした。
次に、得られたペースト状物10娼に対し1級冷凍タラ
すり身を用部の割合で添加し、さらに5分間混練したも
のを生地とした。生地を任意の形状に成形し、テフロン
シートをはつた厚さ0.3cm1直径30c7n1重さ
63ダのボール紙を台と水平になるように生地の上にの
せ、家庭用電子レンジ(シャープ・ハイクツカー使用)
にて、取り出してもしぼまなくなるまで海綿状に膨化乾
燥させた。
加熱時間は、厚さ6m1t、タテ50?、ヨコ70m!
Rtl重さ21.1gの生地2枚で2分40秒であつた
。次に、この海綿膨化乾燥物を160℃のノ大豆白絞油
中でいわゆるキツネ色となるまで加熱した。得られた即
席油揚げ様食品は、大きさ7×75×1407TrIn
1重さ10.1y1水分9.7%であつた。
きれいな揚げ色と香ばしい風味を有し、色差計により測
夕定した色に関する彩度係数aとbおよび明度係数Lの
各値は、160℃の油中加熱時間が裏表合計20秒のも
ので、a=+2,b=+24,L=57であつた。表面
および内部の皮膜に微小孔が多数あるため水戻りが速く
、20℃の水でも数分でほぼ十分にフ戻つた。水戻しし
たものは、大きさが8×85×170Tf1m1重さは
、水からとりだして2時間放置し水が浸み出してこなく
なつた状態で39y1これを手で強く押さえて小胞内の
水をできるだけ外へ出し去つた状態(大きさはほとんど
変らず)で19yとなつた。弾力性および結着性があり
、食感はソフトで滑らかさに富んでいた。なお、多リン
酸塩を生地に対して0.2%程度添加することにより、
より均質な膨化構造のものが得られた。
このようにして得られた特に味付けがなされているわけ
ではない即席油揚げ様食品は、例えば細くきざんで即席
みそ汁の具として用いたりするのに適している。
乾燥状態のものをきざんだり変形させたい時は、半分に
折り曲げてもわれないほどのしなやかさが出てくる80
℃付近まであたためるか、油中加熱直後のあたたかい時
に行なえばよい。長期保存性を高めるのに、パーム油や
ヤシ油のような不飽和脂肪酸が非常に少ないものを油脂
として用いるのも一つの方法である。これらの油脂を用
いても膨化状態、吸水性や結着性など種々の物性、食感
、揚げ色にほとんど影響を与えなかつた。実施例2 実施例1において水35部と豆乳粉末1部を用いるかわ
りに、水に一晩浸漬した丸大豆を磨砕後、90℃で5分
間加熱して豆腐の風味を出させ、ろ過してオカラを除去
し固形分3.5%にした豆乳36部を用いた。
得られた即席油揚げ様食品は、実施例1のもの,と比べ
て、食感や外観など性状には差がないが、風味の点では
すぐれており、豆腐を原料として造つた油揚げがもつ風
味を高めることができた。
実施例3実施例1および2において調製された生地10
0,部に対し、砂糖8部と即席うどんつゆ用に調合され
た粉末調味料を飲食時のつゆの4倍濃度に相当するw部
を最後に添加し、サイレントカツターにて2分間混練し
て均質となるように練り込んだ。
味付けされた生地を、6×50×5『,14.3ダに.
成形し、実施例1および2と同様に生地の上に上方への
膨化防止板をのせ、この生地4枚に対し2分5(8間家
庭用電子レンジで加熱し海綿状に膨化乾燥させた。次に
、160℃の高温油中加熱にて揚げ色および油揚げ様の
風味を付与した。得られた味付即席油揚げ様食品は、7
×70×70WL,7.6q1水分9.3%で、味付け
されてないものの場合と同じく水でも数分で戻り、8×
83×83順、小胞組織内にも十分に水が含まれている
状態で29V1小胞組織内の水をしぼり出した状態で1
4yとなつた。
160℃で裏表合計1醗間油中加熱したものでa=+5
,b=+23,L=54となり、調味料が入つているこ
とから高温加熱すると色が付きやすくやや赤味がかつた
キツネ色となつた。
うどんつゆで戻しても明るい色沢の揚げ色を保持し、味
付けしたことによる物理的性状や食感の低下はほとんど
認められず、調味料を浸み込ませて乾燥した油揚げにく
らべ品質は格段にすぐれていフ た。 調味料として
は、うどんつゆの他に、そばつゆ、おでんつゆ、コンソ
メスープなど、また粉末状および液状のいずれでも使用
できた。
ただ同じ種類の調味料でもメーカーによつて原料配合組
成が若干異なるため、膨化乾燥した時に表面のシワが多
くなりすぎたり、油で揚げた時に著しく褐変したりする
ことがあるのであらかじめ適したものを選んでおく必要
がある。 いずれの調味料にせよ、これらは生地に軽く
練り込むようにして最後に加え、味付け後の生地はでき
るだけ早めに(好ましくは室温であれば2時間以内)高
周波加熱による膨化乾燥を行なつた方が、調味料の物理
化学的作用による膨化状態の悪化を防ぐうえで重要であ
つた。
実施例4 実施例3の生地を半分の厚さの3wnとしたものを二
枚重ねにして高周波加熱で膨化乾燥させることにより、
生地の周辺部同志が強く結着し重ね合わせた内側は結着
せずに袋状となり、稲荷寿司用の味付即席油揚げ様食品
が容易に得られた。
実施例5 実施例1〜3の生地に、青のり、ごま、粉チ
ーズ、グリンピース、ニンジン、えび、かに、おきあみ
、貝のむき身、貝柱、あるいは豚ひき肉など3 の具
を添加して混合し、家庭用電子レンジにて海綿状に膨化
乾燥後、160℃付近の高温油中加熱にて揚げ色と風味
を付与した。
得られたものは具をよくとらえて均質な海綿状に膨化し
ており、食感、揚げ色、風味、吸水性、結着性のいずれ
も良4.好であつた。たとえば生地を厚くして円形に成
形し、上方への膨化を軽くおさえる程度にして製造した
ものは、雁もどき状の外観を有し食感もそれに近いもの
であつた。 添加する具や調味料、成形の仕方、またで
きあがつた製品の調理方法によつて、伝統的食品のイメ
ージにとられれることなく洋風や中華風など好みのスタ
イルにすることができ、従来の油揚げ類にくらべてはる
かに調理性すなわち利用度が高く即席性にすぐれた食品
であることが知られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分離または濃縮大豆蛋白、油脂、水または豆乳、お
    よび澱粉または小麦粉からなるペースト状材料100部
    に魚肉スリ身5〜30部を混練した生地を調製し、成形
    後または成形しつつ、高周波加熱にて海綿状に膨化乾燥
    させ、さらに油中加熱にて揚げ物の色沢と風味を付与す
    ることによつて得られた即席油揚げ様食品類。 2 特許請求の範囲第1項において、生地に調味料およ
    び具を添加することによつて得られた、味付きおよび具
    入りの即席油揚げ様食品類。 3 特許請求の範囲第1項および第2項において、中空
    に膨化乾燥することによつて得られた袋状の即席油揚げ
    様食品。
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